JPH0512407B2 - - Google Patents

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JPH0512407B2
JPH0512407B2 JP6661085A JP6661085A JPH0512407B2 JP H0512407 B2 JPH0512407 B2 JP H0512407B2 JP 6661085 A JP6661085 A JP 6661085A JP 6661085 A JP6661085 A JP 6661085A JP H0512407 B2 JPH0512407 B2 JP H0512407B2
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iron
blowing
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Yasuo Kishimoto
Hideji Takeuchi
Hideo Nakamura
Tetsuya Fujii
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    • C21METALLURGY OF IRON
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    • C21C5/00Manufacture of carbon-steel, e.g. plain mild steel, medium carbon steel or cast steel or stainless steel
    • C21C5/28Manufacture of steel in the converter
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
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    • C21C5/56Manufacture of steel by other methods
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、冷鉄、ペレツトあるいはスクラツプ
等のいわゆる固形の含鉄冷材のみもしくは少なく
とも多量の含鉄冷材を用い、これを複数基の転炉
で吹錬する製鋼法にかかり、特に復硫、復燐など
による溶鋼汚染のおそれがなく、高級品質の鋼の
溶製を低コストで行うことができ、さらには炉寿
命向上などにも著効を示す製鋼精錬技術の分野に
属する。 (従来の技術) 一般的な転炉の精錬は、高炉から供給される溶
銑を主原料とし、これに相対的にはごく少量のス
クラツプを加え、造滓剤と高流量の酸素とを供給
して酸素吹錬を行うのが普通である。 この常法の転炉精錬の場合、熱源による制約か
ら全装入原料に占めるスクラツプの量は、約20%
が限度であつて、スクラツプを多量に使用できる
方法とは言えない。この点については従来幾つか
の改良技術が提案されている。 まず、全量もしくは大半がスクラツプや冷鉄
である大量の含鉄冷材を使用して転炉の精錬を
行う代表的な製鋼法として、西ドイツ国特許第
2838983号として提案されているものがある。
この既知の方法はスクラツプを転炉内に装入
し、炉底に設置したノズル(バーナー)を使つ
て該スクラツプを予熱し、その後時には少量の
溶銑をも加えて完全に溶解してから前記炉底ノ
ズルからコークス粉などの炭材を吹込むと同時
にランスまたは該ノズルより酸素を吹錬して精
錬する技術である。 特開昭56−58916号に開示の方法は、酸素上
吹き装置と炭材導入ノズルを用いて、スクラツ
プより1チヤージ当り10〜30%相当量の余分の
溶鋼を精錬し、その余分の溶鋼を炉内に残留さ
せて、次のスクラツプの装入、精錬を引き継ぐ
方法である。 特開昭56−58916号、同56−88415号として開
示されている方法は、転炉炉底羽口の一部から
微粉炭を吹込み、他の羽口からは酸素ガスを供
給して、スクラツプを溶解する方法である。 そして、刊行物「鉄と鋼、70(1984),S885」
に開示されている技術は、鉄浴中に炭素含有物
質と酸素を同時に供給し、発生するCOガスを
鉄浴上でさらに酸素ガスによりCO2ガスまで燃
焼させ、得られる高温ガスを鉄浴上方に積まれ
たスクラツプ中に通すことでこれを予熱し、こ
の予熱スクラツプを上記鉄浴中へ添加してスク
ラツプ溶解を実現する方法である。 (発明が解決しよとする問題点) 上述した〜の従来技術には、それぞれ解決
を必要とする次のような種々の問題点があつた。 まず、に挙げた技術の場合、熱効率が悪いの
で冷材の予熱から完全な溶解までに著しく時間が
かかり、しかも精錬を開始してからも時間がかか
り、後続の連続鋳造設備の稼働スケジユールとも
合わず、同期化に困難を生ずる上、炉壁損傷が激
しく炉寿命が低下する欠点があつた。 上記に示した従来技術の場合は、同一の転炉
を使つて残溶鋼を順次使いつなぐ方法であるか
ら、 1 多量に使用する石炭(代表的な成分例はS:
0.4%,ash:13.7%,VM:13.1%)およびコ
ークス(S:0.57%,ash:17.1%)などの炭
材中硫黄分が溶鋼に入る、 2 スクラツプの溶解から脱炭精錬まで広範囲の
温度変化があり、そして出鋼段階では高温度に
なるのでた耐火物寿命が短い、 3 溶解から吹錬終了まで連続的に精錬するので
長時間となり、そのために底吹き羽口保護(冷
却)のために使うプロパンなどからの熱分解水
素が溶鋼中により多く吸収される、 という問題点が見られた。 上記に挙げた従来方法は、電力を安価な石炭
エネルギーに置換できる点で優れた技術である
が、炉底羽口から微粉炭を吹込むためには必ず炉
内に溶銑が一定量存在していなければならない
し、また微粉炭を吹込む前に炉底羽口から天然ガ
ス、プロパンガス等を酸素と同時に供給し、得ら
れる高温ガスにより予めスクラツプを予熱してそ
の一部を溶解させておく必要があつた。 さらに上記に示した既知技術の場合でも、少
なくとも操業開始のときには上述したと同様の種
湯が必要であり、しかも精錬に時間がかかるので
連鋳のマツチングもうまくいかず、炉壁損傷の面
でも問題が残る。 以上説明したように、従来技術によつてスクラ
ツプのみないしは大半はスクラツプや冷銑である
多量の含鉄冷材を使用する方法の場合、精錬時間
の延長、炉壁耐火物損傷、さらには炭材中の硫黄
による溶鋼の硫黄濃度の大幅な上昇といつた数々
の問題点があつた。 (問題点を解決するための手段) スクラツプ等の含鉄冷材のみを原料として転炉
の精錬を行うには、炉内にコークスや石炭、ある
いはそれに加えてFe−Si等の可燃性材料を添加
し、酸素吹きをして発熱反応を起さなければなら
ない。これを通常の転炉精錬法を採用して溶製す
れば上述したような問題点が生じる。 そこで本発明は、2基以上の転炉(そのうちの
1基ではスクラツプを溶解して高炭素の溶融鉄を
溶製するために、炭材吹込みもしくは添加が可能
なものであり、他方はLD転炉の他、底吹き、
上・底吹きが可能な通常の脱炭精錬用の転炉)を
用い、一方の転炉では全量もしくは大部分が含鉄
冷材(冷鉄・スクラツプ等)および炭材を装入し
て酸素吹錬を行うことにより高炭素の溶融鉄を溶
製し、次いで他方の転炉で、上記溶融鉄を原料と
して常法の酸素吹錬を行つて所要の溶鋼成分のも
のにする精錬を行うこととしたのである。 (作用) 本発明者らは、反応容器内に装入されたスクラ
ツプのごとき含鉄冷材への熱の供給方法を種々検
討した結果、後述するバーナー状のランスを用い
て、炭素含有物質、特に微粉炭あるいは微粉コー
クス(以下これを単に「炭材」と言う)を炭素ガ
スと合送することにより燃焼させ、その燃焼生成
ガスをスクラツプ上方へ吹付けて加熱、溶解する
のが最適であり、この方法によれば、溶銑は必ず
しも必要とは限らないことを見出した。 本発明を実施する反応容器としては、容器の底
部あるいは溶鉄浴面下に当たる側壁部に羽口を有
する構造のものが有利である。工業的に実施する
場合、既存の反応容器で本発明に最適なのは上・
底吹き転炉であり、転炉本体に何ら改造を加えな
くとも、本発明の実施が可能である。 また、本発明を実施するために有効な上述した
バーナ状ランスの一例を第4図に示す。図中の符
号1は炭材流路であり、配管内での燃焼や爆発を
回避するために、通常は非酸化性気体で炭材を搬
送する。ただし空気を一部あるいは全部用いても
問題はない。2は酸素ガス流路であり、ランス先
端のノズル3部で炭材の噴出流に衝突するよに形
成してあり、炭材を燃焼させる。4は冷却水流路
である。酸素気流と炭材噴出流各々の中心線の交
わり角(θ)は、微粉炭中の揮発分割合や噴出速
度によつて最適値が異なるが、30°〜75°の範囲が
望ましい。また酸素ガス流路2と炭材流路1との
配置は、同図中(b)のように酸素ガス流路2を
内側に配してその外側に炭材流路1を設け、酸素
が炭材噴出流に向つて衝突する構造としてもよい
し、さらには同図中(c)のように、酸素ガスの
ノズル3をスリツト状ではなく通常の転炉用ラン
スのようにラバールノズル(末広ノズル)のよう
にしてもよい。 第2図は、上述のランス5を反応容器6内のス
クラツプ7に対して設置する際の位置関係を示
し、同図のように、燃焼生成ガス火炎8はスクラ
ツプの上方から下向きに噴出させることが必要で
ある。ランスの向きが傾斜していると、火炎が炉
壁耐火物に触れる結果、炉壁耐火物に溶損や穴あ
きを起こす。したがつて、ランスは実質的に垂直
に昇降させる必要があり、たとえ傾斜したとして
も、火炎はスクラツプにのみ当るような姿勢に保
持することが必要となる。同図中9は、底吹き羽
口である。スクラツプが溶解し、炉底に溶融した
鉄浴10ができると、この鉄浴に攪拌を与えて周
囲の未溶解スクラツプに接触させこれを溶解させ
ると同時に、鉄浴の温度・成分を均一に保つため
に、羽口から気体あるいは気体と生石灰などの精
錬剤の混合流体を吹込むとよい。 底吹きするガスの種類と量は次のようにして決
定する。まず、酸素ガスの場合、羽口冷却用の炭
化水素ガスとともに、また灯油を燃焼させて得た
高温ガスをスクラツプの下方から吹込み溶解を促
進する。ただ、このようなガスを用いると、炉底
耐火物や羽口の溶損が比較的大きいという欠点が
ある。そこで少量の不活性ガスを用いるようにす
れば、溶解時間は多少長くなるものの炉底や羽口
の寿命は長くなり、総合的には経済的である。な
お、酸素ガスを炉底羽口から供給するのは高生産
性の確保が目的であるので、供給速度は最終的に
製造される溶鉄1トン当り0.2Nm3/min以上、
特に1Nm3/min以上が望ましい。また。不活性
ガスの場合には、攪拌力を得るために必要最小限
で十分であり、1トン当り1Nm3/min以下、特
に0.4Nm3/min以下が望ましい。 上述した羽口は必ずしも炉底にある必要はな
く、例えばAOD炉のように側壁の下部に設置し
てもよい。どのような底吹きガスの量を選択する
かは、反応容器の既存設備や目的とする生産性に
よつて異なる。一般的に言えば、不活性ガスの流
量範囲を大きくとれる羽口を設け、溶け落ちた溶
鉄量の増加にあわせて底吹き量を最低量から約
0.2Nm3/min/tまで漸次増加させることが望
ましい。 第1図は本発明法の概念を示す工程図であり、
前述した第1転炉6で溶融鉄10を得る工程(イ)、
およびその溶融鉄10を原料として別の第2の転
炉11で所要の成分の溶鋼12を得る工程(ロ)で構
成される。 要するに本発明法は、まず工程(イ)の段階として
使う第1の転炉6内には融剤は別にして原料とし
てはスクラツプのみ(溶融鉄:0)装入し、ラン
ス5から炭材14と酸素ガスを吹付けて溶解し、
溶融鉄10をつくり、その全量を1旦取鍋15に
受取り、その後前記溶融鉄10を第2の転炉11
内に装入して製鋼精錬する方法である。 即ち、本発明の好ましい実施の態様は第1図の
工程(イ)、(ロ)で構成される。 工程(イ)について; (1) まず、(A)の段階は、第1の転炉6内にスクラ
ツプや冷銑などの含鉄冷材7を装入し、一方石炭
やコークス等である炭材14を前記含鉄冷材7上
ランス5から酸素とともに吹込み、燃焼ガスのエ
ネルギーでもつて前記スクラツプ等を溶解させ、
その溶解した溶融鉄の一部を取鍋に抜き取り次工
程(ロ)で送る。 なお、この処理に当つて溶融鉄10が次工程(ロ)
で必要とする量に達しない場合は、(A′)工程を
採用して別のいわゆる第1段階の転炉6aにて同
様の処理を行い、取鍋15に抜取り、次工程へ送
るようししてもよい。もつとも(イ)工程では、(A)も
しくは(A′)の段階のあと、引続き(B)の段階を
採用して連続操業をしてもよい。即ち、同第1転
炉(溶融鉄が残つている)6b内に再びスクラツ
プおよび必要な量の炭材14を装入もしくはラン
ス5から吹込み、上述のような酸素吹錬を実施し
て完全に溶解させ、その溶解した溶融鉄の一部を
再び取鍋16に抜き取る一方で残部(種湯)をそ
のまま該第1転炉6内に残し、その種湯のある転
炉6b内に新たに溶解すべきスクラツプ7を装入
し、炭材14をランス5から吹込み、炭素吹きを
行うことにより連続的な操業を行い、次の工程(ロ)
に供給するのに必要な量の溶融鉄10を溶製して
もよい。 なお、このとき生成するスラグがあれば除滓す
る。また、該溶融鉄10の一部を、図示のように
取鍋15か取鍋16から(A)段階の操業開始時に用
いる種湯(溶融鉄)13として環流させてもよ
い。そして、上述の具体例は、第1の(イ)工程とし
て(A),(A′)〜(B)の2段階のものを例示したが、
工程数としては図示例のものに限らず、要するに
最終的に必要な量の溶融鉄10を溶製すれば足り
るのであつて自由に選択できる。 また、2基以上の転炉が設置されている場合、
例えば3基の転炉がある場合は、2つの転炉を高
炭素の溶融鉄の溶製転炉とし、他のもう一つの転
炉を脱炭精錬用の転炉とすれば、溶融鉄が迅速に
溶製されるので、脱炭精錬用転炉の操業時間とも
良くマツチングするようになる。 第4図は、炭素濃度と復硫率との関係を示した
ものであるが、この図の示すところから、復硫率
ηを底値に抑えるための溶融鉄10の炭素濃度と
しては、〔%C〕≧2.5%の溶銑相当材でなければ
ならないことが判る。実際、この炭素については
工程(ロ)での酸化反応熱源としても必要である。 なお、復硫率ηは次のようにして求めた。 η=溶融鉄中に加硫された重量(Kg)/炭材中のS重量
(Kg)×100 以上のように、本発明によれば〔C〕を敵正維
持することにより、炭材からの加硫を抑制できる
ので、炭材の種類・量を自由に変化できる利点が
ある。 なお、本発明においては、微粉炭(粉状の石
炭)を上吹きランスより添加する場合を主に説明
するが、これは粉状の石炭が比較的安価でありな
がらも従来転炉内へ添加くるのが最も困難であつ
たのに対し本技術で用いられる上吹きランスから
の添加により転炉内への利用が可能になつたこと
を説明するためである。実際上はこうした微粉炭
を添加する場合の他、本発明においては塊状石炭
を炉上より投入する方法、塊状のコークスを炉上
より投入する方法、羽口より微粉炭を吹き込む方
法などが適用できるが、これらの方法を併用する
ことにより、より経済的な溶製が可能となる。 工程(ロ)について; 上述した(イ)工程で得られた予備処理溶融鉄10
を取鍋15,16から別の第2転炉11へ注入
し、ランスおよび/または底吹き羽口から酸素吹
精して常法の製鋼精錬を行い、所要成分の溶鋼1
2を取鍋17に出鋼する。 なお、工程(イ)の(A),(A′)段階で得た取鍋15
中の溶融鉄10を取鍋16のものと合流させて第
2転炉11内に装入してもよい。 本発明の場合、工程(イ)−(A)〜(B)、工程(ロ)の全段
階を同一転炉で処理する場合に較べると次のよう
な利点がある。 (1) 熱源としての炭材を転炉に添加するための必
要な構造を、既存転炉向上の1基だけ改造すれ
ばよい。 (2) 添加する炭材に含まれる硫黄、灰分などに起
因して起る復硫のおそれが2基の転炉を使うの
で回避される。なんとなれば、転炉6でのスク
ラツプ溶解時の溶鉄中の炭素濃度を2.5%以上
とすれば、炭材中の硫黄は溶鉄中に入らずスラ
グ中に存在するので、第2の転炉11での脱炭
吹錬前に当該スラグを除去することが可能であ
る。 また、本発明の場合、工程(ロ)については脱炭精
錬主体であるから上吹きランスで精錬すれば、プ
ロパン等羽口冷却ガスからの水素吸収が少なくな
る。もつとも、底吹きを行つても、本発明の場合
全精錬時間が著しく短縮されるので、いずれにし
ても水素は低く抑制される。 (3) スクラツプが主原料となるので、第2転炉で
脱炭と同時に脱燐(もともとスクラツプ中のP
は低い)を行うための造滓剤の使用量が少なく
て済み、鉄歩留りの向上、フエロアロイの削減
が図れる。 (4) 2基以上の転炉を同時に稼動させ得るので、
トータルな吹錬時間が端縮され、連続鋳造機と
の同期運転が容易である。 (5) 極低S・P鋼の溶製に適する。 (6) 復硫のおそれがないので、第2の転炉11の
炉壁保護のためのスラグコーテイングが安心し
てでき、耐火物原単位の低下、炉寿命の向上が
図れる。 (実施例) 本発明例 1 第1図の第1転炉6として、酸素ガスを底吹き
できるとともに炭材燃焼バーナーの機能をもつ上
吹きランスを有する5トンの転炉を用い、また第
2転炉として5t規模の上吹き転炉を用い、全量ス
クラツプ使用の場合における本発明の実施例を示
す。第5図は、設備の概略図であり、図中の5は
上述の上吹きランス、6は上・底吹き転炉、9は
底吹き羽口、7は装入されたスクラツプ、18は
炭材(微粉炭)を貯蔵し気体搬送するためのデイ
スペンサーである。9の底吹き羽口からは、酸素
と羽口冷却用のプロパンを供給できるようにし
た。 操業手順を以下に示す。まず。炉内を十分に予
熱し、炉内壁温度を約1000℃としたのち、スクラ
ツプを約4トン装入した。このスクラツプは、製
鉄所内で発生した熱延鋼板のトリミング屑、スラ
ブの切断片などを用いたが、特にスクラツプの銘
柄・種類は限定されない。次に炉を垂直にし、炉
の上方から前述のバーナー機能を有するランスを
下降させ、微粉炭を35Kg/min、酸素を17Nm3
min供給し、ランスのノズル出口で燃焼させ、火
炎がスクラツプに当る位置でランスを固定しスク
ラツプの溶解を開始した。このようにして種湯を
炉底に溜めてから、炉底羽口から酸素を5Nm3
min、および羽口冷却用のプロパンガス13を
0.4Nm3/min供給した。また炉上のランスから
は同条件で微粉炭と炭素を供給しつづけスクラツ
プを溶解した。この状態で25分間保持後、炉上か
らスクラツプを1.6トン追加し、さらに14分間保
持し炉を傾動して炉内のスクラツプが全量溶解し
ていることを確認した。第1表に、以上の操業で
使用した主副原料の重量を10ヒートの平均値で示
す。
【表】 表中の生石炭は、微粉炭中の灰分がAI2O3
SiO2を主成分とし、またスクラツプ中のシリコ
ンが酸化されてSiO2となるので、塩基性耐火物
の保護の目的で添加した。 操業後の溶鉄成分と温度を第2表に示す。
【表】 Si,MnやPは主としてスクラツプに起因する。
一方、Sは微粉炭から大量に溶鉄中に入る。添加
する生石炭の量を調整し、スラグ塩基度を2以上
にした場合に低いS濃度が得られた。なお、本実
施例での底吹き羽口からはO2を吹込んだが、不
活性ガスを用いて鋼浴の強攪拌を行うことも可能
である。 その後第1転炉6の溶湯を出湯し、第2転炉1
1に装入して溶銑炭素濃度に応じた吹錬を行つ
た。この際に、第1転炉で発生したスラグは完全
に溶銑と分離した。上吹きランスは4孔(10mm
φ)であり、送酸速度20Nm3/minとした。ラン
ス高さは湯面とランスチツプまでの距離として約
0.5m一定に保つた。操業後の溶鋼成分と温度を
10ヒートについて第3表に示す。
【表】 また、第2転炉の10ヒートの耐火物の溶損速度
はレーザー測定で約0.15mm/chであつた。 比較例 比較例として、実施例1における第1転炉のみ
を用いる方法を行つた。すなわち、スクラツプを
溶解して高炭素溶鉄を得る工程は実施例と全く同
一として、第2転炉を用いることなく、同一の第
1転炉にて実施例1の第2転炉の工程と同じ工程
を行つた。 以上の比較実験を5チヤージ行つたが、得られ
た溶鋼の成分と温度を第4表に示す。
【表】 実施例と比較して溶鉄中の硫黄濃度が高く、こ
の成分の溶鋼では、溶鋼を再度脱硫処理しない
と、使用用途が限定される。このように硫黄濃度
の高い理由は、スクラツプ溶解と脱炭精錬を同一
炉で行つたために、高炭素濃度域でスラグ中に存
在していたスラグが十分に分離されず、脱炭吹錬
で炭素濃度が低下するにつれて溶鉄中に加硫した
結果であると考えられる。 本発明例 2 この実施例は、工業規模の公称85トン転炉で、
本発明の工程から生じる溶鉄を種湯として用いる
方法を説明する。 転炉は酸素吹きの可能な底吹き羽口を6本有
し、上吹きランスからの酸素とともに、いわゆる
複合・吹錬の可能なものである。 本発明の実施は、第1図に示す工程に従つて行
つた。各工程に従つて説明する。 工程(イ),(A)の段階; スクラツプ28トン、前回のスクラツプ溶解で生
産して保持されていた溶鉄61トンを第1の転炉6
内に装入し、微粉炭500〜600Kg/min、酸素200
〜250Nm3/minを上吹きランスから吹付けた。、
また、炉底の羽口からも酸素を100〜150Nm3
min吹込んだ。石灰CaOは500Kg用い、約19分の
吹錬でスクラツプを完全に溶解した。使用した微
粉炭は8600Kg,O2ガスは7200Nm3であり、その
時に生成された溶鉄はC/3.68%,Mn/0.27%,
P/0.015%,S/0.007%で、1450℃であつた。
この溶鉄から26トン分を取鍋に出湯した。 (A′)の段階; 炉内に残つている溶鉄に、スクラツプを48トン
装入し、(A)の段階と同一のスクラツプ溶解吹錬を
行つた。石灰石600Kg添加し、微粉炭12000Kg,
O2ガス9800Nm3で26分の吹錬時間の後に吹止め
た。溶鉄の成分は、C/3.51%,Nn/0.28%,
P/0.014%,S/0.010%で1480℃であつた。こ
こで炉内溶鉄の一部を取鍋に出湯した。(出湯量
48トン) (B)の段階; 炉内の残湯にスクラツプを42トン、石灰を700
Kg装入し吹錬を開始した。微粉炭11000Kg,O2
ス8800Nm3の後に吹錬をして吹止めた。このと
きの溶鉄成分はC/3.3%,Mn/0.30%,P/
0.016%S/0.009%で1505℃であつた。吹錬所要
時間は24分であつた。 工程(ロ); (B)の段階で得られた溶銑を取鍋に出湯し、スラ
グを分離して、公称能力85トンの第2の転炉に装
入した。この時の溶銑量は108トンで温度は1340
℃であつた。石灰を1.3トン添加し、底吹き炭素
流量を180Nm3/minで16分の吹錬を行い吹止め
た。溶鋼の温度は1650℃であり、溶鋼組成は、
C/0.07%,Mn/0.12%,P/0.12%,S/
0.006%であつた。 この実施例においても、多量の微粉炭を使用し
たにもかかわらず、硫黄濃度が0.006%である低
硫鋼が得られた。 なお、前記工程において、工程(イ)の(A),(A′)
の段階で取鍋に出湯された26トンと43トンの合計
69トンの溶湯は、前記工程の繰返し操業におい
て、次回の操業の工程(イ)の溶鉄として使用した。 (発明の効果) 以上説明したように本発明によれば、スクラツ
プ等を多量に使用して転炉精錬を行う際、従来見
られた復硫、復燐などが効果的に抑制されるので
高級品質鋼を得るのに好都合であり、しかも安価
に製造できる効果がある。さらに、耐火物への負
荷が少なく炉寿命を向上させる。 また、本発明により安価でかつ豊富な1次エネ
ルギーと石炭と産業構造上、必ず発生する屑鉄と
から溶鉄を経済的にかつ容易に得られるようにな
つた。この点石油に大きく依存する電気エネルギ
ー削減および老廃物の再利用が工業的に可能とな
つたことは、本発明が社会的にも意義が大きいこ
とを示している。 なお、本発明の効果はその他にも随時前述(作
用の項)したとおりの内容を含むのはもちろんで
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明製鋼法を説明するための工程
〔イ,ロ〕図、第2図は、上吹きランスとスクラ
ツプの位置関係を示す概念図、第3図のイ,ロ,
ハは、本発明を実施するために必要な微粉炭燃焼
バーナーの機能を有する上吹きランスの断面図お
よび矢視底面図、第4図は、溶融鉄中〔%C〕と
復硫率との関係を示すグラフ、第5図は、上底吹
き転炉を第1転炉として用いた本発明の実施状態
について説明する略線図である。 1……炭材流路、2……酸素流路、3……ラン
ス先端の吹出しノズル、4……冷却水流路、5…
…ランス、6……第1転炉(溶解用)、7……ス
クラツプ、8……燃焼炎、9……底吹き羽口、1
0……予備処理溶融鉄、11……第2転炉(精錬
用)12……溶鋼、13……種湯、14……炭材
(粉状)、15,16……取鍋、17……溶鋼用取
鍋、18……デイスペンサー。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 2基以上の転炉を用い、それらの転炉のうち
    の1の転炉内に、全量が含鉄冷材もしくはごく僅
    かな溶鉄の存在を許容する大部分が含鉄冷材であ
    る原料を装入し、 次いでその転炉内の前記原料上に、炭素含有物
    質とともに酸化性ガスを合送し燃焼させることに
    より生成する燃焼ガスを吹付け、高炭素含有の溶
    融鉄を溶製し、 その後、他の転炉にて1の転炉で得られた上記
    溶融鉄を原料として、常法の酸素吹きによる製鋼
    精錬を行つて目標成分鋼とすることを特徴とする
    含鉄冷材を主原料とする転炉製鋼法。 2 溶融鉄を溶製する段階の転炉操業を、得られ
    た溶融鉄の一部を残留させる一方で新たに含鉄冷
    材と炭材を供給することにより、複数回にわたつ
    て行うことを特徴とする特許請求の範囲1記載の
    製鋼法。
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