JPH05129190A - X線露光用マスク及びそのブランク - Google Patents

X線露光用マスク及びそのブランク

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JPH05129190A
JPH05129190A JP12968491A JP12968491A JPH05129190A JP H05129190 A JPH05129190 A JP H05129190A JP 12968491 A JP12968491 A JP 12968491A JP 12968491 A JP12968491 A JP 12968491A JP H05129190 A JPH05129190 A JP H05129190A
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JP
Japan
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film
ray
antireflection film
pattern
ray exposure
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Application number
JP12968491A
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English (en)
Inventor
Fuminobu Noguchi
文信 野口
Shoji Tanaka
正二 田中
Tadashi Matsuo
正 松尾
Kinji Okubo
欽二 大久保
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】X線露光用マスクの透過支持膜において、アラ
イメント光の透過率が波長の少しの変化により干渉が発
生し、透過率が変化するのを防止することを目的として
いる。 【構成】枠体11と第1の反射防止膜2とX線透過支持
膜3と第2の反射防止膜4とX線吸収体パターン16か
らなっている。枠体11は周囲のみに形成されており、
非常に薄いX線透過支持膜3等を支持している。第1の
反射防止膜2とX線透過支持膜3と第2の反射防止膜4
は層状をなしており、一体となって枠体11とその枠体
により形成されている窓に張られて形成されている。X
線吸収体パターン16は窓部に形成されており、X線非
透過性の膜が窓上でパターン化されて形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はX線リソグラフィーに使
用するX線露光用マスク及びそれを作成するためのX線
露光用マスクブランクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、X線露光用マスクブランクとし
て、シリコン基板主面上にX線透過支持膜が形成され、
シリコン基板裏面上には耐薬品性の保護膜が形成された
もの、あるいは更に、該X線透過支持膜上にX線吸収膜
が形成されたものが用いられている。
【0003】これらのX線露光用マスクブランクは、例
えば前者ではシリコン基板裏面の保護膜の所望の部分を
除去し、バックエッチでX線透過支持膜のメンブレン窓
を形成し、しかる後、該主面上にめっき下地層を形成
し、更にその上に、ネガのレジストパターンを形成し、
このパターン間にAu等のめっきパターンを形成し、レ
ジストとその下のめっき下地層を除去し、X線露光用マ
スクとしている。あるいは又、後者では、X線吸収膜上
にポジのレジストパターンを形成し、これをマスクとし
てRIEでX線吸収体パターンを形成し、X線露光用マ
スクとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来のX線
露光用マスクブランクから得られるX線露光用マスクは
X線透過支持膜の膜厚干渉が発生し、透過率が低下する
場合がある。これは、アライメント光がX線透過支持膜
内で反射なしに透過する光と、X線透過支持膜内で復反
射して透過する光との間で干渉が発生する。この干渉
は、X線透過支持膜の膜厚と光の波長の関係で発生す
る。
【0005】ところが、透過光は外界の波長で400n
m乃至700nmの可視域の特定波長であるために、X
線透過支持膜の中で屈折率に対応して波長が変化しても
波長のオーダーまでは違わない。このため、X線透過支
持膜の膜厚の僅かな変動により、X線リソグラフィーで
使用される可視域の特定波長のアライメント光透過率が
大きく変動し、干渉を抑える為のX線透過支持膜の膜厚
の制御は容易ではない。以上の理由によりアライメント
信号が検出しにくい欠点がある。
【0006】更に、アライメント光透過性X線透過支持
膜の片側にX線吸収体パターンが形成されてその上に反
射防止膜を形成するのも考えられるが、これでは反射防
止膜を形成する際に既にX線吸収膜がパターン化して形
成されている為に反射防止膜の形成によって吸収体パタ
ーンの位置歪が発生する。しかも、反射防止膜の厚みが
一定にならないという欠点もある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような従来
技術の欠点を解決し、安定した高いアライメント光透過
率を実現するX線露光用マスク及びそのブランクを提供
するものである。
【0008】すなわち本発明はシリコン基板主面上に反
射防止膜が形成され、該反射防止膜上にアライメント光
透過性X線透過支持膜が形成され、更にその上に、反射
防止膜が形成され、シリコン基板裏面上には耐薬品性の
保護膜が形成されていることを特徴とするX線露光用マ
スクブランクであり、該X線露光用マスクブランクの所
望領域のシリコンを除去して形成したX線露光用メンブ
レンマスクブランクであり、シリコン基板主面上に反射
防止膜が形成され、該反射防止膜上にアライメント光透
過性X線透過支持膜が形成され、更にその上に、反射防
止膜が形成され、該反射防止膜上にX線吸収膜が形成さ
れ、シリコン基板裏面上には耐薬品性の保護膜が形成さ
れていることを特徴とするX線露光用マスクブランクで
あり、該X線露光用マスクブランクの所望領域のシリコ
ンを除去して形成したX線露光用メンブレンマスクブラ
ンクであり、アライメント光透過性X線透過支持膜の両
側に反射防止膜が形成され、主面の反射防止膜上にX線
吸収体パターンが形成されていることを特徴とするX線
露光用マスクである。
【0009】以下本発明を図にしたがって、詳細に説明
する。
【0010】図1は請求項1のX線露光用マスクの構成
を断面図で示したものである。
【0011】請求項1のX線露光用マスクは枠体11と
第1の反射防止膜2とX線透過支持膜3と第2の反射防
止膜4とX線吸収体パターン16からなっている。
【0012】枠体11は周囲のみに形成されており、非
常に薄いX線透過支持膜3等を支持している。第1の反
射防止膜2とX線透過支持膜3と第2の反射防止膜4は
層状をなしており、一体となって枠体11とその枠体に
より形成されている窓に張られて形成されている。
【0013】X線吸収体パターン16は窓部に形成され
ており、X線非透過性の膜が窓上でパターン化されて形
成されている。
【0014】図2は請求項2のX線露光用マスクブラン
クの構成を断面図で示したものである。請求項2のX線
露光用マスクブランクは基板1と第1の反射防止膜2と
X線透過支持膜3と第2の反射防止膜4と裏面バックエ
ッチ用保護膜5からなっている。各々の層は、裏面バッ
クエッチ用保護膜5、基板1、第1の反射防止膜2、X
線透過支持膜3、第2の反射防止膜4の順の積層となっ
ている。
【0015】図3は請求項3のX線露光用メンブレンマ
スクブランクの構成を断面図で示したものである。請求
項3のX線露光用メンブレンマスクブランクは基板がパ
ターン化されて窓部が形成されている枠体11とその枠
体11より窓部を含んで順に積層されている第1の反射
防止膜2とX線透過支持膜3と第2の反射防止膜4から
なっている。
【0016】図4は請求項4のX線露光用マスクブラン
クの構成を断面図で示したものである。請求項4のX線
露光用マスクブランクは基板1と第1の反射防止膜2と
X線透過支持膜3と第2の反射防止膜4と裏面バックエ
ッチ用保護膜5とX線吸収膜6からなっている。各々の
層は、裏面バックエッチ用保護膜5、基板1、第1の反
射防止膜2、X線透過支持膜3、第2の反射防止膜4、
X線吸収膜6の順の積層となっている。
【0017】図5は請求項5のX線露光用メンブレンマ
スクブランクの構成を断面図で示したものである。請求
項5のX線露光用メンブレンマスクブランクは窓部が形
成されている枠体11と、枠体11上に窓部を含んで順
に積層されている第1の反射防止膜2とX線透過支持膜
3と第2の反射防止膜4とX線吸収膜6からなってい
る。
【0018】各々の図における基板1には適度の剛性と
エッチング性のあるシリコンが最もよく使用される。枠
体11は基板1の所望部分を除去して得られる。
【0019】X線透過支持膜3はX線の吸収が少ない軽
元素化合物で、可視光透過性のあるものが使用できる。
このようなX線透過支持膜としては、例えば、SiN,
SiC,BN,等がある。
【0020】裏面バックエッチ用保護膜5はX線露光用
マスクブランクからX線露光用マスクを作成する際に、
その所望の部分を除去し、熱アルカリでシリコン基板を
エッチングするためのものである。このような裏面バッ
クエッチ用保護膜としては、例えば、SiN,SiC,
BN,等がある。
【0021】第1の反射防止膜2の材質はX線透過支持
膜の光学特性によって決定され、その膜厚はアライメン
ト光の波長によって決定され、具体的にはSiO2 ,M
gF 2 ,MgO,Al2 3 ,SiO,HfO2 ,Zr
2 ,TiO2 ,CeO2 ,ZnSの内の一種類の単層
膜または、二種類の二層膜からなる。
【0022】同じく、第2の反射防止膜4の材質もX線
透過支持膜の光学特性によって決定され、その膜厚もア
ライメント光の波長によって決定され、具体的にはSi
2 ,MgF2 ,MgO,Al2 3 ,SiO,HfO
2 ,ZrO2 ,TiO2 ,CeO2 ,ZnSの内の一種
類の単層膜または、二種類の二層膜からなる。
【0023】X線吸収膜6はX線吸収の大きい、Ta,
W,Au等からなっている。
【0024】X線吸収体パターン16もX線吸収の大き
い、Ta,W,Au等からなっている。X線吸収体パタ
ーン16は図2や図3のX線透過支持膜3上に周知のア
ディティブ方によって形成することができるし、あるい
は又、図4や図5のX線吸収膜6を周知のサブトラクテ
ィブ法によって形成することができる。
【0025】
【作用】以上説明したように、本発明のX線露光用マス
ク及びそのブランクのアライメント光透過性X線透過支
持膜にはその両側に反射防止膜が形成されている。この
反射防止膜は、マスク裏面から入射する特定波長のアラ
イメント光がアライメント光透過性X線透過支持膜内で
膜厚干渉する影響を防ぐ作用をする。つまり、アライメ
ント光の反射自体を防止する事によりアライメント光の
行路を一定する。それにより光が一種となる為に干渉す
る比較光が無くなり、干渉自体が発生しなくなり、アラ
イメント光透過性X線透過支持膜の膜厚の僅かな違いに
よって生じる特定波長のアライメント光の透過率の変動
があった場合でも、両側に形成した反射防止膜によって
透過率を高めると同時に安定させる作用がある。
【0026】又、本発明のX線露光用マスクブランクは
予め反射防止膜を形成しているので、既に新たな応力の
発生原因となる反射防止膜の形成がX線吸収膜層のパタ
ーン化前に行われる為に、X線マスクパターン歪を引き
起こす影響が少ない。
【0027】
【実施例】2mm厚のシリコン基板の主面上に屈折率
1.46のSiO2 を105nm形成し、第1の反射防
止膜層とした。次に屈折率2.18のSiNを2.0μ
m、該基板の両面に形成し、主面側をアライメント光透
過性X線透過支持膜層とし、反対面側を保護膜層とし
た。更に屈折率1.46のSiO2 を105nm形成
し、第2の反射防止膜層とした。これにより、請求項2
に記載したX線露光用マスクブランクを得た。
【0028】該X線露光用マスクブランクに、膜厚0.
75μmのTa膜を形成し、X線吸収膜層とし、請求項
4に記載したX線露光用マスクブランクを得た。
【0029】このTa膜上にレジストパターンを形成
し、該レジストパターンをマスクとして、Ta膜をRI
Eでパターンニングした。次に、反対面のSiN保護膜
層の所望の領域をマスキングRIEで除去し、露出した
所望領域のSi基板を熱アルカリによってエッチング除
去し、請求項1に記載したX線露光用マスクを得た。
【0030】この様にして得られたX線露光用マスクの
アライメント光透過部の可視光分光透過率を、反射防止
膜を形成しない場合と比較して、図6に示した。反射防
止膜がない場合、可視光分光透過率は膜厚干渉によりリ
ップルを描いているが、反射防止膜を形成した本発明に
よるX線露光用マスクの可視光分光透過率はリップルを
描かず、可視光全域に於て、反射防止膜がない場合より
可視光分光透過率が高いことがわかる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のX線露光
用マスク及び本発明のX線露光用マスクブランクから得
られるX線露光用マスクは反射防止膜の作用によって、
マスク間マスク内に関わらず、いかなる場合でも安定し
た、高いアライメント光の透過率が得られる。また、マ
スクパターンとなるべきX線吸収膜層の形成前にX線透
過支持膜層上に形成される為、マスクパターンの形状の
如何に関わらずX線透過支持膜層上に平等に均一に形成
することができる。従って、X線露光装置でのアライメ
ントにおいて、アライメント信号を高感度に検出するこ
とが出来るようになる。
【0032】又、本発明のX線露光用マスクブランクは
予め反射防止膜を形成しているので、既に新たな応力の
発生原因となる反射防止膜の形成がX線吸収膜層のパタ
ーン化前に行われる為に、X線マスクパターン歪を引き
起こす影響が少ない。
【0033】よって、本発明の構成によれば、アライメ
ント光透過性X線透過支持膜に直接反射防止膜が形成さ
れるため、X線マスクパターンに関わり無く効果を保持
できるものである。
【0034】更に、反射防止膜が形成されたX線露光用
マスクブランク及びX線露光用メンブレンマスクブラン
クがX線露光用マスクの材料として、供給できるので、
パターン化後に別工程としての成膜工程を要せず、層形
成部門とパターン化部門を分離する事が可能になるた
め、産業上の利用効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は反射防止膜をX線透過支持膜の両側に設
けた本発明のX線露光用マスクの断面図である。
【図2】図2は反射防止膜をX線透過支持膜の両側に設
けた本発明のX線露光用マスクブランクの断面図であ
る。
【図3】図3は反射防止膜をX線透過支持膜の両側に設
けた本発明のX線露光用メンブレンマスクブランクの断
面図である。
【図4】図4は反射防止膜をX線透過支持膜の両側に設
けた本発明のX線吸収膜付X線露光用マスクブランクの
断面図である。
【図5】図5は反射防止膜をX線透過支持膜の両側に設
けた本発明のX線吸収膜付X線露光用メンブレンマスク
ブランクの断面図である。
【図6】図6はX線露光用マスクのアライメント光透過
部の可視光分光透過率を従来と本発明のX線露光用マス
クで比較した図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 第1の反射防止膜 3 X線透過支持膜 4 第2の反射防止膜 5 裏面バックエッチ用保護膜 6 X線吸収膜 11 枠体 16 X線吸収体パターン
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】X線露光用マスク及びそのブランク
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体基板等の基板上の
X線感受性レジスト膜に重ねてこのレジスト膜の一部を
選択的にX線に露出させるX線露光用マスクとこれを作
成するためのブランクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】X線露光用マスクはSiN等のX線透過
性の支持膜上にX線吸収性の薄膜金属パターンが設けら
れたもので、例えば、以下のような方法で使用される。
すなわち、例えば半導体基板表面に設けられたX線感受
性レジスト膜上にこのX線露光用マスクを重ね、このX
線露光用マスクを透してX線を照射して上記レジスト膜
の一部を選択的に露光し、現像する。現像によりパター
ン状に半導体基板表面が露出するため、この表面露出部
位を選択的に様々な方法で加工することができる。
【0003】ところで、上記X線感受性レジスト膜の露
光に当たっては、半導体基板とX線露光用マスクの位置
合わせ(アライメント)のため、この両者のそれぞれに
は予めアライメント用のマークが設けられている。そし
て、両者を重ねた後、上記X線露光用マスクを透して上
記レジスト膜の感受しない波長(真空中又は大気中の波
長が400〜700nmの可視域にある特定の波長)の
アライメント光を照射し、その半導体基板表面からの反
射光強度を測定して両アライメントマークの位置を合致
させることにより、半導体基板とX線露光用マスクを位
置合わせしている。
【0004】しかるに上記X線露光用マスクの支持膜の
屈折率(例えばSiNの屈折率は約2.2)は大気中の
屈折率と大きく相違するため、この支持膜の表裏両面で
アライメント光の反射を生じ、上記半導体基板表面から
の被測定光と干渉してその強度が増大又は減少し、その
結果測定精度の低下を引き起こすことがある。かかる測
定精度の低下は上記X線露光用マスクの支持膜の光学的
膜厚を厳密に制御すれば防ぐことができるが、このよう
に可視光線の干渉を防ぐ程度の厳密な制御は困難であ
る。
【0005】一方、このX線露光用マスクのX線吸収性
薄膜パターンの表裏両面に、上記支持膜の屈折率の平方
根に略等しい屈折率を有する反射防止膜(例えば屈折率
約1.46のSiO2 )を設けることにより、上記支持
膜の表裏両面からの反射光を消滅又は抑制して、上記ア
ライメント光の測定精度を向上させることができること
が知られている。
【0006】このようなX線露光用マスクは、一般に
は、全体の構造的支持体となるシリコン基板上に、反射
防止膜、X線透過性支持膜、X線吸収性金属薄膜を順次
形成し、次いでこのX線吸収性金属薄膜をパターン化し
てX線吸収性薄膜パターンとアライメントマークを同一
の材質(金属)で同時に形成すると共に、上記シリコン
基板を選択的にエッチングしてX線及びアライメント光
の透過する窓部を形成し、最後に上記X線吸収性薄膜パ
ターンとアライメントマークの形成された面の上に反射
防止膜を形成して作成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、こうして両
面に反射防止膜が形成されたX線露光用マスクは、X線
透過性支持膜の表裏両面からの反射光を防止できるとい
う優れた特徴を有するものの、上記X線吸収性薄膜パタ
ーンの形成された面上に真空蒸着等の方法で反射防止膜
を形成するため、この形成時の熱によりX線吸収性薄膜
パターンに歪みを生じて、かかるX線吸収性薄膜パター
ンの精度低下を引き起こし、またかかるX線吸収性薄膜
パターンはこれが形成されていない部位に比べて突出し
た凸部を構成しているため、こうして形成される反射防
止膜の膜厚にむらを生じることがあった。
【0008】また、X線吸収性薄膜パターンの形成精度
は、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して検査した
り、あるいは2i線又は3i線を使用して検査したりす
ることが通常であるが、SiO2 等の上記反射防止膜は
一般に電気絶縁性であるためSEMによって高い精度で
検査することが困難であり、また2i線又は3i線を使
用して検査する場合にも上記反射防止膜によって光線が
屈折するため精度良い検査ができない。このため、いず
れの方法によっても、上述のように歪みを生じ易い方法
で形成されたマスクのX線吸収性薄膜パターンを高精度
に検査することが困難であった。
【0009】そして、このようにX線吸収性薄膜パター
ンに歪みが生じ易く、しかもその歪みを高い精度で検査
できないことに起因して、X線感受性レジストを所望の
パターンに高精度に露光できないという問題点を生じて
いた。
【0010】従って、本発明は、アライメント光の測定
精度を向上して位置合わせを容易とし、しかもX線吸収
性薄膜パターンの形成精度と検査精度を向上して、所望
のパターンに高精度に露光することのできるX線露光用
マスクとこのマスクを作成するために用いられるマスク
ブランクとを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1記載
の発明は、X線透過性支持膜の主面にX線吸収性薄膜パ
ターンを有し、半導体基板等の基板上のX線感受性レジ
スト膜に重ねて可視域のアライメント光により位置合わ
せし、このレジスト膜の一部を選択的にX線に露出させ
るX線露光用マスクにおいて、上記X線透過支持膜の両
側にアライメント光の反射防止膜が形成され、主面の反
射防止膜の上に上記X線吸収性薄膜パターンを具備する
ことを特徴とする。
【0012】このような技術的手段において、X線透過
性支持膜はX線吸収性薄膜パターンを保持すると共に、
かかるX線吸収性薄膜パターンの存在しない部位におい
て露光用X線を効果的に透過するもので、X線の吸収の
少ない軽元素化合物でアライメント光透過性の高い化合
物の薄膜が利用できる。このような化合物としては、例
えば、SiN、SiC、BN等が使用できる。
【0013】また、反射防止膜はこのX線透過支持膜の
表裏両面に密着して設けられ、X線透過支持膜の表裏両
面からのアライメント光の反射光を消滅又は抑制すると
共に、後述するX線吸収性薄膜パターンのパターン形状
とその検査精度に影響を与えないもので、このX線透過
支持膜の屈折率の平方根に略等しい屈折率を有する薄膜
が使用でき、例えば、SiO2 、MgF、MgO、Al
2 3 、SiO、HfO2 、ZrO、TiO2 、CeO
2 、ZnS等の薄膜又はこれらの薄膜を二層積層して構
成される二層膜等が使用できる。なお、この反射防止膜
の表裏面で上記アライメント光の反射光が生じるから、
周知の技術に従い、反射防止膜の表裏で生じたアライメ
ント光の反射光が互いに干渉して消滅する光学的膜厚に
この反射防止膜を形成することが望ましい。また、この
反射防止膜は、X線吸収性薄膜パターンのパターン形状
とその検査精度にに対する影響を防止するため、このX
線吸収性薄膜パターンの形成に先立って、その下層に形
成される。
【0014】これらのX線透過支持膜及び反射防止膜
は、これ自体で製膜することは困難であるから、適度の
剛性とエッチング性を有するシリコン基板等の基板上に
形成することが望ましい。すなわち、シリコン基板の上
に、順次、このシリコン基板側に設けられる第1の反射
防止膜、X線透過支持膜、シリコン基板の反対側に設け
られる第2の反射防止膜を製膜することにより、これら
の膜を形成することができる。一旦製膜されたこれらの
X線透過支持膜及び反射防止膜はその後基板を除去して
も破壊されることがないから、基板裏面に枠状にバック
エッチ用保護膜を設けて、この保護膜の存在しない中央
部位の基板をエッチングして除去して第1の反射防止膜
を露出した窓部を構成することができる。保護膜として
SiN、SiC、BN等が使用でき、熱アルカリによっ
てシリコン基板をエッチング除去することができる。な
お、保護膜の設けられた枠状の基板はエッチングの後も
残存して、上記X線透過支持膜及び反射防止膜の形状を
安定に維持する。
【0015】X線吸収性薄膜パターンは例えば半導体基
板等の基板上に設けられたX線感受性レジストを選択的
に露光用X線に露出するもので、かかるX線吸収性薄膜
パターン存在部位ではX線が遮断されて上記レジストは
X線に露出されず、一方X線吸収性薄膜パターン不存在
部位ではX線が反射防止膜とX線透過支持膜を透過して
上記レジストがX線に露出される。このようなX線吸収
性薄膜パターンとしては、X線吸収の大きいTa、W、
Au等の金属薄膜から構成されるパターンが利用でき
る。なお、同じ材質でしかも同時に位置合わせのための
アライメントマークが形成できる。
【0016】かかるX線吸収性薄膜パターンは、上記反
射防止膜のうち主面を構成する第2の反射防止膜上に、
周知のアディティブ法に従って当初からパターン状に形
成することもできるが、製膜部門とパターン形成部門を
分離して、製膜部門で予め各層を形成したマスクブラン
クを保存し、設計に従ってその都度パターン化してマス
クを製造してマスク製造の効率化を図るため、やはり周
知のサブトラクティブ法に従い、上記第2の反射防止膜
上全面にこのX線吸収性薄膜パターンを構成する金属薄
膜を形成し、その後エッチング等の方法でパターン化し
て形成することが望ましい。
【0017】請求項2に係る発明はこのような事情に基
づいてなされたもので、すなわち、X線透過性支持膜の
主面にX線吸収性薄膜を有し、このX線吸収性薄膜をパ
ターン化し、半導体基板等の基板上のX線感受性レジス
ト膜に重ねて可視域のアライメント光により位置合わせ
し、このレジスト膜の一部を選択的にX線に露出させる
X線露光用マスクのブランクにおいて、上記X線透過支
持膜の両側にアライメント光の反射防止膜が形成され、
主面の反射防止膜の上に上記X線吸収性薄膜を具備する
ことを特徴とする。
【0018】このX線吸収性薄膜又はX線吸収性薄膜パ
ターンは、上記基板のエッチングの前又は後に行うこと
ができる。図面の図2、図3及び図5はX線吸収性薄膜
を上記基板のエッチングの後に行う工程を示しており、
図2において1はシリコン基板、2は第1の反射防止
膜、3はX線透過支持膜、4は第2の反射防止膜を示し
ており、5はこの基板1の裏面全面に設けられた保護膜
である。そしてこの保護膜を枠状にパターン化した後、
露出したシリコン基板1を熱アルカリでエッチングして
図3に示すように第1の反射防止膜2が露出した窓部を
中央に有する枠体11を形成することができる。そし
て、第2の反射防止膜4上にX線吸収性薄膜6を形成し
て、請求項2に係るマスクブランク(図5参照)を製造
することができる。
【0019】また、図2、図4及び図5はX線吸収性薄
膜を上記基板のエッチングの前に行う工程を示してお
り、できあがるマスクブランクは図5のものと同一であ
る。なお、こうして得られたマスクブランクのX線吸収
性薄膜ををパターン化して請求項1に係るX線露光用マ
スクを製造することができる(図1参照)。
【0020】
【作用】請求項1に係る発明によれば、X線透過支持膜
の両側にアライメント光の反射防止膜が形成され、主面
の反射防止膜の上に上記X線吸収性薄膜パターンを具備
するため、このX線露光用マスクの位置合わせに当たっ
てマスク自体からの反射光が少なく、従って容易かつ正
確に位置合わせが可能となり、また表面に金属のX線吸
収性薄膜パターンが露出し、このX線吸収性薄膜パター
ンが最終工程で形成されるため、所望のパターンが精度
良く形成できると共に、その検査精度も向上する。
【0021】また、請求項2に係る発明によれば、上記
X線透過支持膜の両側にアライメント光の反射防止膜が
形成され、主面の反射防止膜の上に上記X線吸収性薄膜
を具備するため、上記請求項1に係るマスクを製造する
に当たって、製膜部門で予め各層を形成したマスクブラ
ンクを保存し、設計に従ってその都度パターン化してマ
スクを製造することができる。
【0022】
【実施例】2mm厚のシリコン基板の主面上に屈折率
1.46のSiO2を105nm形成し、第1の反射防
止膜とした。次に屈折率2.18のSiNを2.0μ
m、該基板の両面に形成し、主面側をアライメント光透
過性X線透過支持膜とし、反対面側を保護膜とした。更
に屈折率1.46のSiO2 を105nm形成し、第2
の反射防止膜とした(図2)。
【0023】該X線露光用マスクブランクに、膜厚0.
75μmのTa膜を形成し、請求項2に係るX線吸収薄
膜とした(図4)。
【0024】このTa膜上にレジストパターンを形成
し、該レジストパターンをマスクとして、Ta膜を反応
性イオンエッチング(RIE)でパターンニングした。
次に、反対面のSiN保護膜層の所望の領域をマスキン
グRIEで除去し、露出した所望領域のSi基板を熱ア
ルカリによってエッチング除去し、請求項1に係るX線
露光用マスクを得た(図1)。
【0025】このようにして得られたX線露光用マスク
のアライメント光透過部の可視光分光透過率を、反射防
止膜を形成しない場合と比較して、図6に示した。反射
防止膜がない場合、可視光分光透過率は膜厚干渉により
リップルを描いているが、反射防止膜を形成した本発明
によるX線露光用マスクの可視光分光透過率はリップル
を描かず、可視光全域に於て、反射防止膜がない場合よ
り可視光分光透過率が高いことがわかる。
【0026】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、容易かつ
正確に位置合わせが可能となり、また所望のパターンが
精度良く形成できると共に、その検査精度も向上するた
め、所望のパターンに高精度に露光することが可能とな
るという効果を奏する。また、請求項2に係る発明によ
れば、上記請求項1に係るマスクを製造するに当たっ
て、製膜部門で予め各層を形成したマスクブランクを保
存し、設計に従ってその都度パターン化してマスクを製
造することができるため、マスク製造の効率化を図るこ
とができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】反射防止膜をX線透過支持膜の両側に設けた本
発明のX線露光用マスクの断面図。
【図2】反射防止膜をX線透過支持膜の両側に設けた本
発明のX線露光用マスクブランクの断面図。
【図3】反射防止膜をX線透過支持膜の両側に設けた本
発明のX線露光用メンブレンマスクブランクの断面図。
【図4】反射防止膜をX線透過支持膜の両側に設けた本
発明のX線吸収膜付X線露光用マスクブランクの断面
図。
【図5】反射防止膜をX線透過支持膜の両側に設けた本
発明のX線吸収膜付X線露光用メンブレンマスクブラン
クの断面図。
【図6】X線露光用マスクのアライメント光透過部の可
視光分光透過率を従来と本発明のX線露光用マスクで比
較したグラフ。
【符号の説明】 1 シリコン基板 2 第1の反射防止膜 3 X線透過支持膜 4 第2の反射防止膜 5 裏面バックエッチ用保護膜 6 X線吸収膜 11 枠体 16 X線吸収体パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 欽二 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アライメント光透過性X線透過支持膜の両
    側に反射防止膜が形成され、主面の反射防止膜上にX線
    吸収体パターンが形成されていることを特徴とするX線
    露光用マスク。
  2. 【請求項2】シリコン基板主面上に反射防止膜が形成さ
    れ、該反射防止膜上にアライメント光透過性X線透過支
    持膜が形成され、更にその上に、反射防止膜が形成さ
    れ、シリコン基板裏面上には耐薬品性の保護膜が形成さ
    れていることを特徴とするX線露光用マスクブランク。
  3. 【請求項3】アライメント光透過性X線透過支持膜の両
    側に反射防止膜が形成されていることを特徴とするX線
    露光用メンブレンマスクブランク。
  4. 【請求項4】シリコン基板主面上に反射防止膜が形成さ
    れ、該反射防止膜上にアライメント光透過性X線透過支
    持膜が形成され、更にその上に、反射防止膜が形成さ
    れ、該反射防止膜上にX線吸収膜が形成され、シリコン
    基板裏面上には耐薬品性の保護膜が形成されていること
    を特徴とするX線露光用マスクブランク。
  5. 【請求項5】アライメント光透過性X線透過支持膜の両
    側に反射防止膜が形成され、主面の反射防止膜上にX線
    吸収膜が形成されていることを特徴とするX線露光用メ
    ンブレンマスクブランク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011524076A (ja) * 2008-02-27 2011-08-25 エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. 光エレメント、当該光エレメントを含むリソグラフィ装置、デバイス製造方法、およびそれによって製造されたデバイス

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011524076A (ja) * 2008-02-27 2011-08-25 エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. 光エレメント、当該光エレメントを含むリソグラフィ装置、デバイス製造方法、およびそれによって製造されたデバイス

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