JPH05126256A - ピストンリング用線材 - Google Patents
ピストンリング用線材Info
- Publication number
- JPH05126256A JPH05126256A JP28762691A JP28762691A JPH05126256A JP H05126256 A JPH05126256 A JP H05126256A JP 28762691 A JP28762691 A JP 28762691A JP 28762691 A JP28762691 A JP 28762691A JP H05126256 A JPH05126256 A JP H05126256A
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- JP
- Japan
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- piston ring
- wire rod
- wire
- less
- corrosion resistance
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- Pending
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- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高温腐蝕雰囲気下での耐腐蝕性、耐熱性およ
び耐摩耗性に優れたピストンリング用線材を提供する。 【構成】 重量％で、Ｃ：0.０８％以下、Ｓｉ：1.５％
以下、Ｍｎ：2.０％以下、Ｎｉ：１７〜２４％、Ｃｒ：
２２〜２８％、残部が鉄及び不可避的不純物からなるこ
とを特徴とする。
び耐摩耗性に優れたピストンリング用線材を提供する。 【構成】 重量％で、Ｃ：0.０８％以下、Ｓｉ：1.５％
以下、Ｍｎ：2.０％以下、Ｎｉ：１７〜２４％、Ｃｒ：
２２〜２８％、残部が鉄及び不可避的不純物からなるこ
とを特徴とする。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の圧力リング
やオイルリング等に用いられるピストンリング用線材に
関するものである。
やオイルリング等に用いられるピストンリング用線材に
関するものである。
【０００２】
【従来の技術】近年、自動車用レシプロ内燃機関（ディ
ゼルエンジン及びガソリンエンジン）の高負荷、高回転
化及び長寿命化に伴って、ピストンリングに要求される
品質が高度となり、その材質には鋳鉄に替わって鋼、例
えばＳｉ−Ｃｒ鋼、ピアノ鋼線が使用されるようになっ
てきている。
ゼルエンジン及びガソリンエンジン）の高負荷、高回転
化及び長寿命化に伴って、ピストンリングに要求される
品質が高度となり、その材質には鋳鉄に替わって鋼、例
えばＳｉ−Ｃｒ鋼、ピアノ鋼線が使用されるようになっ
てきている。
【０００３】また、従来からピストンリングには耐摩耗
性を付与するために摺動面、特に外周面に硬質クロムメ
ッキを施したものが多用されている。しかしながら、高
鉛ガソリンを使用する場合や、エンジンの高負荷、高回
転による高温で腐蝕性雰囲気下で使用する場合には、耐
腐蝕性を満足し得るには至っていない。
性を付与するために摺動面、特に外周面に硬質クロムメ
ッキを施したものが多用されている。しかしながら、高
鉛ガソリンを使用する場合や、エンジンの高負荷、高回
転による高温で腐蝕性雰囲気下で使用する場合には、耐
腐蝕性を満足し得るには至っていない。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】また、上記の対策とし
て、マルテンサイト系のステンレス鋼等（たとえば１３
ｃｒ、１７ｃｒ系）に窒化処理を施したピストンリング
が使用されるようになって来ている。しかし、上記のマ
ルテンサイト系ステンレス鋼に窒化処理を施したピスト
ンリングは、腐蝕性雰囲気下での耐腐蝕性、耐摩耗性及
び摺動相手側を摩耗させないという点では硬質クロムメ
ッキを施したＳｉ−Ｃｒ鋼、ピアノ鋼線よりなるピスト
ンリングよりは優れているが、近年の内燃機関の高回転
化に伴う、高温腐蝕雰囲気下では、まだ充分な耐腐蝕性
は有していない。
て、マルテンサイト系のステンレス鋼等（たとえば１３
ｃｒ、１７ｃｒ系）に窒化処理を施したピストンリング
が使用されるようになって来ている。しかし、上記のマ
ルテンサイト系ステンレス鋼に窒化処理を施したピスト
ンリングは、腐蝕性雰囲気下での耐腐蝕性、耐摩耗性及
び摺動相手側を摩耗させないという点では硬質クロムメ
ッキを施したＳｉ−Ｃｒ鋼、ピアノ鋼線よりなるピスト
ンリングよりは優れているが、近年の内燃機関の高回転
化に伴う、高温腐蝕雰囲気下では、まだ充分な耐腐蝕性
は有していない。
【０００５】本発明は、以上の点に鑑みてなされたもの
であり、ピストンリングと成した時に高温腐蝕雰囲気下
での耐腐蝕性に優れたピストンリング用線材を提供する
ことを目的とする。
であり、ピストンリングと成した時に高温腐蝕雰囲気下
での耐腐蝕性に優れたピストンリング用線材を提供する
ことを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のピストンリング用線材は、重量％で炭素0.
０８％以下、珪素1.５％以下、マンガン2.０％以下、ニ
ッケル１７〜２４％、クロム２２〜２８％、残部が鉄及
び不可避的不純物からなる。
に、本発明のピストンリング用線材は、重量％で炭素0.
０８％以下、珪素1.５％以下、マンガン2.０％以下、ニ
ッケル１７〜２４％、クロム２２〜２８％、残部が鉄及
び不可避的不純物からなる。
【０００７】以下、本発明の成分の限定理由について説
明する。炭素は、冷間における伸線加工性及び圧延加工
性を害するもので、多量に含有すると多大なクロム炭化
物を形成し、伸線加工性及び圧延加工性は極端に低下す
る。そのため含有炭素量は0.０８％以下とするのがよ
い。
明する。炭素は、冷間における伸線加工性及び圧延加工
性を害するもので、多量に含有すると多大なクロム炭化
物を形成し、伸線加工性及び圧延加工性は極端に低下す
る。そのため含有炭素量は0.０８％以下とするのがよ
い。
【０００８】珪素は、脱酸剤として鋼の精錬時に添加さ
れると共に、耐硫酸腐蝕性の向上に効果的であり、さら
に耐熱性を付与する元素である。しかしながら、含有量
が1.５％を超えると、冷間加工性を害するので、含有量
を1.５％以下とするのがよい。
れると共に、耐硫酸腐蝕性の向上に効果的であり、さら
に耐熱性を付与する元素である。しかしながら、含有量
が1.５％を超えると、冷間加工性を害するので、含有量
を1.５％以下とするのがよい。
【０００９】マンガンは、脱硫脱酸剤として鋼の精錬時
に添加されると共に強度を増す元素であるが、2.０％を
超えると、冷間加工性を害するので、2.０％以下とする
のがよい。
に添加されると共に強度を増す元素であるが、2.０％を
超えると、冷間加工性を害するので、2.０％以下とする
のがよい。
【００１０】ニッケルは炭化物を形成せず、フェライト
中に固溶し、耐硫酸腐蝕性を高め、またクロムと混合す
る事により、粒界酸化を防ぐ。これらの効果を出す為に
は、少なくともニッケルを１７％含有させる必要があ
り、また含有量が多くなりすぎると、加工硬化が起こり
にくくなり、ピストンリングとして必要なバネ性、強度
等の品質を害する恐れがあるので、上限を２４％とする
のがよい。
中に固溶し、耐硫酸腐蝕性を高め、またクロムと混合す
る事により、粒界酸化を防ぐ。これらの効果を出す為に
は、少なくともニッケルを１７％含有させる必要があ
り、また含有量が多くなりすぎると、加工硬化が起こり
にくくなり、ピストンリングとして必要なバネ性、強度
等の品質を害する恐れがあるので、上限を２４％とする
のがよい。
【００１１】クロムは、フェライト中に固溶し、耐熱性
を付与すると共に、耐腐蝕性をも向上させる。また一部
は、炭化物を形成し、耐焼付性，耐摩耗性を向上する。
これらの効果を出すには、２２％以上必要であり、ま
た、２８％を超えると、冷間における伸線加工性及び圧
延加工性が低下し、必要とする断面形状に線材を加工す
るのが困難となるため、上限を２８％以下とするのがよ
い。
を付与すると共に、耐腐蝕性をも向上させる。また一部
は、炭化物を形成し、耐焼付性，耐摩耗性を向上する。
これらの効果を出すには、２２％以上必要であり、ま
た、２８％を超えると、冷間における伸線加工性及び圧
延加工性が低下し、必要とする断面形状に線材を加工す
るのが困難となるため、上限を２８％以下とするのがよ
い。
【００１２】
【実施例】以下、本発明のピストンリング用線材の一実
施例を図面に基づいて説明する。
施例を図面に基づいて説明する。
【００１３】図１において、１はピストンリング用線材
であり、厚みＡ1.５mm、巾Ｂ3.０mmの略長方形の断面を
有し、母材は重量％でＣ：0.０３％、Ｓｉ：0.８％、Ｍ
ｎ：1.２％、Ｎｉ：２３％、Ｃｒ：２６％の化学組成を
有する鋼よりなる本発明のピストンリング用線材を構成
する。
であり、厚みＡ1.５mm、巾Ｂ3.０mmの略長方形の断面を
有し、母材は重量％でＣ：0.０３％、Ｓｉ：0.８％、Ｍ
ｎ：1.２％、Ｎｉ：２３％、Ｃｒ：２６％の化学組成を
有する鋼よりなる本発明のピストンリング用線材を構成
する。
【００１４】なお、ピストンリング用線材の表面に、深
さ0.０５mmの硬化した窒化層を設けることもできる。
さ0.０５mmの硬化した窒化層を設けることもできる。
【００１５】次に、上記ピストンリング用線材の製造方
法について説明する。上記化学組成よりなる線材φ5.５
mmを焼なました後、冷間伸線加工により、線径φ2.６mm
の線とし、その後、冷間圧延加工により略長方形断面を
有する異形線材（厚み寸法1.５mm，幅寸法3.０mmのピス
トンリング用線材）を成形した。
法について説明する。上記化学組成よりなる線材φ5.５
mmを焼なました後、冷間伸線加工により、線径φ2.６mm
の線とし、その後、冷間圧延加工により略長方形断面を
有する異形線材（厚み寸法1.５mm，幅寸法3.０mmのピス
トンリング用線材）を成形した。
【００１６】そして本発明により得られた上記ピストン
リング用線材を用いて、窒化処理を施し、窒化層を有す
るピストンリングＡを製造し、ピストンリングとしての
耐腐蝕性、耐摩耗性について試験を行ない、評価を行な
った。表１に耐腐蝕性、耐摩耗性試験を行なった供試材
Ａ〜Ｅの成分を示す。
リング用線材を用いて、窒化処理を施し、窒化層を有す
るピストンリングＡを製造し、ピストンリングとしての
耐腐蝕性、耐摩耗性について試験を行ない、評価を行な
った。表１に耐腐蝕性、耐摩耗性試験を行なった供試材
Ａ〜Ｅの成分を示す。
【００１７】
【表１】
【００１８】供試材Ａ、Ｂは本発明の実施例であり、供
試材Ｃ、Ｄは比較例であり、供試材Ｅは従来例である。
上記供試材Ａ〜Ｅを用いてエンジンテストを一定時間行
ない、ピストンリングの耐腐蝕性、耐摩耗性について評
価した結果を表２に示す。
試材Ｃ、Ｄは比較例であり、供試材Ｅは従来例である。
上記供試材Ａ〜Ｅを用いてエンジンテストを一定時間行
ない、ピストンリングの耐腐蝕性、耐摩耗性について評
価した結果を表２に示す。
【００１９】
【表２】
【００２０】なお、耐腐蝕性は腐蝕度合を評価し、供試
材Ｎｏ．Ｅの従来例を１００とした時の指数で表わした
もので、値は大きい方が良い。耐摩耗性は、摩耗度合を
評価し、供試材Ｎｏ．Ｅの従来例を１００とした時の指
数で表わしたもので、値は大きい方が良い。表２より、
本発明の実施例は、従来例Ｅと比較して、約２０％〜４
０％の耐腐蝕性向上となった。また、耐摩耗性において
は、若干劣るが、耐腐蝕性を特に重視するピストンリン
グにおいては、使用に耐えるものである。
材Ｎｏ．Ｅの従来例を１００とした時の指数で表わした
もので、値は大きい方が良い。耐摩耗性は、摩耗度合を
評価し、供試材Ｎｏ．Ｅの従来例を１００とした時の指
数で表わしたもので、値は大きい方が良い。表２より、
本発明の実施例は、従来例Ｅと比較して、約２０％〜４
０％の耐腐蝕性向上となった。また、耐摩耗性において
は、若干劣るが、耐腐蝕性を特に重視するピストンリン
グにおいては、使用に耐えるものである。
【００２１】
【発明の効果】本発明のピストンリング用線材は、上記
構成であるため、冷間における伸線加工性、圧延加工性
に優れ、複雑な形状のピストンリング用線材でも容易に
製造可能となる。また、ピストンリングとなしたとき
は、優れた耐腐蝕性と充分な耐熱性、耐摩耗性を具備す
るという優れた効果を有するものである。
構成であるため、冷間における伸線加工性、圧延加工性
に優れ、複雑な形状のピストンリング用線材でも容易に
製造可能となる。また、ピストンリングとなしたとき
は、優れた耐腐蝕性と充分な耐熱性、耐摩耗性を具備す
るという優れた効果を有するものである。
【図１】本発明のピストンリング用線材の一実施例を示
す一部破断斜視図である。
す一部破断斜視図である。
１ ピストンリング用線材
Claims (1)
- 【請求項１】 重量％で、炭素0.０８％以下、珪素1.５
％以下、マンガン2.０％以下、ニッケル１７〜２４％、
クロム２２〜２８％、残部が鉄及び不可避的不純物から
なることを特徴とするピストンリング用線材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28762691A JPH05126256A (ja) | 1991-11-01 | 1991-11-01 | ピストンリング用線材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28762691A JPH05126256A (ja) | 1991-11-01 | 1991-11-01 | ピストンリング用線材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05126256A true JPH05126256A (ja) | 1993-05-21 |
Family
ID=17719683
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28762691A Pending JPH05126256A (ja) | 1991-11-01 | 1991-11-01 | ピストンリング用線材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05126256A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE19911962B4 (de) * | 1998-03-17 | 2008-06-19 | Nippon Piston Ring Co, . Ltd., Yono | Kolbenring und eine Kombination von Verdichtungsringen |
-
1991
- 1991-11-01 JP JP28762691A patent/JPH05126256A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE19911962B4 (de) * | 1998-03-17 | 2008-06-19 | Nippon Piston Ring Co, . Ltd., Yono | Kolbenring und eine Kombination von Verdichtungsringen |
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