JPH05117716A - 機能材料の製造方法 - Google Patents

機能材料の製造方法

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JPH05117716A
JPH05117716A JP30946891A JP30946891A JPH05117716A JP H05117716 A JPH05117716 A JP H05117716A JP 30946891 A JP30946891 A JP 30946891A JP 30946891 A JP30946891 A JP 30946891A JP H05117716 A JPH05117716 A JP H05117716A
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powder
amorphous
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finely pulverized
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JP30946891A
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Hiroshi Kimura
博 木村
Kazuhisa Toda
一寿 戸田
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高密度でかつ均一な密度の大型焼結機能材料
を簡単かつ安価に製造する。必要とする物理的性質を備
えた機能材料を簡単に製造する。 【構成】 2種以上の原料金属粉末を使用してメカニカ
ルアロイング法やメカニカルグライディング法により微
粉砕粉末を製造する。この微粉砕粉末を、プラズマ焼結
法により焼結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえば航空宇宙用
耐熱材料、積層形磁気ヘッド、トルクセンサなどとして
用いられる機能材料を製造する方法に関する。
【0002】この明細書において、「金属」という語に
は半金属も含むものとする。また、「化合物」という語
には合金も含むものとする。
【0003】
【従来の技術と発明の課題】たとえば航空宇宙用耐熱材
料、積層形磁気ヘッド、トルクセンサなどに用いられる
機能材料には、様々な物理的性質が要求されている。
【0004】そして、従来、たとえば耐熱材料として使
用される高融点を有する化合物からなる材料は、金属粉
末を使用し、燃焼反応における反応生成熱を利用した、
いわゆる燃焼合成法によって製造されていた。燃焼合成
法は、添加材を用いることなく、高融点化合物の合成と
焼結とを同時に行える安価な方法である。この方法を常
圧下で実施した場合には、合成時の体積収縮に試料が追
随できず、ほとんどが多孔質状となって高密度化するの
が困難であるため、通常、加圧下で燃焼合成を実施する
加圧燃焼合成法が適用されている。たとえば、油圧を利
用して1軸方向に圧縮するホットプレス法や、ガス圧や
液圧等により等方的に圧縮する熱間等方圧プレス法(H
IP)や、衝撃波または遠心力作用を利用した高圧発生
技術により圧縮する高圧焼結法などが適用されている。
【0005】しかしながら、いずれの方法の場合にも、
製造される材料の密度比が未だ小さくて高密度のものを
得ることができないという問題がある。さらに、高密度
の大型機能材料を得るためには、大きな圧縮荷重を負荷
することのできる装置を必要とするので、コストが高く
なるという問題がある。しかも、ホットプレス法の場合
には、負荷応力が不均一のため形成された材料の密度に
ばらつきが生じるという問題がある。また、HIPで所
定のニアネットシェイプの機能材料を製造するために
は、複雑な形状の金属製カプセルを用いなければならな
いのでカプセルの製作が極めて困難であり、かつカプセ
ルへの封入作業も面倒であるとともに、HIPを不活性
ガス雰囲気中で行う必要があるので密閉形の装置を必要
とする。したがって、コストが高くなるとともに大量生
産に向かないという問題がある。
【0006】また、従来、たとえばTiCのような金属
炭化物を製造する場合、試料端部に強制着火する必要が
あったが、そのための装置の設置や、着火時期の設定な
どが困難であり、しかも燃焼温度や反応速度を制御する
ことはできず、組成の均一化および構造制御が困難であ
るという問題がある。
【0007】また、航空宇宙用耐熱材料、積層形磁気ヘ
ッド、トルクセンサなどに用いられる機能材料に要求さ
れる様々な物理的性質を満足するためには、機能材料
が、全体がアモルファス相からなる組織や、アモルファ
ス母相中に微細な結晶相が均一に析出した組織や、アモ
ルファス母相中にナノメータスケールの微細な結晶相が
存在する組織や、全体がナノメータスケールの微細な結
晶粒組織などの非平衡相となっていることが効果的であ
る。そして、上記のような非平衡相は、アモルファス合
金粉末と、異種材料粉末とを用いて焼結すること、アモ
ルファス合金粉末と、異種材料のバルクとを焼結一体化
すること、またはアモルファス合金粉末と、異種材料粉
末と、異種材料のバルクとを焼結一体化することにより
作製するのが、その構造制御の点から容易であることが
判明している。
【0008】そこで、従来、液体急冷法によりつくられ
た1種の急冷凝固アモルファス金属粉末を用いてホット
プレス法により、上述のように焼結または焼結一体化す
ることが考えられている。
【0009】しかしながら、ホットプレス法の場合に
は、上記高融点材料を製造する場合と同様な問題がある
とともに、焼結時には粉末全体が高温に加熱されるの
で、合金部分の組織を所望の非平衡相とするのが困難で
あるという問題がある。
【0010】このような問題を解決するために、高密度
の焼結体を製造するのに適した粉末冶金法であるHIP
によって機能材料を製造することも考えられるが、HI
Pでも上記高融点材料を製造する場合と同様な問題があ
るとともに、急冷凝固アモルファス粉末の表面には、酸
化皮膜が形成されているため、HIPによっても、アモ
ルファス超電導体やアモルファス磁性材料として用いる
のに適するとともに、仕上げ機械加工を施すことの可能
な高密度の機能材料を製造することができないという問
題がある。
【0011】この発明の目的は、上記問題を全て解決し
た機能材料の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明による第1の機
能材料の製造方法は、2種以上の原料金属粉末を使用し
てメカニカルアロイング法やメカニカルグライディング
法により微粉砕粉末を製造し、この微粉砕粉末を、プラ
ズマ焼結法により焼結することを特徴とするものであ
る。
【0013】この発明による第2の機能材料の製造方法
は、2種以上の原料金属粉末を使用してメカニカルアロ
イング法やメカニカルグライディング法により微粉砕粉
末を製造し、この微粉砕粉末と、異種材料粉末とを、プ
ラズマ焼結法により焼結一体化することを特徴とするも
のである。
【0014】この発明による第3の機能材料の製造方法
は、2種以上の原料金属粉末を使用してメカニカルアロ
イング法やメカニカルグライディング法により微粉砕粉
末を製造し、この微粉砕粉末と、異種材料のバルクと
を、プラズマ焼結法により焼結一体化することを特徴と
するものである。
【0015】この発明による第4の機能材料の製造方法
は、2種以上の原料金属粉末を使用してメカニカルアロ
イング法やメカニカルグライディング法により微粉砕粉
末を製造し、この微粉砕粉末と、異種材料粉末と、異種
材料のバルクとを、プラズマ焼結法により焼結一体化す
ることを特徴とするものである。
【0016】上記第1〜第4の方法において、微粉砕粉
末は、原料である2種以上の金属の化合物場合と、この
化合物と原料金属との混合物からなる場合がある。これ
らの場合、原料である2種以上の金属の化合物のうち少
なくとも一部がアモルファスであってもよいし、原料で
ある2種以上の金属の化合物の全体が結晶質であっても
よい。
【0017】上記の方法において、メカニカルアロイン
グ法またはメカニカルグライディング法は、たとえばボ
ールミルのような装置を用いて行うものである。すなわ
ち、2種以上の原料金属粉末をミルの容器内に入れ、不
活性ガス雰囲気中または真空雰囲気中で、アジテータを
所定時間回転させることにより微細で表面が活性な粉末
を得ることができる。このメカニカルアロイング法やメ
カニカルグライディング法は、上述のように不活性ガス
雰囲気中または真空雰囲気中で行われるとともに、破壊
と冷間圧接との繰返により粉末表面が常に新表面となさ
れるので、これらの方法により製造された粉末の表面に
は酸化皮膜が存在しない。そして、その時間を制御する
ことにより、微細化の程度を制御できる。しかも、この
方法によれば、アモルファス化合物粉末を形成すること
が可能になる。
【0018】異種材料粉末および異種材料のバルクとし
ては、上記微粉砕粉末とは種類の異なる金属、合金、セ
ラミックス等の化合物、およびその他の化合物のうちの
1種または2種以上からなるものが用いられる。また、
なお、セラミックスには、岩石、鉱物、粘土などのケイ
酸塩からなるものを原料とした陶器、磁器などの在来の
セラミックス、および酸化物や、窒化物、炭化物、ホウ
化物、ケイ化物などの合成材料を用いて、高圧焼成その
他の所要条件下に製造されるいわゆるニューセラミック
スの両者が含まれる。
【0019】得られる機能材料の具体例は、たとえば以
下の通りである。
【0020】(1) 結晶質の化合物からなるマトリックス
相、たとえば合金からなるマトリックス相中に他の化合
物粒子、たとえばセラミックス粒子が分散した複合材料 これは、たとえば磁性材料として使用される。
【0021】(2) 異なる成分からなる結晶質化合物相が
積層状態に形成された複合材料 これは、たとえば磁気ヘッド、航空宇宙用耐熱材料とし
て使用される。
【0022】(3) 同一成分からなりかつ各成分の含有量
が異なっている複数の結晶質化合物相が積層状態に形成
されており、各成分の含有量が、一端の化合物相側から
他端の化合物相側に向かって漸次変化している複合材料 これは、たとえば航空宇宙用機体材料として使用され
る。
【0023】(4) 2種以上のアモルファス合金粉末の混
合粉末からなる焼結体 この複合材料においては、全体がアモルファス相である
場合と、少なくとも1種のアモルファス合金が部分的ま
たは全体に結晶化し、ナノメータスケールの結晶となっ
ている場合がある。前者は、たとえばソフト磁性材料と
して使用され、後者は、たとえば高周波磁性材料として
使用される。
【0024】(5) 2種以上のアモルファス合金粉末から
それぞれ形成された層が積層状態となっている焼結体 この複合材料においては、すべてのアモルファス合金が
アモルファス状態で残存している場合と、少なくとも1
種のアモルファス合金が部分的または全体に結晶化し、
ナノメータスケールの結晶相となっている場合とがあ
る。前者は、たとえば磁気ヘッド、スパッタターゲット
用材料として使用され、後者は、たとえば航空宇宙用耐
熱材料として使用される。
【0025】(6) 少なくとも1種のアモルファス合金粉
末と少なくとも1種のセラミックス粉末との混合粉末か
らなる焼結体 この複合材料においては、すべてのアモルファス合金が
アモルファス状態で残存している場合と、少なくとも1
種のアモルファス合金が部分的または全体に結晶化し、
ナノメータスケールの結晶相となっている場合がある。
前者は、たとえば高周波磁性材料として使用され、後者
は、たとえばエンジン用材料として使用される。
【0026】(7) 一端側が少なくとも1種のアモルファ
ス合金粉末だけからなるとともに他端側がセラミックス
粉末だけからなり、中間部において、アモルファス合金
の量は上記一端側から他端側に向かって漸次減少し、こ
れとは逆にセラミックス粉末の量は上記他端側から一端
側に向かって漸次減少するように混合された粉末からな
る焼結体 この複合材料においては、すべてのアモルファス合金が
アモルファス状態で残存している場合と、少なくとも1
種のアモルファス合金が部分的または全体に結晶化し、
ナノメータスケールの結晶相となっている場合がある。
前者は、たとえば生体材料として使用され、後者は、た
とえば航空宇宙用機体材料として使用される。
【0027】(8) 少なくとも1種のアモルファス合金粉
末が、セラミックス製バルクの少なくとも片面に焼結一
体化されている複合材料 この複合材料においては、すべてのアモルファス合金が
アモルファス状態で残存している場合と、少なくとも1
種のアモルファス合金が部分的または全体に結晶化し、
ナノメータスケールの結晶相となっている場合とがあ
る。前者は、たとえば耐放射線用材料として使用され、
後者は、たとえば耐熱材料として使用される。
【0028】(9) 上記(4) 〜(7) の粉末が、セラミック
ス製バルクの少なくとも片面に焼結一体化されている複
合材料 この複合材料においては、すべてのアモルファス合金が
アモルファス状態で残存している場合と、少なくとも1
種のアモルファス合金が部分的または全体に結晶化し、
ナノメータスケールの結晶相となっている場合とがあ
る。前者は、たとえば電極材料として使用され、後者
は、たとえば耐熱材料として使用される。
【0029】なお、得られる機能材料の具体例は上記の
ものに限られない。
【0030】プラズマ焼結法は、パルス電流あるいは直
流に高周波を重畳した特殊な電源を用することにより、
粉末間で起こる放電現象を利用したものであり、放電に
よって発生したガスイオン、および電子などの荷電粒子
は粉末間の接触部を衝撃して浄化する。しかも、接触部
における物質の蒸発も作用して粉末表面に強い衝撃圧が
加えられる。したがって、数kg/mm2 程度の低い圧
力での焼結が可能となる。また、押棒の長さと材質とに
より電気抵抗を変化させ、これによって加熱速度を簡単
に変えることが可能となる。さらに、パルス電流を利用
して燃焼合成を誘導し、その発熱反応および加圧下のプ
ラズマ反応により化合物の合成を行うのと同時に成形固
化させることができる。
【0031】微細粉末がアモルファス化合物からなる場
合、プラズマ焼結のさいの温度および時間は、使用する
アモルファス化合物粉末を加熱した場合の温度と結晶化
時間との関係を調べておき、その結果からアモルファス
化合物が結晶化しない温度および時間の条件、あるいは
部分的もしくは全体的に結晶化を起こして結晶相が析出
し、しかも析出した結晶相の量およびサイズが所望のも
のとなるような温度および時間の条件を予め求めておく
ことにより決定する。たとえば、Co80Nb20の場合、
上記温度と結晶化時間との関係は、図1に示すグラフの
ようになる。図1のグラフにおいて、実線(A) より下方
の部分が、アモルファスの領域で、上方の部分が結晶の
領域である。
【0032】また、この発明の方法は、Ni−Ti、T
i−Al、Nb−Sn、Bi−Sr−Ca−Cuなどの
その他の種々のアモルファス合金にも適用できる。この
中で、たとえばTi50Al50の場合、上記加熱温度また
は成形温度と結晶化時間との関係は、図2に示すグラフ
のようになる。図2のグラフにおいて、実線(A1)より下
方の部分が、アモルファスの領域で、上方の部分が結晶
の領域である。
【0033】
【発明の効果】この発明の方法によれば、メカニカルア
ロイング法やメカニカルグライディング法により製造さ
れた微粉砕粉末を使用し、プラズマ焼結法により焼結し
て機能材料を成形するので、数kg/mm2 程度の低い
成形圧力で高密度でかつ均一な密度の大型機能材料を成
形することが可能になり、高圧を付加するための特別の
装置を必要とせず、装置のコストが安くなる。また、プ
ラズマ焼結法は、大気中において実施することができる
ので、密閉形の装置や、カプセルへの封入などを必要と
せず、装置のコストが安くなるとともに、作業が簡単に
なって大量生産に適する。したがって、高密度でかつ均
一な密度の大型焼結機能材料を簡単かつ安価に製造する
ことができる。
【0034】製造された機能材料は高密度であるから、
物理的性質が優れたものとなるとともに、その強度が大
きくなって機械加工を施すことが可能となる。したがっ
て、この材料から所望形状の材料を得ることができる。
【0035】微粉砕粉末としてアモルファス化合物から
なるものを用いた場合、プラズマ焼結のさいの温度、時
間および加熱速度を制御することによって、アモルファ
ス合金の結晶化度および結晶粒径を調節することができ
るので、必要とする様々な物理的性質を備えた機能材料
を簡単に製造することができる。
【0036】微粉砕粉末をメカニカルアロイング法やメ
カニカルグライディング法により製造するので、その微
細化程度を簡単に制御することができる。したがって、
プラズマ焼結による高密度の焼結体の製造と同時に化合
物の合成を簡単に行うことができる。しかも、金属炭化
物の焼結体を得る場合にも、メカニカルアロイング法や
メカニカルグライディング法により製造された微粉砕粉
末をプラズマ焼結するので、燃焼温度や反応速度の制御
を簡単に行える。したがって、発熱反応を低温で起こ
し、化合物の構造制御を簡単に行うことができる。しか
も、従来のように着火装置を必要としない。
【0037】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。
【0038】実施例1 Ti50Al50の原子量割合からなる金属間化合物粉末
を、メディア撹拌型ボールミルを用いてメカニカルアロ
イング法によりアモルファス化し、平均粒径30μmの
アモルファス合金粉末をつくった。ついで、このアモル
ファス合金粉末とZrO2 粉末とを、遊星ボールミルを
用いて混合し、両者の原子量割合が3:1、2:1、
1:1、1:2、および1:3である混合粉末をつくっ
た。これらの混合粉末を、それぞれ内径20mmの黒鉛
ダイス内に入れ、5kg/mm2 の圧縮応力を負荷して
600℃、700℃、800℃、900℃および100
0℃の各温度で10分間プラズマ焼結を行い、焼結体を
成形した。
【0039】焼結温度700℃で得られた焼結体の密度
比を測定したところ、ほぼ100%であった。また、こ
の焼結体を顕微鏡で観察したところ、TiAlは0.1
μm以下のナノメータスケールのγ相となっていた。
【0040】さらに、焼結温度600℃で得られた焼結
体にX線回折を施したところ、TiAlはアモルファス
状態に保たれていた。また、この焼結体はポーラスでは
あるが、機械加工可能な十分な強度を有していた。
【0041】実施例2 実施例1と同様にして、Ti50Al50のアモルファス合
金粉末をつくるとともに、このアモルファス合金粉末と
ZrO2 粉末とよりなりかつ両者の原子量割合が3:
1、1:1、および1:3である混合粉末をつくった。
Ti50Al50アモルファス合金粉末、上記割合が3:1
である混合粉末、上記割合が1:1である混合粉末、上
記割合が1:3である混合粉末、およびZrO2 粉末
を、この順序で内径20mmの黒鉛ダイス内に入れた。
各粉末層の厚さは2mmとした。そして、5kg/mm
2 の圧縮応力を負荷して600℃、700℃、800
℃、900℃および1000℃の各温度で10分間プラ
ズマ焼結を行い、焼結体を成形した。
【0042】この焼結体は、一端側がTi50Al50、他
端側がZrO2 からなり、中間部ではTi50Al50の量
は上記一端側から他端側に向かって漸次減少し、これと
は逆にZrO2 の量は上記他端側から一端側に向かって
漸次減少している、いわゆる傾斜機能材料となってい
た。
【0043】焼結温度700℃で得られた焼結体の密度
比を測定したところ、ほぼ100%であった。また、こ
の焼結体を顕微鏡で観察したところ、TiAlは0.1
μm以下のナノメータスケールのγ相となっていた。
【0044】さらに、焼結温度600℃で得られた焼結
体にX線回折を施したところ、TiAlはアモルファス
状態に保たれていた。また、この焼結体はポーラスでは
あるが、機械加工可能な十分な強度を有していた。
【0045】実施例3 Co粉末と、Zr粉末とを、Co80Zr20の原子量割合
となるように混合して混合粉末をつくった。Co粉末
と、Ti粉末とを、Co80Ti20の原子量割合となるよ
うに混合して混合粉末をつくった。Co粉末と、Nb粉
末とを、Co80Nb20の原子量割合となるように混合し
て混合粉末をつくった。各混合粉末を、メディア撹拌型
ボールミルを用いてメカニカルアロイング法によりアモ
ルファス化し、平均粒径25μmのアモルファス合金粉
末をつくった。ついで、これら3種のアモルファス合金
粉末を、順番に内径20mmの黒鉛ダイス内に入れて9
層に積層させ、15kg/mm2 の圧縮応力を負荷して
570℃、580℃、600℃、630℃および650
℃の各温度で10分間プラズマ焼結を行い、焼結体を成
形した。焼結温度650℃得られた焼結体にX線回折を
施したところ、全ての層がアモルファス状態に保たれて
いた。また、この焼結体の密度比を測定したところ、ほ
ぼ100%であり、圧延可能な十分な機械的強度を有し
ていた。
【0046】実施例4 Nb粉末と、Al粉末とを、Nb3 Al1 の原子量割合
となるように混合し、メディア撹拌型ボールミルを用い
て1分間、5分間、30分間、3時間、5時間、10時
間、20時間、および30時間撹拌混合処理を施すメカ
ニカルアロイング法により結晶質Nb3 Al粉末をつく
った。なお、30時間撹拌混合処理を施した場合に得ら
れたNb3 Al粉末の平均粒径は100nmであった。
ついで、これらのNb3 Al粉末を、それぞれ内径20
mmの黒鉛ダイス内に入れ、3kg/mm2 の圧縮応力
を負荷し、加熱速度50K/min でのパルス電流により
急激な発熱反応が完了するまで昇温することによりプラ
ズマ焼結を行い、長さ20mm、直径20mmの焼結体
を成形した。各粉末からなる焼結体にX線回折を施した
ところ、Nb−Alの金属間化合物の合成が認められ、
未反応のNb粉末やAl粉末は残存していなかった。ま
た、各焼結体は真密度となっていた。さらに、撹拌混合
処理時間の長い粉末を用いて得られた焼結体ほど、急激
な発熱反応の完了温度は低くなり、高度と圧縮強度が著
しく増大していた。
【0047】実施例5 Ti粉末と、アモルファスB粉末とを、Ti2 1 の原
子量割合となるように混合し、メディア撹拌型ボールミ
ルを用いて10時間撹拌混合処理を施すメカニカルアロ
イング法によりTi2 B粉末をつくった。ついで、この
Ti2 B粉末を、内径20mmの黒鉛ダイス内に入れ、
3kg/mm2 の圧縮応力を負荷し、加熱速度100K
/min でのパルス電流により急激な発熱反応が完了する
まで昇温することによりプラズマ焼結を行い、長さ20
mm、直径20mmの焼結体を成形した。この焼結体に
X線回折を施したところ、Ti−Bの金属間化合物の合
成が認められ、未反応のTi粉末やB粉末は残存してい
なかった。また、各焼結体は真密度となっていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】Co80Nb20アモルファス合金粉末の加熱温度
または成形温度と結晶化時間との関係を示すグラフであ
る。
【図2】Ti50Al50アモルファス合金粉末の加熱温度
または成形温度と結晶化時間との関係を示すグラフであ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種以上の原料金属粉末を使用してメカ
    ニカルアロイング法やメカニカルグライディング法によ
    り微粉砕粉末を製造し、この微粉砕粉末を、プラズマ焼
    結法により焼結することを特徴とする機能材料の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 2種以上の原料金属粉末を使用してメカ
    ニカルアロイング法やメカニカルグライディング法によ
    り微粉砕粉末を製造し、この微粉砕粉末と、異種材料粉
    末とを、プラズマ焼結法により焼結一体化することを特
    徴とする機能材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 2種以上の原料金属粉末を使用してメカ
    ニカルアロイング法やメカニカルグライディング法によ
    り微粉砕粉末を製造し、この微粉砕粉末と、異種材料の
    バルクとを、プラズマ焼結法により焼結一体化すること
    を特徴とする機能材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 2種以上の原料金属粉末を使用してメカ
    ニカルアロイング法やメカニカルグライディング法によ
    り微粉砕粉末を製造し、この微粉砕粉末と、異種材料粉
    末と、異種材料のバルクとを、プラズマ焼結法により焼
    結一体化することを特徴とする機能材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 微粉砕粉末が原料である2種以上の金属
    の化合物、またはこの化合物と原料金属との混合物から
    なる請求項1〜4のいずれかに記載の機能材料の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 原料である2種以上の金属の化合物のう
    ち少なくとも一部がアモルファスである請求項5記載の
    機能材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 原料である2種以上の金属の化合物の全
    体が結晶質である請求項5記載の機能材料の製造方法。
JP30946891A 1991-09-03 1991-11-25 機能材料の製造方法 Pending JPH05117716A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004029313A1 (ja) * 2002-09-30 2004-04-08 Nano Technology Institute, Inc 高硬度・高強度で強靭なナノ結晶金属バルク材及びその製造方法
WO2004078387A1 (ja) * 2003-07-07 2004-09-16 Maruman & Co.,Ltd. ゴルフクラブ用微細結晶金属の製造方法
JP2009161849A (ja) * 2008-01-04 2009-07-23 Sungkyunkwan Univ Foundation For Corporate Collaboration アルミニウムと炭素材料との間の効率的なAl−C共有結合を形成する方法

Cited By (3)

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