JPH05118266A - ガソリン機関の失火検出装置 - Google Patents

ガソリン機関の失火検出装置

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JPH05118266A
JPH05118266A JP4542992A JP4542992A JPH05118266A JP H05118266 A JPH05118266 A JP H05118266A JP 4542992 A JP4542992 A JP 4542992A JP 4542992 A JP4542992 A JP 4542992A JP H05118266 A JPH05118266 A JP H05118266A
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繁 宮田
Yoshihiro Matsubara
佳弘 松原
Junichi Kagawa
純一 加川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実装、メンテナンスが容易な構成で、正確に
各気筒ごとの失火が検出できる失火検出装置の提供にあ
る。 【構成】 この発明の失火検出装置は、DLI式点火装
置100を備えたガソリン機関において、絶縁碍子35
の先端から突出している中軸36の突出部39の表面積
が25mm2 以上であるスパークプラグ3と、該スパー
クプラグ3の電極間に印加される二次電圧の分圧を検出
する分圧器5と、火花放電終了後に設定した時期以降
の、二次電圧の減衰特性を検出する二次電圧検出回路6
と、該二次電圧の減衰特性により、失火を判別する判別
回路7とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ガソリン機関におい
て、正常に着火したときと着火ミス(失火)が生じたと
きとで、スパークプラグの火花放電間隙の電気抵抗値が
相違することを利用した失火検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンなどガソリン機関では、
排気浄化および燃費向上の要求から、機関の各気筒毎に
着火状態を検出し、全ての気筒の失火防止対策のできる
装置が要請されている。また失火検出装置として、従来
よりシリンダーブロックに穴を開け燃焼光センサを装着
したり、スパークプラグの取り付け座に圧力センサを取
り付けたり、点火回路のイオン電流を測定する方法が公
知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法は、エンジ
ンテストなど実験的使用には適するが、実車エンジンの
全ての気筒に装着し、常時使用するためにはセンサの装
着が面倒であったり、二次回路にイオン電流を流するた
めに実装上問題のある高圧ダイオードが必要であるなど
の欠点があった。この発明の目的は、実装、メンテナン
スが容易な構成で、正確に各気筒ごとの失火が検出でき
る失火検出装置の提供にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明の失火検出装置
は、ディストリビュータ・レス・イグナイタ(以下DL
Iという)式点火装置を備えたガソリン機関において、
絶縁碍子の先端から突出している中軸の突出部の表面積
を25mm2 以上とした前記スパークプラグと、該スパ
ークプラグの電極間に印加される二次電圧を分圧する分
圧器と、火花放電終了前後に設定した時期以降の、前記
分圧の減衰特性を検出する二次電圧検出回路と、前記減
衰特性により、失火を判別する失火判別回路とからな
る。
【0005】また、配電器(ディストリビュータ)を有
する点火回路を備えたガソリン機関において、絶縁碍子
の先端から突出している中軸の突出部の表面積を25m
2 以上とした前記スパークプラグと、機関の低速低負
荷運転時において、前記スパークプラグでの火花放電終
了後の所定時期に、前記二次回路に前記スパークプラグ
の浮遊静電容量に充電するための二次電圧を発生させる
失火検出用二次電圧発生手段と、前記スパークプラグの
電極間に印加される前記二次電圧を分圧する分圧器と、
機関の高速運転時は、火花放電終了後に設定した時期以
降の、前記分圧の減衰特性を検出し、機関の低速低負荷
運転時は、前記失火検出用二次電圧発生手段により発生
させた失火検出用二次電圧の前記分圧の減衰特性を検出
する二次電圧検出回路と、前記失火検出用二次電圧の減
衰特性により、失火を判別する失火判別回路とからな
る。
【0006】請求項3に記載の発明では、上記各構成に
おいて、火花放電終了後の二次電圧波形のピーク電圧値
を検出するピーク電圧検出回路を付設し、前記失火判別
回路は、前記ピーク電圧値のレベルまたは前記二次電圧
の減衰特性により失火を判別する。請求項4に記載の発
明の失火検出装置において、前記スパークプラグは、N
i合金製母材に良熱伝導金属芯を配した中軸を、突出部
の長さLと、中軸先端面と芯先端との間(芯のない部
分)の長さnとの割合を、芯のない部分の全表面積が、
前記突出部の全表面積の半分より小さくなるよう設定し
た。請求項5に記載のガソリン機関の失火検出装置にお
ける前記スパークプラグの中軸の突出部は、負極性とす
るように接続した。
【0007】
【発明の作用】請求項1に記載の発明は、主にDLI式
点火装置において適用される。この点火装置では、火花
放電終了直後に点火コイルに残存する電気エネルギー
が、逆流防止ダイオードを通じて主にスパークプラグの
浮遊静電容量(10〜20ピコファラッド)に充電され
る。この充電電荷は、機関の高速回転時に5〜8キロボ
ルト、低速回転時に2〜3キロボルトの二次電圧とな
る。この二次電圧は、火花放電終了後スパークプラグの
火花放電間隙においてイオン電流となって急速に放電す
る(正常着火時)か、または二次回路から漏洩してゆっ
くり放電(失火時)して降圧する。この充電電荷の減衰
特性は、スパークプラグの火花放電間隙に、燃焼により
生成した燃料分子のイオンが、高密度で存在するか否か
で大きく異なるとともに、イオンが存在する場合におい
ては、イオン電流の放電電極となるスパークプラグの電
極の面積により左右され、面積が大きいほどイオン電流
が流れやすく、減衰の進行が早い。よって逆流防止ダイ
オードとスパークプラグとの間の電圧をモニターした
後、たとえば二次電圧が適当な設定時期にピークホール
ドしたピーク値に対して、一定割合のレベルに降下する
までの時間(減衰時間)を検出するなど特性を検出する
ことにより、失火の判別ができる。
【0008】従って、火花放電の終了後にスパークプラ
グの静電容量に充電された失火検出用二次電圧(分圧)
の減衰特性を検出し、この減衰特性と、あらかじめ運転
条件に応じて測定または計算により求めたデータと比較
することにより、失火の有無が判別できる。このとき、
外側電極に比べて露出面積が小さいスパークプラグにお
ける、中心電極の露出面積を25mm2 以上とすると、
イオン電流が円滑かつ迅速に流れる。また、気筒内の燃
焼気流のばらつき等によるイオン電流の導通不良が低減
でき、失火検出精度が向上できる。
【0009】請求項2に記載の発明は、主に配電器を有
する点火装置に適用される。この点火装置では、点火コ
イルとスパークプラグとの間にローターギャップなどの
気中ギャップがある。機関の低速低負荷運転時には、火
花放電後に点火コイルに残存する電気エネルギーが少な
く、二次電圧の昇圧が小さいためスパークプラグ静電容
量に正確な失火の検出に十分な失火検出用二次電圧を印
加できない場合が生じる。このため、低速低負荷運転時
のみ、火花放電終了後の所定時期に、二次回路に正確に
失火検出ができるレベルの失火検出用二次電圧を発生さ
せる。この失火検出用二次電圧のレベルは、配電器のロ
ーターギャップなどシリーズギャップの絶縁破壊が可能
で、かつ失火時のスパークプラグギャップの絶縁破壊が
不可能な大きさ(通常5〜7キロボルト)である。失火
検出用二次電圧は、点火コイルの一次回路の一次電流を
短時間流して遮断したり、また点火コイルとは別に昇圧
コイルを付設して、二次回路に所定のレベルの二次電圧
を発生させることができる。これにより正確な失火の検
出に十分な二次電圧を、スパークプラグの静電容量に充
電させ、この充電電荷(前記分圧)の放電特性を中心電
極の露出面積を25mm2 以上としたスパークプラグを
用いて上記と同様に検出する。
【0010】なお、機関の高速運転中は、火花放電終了
後の二次電圧の昇圧レベルは高く、スパークプラグの静
電容量には正確な失火の検出に十分なレベルの失火検出
用二次電圧が充電されるため、失火検出用二次電圧発生
手段の作動は不要である。さらに、機関が高速でかつ高
負荷運転されているときは、火花放電終了後の二次電圧
が高くなりすぎ、スパークプラグの火花放電間隙で火花
放電する場合がある。この場合、スパークプラグの浮遊
静電容量などに充電された電荷は、一時に放出されるた
め、たとえ失火が生じていても失火検出用二次電圧の降
圧は急速である。このため、失火検出用二次電圧の降下
(減衰)特性のみの検出では、正常着火との判別が困難
になる。
【0011】しかるに、この高速高負荷運転において
は、正常着火と失火とでは火花放電終了後の二次電圧の
昇圧レベルが著しく異なる。すなわち、正常着火してス
パークプラグの火花放電間隙にイオンが存在し、スパー
クプラグの充電電荷がイオン電流として放電されるとき
は、3〜5キロボルト程度までしか昇圧しないのに対
し、失火で火花放電するときは、10キロボルトを越え
る電圧まで昇圧する。このため、火花放電終了後の二次
電圧を検出し、そのレベルを判別することで、高速高負
荷運転時の失火の判別が可能となる。
【0012】上記の如く、スパークプラグの中心電極の
露出面積を25mm2 以上とすると、気筒内での露出面
積が大きいため、受熱面積の増大により中軸先端の温度
が過昇温し、プレイグニッションが発生し易くなる。こ
のため、請求項4の構成では、良熱伝導金属製芯の先端
を中軸先端に近く設定し、熱引きを良くしている。これ
により、受熱面積の増大に伴うスパークプラグの熱価の
低下と、中軸自体の耐久性の低下を防止できる。
【0013】請求項5のマイナス極性となるように接続
された中心電極は、火炎中のプラスイオンが中心電極に
引き寄せられ、電荷の交換をすることにより電流が流れ
る。この時プラスイオンは、電子に比較して質量が大き
く動きが遅く中心電極の周りに滞留していると考えられ
る。このため律速は、プラスイオン側のスピードによる
と考えられる。この発明のようにスパークプラグの中心
電極の露出面積を25mm2 以上とすると、露出面積が
大きいため、多くの動きの遅いプラスイオンを引き寄せ
ることができるために二次電流が増大して減衰特性が明
確となる。
【0014】
【発明の効果】このように、この発明の失火検出装置で
は、スパークプラグがイオン電流の通電に有利な25m
2 以上の中心電極の露出面積を有するため、気筒内の
燃焼気流のばらつきによる失火検出精度の低下を防ぐこ
とができる。また、燃焼光センサ、圧力センサ、高圧ダ
イオードは不要であり、構成が簡潔で自動車エンジンへ
の装着性に優れ、メンテナンスが容易で、各気筒ごとに
正確に失火の検出できる実用性の高い失火検出装置が得
られる。
【0015】
【実施例】図1は、気筒数と同数の点火コイル1および
スパークプラグ3を備えたガソリン機関のDLI式点火
装置100を示す。各点火コイル1の一次回路11は、
車載電源Vと、一次電流断続手段4とに接続され、二次
回路12は、逆流防止ダイオード13を介してスパーク
プラグ3に接続されている。逆流防止ダイオード13と
スパークプラグ3の火花放電間隙31との間の二次回路
12には、分圧器5と、二次電圧検出回路6と、判別回
路7とが接続されている。
【0016】スパークプラグ3は図2に示す如く、先端
面にL字形の外側電極32が溶接された筒状の主体金具
33に、軸穴34付き絶縁碍子35を嵌め込み、軸穴3
4に先端部を突出させて中軸36を貫設してなる。中軸
36は、マイナス極性とされ、ニッケル(Ni)合金製
母材37の中心に、良熱伝導金属芯38を配してなる。
母材37は、耐酸化性および高温強度に優れる10〜2
0重量%のクロム(Cr)を含むNi合金または純Ni
を使用する。また芯38は純銅(Cu)、0.25重量
%アルミニウム(Al)を含むCu合金または銀(A
g)が好適に使用できる。
【0017】中軸36は、絶縁碍子35の先端からの突
出部39の全表面積(露出面積)が25mm2 以上とな
るように設定されている。また突出部39の長さLと、
中軸36の先端面39Aと芯38の先端38Aとの間
(芯のない部分)の長さnとの割合は、芯のない部分の
全表面積が、突出部39の全表面積の半分より小さくな
るよう設定してある。一次電流断続手段4は、スイッチ
素子41およびシグナルジェネレータ42からなり、エ
ンジンのクランク角およびスロットル開度を検出し、火
花放電時期がエンジンの負荷および回転速度に適応した
点火進角となるよう一次電流を断続する。
【0018】この実施例では、分圧器5は、二次回路1
2の高電圧リードとの間に1pF(ピコファラッド)静
電容量を生じるよう配設された導電体からなるセンサ5
1が使用され、低インピーダンス素子として3000p
Fの静電容量のコンデンサ52を用い、二次回路12に
生じた二次電圧を1/3000程度に分圧する。この場
合、コンデンサ52の放電回路を形成する3メガオーム
の抵抗53を並列接続すると、分圧器5の時定数が9m
s(ミリ秒)となり、後記する2〜3msという比較的
長い二次電圧波形の減衰時間の判別が確実にできる。こ
れにより最高3万ボルト前後の高電圧波形が10ボルト
のレベルに下げられ二次電圧検出回路6に入力する。
【0019】二次電圧検出回路6は、図3に示す如く、
シグナルジェネレータ42で設定した時期において、リ
セットがなされるとともに、分圧器5の分圧をホールド
するピークホールド回路61、ピークホールド回路61
の出力電圧を分圧する分圧回路62、分圧回路62の分
圧(基準電圧)と前記分圧器5の出力とを比較し、パル
ス出力を発する比較回路63からなる。判別回路7は、
マイクロコンピュータが使用され、前記二次電圧検出回
路6の出力パルスを予め実験または計算により求めたデ
ータと比較し、失火を判別する。
【0020】作用を図4とともに説明する。シグナルジ
ェネレータ42でスイッチ素子41をオン、オフさせ、
のパルス波aの如き一次電流を一次回路11に生じさ
せる。この一次電流の断続により、点火コイル1の二次
コイルL2にはに示す二次電圧が生じる。前記パルス
波aの終了時点で発生した火花放電間隙31の絶縁破壊
電圧(要求電圧)pにより火花放電が開始し、これにつ
づき誘導放電によるなだらかな二次電圧波形qが生じ
る。二次電圧波形qは、機関の低速運転時は、火花放電
は2ミリ秒間程度持続し、点火コイル1の電気エネルギ
ーの低減とともに終了する。この終了の直前から点火コ
イル1に残存する電気エネルギーにより二次電圧は昇圧
し始め、終了直後に2〜3キロボルトに昇圧したのち降
圧する。また機関の高速運転時は、火花放電は1ミリ秒
間程度持続し、この後5〜8キロボルトまで昇圧したの
ち降圧する。
【0021】火花放電終了後における逆流防止ダイオー
ド13とスパークプラグ3との間の二次電圧波形は、主
にスパークプラグ3の静電容量に充電された電荷の放電
状態を示しており、に示す如く、正常に着火した場合
(実線)と、失火したとき(二点鎖線)とで減衰時間に
差が生じる。すなわち、正常着火したときは、充電電荷
はスパークプラグ3の火花放電間隙31に存在するイオ
ンを介してイオン電流となって放電されるため、q1
如く急速に減衰する。なおイオン電流は、後記する如く
スパークプラグ3の電極面積により流れ易さが大きく左
右される。これに対し、失火したときはスパークプラグ
3の絶縁碍子35、プラグキャップなどを介する漏電と
なるため、q2 の如く緩やかに降圧する。
【0022】シグナルジェネレータ42は、たとえば、
回転速度、負荷、点火系の仕様に応じて、実験または計
算により求めた各運転条件における平均的火花放電持続
時間より0.5ミリ秒あとを、リセットおよびピークホ
ールド時期に設定し、ピークホールド回路61を作動さ
せる。この時期の充電電圧値をピークホールド回路61
でホールドし、分圧回路62で分圧したその1/3のレ
ベルを基準電圧vとして、前記分圧器5の出力波形と、
比較回路63において比較する。この比較回路63の出
力パルスは、正常に着火が生じたときは図4のに示す
短いパルス波t 1 を出力し、失火したときは図4のに
示す長いパルス波t2 を判別回路7に出力する。
【0023】判別回路7は、この減衰時間が、たとえば
エンジン回転速度が1000rpmのときは3ms以上
で失火と判別し、6000rpmのときは、1ms以上
で失火と判別し、この中間の運転条件の場合は、その比
例値以上で失火が生じたと判別する。なお、中軸36の
突出部39の露出面積が25mm2以下のときは、中心
電極がプラスの電位であるときの方が、マイナスのとき
に比較しイオン電流がスムーズに流れるので、点火コイ
ル1は通常と逆に接続するなどにより、二次電圧はプラ
スの電位に設定しておくことが望ましい。また、中心電
極がプラス極性の場合、動きの遅いプラスイオンは、露
出面積が25mm2 以下の中心電極と比べ表面積の大き
な外側電極に引き寄せられるため、電荷の交換スピード
は、外側電極と中心電極との表面積比程度(約10倍)
早くなる。プラスイオン比べて十分軽い電子は素早く中
心電極側へ移動できるため、律速はプラスイオン側のス
ピードになると考えられる。
【0024】しかし、火炎中の電子と比べて重く動きの
遅いプラスイオンが引き寄せられるスピードが律速とな
ることから、中軸36の突出部39の露出面積が25m
2 よりも大きいときは、マイナスの電位であってもプ
ラスの電位でも同程度である。これは、スパークプラグ
3の中心電極がマイナス極性の場合、火炎中のプラスイ
オンが中心電極に引き寄せられ、電荷の交換することに
よって、電流が流れ、二次電圧の減衰特性が観測され
る。このときのプラスイオンは電子に比較して重く動き
が遅いために露出した中心電極の周りにプラスイオンが
滞留すると考えられる。従って、中軸36の突出部39
の露出面積を25mm2 よりも大きくする効果は、中心
電極がマイナスの極性に場合に有効である。
【0025】図5は請求項2にかかる発明の実施例を示
す。図1と同一符号は同一物を示す。この点火装置は、
配電器2を備える。この実施例では、一次電流断続手段
4がその機能を兼ねているスパークプラグ静電容量充電
用電圧発生手段を備える。これは機関が低速回転、かつ
低負荷で運転されているときは、点火コイル1に残存し
ている電気エネルギーが少なく、火花放電終了後の二次
電圧の昇圧レベルでは、スパークプラグ3の静電容量に
失火の検出を正確に行うレベルの二次電圧を充電できな
いので、正確に失火の検出ができるレベルの二次電圧
を、別途発生させる必要があることによる。
【0026】よって、このスパークプラグ3の静電容量
に充電するための失火検出用電圧発生手段(4)は、機
関が例えば3000rpm以下の低速回転中のみ作動
し、失火検出用二次電圧を発生させる。機関が3000
rpm以上の高速回転中は、上記二次電圧の昇圧レベル
が5〜8キロボルトと高く、作動させる必要はない。な
お失火検出用二次電圧発生手段(4)の作動範囲は、機
関の型式により適宜決定され、エンジンの負荷、冷却水
温、バッテリー電圧などの運転条件により調整できる。
【0027】機関の高速回転中の作用は、上記請求項1
の発明と同じであり、低速回転中の作用を図6とともに
説明する。シグナルジェネレータ42で一次電流断続の
ためのパルス信号を出力し、の如き一次電流を一次回
路11に生じさせる。巾の大きいパルス波aはスパーク
プラグ3で火花放電を発生させるための信号であり、こ
れらパルス波aの終了後、1.5〜2.0ms程度の遅
延時間iだけ遅延した巾の小さいパルス波bはスパーク
プラグ静電容量充電用電圧(イオン検出電圧)発生用の
信号である。配電器2のローターギャップ21は、ロー
タとサイドエレクトロードとの近接時間が、エンジン回
転速度により変化するため、エンジンの中速運転時に、
遅延時間iは1.5ms程度に短く設定することが望ま
しい。
【0028】上記一次電流の断続により、二次回路12
の点火コイル1にはに示す二次電圧が生じる。前記パ
ルス波aの終了時点で発生した絶縁破壊電圧pにより火
花放電が開始し、これにつづき誘導放電によるなだらか
な二次電圧波形qが生じて火花放電は終了する。つぎ
に、前記パルス波bの立ち上がりに対応し、二次回路1
2には逆起電力によるプラス波形rが生じ、この一次コ
イルへの通電において点火コイル1には電気エネルギー
が蓄積されるため、通電の停止後、二次電圧は再昇圧
し、波形sが現れる。この二次電圧の再昇圧レベルは、
前記遅延時間iとパルス波bの巾により所望に設定する
ことができる。この発明では波形sのレベルは、ロータ
ーギャップ21の絶縁破壊が可能であり、スパークプラ
グ3の火花放電間隙31に燃焼中の燃料イオンが存在し
ない場合には放電が不可能となるよう、5〜7キロボル
トに設定される。
【0029】これにより、配電器2のローターギャップ
21とスパークプラグ3の火花放電間隙31との間の、
主にスパークプラグ3の静電容量(通常10〜20p
F)に充電された二次電圧はに示す如く、正常に着火
した場合と、失火したときとで減衰時間に差が生じる。
すなわち、正常着火したときは、実線s1 の如く急速に
降圧する電圧波形となり、失火したときは、二点鎖線s
2 の如く緩やかに減衰する二次電圧波形となる。失火の
判別は、請求項1の発明と同様に、設定時期におけるリ
セットおよびピークホールド、このピークホールド電圧
の1/3のレベルまでの減衰時間の検出、および判別に
よりなされる。
【0030】なお点火コイル1と配電器2との間に、逆
流防止用ダイオードを挿入しておくと、上記スパークプ
ラグ1の静電容量に充電された5〜7キロボルトの電圧
が、ローターギャップ21を飛び越えて点火コイル1に
逆流して3〜4キロボルトに瞬時に降圧する現象を防止
でき、失火検出精度が向上できる。上記実施例では、い
ずれも分圧器5により分圧した二次電圧波形の、設定時
期における二次電圧をホールドし、その減衰時間を失火
検出の基準としているが、前記設定時期から一定時間後
の二次電圧レベルを検出してもよい。
【0031】図7は、請求項3に記載した火花放電終了
後の二次電圧の昇圧レベルにより失火を検出するための
昇圧レベル検出回路8を示し、前記ピークホールド回路
61でホールドしたピーク値と、設定した基準電圧とを
比較し、前記判別回路7を含む失火判別回路9に出力す
る。
【0032】図8は、たとえば機関の、5000rp
m、フルスロットルなどの高速高負荷運転時の二次電圧
波形を示す。火花放電終了後の二次電圧は、正常着火時
はq3 の如く3〜5キロボルト程度迄しか昇圧しない
が、失火時にはq4 に示す如く10キロボルト以上とな
り、このためq5 に示す如く火花放電により瞬時に降圧
することがある。このため、ピークホールドした火花放
電終了後の二次電圧の減衰特性は、正常着火したとき
と、失火し、その後火花放電で降圧したときとでは近似
しており、減衰特性の検出による失火の判別は困難とな
る。しかるにこの実施例の如く、火花放電終了後の二次
電圧のレベルを検出し、設定レベル(たとえば上記10
キロボルト)以下なら正常着火、それ以上なら失火と判
別することにより、高速高負荷運転においても、正確な
失火の検出が可能となる。
【0033】図9は、2000cc、4サイクル、4気
筒のガソリン機関に装着した、(1)に示す構造のスパ
ークプラグ3で、中軸36の突出部39の露出面積S=
10mm2 、S=25mm2 、S=50mm2 の各スパ
ークプラグ3と、火花放電終了直後に各スパークプラグ
3を流れるイオン電流波形(2)の形状との測定結果を
示す。この測定結果から、中軸36の突出部39の露出
面積Sの増大につれて、イオン電流が増大するととも
に、電流波形のピークが明確になり、ノイズとの識別が
明確にでき、イオン電流の検出が容易になることが分か
る。
【0034】図10は、上記ガソリン機関におけるスパ
ークプラグ3の中軸36の突出部39の露出面積Sと、
火花放電終了直後スパークプラグ3に流れるイオン電流
のピークレベルの平均値との関係を示すグラフである。
露出面積S>25mm2 においては、8マイクロアンペ
ア(μA)以上のイオン電流が流れる。イオン電流検出
回路のノイズレベルは数μAであるため、露出面積S>
25mm2 では、イオン電流の検出精度が高い。図11
は、上記ガソリン機関において、スパークプラグ3の中
軸36の突出部39の露出面積Sをパラメータとし、該
スパークプラグ3を流れるイオン電流を測定し、失火を
検出した実験における失火検出精度を示す。図示の如
く、露出面積S<25mm2 では、イオン電流のピーク
レベルが低く、ノイズとの区別がしにくいため、失火検
出率が急速に低下する。
【0035】図12は、上記ガソリン機関を3000r
pm、全負荷で運転したときのスパークプラグ3の中軸
36での突出部39の温度の測定結果を示す。中軸36
の突出部39の長さLと、中軸36の先端面39Aと芯
38の先端38Aとの間(芯のない部分)の長さnとの
割合において、芯38のない部分の全表面積が、突出部
の全表面積の半分を越えると、中軸先端温度が上昇し、
プレイグニッションが発生し易くなることが判明する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の失火検出装置を装着したガソリン機
関の点火回路図である。
【図2】スパークプラグの要部断面図である。
【図3】二次電圧検出回路のブロック図である。
【図4】請求項1の失火検出装置の作動説明のための波
形図である。
【図5】請求項2の失火検出装置を装着したガソリン機
関の点火回路図である。
【図6】請求項2の失火検出装置の作動説明のための波
形図である。
【図7】請求項3の失火検出装置の構成を示すブロック
図である。
【図8】請求項3の失火検出装置の作動説明のための波
形図である。
【図9】中軸先端の露出面積とイオン電流波形との関係
を示す表である。
【図10】中軸先端の露出面積とイオン電流のレベルと
の関係を示すグラフである。
【図11】中軸先端の露出面積と失火検出精度との関係
を示すグラフである。
【図12】中軸先端の温度と芯の先端位置との関係を示
すグラフである。
【符号の説明】
1 点火コイル 2 配電器 3 スパークプラグ 4 一次電流断続手段 5 分圧器 6 二次電圧検出回路 7 判別回路 8 昇圧レベル検出回路 9 失火判別回路 36 中軸 37 母材 38 良熱伝導金属芯 39 突出部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 点火コイルと、その一次回路に流す電流
    を断続する一次電流断続手段と、前記点火コイルの二次
    回路に設けた逆流防止ダイオードと、スパークプラグと
    を有する点火装置を備えたガソリン機関の失火検出装置
    であって、 絶縁碍子の先端から突出している中軸の突出部の表面積
    を25mm2 以上とした前記スパークプラグと、 該スパークプラグの電極間に印加される二次電圧を分圧
    する分圧器と、 火花放電終了前後に設定した時期以降の、前記分圧の減
    衰特性を検出する二次電圧検出回路と、 前記減衰特性により、失火を判別する失火判別回路とか
    らなるガソリン機関の失火検出装置。
  2. 【請求項2】 点火コイルと、その一次回路に流す電流
    を断続する一次電流断続手段と、前記点火コイルの二次
    回路に設けた配電器と、スパークプラグとを有する点火
    回路を備えた火花点火機関の失火検出装置であって、 絶縁碍子の先端から突出している中軸の突出部の表面積
    を25mm2 以上とした前記スパークプラグと、 機関の低速低負荷運転時において、前記スパークプラグ
    での火花放電終了後の所定時期に、前記二次回路に前記
    スパークプラグの浮遊静電容量に充電するための二次電
    圧を発生させる失火検出用二次電圧発生手段と、 前記スパークプラグの電極間に印加される前記二次電圧
    を分圧する分圧器と、 機関の高速運転時は、火花放電終了後に設定した時期以
    降の、前記分圧の減衰特性を検出し、 機関の低速低負荷運転時は、前記失火検出用二次電圧発
    生手段により発生させた失火検出用二次電圧の前記分圧
    の減衰特性を検出する二次電圧検出回路と、 前記失火検出用二次電圧の減衰特性により、失火を判別
    する失火判別回路とからなるガソリン機関の失火検出装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、火花
    放電終了後の二次電圧波形のピーク電圧値を検出するピ
    ーク電圧検出回路を付設し、前記失火判別回路は、前記
    ピーク電圧値のレベルまたは前記二次電圧の減衰特性に
    より失火を判別するガソリン機関の失火検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2において、前記
    スパークプラグは、Ni合金製母材に良熱伝導金属芯を
    配した中軸を、突出部の長さLと、中軸先端面と芯先端
    との間(芯のない部分)の長さnとの割合を、芯のない
    部分の全表面積が、前記突出部の全表面積の半分より小
    さくなるよう設定したガソリン機関の失火検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2において、前記
    スパークプラグの中軸の突出部は、負極性とするように
    接続したガソリン機関の失火検出装置。
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KR100342174B1 (ko) * 2000-06-30 2002-07-02 이준영 디엘아이 엔진점화시스템의 실린더넘버 인식 방법
JP2011027121A (ja) * 2006-11-30 2011-02-10 Delphi Technologies Holding Sarl 噴射器配列における故障検出

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