JPH05117358A - 水系ウレタン樹脂組成物およびそれを用いた接着方法 - Google Patents

水系ウレタン樹脂組成物およびそれを用いた接着方法

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JPH05117358A
JPH05117358A JP3313328A JP31332891A JPH05117358A JP H05117358 A JPH05117358 A JP H05117358A JP 3313328 A JP3313328 A JP 3313328A JP 31332891 A JP31332891 A JP 31332891A JP H05117358 A JPH05117358 A JP H05117358A
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urethane resin
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polyester diol
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JP3313328A
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Seiji Asaoka
聖二 浅岡
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Kanebo NSC KK
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Kanebo NSC KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 水中に分散する樹脂粒子が、直鎖状ポリエス
テルジオールからなる構造体Aと、少なくとも1個のイ
ソシアネート基を有するイソシアネート単量体の複数個
を化学的に結合させた構造単位Bとを化学的に結合させ
た分子構造になつている。 【効果】 低温域にて再活性し、かつ初期セツト性,接
着強度および耐熱性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接着剤として用いられ
る水系ウレタン樹脂組成物およびそれを用いた接着方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、架橋構造を持たないウレタン
樹脂は、熱可塑性であり、通常、フイルム状化した後に
加熱することによつて軟化させ接着性を発現させる。し
かし、上記熱可塑性ウレタン樹脂は、軟化温度が比較的
高温であり、実際軟化するのに180℃以上の温度を必
要とし、ウレタン樹脂を接着剤として用いる場合、被着
体が熱に弱い場合には使用できないという欠点を有して
いる。また、高温で貼合するためには再度フイルム状化
するのに時間を要し、さらに初期セツト性にも問題を有
している。
【0003】このため、ウレタン樹脂を溶剤に溶解させ
たり、あるいは水中に分散させたりすることによつて、
高温域まで加熱することなく接着可能なものが開発され
ているが、これらは接着剤が乾ききらないうちに接着し
なければならず作業性に問題を有している。また、分子
量を制御したり、結晶性を低下させることにより低温で
軟化するように改良されたウレタン樹脂は、50〜10
0℃の温度範囲で再活性可能であるが、ポリマーの流動
性が高過ぎるため初期セツト性が悪く、また接着後の強
度,耐熱性も低いものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のウ
レタン樹脂は、高温でのみ可塑化,再活性化しないもの
か、あるいは低温にて接着可能なものは、初期セツト
性,接着強度および耐熱性に問題を有しており、低温に
て再活性を示し、かつ接着後の初期セツト性,接着強度
および耐熱性を備えたものが得られていないのが実情で
ある。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、低温域にて再活性を示し、かつ初期セツト性,
接着強度および耐熱性に優れた水系ウレタン樹脂組成物
およびそれを用いた接着方法の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、水中にウレタン樹脂を乳化または可溶化
させてなる水系ウレタン樹脂組成物であつて、上記ウレ
タン樹脂が、下記の(A)および(B)を化学的に結合
させた分子構造になつている水系ウレタン樹脂組成物を
第1の要旨とし、(A)少なくとも1個の活性水素を有
する分子量1500〜10000で、かつ融点が10〜
90℃の下記の構造式(1)で表される直鎖状ポリエス
テルジオールからなる構造体。
【化2】 (B)少なくとも1個のイソシアネート基を有するイソ
シアネート単量体。 〔ただし、分子鎖全体中における(A)成分と(B)成
分との割合は、(B)成分100重量部に対して(A)
成分が200〜500重量部の範囲に設定されてい
る。〕 上記水系ウレタン樹脂組成物を基材に塗布して乾燥さ
せ、その乾燥時の熱を利用するか、もしくはその後、5
0〜100℃に加熱して上記塗布面に被着体を圧着させ
る接着方法を第2の要旨とする。
【0007】
【作用】この発明者は、低温で再活性し、かつ初期セツ
ト性,接着強度および耐熱性に優れたウレタン樹脂組成
物を得るために一連の研究を重ねた。その結果、少なく
とも1個の活性水素を有し、かつ特定の分子量および融
点を有する直鎖状ポリエステルジオールと、少なくとも
1個のイソシアネート基を有するイソシアネート単量体
を、イソシアネート単量体に対して直鎖状ポリエステル
ジオールを多量に用い、水中に乳化または可溶化させて
水系化すると、目的を達成することを見出した。すなわ
ち、上記のようにすることにより、水中のウレタン樹脂
は、図1に示すように、長いポリエステルジオール部分
(ソフトセグメント)Aと短いイソシアネート部分(ハ
ードセグメント)Bとが化学的に結合している。このた
め、常温下では、ソフトセグメントを形成するポリエス
テルジオール部分Aが連続相となり、硬質で結晶性の高
いフイルムを形成するが、加熱すると、ポリエステルジ
オールの軟化点近傍でポリエステルジオール部分Aであ
るソフトセグメント部の結晶性が崩れて溶融し、50〜
100℃で再活性可能、すなわち接着性を発揮するよう
になる。しかし、イソシアネート部分Bの存在により全
体は流動化せずその形状が維持される。そして、接着後
は、ポリエステルジオールの融点近傍の温度範囲におい
て急速に結晶化するため、接着後の初期セツト性,接着
強度および耐熱性に優れた物性を有している。
【0008】つぎに、本発明を詳しく説明する。
【0009】本発明は、少なくとも1個の活性水素を有
する特定の直鎖状ポリエステルジオールと、少なくとも
1個のイソシアネート基を有するイソシアネート単量体
とを用い、水系ウレタン樹脂組成物を製造する。
【0010】上記直鎖状ポリエステルジオールとして
は、下記の構造式を有するものが用いられる。
【0011】
【化3】
【0012】このような直鎖状ポリエステルジオール
は、具体的に、ポリオールとポリカルボン酸とを縮合し
て得られる。上記ポリオールとしては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール
等があげられ、単独でもしくは併せて用いられる。ま
た、上記ポリカルボン酸としては、コハク酸,グルター
ル酸,アジピン酸,マレイン酸,フマル酸,フタル酸,
セバシン酸等があげられ、単独でもしくは併せて用いら
れる。特に、1,4−ブタンジオールとアジピン酸、ま
たは1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸とから合成
されるポリエステルジオールを用いると各種基材への密
着性の良好な水系ウレタン樹脂組成物を製造することが
できる。また、これらに若干量のネオペンチルグリコー
ルを共重合させたポリエステルジオールを用いると、接
着後の耐水性が良好な水系ウレタン樹脂組成物が得られ
好ましい。さらに、これらに若干量のフタル酸を共重合
させたポリエステルジオールを用いると、接着後の耐熱
性,耐水性に優れた水系ウレタン樹脂組成物が得られ好
ましい。そして、上記特定の直鎖ポリエステルジオール
としては、分子量1500〜10000で、かつ融点が
10〜90℃のものを用いる必要がある。すなわち、分
子量が1500未満では結晶性が低く、ウレタン樹脂を
合成した際のフイルムの結晶性も不充分であるばかりか
ポリエステルの分子量が小さいために接着後の初期セツ
ト性,接着強度,耐熱性に問題を有する。逆に、分子量
が10000を超えると結晶性が高すぎるため、ウレタ
ン樹脂を合成した際に50〜100℃での再活性性が無
くなるからである。また、融点が10℃未満では、ウレ
タン樹脂を合成した際にフイルムの結晶性が発現せず、
接着後の初期セツト性,接着強度,耐熱性が不良とな
り、融点が90℃を超えると、合成の際にプレポリマー
の粘度が高いため水系化が困難となるばかりでなく、ソ
フトセグメントに起因する結晶性が50〜100℃の範
囲で崩れず、再活性性が発現しなくなるからである。
【0013】上記直鎖状ポリエステルジオールと反応さ
せるイソシアネート単量体としては、従来から用いられ
ている2,4−トルエンジイソシアネート(TDI)、
2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、4,
4′−ジフエニルメタンジイソシアネート(MDI)、
1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)等の芳
香族イソシアネート、キシリレンジイソシアネート(X
DI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(H
DI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシ
アネート(HMDI)、3−イソシアネートメチル−
3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート
(IPDI)、2,6−ジイソシアネートエチイルカプ
ロエート(LDI)等の脂肪族イソシアネートがあげら
れる。これらは単独でもしくは併せて用いられる。これ
らのなかでも、2,4−トリレンジイソシアネート(T
DI)、2,6−トリレンジイソシアネート(TD
I)、4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネート
(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、
3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシ
クロヘキシルイソシアネート(IPDI)が好適であ
る。特に、上記TDIまたはMDIを用いると、接着後
の初期セツト性の良好な水系ウレタン樹脂組成物が得ら
れ好ましい。また、上記HDIまたはIPDIを用いる
と軟質な基材に対して接着性の良好な水系ウレタン樹脂
組成物が得られ好ましい。
【0014】上記直鎖状ポリエステルジオールとイソシ
アネート単量体の配合割合は、イソシアネート単量体1
00重量部(以下「部」と略す)に対して直鎖状ポリエ
ステルジオールを200〜500部の範囲に設定する必
要がある。すなわち、直鎖状ポリエステルジオールの配
合量が200部未満では得られる水系ウレタン樹脂組成
物が50〜100℃の温度範囲で再活性しない。また、
500部を超えると水系化が困難で、しかも得られる水
系ウレタン樹脂組成物の放置安定性が低下するからであ
る。
【0015】本発明の水系ウレタン樹脂組成物は、上記
直鎖状ポリエステルジオールおよびイソシアネート単量
体を用い、例えばつぎのようにして製造される。すなわ
ち、まず上記直鎖状ポリエステルジオールをイソシアネ
ート単量体100部に対して200〜500部の割合で
混合し、不活性ガス雰囲気下、所定の反応率が得られる
ように適宜の温度,適宜の時間反応させて下記の構造式
で表されるウレタンプレポリマーを作製する。
【0016】
【化4】
【0017】この際、エチレングリコール,プロパンジ
オール,ブタンジオール,ヘキサンジオール,ネオペン
チルグリコール,ジエチレングリコール,ジプロピレン
グリコール等の低分子ジオールを併用してもよい。ま
た、必要に応じて、ベンゾイルクロライド,無水フタル
酸,リン酸,安息香酸,パラトルエンスルホン酸等の反
応制御剤や、ジブチルチンジラウレート,オクチル酸
鉛,トリエチレンジアミン等の反応促進剤、ジメチルホ
ルムアミド,トルエン,キシレン,メチルエチルケト
ン,アセトン,ジオキサン,テトラヒドロフラン,酢酸
エチル,トリクロロエチレン,パークロロエチレン,N
−メチル−2−ピロリドン等の溶剤を適宜用いることが
できる。さらに、分子量を制御するために、n−ジブチ
ルアミン等の一級または二級のモノアミンを適宜用いて
もよい。つぎに、このウレタンプレポリマーを水と混合
撹拌して水系ウレタン樹脂組成物を製造する。この場
合、ウレタンプレポリマーの水系化は、プレポリマー自
身に親水基を含む化合物を反応させプレポリマー鎖中に
親水基を導入しておき、この親水基の作用によりプレポ
リマーを水中に分散(自己分散)させてもよいし、また
プレポリマーに適当な乳化剤を加え水中に分散(強制分
散)させてもよい。上記プレボリマーの鎖中に導入する
親水基としては、イオン基に転化することのできる三級
アミノ基,スルホン基,カルボキシル基等の官能基を含
み、かつNCO基と反応することのできる活性水素を1
個以上含有する物質、またはエチレンオキサイド等の親
水部を有する構造を含み、かつNCO基と反応すること
のできる活性水素を1個以上有する物質があげられる。
また、後者の強制分散させる際に用いる乳化剤として
は、ウレタンプレポリマーを水系化する際に慣用される
すべての乳化剤が使用可能である。なかでも、水系化し
た後の放置安定性の面から、アルキルフエニルエーテル
エチレンオキサイド付加物,エチレンオキサイド−プロ
ピレンオキサイドブロツクコポリマー,アルキルスルホ
ン酸ナトリウム,アルキルスルホコハク酸ナトリウム等
の乳化剤あるいはこれらの混合物を用いることが好適で
ある。
【0018】こうして水系化されたウレタンプレポリマ
ーは、水中にて鎖長延長され水系ウレタン樹脂組成物と
なる。上記鎖長延長させるために使用する鎖長延長剤と
しては、従来公知の水やヒドラジンや2官能アミン等が
あげられ、単独でもしくは併せて用いられる。上記2官
能アミンとしては、例えばエチレンジアミン、プロピレ
ンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,4
−テトラメチレンジアミン、フエニレンジアミン、トリ
レンジアミン、4,4′−ジフエニルメタンジアミン、
キシリレンジアミン、3−アミノメチル−3,5,5−
トリメチルシクロヘキシルアミン、ピペラジン、2−メ
チルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン等があげ
られ、単独でまたは併せて混合物として用いることがで
きる。
【0019】このようにして得られる水系ウレタン樹脂
組成物を接着剤として用いての接着方法は、例えばつぎ
のようにして行われる。すなわち、上記水系ウレタン樹
脂組成物を基材に塗布して乾燥させる。ついで、これを
50〜100℃に加熱して上記水系ウレタン樹脂組成物
の結晶性を崩して再活性化させてこの塗布面に被着体を
圧着する。そして、加熱を停止して常温に設定すること
により上記水系ウレタン樹脂組成物を再結晶化させる。
このような工程により基材と被着体とを強固に接着させ
ることができる。
【0020】なお、上記接着方法では、基材に塗布した
水系ウレタン樹脂組成物を乾燥させた後に、加熱して被
着体を接着させているが、塗布してすぐに被着体を圧着
して乾燥温度を50〜100℃に設定することで乾燥と
同時に、その乾燥時の熱を利用して基材と被着体とを接
着させることができる。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明の水系ウレタン樹
脂組成物は、分子量が1500〜10000で融点が1
0〜90℃の結晶性の高い直鎖状ポリエステルジオール
をイソシアネート単量体に対して多量に用い、両者を化
学的に結合させたものである。このため、上記ポリエス
テルジオールが連続相を形成し、常温域では結晶性を高
め、加熱するとポリエステルジオールの融点近傍の極め
て狭い温度範囲で結晶性が崩壊して接着性を発現する。
さらに、再び常温域まで温度を下げると、結晶化する。
したがつて、本発明の水系ウレタン樹脂組成物を接着剤
として用いると、基材に上記水系ウレタン樹脂組成物を
塗布してこれが乾燥しても、50〜100℃に加熱すれ
ば再活性し接着が可能となる。しかも、接着後加熱を停
止すると接着剤は再結晶して良好な接着強度を示す。こ
のように、本発明の水系ウレタン樹脂組成物は、作業性
に優れ、接着直後の良好な初期セツト性および高い接着
強度を有している。このため、本発明の水系ウレタン樹
脂組成物は、ポリ塩化ビニル等のプラスチツク等の各種
基材への密着性が良好であり、上記のような優れた特性
を有することから、例えばヒートシール用の水系接着剤
として最適である。
【0022】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0023】
【実施例1】MDI100部とポリブチレンアジペート
(分子量1500,軟化点45℃)200部およびジメ
チロールプロピオン酸10部を窒素気流下70℃で4時
間メチルエチルケトン150部の存在下で反応させてな
るウレタンプレポリマーを作製した。つぎに、このウレ
タンプレポリマー460部をトリエチルアミン8部とピ
ペラジン5部を溶解した水溶液500部中に混合撹拌
し、粒子径200nmの経時的に安定な水系ウレタン樹脂
組成物を得た。この水系ウレタン樹脂組成物を、パーチ
クルボードに塗布して2時間乾燥させた後、塩化ビニル
シートを80℃,2分間の条件で圧着して常温に戻し、
テストピースを作製した。
【0024】
【実施例2】IPDI100部とポリヘキサメチレンア
ジペート(分子量10000,軟化点90℃)500部
およびn−メチルジエタノールアミン10部を窒素気流
下80℃で6時間、トルエン200部の存在下で反応さ
せてなるウレタンプレポリマーを作製した。つぎに、こ
のウレタンプレポリマー899部を濃塩酸10部を溶解
した水溶液800部中に混合撹拌し、粒子径300nmの
経時的に安定な水系ウレタン樹脂組成物を得た。これを
用いて、上記実施例1と同様にしてテストピースを作製
した。
【0025】
【実施例3】TDI100部とポリエチレンアジペート
(分子量2000,軟化点45℃)300部を、酢酸エ
チル150部の存在下で反応させてなるウレタンプレポ
リマーを作製した。つぎに、このウレタンプレポリマー
550部に、エチレンオキサイド−プロピオンオキサイ
ドブロツクコポリマー(旭電化社製,プルロニツクF−
108)を55部添加した。この後、ヘキサメチレンジ
アミン20部を溶解させた水溶液500部中に強制的に
分散し、粒子径850nmの経時的に安定な水系ウレタン
樹脂組成物を得た。これを用いて、上記実施例1と同様
にしてテストピースを作製した。
【0026】
【比較例1】ポリブチレンアジペート(分子量150
0,軟化点45℃)の使用量を190部にした。それ以
外は実施例1と同様にして、粒子径180nmの経時的に
安定な水系ウレタン樹脂組成物を得た。これを用いて、
上記実施例1と同様にしてテストピースを作製した。
【0027】
【比較例2】ポリヘキサメチレンアジペート(分子量1
0000,軟化点90℃)の使用量を550部にした。
それ以外は実施例2と同様にして水系ウレタン樹脂組成
物の作製を試みたが、水系化しなかつた。
【0028】
【比較例3】ポリブチレンアジペート(分子量150
0,軟化点45℃)200部の代わりにポリブチレンア
ジペート(分子量1000,軟化点40℃)200部を
用いた。それ以外は実施例1と同様にして、粒子径15
0nmの経時的に安定な水系ウレタン樹脂組成物を得た。
これを用いて、上記実施例1と同様にしてテストピース
を作製した。
【0029】
【比較例4】ポリヘキサメチレンアジペート(分子量1
0000,軟化点90℃)500部の代わりにポリヘキ
サメチレンアジペート(分子量11000,軟化点90
℃)500部を用いた。それ以外は実施例2と同様にし
て水系ウレタン樹脂組成物の作製を試みたが、水系化し
なかつた。
【0030】
【比較例5】ポリエチレンアジペート(分子量200
0,軟化点45℃)300部の代わりにポリプロピレン
アジペート(分子量2000,軟化点0℃)300部を
用いた。それ以外は実施例3と同様にして、粒子径85
0nmの経時的に安定な水系ウレタン樹脂組成物を得た。
これを用いて、上記実施例1と同様にしてテストピース
を作製した。
【0031】
【比較例6】ポリヘキサメチレンアジペート(分子量1
0000,軟化点90℃)500部の代わりにポリオク
タメチレンアジペート(分子量10000,軟化点95
℃)500部を用いた。それ以外は実施例2と同様にし
て水系ウレタン樹脂組成物を得たが、粒子径が1200
nmと大きく経時的に不安定なものであつた。これを用い
て、上記実施例1と同様にしてテストピースを作製し
た。
【0032】このようにして作製した各水系ウレタン樹
脂組成物および各テストピースを用いて、放置安定性,
初期セツト性,圧着直後の接着強度,最終的な接着強度
および耐熱クリープの諸物性を測定し評価した。その結
果を後記の表1および表2に示す。なお、上記諸物性は
下記の方法に基づいて測定した。
【0033】〔放置安定性〕水系ウレタン樹脂組成物を
50℃の恒温室中に3週間放置し、沈澱物の発生および
分離状態を観察した。その結果を下記の4段階に評価し
た。 ◎:沈澱物,分離物は全く認められない。 ○:沈澱物,分離物が極少量認められる。 △:相当量の沈澱物および分離物が認められる。 ×:完全に沈澱,分離している。
【0034】〔初期セツト性〕パーチクルボードと塩化
ビニルシートとを圧着させた直後のボードのエツヂ部分
のずれを観察した。その結果を下記の4段階に評価し
た。 ◎:ずれは全く生じない。 ○:ずれは1mm以下であつた。 △:ずれが1〜3mm生じた。 ×:ずれが3mm以上生じたか、または接着しなかつた。
【0035】〔圧着直後の接着強度〕パーチクルボード
と塩化ビニルシートとを圧着させた直後、テストピース
を2.5mm幅に切り、塩化ビニルシートを180°方向
に剥離したときの剥離強度を測定した。
【0036】〔最終的な接着強度〕パーチクルボードと
塩化ビニルシートとを圧着させ、24時間放置後、テス
トピースを2.5mm幅に切り、塩化ビニルシートを18
0°方向に剥離したときの剥離強度を測定した。
【0037】〔耐熱クリープ〕パーチクルボードと塩化
ビニルシートとを圧着させ、24時間放置後、テストピ
ースを2.5mm幅に切り、180°方向に500gの荷
重を掛けたまま60℃の恒温室に吊り下げて1時間後の
クリープ幅を測定した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】上記表1および表2の結果から、比較例品
は全て初期セツト性に劣り、接着性を備えていないか、
または接着力の非常に低いものである。これに対して実
施例品は放置安定性,初期セツト性に優れ、しかも接着
強度の高いものである。このことから、実施例品は作業
性に優れ、接着直後の良好な初期セツト性を示し、しか
も接着強度の高いものであることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水系ウレタン樹脂組成物の分子構造を
模式的に説明する説明図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中にウレタン樹脂を乳化または可溶化
    させてなる水系ウレタン樹脂組成物であつて、上記ウレ
    タン樹脂が、下記の(A)および(B)を化学的に結合
    させた分子構造になつていることを特徴とする水系ウレ
    タン樹脂組成物。 (A)少なくとも1個の活性水素を有する分子量150
    0〜10000で、かつ融点が10〜90℃の下記の構
    造式(1)で表される直鎖状ポリエステルジオールから
    なる構造体。 【化1】 (B)少なくとも1個のイソシアネート基を有するイソ
    シアネート単量体。 〔ただし、分子鎖全体中における(A)成分と(B)成
    分との割合は、(B)成分100重量部に対して(A)
    成分が200〜500重量部の範囲に設定されてい
    る。〕
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水系ウレタン樹脂組成物
    を基材に塗布して乾燥させ、その乾燥時の熱を利用する
    か、もしくはその後、50〜100℃に加熱して上記塗
    布面に被着体を圧着させることを特徴とする接着方法。
JP3313328A 1991-10-31 1991-10-31 水系ウレタン樹脂組成物およびそれを用いた接着方法 Pending JPH05117358A (ja)

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