JPH05125126A - 帯電防止性樹脂組成物の製法 - Google Patents

帯電防止性樹脂組成物の製法

Info

Publication number
JPH05125126A
JPH05125126A JP31543291A JP31543291A JPH05125126A JP H05125126 A JPH05125126 A JP H05125126A JP 31543291 A JP31543291 A JP 31543291A JP 31543291 A JP31543291 A JP 31543291A JP H05125126 A JPH05125126 A JP H05125126A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
molecular weight
polyethylene
ethylene
polypropylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31543291A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidekazu Senda
英一 千田
Yoshitsugu Takai
好嗣 高井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP31543291A priority Critical patent/JPH05125126A/ja
Publication of JPH05125126A publication Critical patent/JPH05125126A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた永久帯電防止性を有する帯電防止性樹
脂組成物を製造する。 【構成】 ポリエチレンまたはポリプロピレン、ゴム質
重合体および帯電防止性化合物(α,β−不飽和カルボ
ン酸またはそのエステル形成誘導体とアルキルジエタノ
ールアミン等のアミン化合物とモノハロ酢酸(塩)との
反応物)からなる配合成分を溶融混練し、ラジカル反応
させることで、優れた永久帯電防止性を有する樹脂組成
物を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、帯電防止性樹脂組成物
の製法に関する。さらに詳しくは、優れた永久帯電防止
性を有する樹脂組成物の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン系樹脂に帯電防止
性を付与する方法としては、帯電防止性を有する界面活
性剤(多価アルコール脂肪酸エステル、低分子のカルボ
ベタイン型化合物等)をポリオレフィン系樹脂に練り込
む方法が知られている。
【0003】しかしながら、この方法では界面活性剤が
ポリオレフィン系樹脂と化学的に結合していないため、
水洗あるいは摩擦することによって容易に帯電防止性が
消失する欠点があり、また帯電防止性を持続させるため
に界面活性剤を多量に添加練り込むと樹脂の機械的性質
を損なうだけでなく、樹脂表面に界面活性剤がブリード
アウトしやすくなってべとつきを生じ、かえってほこり
等がつきやすくなり、外観が損なわれる欠点があった。
【0004】また上記欠点を改良するために、2重結合
を有しラジカル反応性の帯電防止性モノマーをポリエチ
レンまたはポリプロピレンにグラフトさせる方法が提案
されている(例えば特公昭46-30293および特公昭49-269
55等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このグラフト
反応させる方法では、グラフト化率が極めて小さく、実
質的に永久帯電防止性を付与することはできないという
問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意検討した結果、ポリエチレンまたはポ
リプロピレンにゴム質重合体を配合することによって、
帯電防止性樹脂をポリエチレンまたはポリプロピレンの
複合樹脂中に容易に導入できる方法を見いだし本発明に
到達した。
【0007】すなわち本発明は、下記(A)、(B)お
よび(C)からなり、重量基準で(A)/(B)が(10
〜99)/(90〜1)であり、(C)/[(A)+
(B)]が(0.5〜30)/100である配合成分を溶融混練
し、ラジカル反応させることを特徴とする帯電防止性樹
脂組成物の製法である。 (A):ポリエチレンまたはポリプロピレン。 (B):0℃以下のガラス転移温度を有するゴム質重合
体 (C):α,β−不飽和カルボン酸またはそのエステル
形成誘導体と一般式、 (式中、R1は炭素数1〜22の脂肪族飽和炭化水素基、A
1およびA2はそれぞれ炭素数2〜3のアルキレン基、mお
よびnは、m+nが2〜20の条件を満たす範囲内で、そ
れぞれ正の整数である。)で示されるアミン化合物と、
モノハロ酢酸(塩)との反応物。
【0008】本発明においてポリエチレンまたはポリプ
ロピレン(A)としては、低・中密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレンおよびエチレンと他のα−オレフィン
一種以上との共重合体、プロピレン単独重合体およびプ
ロピレンと他のα−オレフィン一種以上との共重合体が
あげられる。他のα−オレフィンとしては、例えばエチ
レン(ポリエチレンの場合は除く)、プロピレン(ポリ
プロピレンの場合は除く)、1−ブテン、4−メチル−
1−ペンテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセ
ン、1−ドデセンがあげられる。(A)のメルトフロー
レート(MFR)は通常0.5〜250、好ましくは1〜200で
ある。メルトフローレートは、例えばポリプロピレンの
場合、JIS K6758(温度230℃、荷重2.16kgf)、ポ
リエチレンの場合、JIS K6760(温度190℃、荷重2.
16kgf)に準じて測定することができる。
【0009】本発明において、0℃以下のガラス転移温
度を有するゴム質重合体(B)としては、ブタジエン系
ゴム質重合体(例えば、ブタジエン単独重合ゴム、スチ
レン/ブタジエン共重合ゴム、ブタジエン/(メタ)ア
クリル酸エステル共重合ゴム、アクリロニトリル/ブタ
ジエン共重合ゴム)、クロロプレン系ゴム質重合体、イ
ソプレン系ゴム質重合体、天然ゴム、エチレン/プロピ
レン共重合ゴム質重合体、エチレン/プロピレン/ジエ
ンモノマー共重合ゴム質重合体、シクロオレフィン系ゴ
ム質重合体などがあげらる。これらは二種以上併用して
もよい。これらのうち好ましいものは、ブタジエン系ゴ
ム質重合体、エチレン/プロピレン共重合ゴム質重合体
およびエチレン/プロピレン/ジエンモノマー共重合
ゴム質重合体である。ゴム質重合体(B)の分子量には
特に制限はないが、通常数平均分子量 1,000〜100,000
である。
【0010】ポリエチレンまたはポリプロピレン(A)
と、0℃以下のガラス転移温度を有するゴム質重合体
(B)との重量比(A)/(B)は、通常10〜99/90〜
1、好ましくは30〜99/70〜1である。(A)/(B)が
10/90より小さくなると(A)の特性が発揮しえなくな
る。99/1より大きくなると、永久帯電防止性の効果が
小さくなる。
【0011】(C)は、α,β−不飽和カルボン酸また
はそのエステル形成誘導体と、一般式、 (式中、R1は炭素数1〜22の脂肪族飽和炭化水素基、
1およびA2はそれぞれ炭素数2〜3のアルキレン基、m
およびnは、m+nが2〜20の条件を満たす範囲内で、
それぞれ正の整数である。)で示されるアミン化合物
と、モノハロ酢酸(塩)との反応物である。
【0012】α,β−不飽和カルボン酸としては、例え
ば、(メタ)アクリル酸、α−エチルアクリル酸、α−
プロピルアクリル酸、α−ブチルアクリル酸、クロトン
酸、イソクロトン酸などのα,β−不飽和モノカルボン
酸;並びに、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、
イタコン酸などのα,β−不飽和ジカルボン酸があげら
れる。また、α,β−不飽和カルボン酸のエステル形成
誘導体としては、上記に例示したα,β−不飽和カルボ
ン酸の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチル
エステル等)、エステル塩(アルカリ金属塩、アルカリ
土類金属塩、アンモニウム塩等)または酸無水物があげ
られる。これらα,β−不飽和カルボン酸またはそのエ
ステル形成誘導体は二種以上併用してもよい。これらの
うち好ましいものは、(メタ)アクリル酸、マレイン酸
およびこれらのエステル形成誘導体である。
【0013】一般式(1)において、R1で示される炭
素数1〜22の脂肪族炭化水素基の具体例としてはヘキシ
ル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシ
ル、ドデシル、テトラデシル、オクタデシル、オレイル
などの基をあげることができる。A1、A2で各々示され
る炭素数2〜3のアルキレン基としては、エチレン基およ
びプロピレン基をあげることができる。(A1O)また
は(A2O)が複数個存在する場合には複数種のアルキ
レン基からなってもよい。また、mおよびnは、m+n
が2〜20の条件を満たす範囲内で、それぞれ正の整数で
ある。一般式(1)で示されるアミン化合物の具体例と
しては次のようなものをあげることができる。
【0014】上記のようなアミン化合物のうち好ましい
ものはアルキル(C1018)ジエタノールアミンであ
る。アミン化合物の使用量は、前記α,β−不飽和カル
ボン酸またはそのエステル形成誘導体1モルに対して通
常1モル以上であり、1〜2モルであることが好まし
い。
【0015】また、モノハロ酢酸は下記一般式(2)で
示され、モノハロ酢酸塩は下記一般式(3)で示され
る。 X−CH2COOH ・・・(2) X−CH2COOM ・・・(3) (式中、X:ハロゲン原子、M:アルカリ金属)Xのハ
ロゲン原子は、F、Cl、Br、またはIであり、好ま
しくはClまたはBrである。Mのアルカリ金属として
は、Li、NaまたはKなどがあげられる。これらのう
ち、特に好ましいものは、モノクロル酢酸およびモノク
ロル酢酸ソーダである。モノハロ酢酸(塩)の使用量
は、前記一般式(1)で示されるアミン化合物1モルに
対して1モル以上であり、1〜1.5モルであることが
好ましい。
【0016】該反応物(C)はα,β−不飽和カルボン
酸またはそのエステル形成誘導体と、一般式(1)で示
されるアミン化合物と、モノハロ酢酸(塩)との反応物
であるが、これら3者を反応させる順序により以下の2
通りの製法がある。・α,β−不飽和カルボン酸または
そのエステル形成誘導体と一般式(1)で示されるアミ
ン化合物をエステル化反応後、その反応物をモノハロ酢
酸(塩)でベタイン化し(C)を得る方法。・一般式
(1)で示されるアミン化合物とモノハロ酢酸(塩)で
ベタイン化反応後、その反応物とα,β−不飽和カルボ
ン酸またはそのエステル形成誘導体をエステル化し、
(C)を得る方法。
【0017】何れの方法においても反応溶剤として、芳
香族系化合物(トルエン、キシレン等)が一般に使用さ
れるが、全く用いなくてもよい。エステル化またはベタ
イン化の反応温度は、通常60〜150℃の範囲であり、常
圧または加圧下におこなわれる。エステル化とベタイン
化の合計反応時間は通常2〜20時間であり、副生塩は必
要に応じて除去される。α,β−不飽和カルボン酸また
はそのエステル形成誘導体と一般式(1)で示されるア
ミン化合物のエステル化率は、通常80%以上であり、好
ましくは90%以上である。また、一般式(1)で示され
るアミン化合物とモノハロ酢酸(塩)とのベタイン化率
は、5%以上であり、好ましくは10%以上である。エステ
ル化率およびベタイン化率はそれぞれ酸価およびアミン価
等から求めることができる。
【0018】(C)の使用量は、前記(A)および
(B)の合計重量に対して通常0.5〜30重量%である。
0.5重量%未満では帯電防止効果が発揮できない。30重
量%を越えると樹脂物性が低下する。
【0019】(A)、(B)および(C)からなる配合
成分を、溶融混練し、ラジカル反応させる際、ラジカル
開始剤(D)を用いるのが好ましい。ラジカル反応開始
剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブ
チルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどのパ
ーオキサイド類、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリ
ル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)及び4,4′−アゾビス(4−シアノバレリン酸)など
のアゾニトリル類などがあげられる。これらは二種以上
併用してもよい。使用量は、(C)化合物に対して、通
常30重量%以下である。
【0020】また該ラジカル反応には、必要に応じ分子
量調整剤として連鎖移動剤を用いる。連鎖移動剤として
は、n−ブチルメルカプタン、tert−ブチルメルカプタ
ン、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタ
ン、tert−ドデシルメルカプタン等の脂肪族メルカプタ
ン、フェニルエーテル、フェニルエチルエーテル、イソ
プロピルフェニルエーテル、ジベンジルエーテルなどの
エーテル類および、クメン、アルコール、フェノール
類、ハロゲン化炭化水素等などがあげられる。使用量
は、(C)化合物に対して、通常15重量%以下である。
【0021】該ラジカル反応温度は通常150〜300℃、好
ましくは160〜280℃である。反応後、通常、温度を保持
した状態で未反応の揮発分などを脱気処理し、該帯電防
止性樹脂組成物を製造することができる。脱気処理の減
圧度は通常0.1〜20mmHg、好ましくは0.5〜10mmHgであ
る。
【0022】反応機には特に制限はないが、通常、公知
の各種混合機を用いて実施できる。混合機としては押し
出し機、ブラベンダー、ニーダーおよびバンバリーミキ
サーなどがあげられる。
【0023】該配合成分中に更に変性ポリオレフィン系
相溶化剤(E)を含有させてもよい。(E)としては、
前記α,β−不飽和カルボン酸またはそのエステル形成
誘導体化合物で変性したポリオレフィン、および水酸基
またはエポキシ基から選ばれた少なくとも一種の官能基
を有するポリオレフィンである。またこのポリオレフィ
ンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン
共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、さらにはこれ
らに少量のジエンを含む共重合体などがあげられる。
【0024】このような変性ポリオレフィンとしては、
エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン/フ
マル酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合
体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/メタク
リル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メ
タクリル酸グリシジル共重合体、無水マレイン酸グラフ
トポリエチレン、アクリル酸グラフトポリエチレン、N
−ヒドロキシマレインイミドグラフトポリエチレン、無
水マレイン酸グラフトポリプロピレン、N−ヒドロキシ
マレインイミドグラフトポリプロピレン、無水マレイン
酸グラフトエチレン/プロピレン共重合体、アクリル酸
グラフトエチレン/プロピレン共重合体、無水マレイン
酸グラフトエチレン/プロピレン/ジエンモノマー共重
合体、アクリル酸グラフトエチレン/プロピレン/ジエ
ンモノマー共重合体およびN-ヒドロキシマレインイミド
グラフトエチレン/プロピレン/ジエンモノマー共重合
体などがあり、これらの変性ポリオレフィンを二種以上
併用してもよい。
【0025】これら変性ポリオレフィンの分子量には特
に制限はないが、特に好ましい物は数平均分子量が800
〜25,000の酸変性低分子量ポリオレフィン(E1)また
は水酸基を有する変性ポリオレフィン(E2)である。
変性度はそれぞれ(E1)の場合、酸価5〜150、(E2
の場合、水酸基価5〜150であることが好ましい。酸価ま
たは水酸基価が5未満では、相溶化剤としての効果が小
さい。150を越えると、帯電防止性が低下する。上記変
性ポリオレフィン系相溶化剤の使用量は、前記(A)、
(B)および(C)の合計重量に対して、0.5〜30重量
%、好ましくは1〜20重量%である。0.5未満では相溶化
剤としての効果が小さく、30重量部を越えると帯電防止
性が低下する。
【0026】本発明の方法で得られる帯電防止性樹脂組
成物は、そのまま成形物としてもよいし、他の樹脂に混
ぜた状態(マスターバッチ)で成形してもよい。他の樹
脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ
フィン系樹脂があげられる。
【0027】また本発明の帯電防止性樹脂組成物には種
々の用途に応じて他の樹脂用添加剤を、特性を阻害しな
い範囲で添加してもよい。配合できる添加剤としては、
顔料、染料、充填剤、核剤、ガラス繊維、滑剤、可塑
剤、離型剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤等があ
げられる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中
の部は重量部である。なお実施例中の表面固有抵抗の測
定は、射出成形した厚さ2mmの角板を用い、20℃、湿度6
5%RH雰囲気下で測定した。
【0029】製造例1 窒素導入管、温度計、温度コントローラー、コンデンサ
ー、および攪拌棒をそなえた5Lの4ツ口コルベンに、ラ
ウリルアミンにエチレンオキサイド2モル付加させたジ
エタノールアミン化合物1565gとトルエン500gを窒素雰
囲気下で仕込んだ。以降反応終了時までコルベン内に窒
素は通気し続けた。マントルヒーターにて加熱、昇温し
攪拌しながら温度を70℃にコントロールした。次に無水
マレイン酸539gを温度を70〜85℃の間にコントロールし
ながら10分間で投入後、この温度を維持した状態で5時
間エステル化反応を行った。続いて温度を110℃まで昇
温し、110〜120℃に温度コントロールしながらモノクロ
ル酢酸ナトリウム672.8gを10分間で投入した後、この温
度を維持した状態でベタイン化反応を10時間おこなっ
た。反応終了後、トルエン895gを投入し、温度を50℃ま
で冷却した後、コルベンから反応溶液を取り出し濾過助
剤を使用して吸引濾過し、副生塩である塩化ナトリウム
等を取り除いた。引き続き濾過溶液を上記と同様のコル
ベン内に移し、トルエン溶剤を減圧下、温度110〜115℃
で留去した。得られた化合物は黄色ペースト状であり、
酸価126(仕込時の酸価から算出されるエステル化率=99
%)、アミン価67(仕込時のアミン価から算出されるベ
タイン化率=50%)であった。この化合物を以後(C−
1)と略記する。
【0030】製造例2 製造例1と同様の装置を兼ね備えた3Lの4ツ口コルベン
に、ラウリルアミンにエチレンオキサイド20モル付加さ
せたアミン化合物257g、アクリル酸16.9g、トルエン180
g、硫酸5gおよび重合禁止剤としてピロガロール2gを窒
素雰囲気下で仕込んだ。以降反応終了時までコルベン内
に窒素は通気し続けた。マントルヒーターにて加熱、昇
温し攪拌しながら115℃まで昇温後、この温度を維持し
た状態で、8時間エステル化反応を行った。エステル化
中、生成する水はトルエンと共沸させながら留去した。
次に温度を30℃まで冷却した後、20%水酸化ナトリウム
水溶液33gおよびイオン交換水90gを投入し、高速にて5
分間攪拌した。その後攪拌を停止し、静置を行い、3層
に分離後下層および中間層を取り除いた。コルベン内に
残った上層部の反応溶液を110℃まで昇温し、110〜120
℃に温度コントロールしながらモノクロル酢酸ナトリウ
ム27.3gを10分間で投入した後、この温度を維持した状
態でベタイン化反応を10時間おこなった。反応終了後、
トルエン147gを投入し、あとは製造例1と同様の操作を
行った。得られた化合物は黄色固状であり、酸価0.5以
下(仕込時の酸価から算出されるエステル化率=99%以
上)、アミン価37(仕込時のアミン価から算出されるベ
タイン化率=35%)であった。この化合物を以後(C−
2)と略記する。
【0031】実施例1〜6、比較例1〜4 表1に示すポリプロピレン(A)、0℃以下のガラス転
移温度を有するゴム質重合体(B)、帯電防止性を付与
する化合物(C)、ラジカル開始剤(D)および相溶化
剤(D)を表1に示す割合で所定量配合して、ヘンシェ
ルミキサーにて3分間ブレンドした後、得られた配合成
分をベント付き2軸押出機にて所定温度、所定時間(滞
留時間)溶融混練し、目的の帯電防止性樹脂組成物のペ
レットを作成した。次いで、射出成形機によりシリンダ
ー温度210℃、金型温度60℃で試験片を作成し、表面固
有抵抗を測定した。測定結果を表3に示す。
【0032】
【表1】 *1:ジクミルパーオキサイドを使用。 *2:ポリプロピレン(商品名 ウベポリプロJ609、宇
部興産(株)製)。 *3:エチレン−プロピレン−ジエンモノマー共重合体
(商品名 JSR EP43、日本合成ゴム(株)製)。 *4:製造例1で示した(C−1)。 *5:製造例2で示した(C−2)。 *6:酸変性低分子量ポリプロピレン 数平均分子量15,000、密度0.89の低分子量ポリプロピレ
ン100部と無水マレイン酸5部をキシレンに溶解し、ジク
ミルパーオキサイド3部をラジカル開始剤として反応さ
せた後、溶剤を留去して酸変性低分子量ポリプロピレン
を得た。このものの酸価は25.7、数平均分子量は17,000
であった。 *7:水酸基を有する変性低分子量ポリプロピレン 上記*6で得られた酸変性低分子量ポリプロピレンとモ
ノエタノールアミンをキシレン中で反応させた後、溶剤
を留去して水酸基を有する変性低分子量ポリプロピレン
を得た。このものの水酸基価は25.2であり、数平均分子
量は18,000であった。 *8:ラジカル反応性のないN,N−ジヒドロキシエチル
−カルボキシメチル−ラウリルベタインを合成し使用。
【0033】実施例7〜12、比較例5〜8 表2に示すポリプロピレンまたはポリエチレン(A)、
0℃以下のガラス転移温度を有するゴム質重合体
(B)、帯電防止性を付与する化合物(C)、ラジカル
開始剤(D)および相溶化剤(D)を表2に示す割合で
所定量配合して、ヘンシェルミキサーにて3分間ブレン
ドした後、得られた配合成分をベント付き2軸押出機に
て所定温度、所定時間(滞留時間)溶融混練し、目的の
帯電防止性樹脂組成物のヘ゜レットを作成した。次いで、射
出成形機によりシリンダー温度210℃、金型温度60℃で
試験片を作成し、表面固有抵抗を測定した。測定結果を
表3に示す。
【0034】
【表2】 *1:ジクミルパーオキサイドを使用。 *2:ポリプロピレン(商品名 ウベポリプロJ385、宇
部興産(株)製)。 *3:低密度ポリエチレン(商品名 ウベポリエチレン
J1019、宇部興産(株)製)。 *4:エチレン−プロピレン共重合体(商品名 JSR
EP11、日本合成ゴム(株)製)。 *5:製造例1で示した(C−1)。 *6:製造例2で示した(C−2)。 *7:前記表1の*6と同じ酸変性低分子量ポリプロピ
レン。 *8:前記表1の*7と同じ水酸基を有する変性低分子
量ポリプロピレン。 *9:酸変性低分子量ポリエチレン 数平均分子量5,000、密度0.92の低分子量ポリエチレン1
00部と無水マレイン酸5部をキシレンに溶解し、ジクミ
ルパーオキサイド2部をラジカル開始剤として反応させ
た後、溶剤を留去して酸変性低分子量ポリエチレンを得
た。このものの酸価は27.4、数平均分子量は7,000であ
った。 *10:ラジカル反応性のないN,N−ジヒドロキシエチル
−カルボキシメチル−ラウリルベタインを合成し使用。
【0035】実施例13〜24、比較例9〜16 表面固有抵抗は、実施例1〜12および比較例1〜8で
得られたペレット(表1、2にペレットNo.を記載)を
射出成形して厚さ2mmの角板試験片を作成し、下記の条
件で測定した。 (1)成形直後、水洗等の洗浄処理はおこなわず、20℃、
湿度65%RH雰囲気下で24時間放置してから測定した。 (2)成形直後、洗剤ママレモン(ライオン(株)製)水溶
液で洗浄し、次に蒸留水で充分洗浄してから表面の水分
を除去した後、20℃、湿度65%RH雰囲気下で24時間放
置してから測定した。
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】本発明の製法によって、優れた永久帯電
防止性を有し、かつ帯電防止基が化学的に樹脂骨格に結
合されているため、従来の練り込み型帯電防止剤のよう
に樹脂表面にべとつきを生じたり、樹脂物性を低下させ
ることの少ない永久帯電防止性樹脂組成物の製造が可能
である。更に、ゴム成分を含有させることによって、ポ
リエチレンまたはポリプロピレンの優れた諸物性(加工
性、耐薬品性等)に加え、機械的特性(耐衝撃性等)を
付与することが可能である。上記効果を有することか
ら、本発明の製法によって製造される永久帯電防止性樹
脂組成物は、家電・OA機器用のハウジング製品、各種
プラスチック容器および自動車部品等の各種帯電防止性
を必要とする成形材料として好適に使用することができ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A)、(B)および(C)からな
    り、重量基準で(A)/(B)が(10〜99)/(90〜
    1)であり、(C)/[(A)+(B)]が(0.5〜30)
    /100である配合成分を溶融混練し、ラジカル反応させ
    ることを特徴とする帯電防止性樹脂組成物の製法。 (A):ポリエチレンまたはポリプロピレン。 (B):0℃以下のガラス転移温度を有するゴム質重合
    体。 (C):α,β−不飽和カルボン酸またはそのエステル
    形成誘導体と一般式、 (式中、R1は炭素数1〜22の脂肪族飽和炭化水素基、A
    1およびA2はそれぞれ炭素数2〜3のアルキレン基、mお
    よびnは、m+nが2〜20の条件を満たす範囲内で、そ
    れぞれ正の整数である。)で示されるアミン化合物と、
    モノハロ酢酸(塩)との反応物。
  2. 【請求項2】(B)が、ブタジエン系ゴム質重合体、エ
    チレン/プロピレン共重合ゴム質重合体またはエチレン
    /プロピレン/ジエンモノマー共重合ゴム質重合体であ
    る請求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】該配合成分をラジカル反応させるに際し、
    ラジカル反応開始剤(D)を、(C)の重量に対して0.
    5〜30重量%使用する請求項1または2記載の製法。
  4. 【請求項4】該配合成分中に、更に変性ポリオレフィン
    系相溶化剤(E)を(A)、(B)および(C)の合計
    重量に対して0.5〜30重量%含有する請求項1〜3のい
    ずれか記載の製法。
  5. 【請求項5】該相溶化剤(E)が、酸変性低分子量ポリ
    オレフィン(E1)(数平均分子量800〜25,000であり、
    酸価5〜150の範囲のもの)または水酸基を有する変性低
    分子量ポリオレフィン(E2)(数平均分子量800〜25,0
    00であり、水酸基価5〜150の範囲のもの)である請求項
    4記載の製法。
JP31543291A 1991-11-01 1991-11-01 帯電防止性樹脂組成物の製法 Pending JPH05125126A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31543291A JPH05125126A (ja) 1991-11-01 1991-11-01 帯電防止性樹脂組成物の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31543291A JPH05125126A (ja) 1991-11-01 1991-11-01 帯電防止性樹脂組成物の製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05125126A true JPH05125126A (ja) 1993-05-21

Family

ID=18065306

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31543291A Pending JPH05125126A (ja) 1991-11-01 1991-11-01 帯電防止性樹脂組成物の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05125126A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011132525A (ja) * 2009-11-30 2011-07-07 Sanyo Chem Ind Ltd 生分解性樹脂組成物
CN112521684A (zh) * 2020-11-16 2021-03-19 佛山市南方包装有限公司 一种耐高温蒸煮的低温韧性聚烯烃塑料及其制备方法和应用
CN112812313A (zh) * 2021-02-07 2021-05-18 上海涵点科技有限公司 一种抗静电剂及其制备方法和应用

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011132525A (ja) * 2009-11-30 2011-07-07 Sanyo Chem Ind Ltd 生分解性樹脂組成物
CN112521684A (zh) * 2020-11-16 2021-03-19 佛山市南方包装有限公司 一种耐高温蒸煮的低温韧性聚烯烃塑料及其制备方法和应用
CN112812313A (zh) * 2021-02-07 2021-05-18 上海涵点科技有限公司 一种抗静电剂及其制备方法和应用
CN112812313B (zh) * 2021-02-07 2022-07-12 上海涵点科技有限公司 一种抗静电剂及其制备方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3498149B2 (ja) ポリプロピレンのポリエーテルアミン改質
US5298557A (en) Thermoplastic resin composition
JPH11501351A (ja) 改良された衝撃強さを有するプロピレンポリマー組成物
JPH05125126A (ja) 帯電防止性樹脂組成物の製法
JP3135784B2 (ja) 樹脂組成物
JP2811426B2 (ja) 帯電防止剤および樹脂組成物
JP2736489B2 (ja) 帯電防止性樹脂組成物
JP2561598B2 (ja) 帯電防止性樹脂組成物
JPS6099148A (ja) 耐衝撃性ポリプロピレン組成物
JPS61179259A (ja) ポリアミド樹脂組成物
JPH04130146A (ja) エチレン共重合体を含む組成物
JPH0517646A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH04366147A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH0543767A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH06145261A (ja) 変性ポリオレフィン
JPH06172422A (ja) 反応性ポリプロピレン
JPH05287141A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH03229739A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH06345916A (ja) 樹脂組成物
JPH0551502A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH04122755A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH06256598A (ja) ポリプロピレン樹脂組成物
JP2022135363A (ja) 成形機洗浄剤
US20070203292A1 (en) Composition Comprising A Non-Functionalized Polyolefin And A Graft Polyolefin And Article Produced Using This Composition
JPH059343A (ja) 熱可塑性樹脂組成物