JPH05113181A - スクロール流体圧縮機 - Google Patents

スクロール流体圧縮機

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JPH05113181A
JPH05113181A JP30393591A JP30393591A JPH05113181A JP H05113181 A JPH05113181 A JP H05113181A JP 30393591 A JP30393591 A JP 30393591A JP 30393591 A JP30393591 A JP 30393591A JP H05113181 A JPH05113181 A JP H05113181A
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JP
Japan
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scroll
weight
fluid compressor
silicon
orbiting scroll
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JP30393591A
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English (en)
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Shinobu Sato
佐藤  忍
Tatsuya Tsuda
達也 津田
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Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
    • F04C18/0207Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form
    • F04C18/0246Details concerning the involute wraps or their base, e.g. geometry

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械加工が容易にでき生産性を向上し得ると
ともに、高速運転時の駆動部の遠心力を小さくすること
ができ、かつ耐久性に優れ摺動損失の少ない高信頼性の
スクロール流体圧縮機を提供する。 【構成】 スクロール流体圧縮機において、固定スク
ロールを鉄系の材料により形成するとともに、旋回スク
ロールを、20重量%〜35重量%のシリコンを含むアルミ
ニウム粉末を用いた粉末冶金法により調製した、少なく
とも表面に分散しているシリコン結晶の粒子径が 10 μ
m以下であるアルミニウム合金基材を用いて、鍛造法に
より形成するか、または、少なくとも旋回スクロール
を、1 重量%〜20重量%のシリコン系化合物を分散させ
た1 重量%〜3 重量%の燐を含むニッケル合金からなる
表面層を有するアルミニウム合金を用いて形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐久性に優れたスクロ
ール流体圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスクロール流体圧縮機は、鏡板に
渦巻状のラップを固定した、固定スクロールと旋回スク
ロールとを互いに噛み合わせた構造をしている。両ラッ
プ同士が接触するように旋回スクロールを旋回させるこ
とにより、両スクロールによって形成される圧縮室が中
心に向けて徐々に減少し、両ラップの外周部より吸込ま
れた流体は圧縮されて中央部の吐出ポートより吐出され
る。
【0003】このようなスクロール流体圧縮機圧縮機構
部を構成する固定スクロールと旋回スクロールの材料に
は、両方に鋳鉄を主とした鉄系を、または、固定スクロ
ールに鉄系を旋回スクロールに鋳造法によるアルミニウ
ム系を用いたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような材
料の組み合わせにより圧縮機構部を構成すると、以下の
ような問題が生じていた。
【0005】1)固定/旋回スクロールとも鉄系材料を
組み合わせた場合には、 旋回スクロールに比重の大きい鉄系材料を用いると、
運転時の遠心力が大きすぎるために、軸受負荷が高くな
り、摺動損失も大きくなる。特に、高速運転時には遠心
力が非常に大きくなることから主軸と軸受で摩耗が激し
く耐久性に欠けていた。 スクロール翼の精度を高めるには取り付け面や摺動面
等を精密な機械加工する必要があるが、鉄系材料は切削
性が低いために、その加工が極めて難しく生産性を向上
させることが困難であった。
【0006】2)固定スクロールに鉄系材料、旋回スク
ロールに鋳造法によるアルミニウム系材料を組み合わせ
た場合には、 鋳造法によるアルミニウム系材料と鉄系材料では熱膨
張係数が著しく異なるため、両スクロール間のクリアラ
ンスを大きくしなければならず性能低下を招いていた。 スクロール翼の精度を高めるには取り付け面や摺動面
等を精密な機械加工する必要があるが、鋳造法によるア
ルミニウム系材料、特にシリコンを含むアルミニウム合
金は切削性が困難なため、切削工具の短寿命化や工具摩
耗による切削精度の低下が起こり、スクロール流体圧縮
機の量産性を向上させることが困難であった。 アルミニウム系材料のなかでもアルミニウム系合金
は、鋳鉄系に比べて素地の硬度が劣るため、高負荷時に
はアルミニウム系合金中のシリコン粒子などが浮き上が
った状態で相手材を摩耗させ、限界PV値が小さくなる
という問題があった。
【0007】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたもので、機械加工が容易にでき生産性を向上し得る
とともに、高速運転時の駆動部の遠心力を小さくするこ
とができ、かつ耐久性に優れ摺動損失の少ない高信頼性
のスクロール流体圧縮機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のスクロール流体
圧縮機は、固定スクロールのうず巻状のラップに、旋回
スクロールのうず巻状のラップをかみ合わせ、前記旋回
スクロールを前記固定スクロールに対して旋回運動させ
るように構成してなるスクロール流体圧縮機において、
前記固定スクロールを鉄系の材料により形成するとと
もに、前記旋回スクロールを、20重量%〜35重量%のシ
リコンを含むアルミニウム粉末を用いた粉末冶金法によ
り調製した、少なくとも表面に分散しているシリコン結
晶の粒子径が 10 μm以下であるアルミニウム合金基材
を用いて、鍛造法により形成したことを特徴とするか、
または、少なくとも前記旋回スクロールを、1 重量%
〜20重量%のシリコン系化合物を分散させた1 重量%〜
3 重量%の燐を含むニッケル合金からなる表面層を有す
るアルミニウム合金を用いて形成したことを特徴とす
る。
【0009】本発明の第1のスクロール流体圧縮機に関
する固定スクロールに使用される鉄系の材料としては、
通常の密閉型流体圧縮機に使用されるものが適してい
る。例えば、FC25(JIS規格、G5501)のよ
うな材料がある。
【0010】本発明の第1のスクロール流体圧縮機に関
する旋回スクロールは、20重量%〜35重量%のシリコン
を含むアルミニウム粉末を粉末冶金法により調製したア
ルミニウム合金を基材として用いる。アルミニウム合金
のシリコンの含有率を20重量%〜35重量%としたのは、
20重量%未満であると熱膨張係数が大きくなり過ぎ、ま
た35重量%をこえると切削性が非常に困難となるためで
ある。
【0011】なお、通常の不純物として 5重量%以下の
鉄、銅、ニッケルなどの遷移金属類を含むアルミニウム
合金も本発明の許容範囲である。
【0012】また粉末冶金法は、シリコンの含有率を鋳
造法に比較して大きくすることができるため、本発明に
好適な方法である。金属粉末の製造方法としては、固
相、液相、気相から生成するいずれの方法も使用するこ
とができる。このようにして得られた粉末を用いて、た
とえば押出法などによりアルミニウム合金の基材となる
塊状のビレットを作製する。
【0013】ついで、このビレットを用いて、少なくと
も表面層に分散しているシリコン結晶の粒子径が 10 μ
m以下である旋回スクロールを鍛造法により作製する。
【0014】鍛造法を用いたのは、アルミニウム合金系
材料の表面に均一な粒子径を有して均一に分散したシリ
コン結晶よりなる小さなハードポイントが形成されやす
いからである。このシリコン結晶よりなるハードポイン
ト部とアルミニウム−シリコンマトリクスとの密着力は
大きく、FC25と摺動させてもシリコン結晶よりなる
小さなハードポイントがアルミニウム−シリコンマトリ
クスから脱落し摺動面の摩耗を引き起こすことはないの
で、低摩擦係数かつ高耐摩耗性を有する材料が鍛造法に
より得られる。
【0015】これに対して、鋳造法によるアルミニウム
合金では、アルミニウム−シリコンマトリクス内のシリ
コン結晶は粒子径にバラツキがあり、大きな粒子部とア
ルミニウム−シリコンマトリクスの密着力が小さく、摺
動により脱落(すなわち摩耗)しやすく、加えて脱落し
た粒子が摺動面に入り込むことから2次摩耗を引き起こ
すことが多い。
【0016】少なくとも表面層に分散しているシリコン
結晶の粒子径が 10μm以下に形成するのは、 10 μm
をこえると、アルミニウム−シリコンマトリクスの密着
力が低下するためである。
【0017】本発明の第2のスクロール流体圧縮機に使
用する旋回スクロールは、1 重量%〜20重量%のシリコ
ン系化合物を分散させた1 重量%〜3 重量%の燐を含む
ニッケル合金からなる表面層を有するアルミニウム合金
を用いて形成したことを特徴とする。
【0018】1 重量%〜3 重量%の燐を含むニッケル合
金は、ニッケルに燐を含ませることのできる方法であれ
ば、いかなる方法であってもよいが、無電解メッキ法が
ピンホールが少なく、スクロールのように複雑な形状の
ものにも均一に任意の厚さに形成できるため、特に好ま
しい。
【0019】燐を含むニッケル合金に分散させるシリコ
ン系化合物は、耐摩耗性や耐焼付き性を向上させるため
に加えられる。特に好ましいシリコン系化合物には炭化
珪素や窒化珪素がある。
【0020】ニッケル合金における燐の含有量を1 重量
%〜3 重量%、分散させるシリコン系化合物を1 重量%
〜20重量%としたのは、燐の含有量およびシリコン系化
合物の含有量を変化させたときの表面層の摩耗状態を調
べた結果、前述の範囲が最も良好な摩耗状態を示したた
めである。測定結果を表1に示す。なお、測定方法は、
アルミニウム合金(AC8C)に燐およびシリコン系化
合物の含有量を変化させた表面層を形成し、相手材を鋳
鉄(FC25)として図2に示すブレード13とディス
ク14を有する摩擦摩耗試験機を用いて行った。評価
は、表面層および相手材の表面を走査型電子顕微鏡にて
観察した。
【表1】 また、上記摩擦摩耗試験機を用いて、最適範囲の組成に
よる表面層の厚さと焼付き値の変化を調べた結果が図3
であるが、これによると、表面層厚さが 2μm以上であ
れば、スクロール流体圧縮機設計上充分な耐焼付き値を
得ることができることがわかる。したがって、1 重量%
〜20重量%のシリコン系化合物を分散させた1 重量%〜
3 重量%の燐を含むニッケル合金からなる表面層の厚さ
は 2μm以上あることが好ましい。
【0021】なお、本発明の第2のスクロール流体圧縮
機に関する固定スクロールの材料としては、通常の密閉
型流体圧縮機に使用される材料が使用できる。例えば、
FC25(JIS規格、G5501)のような材料が使
用できる。
【0022】
【作用】本発明の第1のスクロール流体圧縮機のような
構成をとることにより、 旋回スクロールをアルミニウムベース材とすること
で、軽量化を図ることができるので旋回スクロールの遠
心力を小さくすることができ、高速運転時における摺動
部分の摩耗を小さく抑えることができる。
【0023】しかも、粉末冶金法による基材の作成に
より、シリコン添加量を鋳造法に比較して大きくするこ
とが可能となり基材の熱膨脹係数を小さくすることがで
きる。この結果、摺動相手材となる鉄系材料との熱膨張
係数差が小さくなり、両スクロール間のクリアランスを
小さく設定でき圧縮ガスの漏れを最少限に抑えることが
できる。
【0024】さらに、鍛造法により渦巻状のラップ部
を形成するため、従来の鋳造法のように切削にて加工造
形する必要がなく、仕上加工のみで最終寸法とすること
が可能となる。このため、機械加工量を大幅に減少させ
ることができる。すなわち、旋回スクロールの製造にお
いては、量産性を大幅に向上させることができ、加えて
加工量の大幅減少により旋回スクロールの低コスト化が
達成できる。
【0025】また、本発明の第2のスクロール流体圧縮
機のような構成をとることにより、 旋回スクロールの表面を、燐を含むニッケル合金中に
炭化珪素や窒化珪素などのシリコン系化合物を分散させ
た表面層とすることで、耐摩耗性や見掛け上の硬度が大
きくなるため旋回スクロールの耐焼付き性が向上する。
そのため、高速運転時における摺動部分の摩耗を小さく
抑えることができる。
【0026】燐を含むニッケル合金の表面層は無電解
メッキ法等で形成することができるので、ピンホールが
少なく、複雑な形状をした旋回スクロールの表面にも均
一な厚さの膜を形成できる。
【0027】
【実施例】以下図1のスクロール流体圧縮機の構成を示
す縦断面図を参照して、本発明の実施例を詳細に説明す
る。 実施例1 密閉容器1の内部はフレーム2により連通した2つの空
間に分けられている。フレーム2の中央部には円形の開
口2aがあり、この開口2aに主軸3が回転自在に支持
されている。この主軸3下部にはロータ4が取付けら
れ、その外周部にはステータ5が密閉容器1に圧入され
ている。
【0028】主軸3の上部に形成されたクランク軸部3
aには旋回スクロール6が回転自在に支持されており、
フレーム2の外周突起部2bには固定スクロール7が固
定されている。ここに用いられる旋回スクロール6およ
び固定スクロール7は鏡板6a、7aの相対向する板面
に渦巻状のラップ6b、7bを直立して設けた構造をな
しており、旋回スクロール6のラップ6bと固定スクロ
ール7のラップ7bが互いにかみ合うことで圧縮室12
が形成される。旋回スクロール6とフレーム2の間には
旋回スクロール6の旋回運動中の自転を阻止するための
機構として例えばオルダムリング8が設けられている。
【0029】固定スクロール7の中心部には圧縮ガスを
密閉容器1内に吐出させるための吐出ポート9が形成さ
れている。また、吸込ガスを両スクロールラップ6b、
7bの外周部に導く吸込管10と圧縮ガスを外部に導く
吐出管11が密閉容器1に貫通して取り付けられてい
る。
【0030】実施例1に係わる旋回スクロール6は粉末
冶金法による基材の作成と鍛造法による渦翼の成形を行
ったアルミニウム合金系材料で形成されている。
【0031】旋回スクロール6はエアアトマイズ法によ
り作製した 20 重量%〜 35 重量%のシリコンを含有し
たアルミニウムとシリコンの粉末を押出法により塊状の
ビレットを形成し、次いでこのビレットを渦巻状のラッ
プ部を有するスクロール形状の金型内に挿入した後、鍛
造法によりスクロール形状に成形した。スクロール形状
に成形した後、精度を高めるために摺動面を切削加工し
た。上記アルミニウム合金材料を鍛造法により成形する
ことにより、表面には 7μm程度の均一な粒子径を有す
るシリコン結晶よりなる小さなハードポイントが均一に
分散して多数形成される。上記の表面金属組織を鋳造法
によるアルミニウム合金材料(JIS.AC8C)と比
較して図4に示す。
【0032】実施例1では旋回スクロール6に粉末冶金
法による基材の作成と鍛造法による渦翼の成形を行った
30 重量%のシリコンを含有するアルミニウム合金系材
料を用い、固定スクロール7に鋳鉄FC25を用いた組
合せとした。
【0033】この旋回スクロール6と固定スクロール7
を用いて圧縮機能を有するスクロール流体機械を構成し
実機テストを行った結果、高負荷(高荷重)運転および
高速運転( 150 Hz )の条件で良好な耐摩耗性と低振動
性が得られた。
【0034】また、図2に示す摩擦摩耗性試験機を用い
て実施例1の材料組合せと鉄系材料/鉄系材料(FC2
5対FC25)(比較例1)および鋳造法によるアルミ
ニウム合金系材料/鉄系材料(AC8C対FC25)
(比較例2)の組合せよりなる比較例の動摩擦係数−荷
重(面圧)の関係を3水準の摺動速度において評価した
ところ、図5に示すような結果が得られた。ここで実施
例1は動摩擦係数値が高荷重まで小さく保持され、かつ
高荷重まで焼付けを起こさないことがわかった。一方、
比較例は低荷重領域より動摩擦係数が大きく、実施例1
に比して低荷重で焼付けを起こすことがわかった。
【0035】したがって、実施例1のような構成によれ
ば、旋回スクロールにアルミニウム合金系材料の採用が
可能となり、その軽量性,低線膨脹係数,低加工
コストから、従来のものに比べて、摺動損失が小さく高
速運転が可能で、摺動面部間の圧縮ガスのリークが小さ
く高効率、かつ量産性に優れ安価な旋回スクロールを有
するスクロール流体圧縮機を得ることができる。
【0036】なお、発明は上記実施例1に限定されるも
のではなく、種々変形して実施することができる。たと
えば、実施例1は圧縮機能を有するスクロール流体機械
に本発明品を適用させたが、膨脹機能を有するスクロー
ル流体機械に本発明品を適用させることもできる。 実施例2および実施例3 実施例2および実施例3の旋回スクロールの概略的な構
成を示す縦断面図を図6に示す。
【0037】炭化珪素を 15 重量%分散させ、燐含有量
が 2重量%であるニッケル合金を主成分とする表面層1
5を 5μmの厚さに無電解メッキ法により形成したアル
ミニウム合金16(AC8C)からなる旋回スクロール
6を用いた以外は実施例1と同一のスクロール流体圧縮
機を作製した(実施例2)。
【0038】また、窒化珪素を 5重量%分散させ、燐含
有量が 2重量%であるニッケル合金を主成分とする表面
層15を 2μmの厚さに無電解メッキ法により形成した
アルミニウム合金16(AC8C)からなる旋回スクロ
ール6を用いた以外は実施例1と同一のスクロール流体
圧縮機を作製した(実施例3)。
【0039】上記の旋回スクロール6を用いて圧縮機能
を有するスクロール流体機械を構成し実施例1と同一の
実機テストを行った結果、実施例2および3とも、高負
荷(高荷重)運転および高速運転( 150Hz)の条件で
良好な耐摩耗性と低振動性が得られた。
【0040】また、図2に示す摩擦摩耗性試験機を用い
て実施例2および3の材料組合せと前述の比較例2およ
び3の動摩擦係数−荷重(面圧)の関係を評価したとこ
ろ、図5に示すような結果が得られた。図5より、実施
例2および3によると、摩擦力が小さくなって焼付き値
が高くなることがわかる。
【0041】したがって、実施例のような構成によれ
ば、旋回スクロールにアルミニウム合金系材料の採用が
可能となり、その軽量性,低線膨脹係数,低加工
コストから、従来のものに比べて、摺動損失が小さく高
速運転が可能で、摺動面部間の圧縮ガスのリークが小さ
く高効率、かつ量産性に優れ安価な旋回スクロールを有
するスクロール流体圧縮機を得ることができる。
【0042】
【発明の効果】本発明のスクロール流体圧縮機は、固定
スクロールを鉄系の材料により形成するとともに、旋回
スクロールを粉末冶金法により調製したアルミニウム合
金基材を用いて鍛造法により形成したので、機械加工が
容易にでき生産性を向上し得るとともに、駆動部の遠心
力の影響を抑制できた。また、旋回スクロールを燐を含
むニッケル合金にシリコン系化合物を分散させてなる表
面層を有するアルミニウム合金を用いて形成したので、
耐摩耗性、耐焼付き性も向上できた。
【0043】以上の結果、耐久性に優れ駆動損失が小さ
く高信頼性で、かつ安価なスクロール流体圧縮機が得ら
れた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のスクロール流体圧縮機の構成を示す
縦断面図である。
【図2】摩擦摩耗試験機を示す図である。
【図3】実施例2の表面層厚さと焼付き値の変化を調べ
た図である。
【図4】実施例1の金属組織を示す金属組織写真であ
る。
【図5】実施例と比較例の動摩擦係数と面圧(荷重)の
関係を示す図である。
【図6】実施例2および実施例3の旋回スクロールの構
成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1………密閉容器、2………フレーム、2a………円形
の開口、2b………外周突起部、3………主軸、3a…
……クランク軸部、4………ロータ、5………ステー
タ、6………旋回スクロール、7………固定スクロー
ル、6aおよび7a………鏡板、6bおよび7b………
渦巻状のラップ、8………オルダムリング、9………吐
出ポート、10………吸込管、11………吐出管、12
………圧縮室、13……ブレード、14……ディスク、
15……表面層、16……アルミニウム系合金。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定スクロールのうず巻状のラップに、
    旋回スクロールのうず巻状のラップをかみ合わせ、前記
    旋回スクロールを前記固定スクロールに対して旋回運動
    させるように構成してなるスクロール流体圧縮機におい
    て、 前記固定スクロールを鉄系の材料により形成するととも
    に、前記旋回スクロールを、20重量%〜35重量%のシリ
    コンを含むアルミニウム粉末を用いた粉末冶金法により
    調製した、少なくとも表面に分散しているシリコン結晶
    の粒子径が 10μm以下であるアルミニウム合金基材を
    用いて、鍛造法により形成したことを特徴とするスクロ
    ール流体圧縮機。
  2. 【請求項2】 固定スクロールのうず巻状のラップに、
    旋回スクロールのうず巻状のラップをかみ合わせ、前記
    旋回スクロールを前記固定スクロールに対して旋回運動
    させるように構成してなるスクロール流体圧縮機におい
    て、 少なくとも前記旋回スクロールを、1 重量%〜20重量%
    のシリコン系化合物を分散させた1 重量%〜3 重量%の
    燐を含むニッケル合金からなる表面層を有するアルミニ
    ウム合金を用いて形成したことを特徴とするスクロール
    流体圧縮機。
JP30393591A 1991-10-23 1991-10-23 スクロール流体圧縮機 Withdrawn JPH05113181A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5478219A (en) * 1994-02-22 1995-12-26 Carrier Corporation Lightweight scroll element and method of making
US6273691B1 (en) * 1996-07-22 2001-08-14 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Scroll gas compressor having asymmetric bypass holes
CN113482920A (zh) * 2021-08-09 2021-10-08 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 涡旋盘密封装置、涡旋压缩机和制冷装置
CN113482921A (zh) * 2021-08-09 2021-10-08 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 涡旋盘密封装置、涡旋压缩机和制冷装置

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