JPH0511593Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電子楽器の演奏記録情報を自動的
に再生するのに好適な自動演奏装置に関する。

従来、記録されている電子楽器の演奏情報を再
生する自動演奏装置において、鍵盤の鍵スイツチ
によつて選択された音源信号を例えば磁気テープ
等に演奏情報として記録しておき、この記録した
音源信号を電子楽器本体内の音色回路に読み出し
て演奏情報を再生するようにしたものが知られて
いる。ところが、このような演奏装置にあつて
は、アナログ信号である音源信号を磁気信号の形
で記録しているため、演奏情報の忠実再生が困難
であると共に、記録量が膨大なものになるという
問題点があつた。

このため、鍵盤の各鍵に変化があつた時点で変
化した鍵の鍵名、その鍵のオン／オフ状態を示す
演奏データおよび前回の変化時点から今回の変化
時点までの相対時間を示す相対時間データをデイ
ジタル的に記録することにより、演奏情報の忠実
再生と記録量の圧縮とを可能にしたいわゆるイベ
ント方式の演奏装置が提案されている（特公昭57
−49994）。しかし、この改良された演奏装置にお
いても、演奏再生中、鍵のオン情報またはリズム
のスタート情報が読み取られた後に、自動演奏を
強制的に停止させてしまうと、バイオリンやオル
ガンのような持続系の楽音が再生されているとき
には鍵楽音が発生したままの状態で停止したり、
またはリズム音が発生したままの状態で停止した
りしてしまうという欠点があつた。

この考案は、このような欠点を除去するために
なされたもので、イベント方式の自動演奏装置に
おいて、演奏再生の途中に自動演奏を停止させて
も確実に楽音の発生を停止できるようにすること
を目的とする。

以下、添付図面に示す実施例についてこの考案
を詳述する。

第１図は、この考案の一実施例による自動演奏
装置を示すもので、この自動演奏装置は電子楽器
１と自動演奏装置２とを含んでいる。

電子楽器１において、演奏操作検出回路１１は
鍵盤回路１２の鍵状態および音色選択回路１３の
操作子状態を検出してそれぞれ鍵データおよび音
色データとしてレジスタ１４に記憶する。音色選
択回路１３は、ピアノ、バイオリン等の音色選択
操作子と、ビブラート、サステイン等の効果選択
操作子とを含んでいる。

リズム検出回路１５は、リズム選択回路１６に
含まれているリズム種類選択操作子、テンポ操作
子、スタート／ストツプ操作子等の各種リズム操
作子状態を検出してリズムデータを形成し、レジ
スタ１７に記憶する。なお、これら選択回路１３
および１６に含まれる各種の操作子は、実際には
電子楽器１のパネル面に配置されているものであ
る。

鍵盤演奏者は、音色選択回路１３およびリズム
選択回路１６中の各種操作子を適宜設定した後、
鍵盤演奏を開始することができる。鍵盤演奏を開
始すると、演奏操作検出回路１１が鍵盤回路１２
および音色選択回路１３から鍵データおよび音色
データを検出してそれぞれレジスタ１４に記憶
し、また、リズム検出回路１５がリズム選択回路
１６からリズムデータを検出してレジスタ１７に
記憶する。こうして記憶された各データのうちレ
ジスタ１４に記憶された鍵データおよび音色デー
タは鍵楽音形成回路１８に供給されて鍵楽音信号
を形成し、また、レジスタ１７に記憶されたリズ
ムデータはリズム楽音形成回路１９に供給されて
リズム楽音信号を形成する。このようにして形成
された各楽音信号は出力アンプ２０を介してスピ
ーカ２１に供給される。このためスピーカ２１か
らは押された鍵に対応する鍵楽音と選択されたリ
ズム種類に対応するリズム楽音とが奏出される。

一方、自動演奏機２においては、自動演奏制御
回路３１が自動演奏スイツチ回路３２の操作子状
態を検出して電子楽器１の演奏情報を記録または
再生する動作を制御するようになつている。

自動演奏制御回路３１は、電子楽器１の演奏操
作検出回路１１を介して検出される鍵盤回路１２
の鍵データおよび音色選択回路１３の音色データ
と、リズム検出回路１５を介して検出されるリズ
ム選択回路１６のリズムデータとを記録再生装置
３３に記録させると共に、記録再生装置３３から
これら記録データを読み出して電子楽器１の演奏
操作検出回路１１およびリズム検出回路１５を介
してレジスタ１４および１７に供給し、演奏を再
現させるようになつている。

なお、記録再生装置３３は、磁気テープ、フロ
ツピーデイスクまたはRAM（ランダム・アクセ
ス・メモリ）等の記録媒体３４を備えている。ま
た、自動演奏スイツチ回路３２は、自動演奏の各
モードを選択するために、再生／停止スイツチ
PL、早戻しスイツチRW、早送りスイツチFFお
よび記録スイツチRCを備えている。

次に、上記自動演奏装置における記録モードの
動作および再生モードの動作を順次に説明する。

記録モード 自動演奏スイツチ回路３２において記録スイツ
チRCを押下して記録モードを指定すると、電子
楽器１の音色選択回路１３およびリズム選択回路
１６からパネル面の音色およびリズム操作子の状
態を示す音色およびリズムデータがパネル初期デ
ータとして記録媒体３４に記録される。

次に、鍵盤演奏を始めると、鍵盤での鍵状態ま
たはパネル面での操作子状態に変化があるたびに
変化のあつた鍵名、操作子名および操作量（オ
ン／オフまたは設定量）を示す演奏データと、前
回の変化時点から今回の変化時点までの相対時間
を示す相対時間データとがイベントデータとして
記録媒体３４に記録される。第２図は記録媒体３
４に記録される記録データのフオーマツトを示
し、KEYは鍵名およびオン／オフ状態を示す鍵
データ、TIMEは相対時間を示す相対時間デー
タ、TSSは音色またはリズム操作子の操作子名
および操作量を示す音色またはリズムデータであ
る。

再生モード 自動演奏スイツチ回路３２において再生／停止
スイツチPLを押下し再生モードを指定すると、
記録媒体３４に記録されている各種データの読み
取りが始まる。まず、パネル初期データが最初に
読み取られて電子楽器１の演奏操作検出回路１１
およびリズム検出回路１５を介してレジスタ１４
および１７に転送される。このため、電子楽器１
では演奏開始時の音色およびリズム制御状態が再
現される。

次に、イベントデータが順次に読み取られて電
子楽器１に転送される。この転送動作は相対時間
データTIMEの示す相対時間に達するたびに次の
鍵データ、音色またはリズムデータ等の演奏デー
タを転送するように行なわれる。この場合の相対
時間の計数には自動演奏制御回路３１内のタイマ
回路が使われる。このようにして全てのイベント
データが読み取られると再生モードが自動的に終
了する。

一方、再生モードの途中で再生／停止スイツチ
PLを再び押下して再生モードを強制的に停止さ
せると、自動演奏制御回路３１が記録媒体３４か
らイベントデータを読み取るのを停止すると共
に、レジスタ１４および１７をクリアする。この
ため、鍵楽音形成回路１８およびリズム楽音形成
回路１９には演奏データが供給されなくなるの
で、スピーカ２１からの鍵楽音およびリズム楽音
の発生が停止する。

また、早戻しスイツチRWまたは早送りスイツ
チFFを押下した場合にも再生モードが強制的に
停止させられるので、レジスタ１４および１７を
クリアして、早戻しまたは早送りモードが実行さ
れる。

なお、記録媒体としては例えばROM（リー
ド・オンリ・メモリ）のような再生専用のものを
用いてもよい。

以上のように、この考案によれば、自動演奏手
段から読み取られたイベント方式の演奏データを
一時的に記憶するレジスタを有しこのレジスタに
記憶されたデータに基づいて楽音を形成する自動
演奏装置において、読出停止指示があつた場合に
は自動演奏手段による演奏データの読出を停止さ
せることに加えて、更にレジスタの内容をクリア
するようにしたので、自動演奏を停止した場合に
おいて確実に楽音の発生を停止させることができ
るとともに、更に、自動演奏を一旦停止した後に
再び自動演奏を開始した場合の最初において不必
要な楽音の発生を確実に防ぐことができるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による自動演奏装
置を示すブロツク図、第２図は記録データのフオ
ーマツトを示す図である。 １……電子楽器、２……自動演奏機、１１……
演奏操作検出回路、１４，１７……レジスタ、１
５……リズム検出回路、１８……鍵楽音形成回
路、１９……リズム楽音形成回路、３１……自動
演奏制御回路、３２……自動演奏スイツチ回路、
３３……記録再生装置、３４……記録媒体、PL
……再生／停止スイツチ、RW……早戻しスイツ
チ、FF……早送りスイツチ、RC……記録スイツ
チ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 電子楽器の演奏状態に変化があつたときの演
   奏データおよびこの演奏データの発生タイミン
   グを示すタイミングデータをイベントデータと
   して記憶する記憶手段と、 この記憶手段から前記タイミングデータを読
   み取りこのタイミングデータに対応したタイミ
   ングで前記演奏データを順次読み取る自動演奏
   手段と、 この自動演奏手段から読み取られた前記演奏
   データを一時的に記憶するレジスタと、 このレジスタに記憶された前記演奏データに
   基づいて楽音を形成する楽音形成手段と、 前記自動演奏手段によるイベントデータの読
   出開始および読出停止を指示する指示手段と、 この指示手段の読出開始指示に応じて前記自
   動演奏手段によるイベントデータの読出を開始
   させ、前記指示手段の読出停止指示に応じて前
   記自動演奏手段によるイベントデータの読出を
   停止させるとともに前記レジスタの内容をクリ
   アする制御手段と を備えることを特徴とする自動演奏装置。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の自動演
   奏装置において、 前記指示手段は、前記自動演奏手段によるイ
   ベントデータの読出開始と早戻しあるいは早送
   りを指示するものであり、 前記制御手段は、前記指示手段の読出開始指
   示に応じて前記自動演奏手段によるイベントデ
   ータの読出を開始させ、前記指示手段の早戻し
   指示あるいは早送り指示に応じて前記自動演奏
   手段によるイベントデータの読出を停止させて
   前記自動演奏手段を早戻しモードあるいは早送
   りモードにするとともに前記レジスタの内容を
   クリアするものであることを特徴とする自動演
   奏装置。