JPH0511233U - 蛇腹部つきグロメツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 弾性質管体の中間部分に「頂点の両側に傾斜
部を設けた単位蛇腹部２」の連設からなる蛇腹部１を有
する蛇腹部つきグロメットにおいて、製造されたグロメ
ットからの成形用中子型の引き抜きを可能にする。 【構成】 頂点７の一側を緩傾斜面部８、頂点７の他側
を急傾斜部９になし、頂点７を通る単位蛇腹部２の縦中
心線５を軸とする非対称形傾斜部の単位蛇腹部２を連設
すると共に、それぞれの単位蛇腹部２の緩傾斜部８を同
一方向になして並設した構造が特徴である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車または電気機器の電気配線の保護に用いる蛇腹部つきグロメ ットに関するもので、詳しくは、例えば自動車の車体と車体ドアーに亘る電気配 線を中空部に収納して保護し、両端を車体と車体ドアーに接続固定すると共に、 中間部分の蛇腹部によって車体ドアーの開閉による伸縮をなす蛇腹部つきグロメ ットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の蛇腹部つきグロメットは、図３参照、両端に車体等の機器部への接続部 ３を有する管体をなし、中間部分に単位蛇腹部２を数個連設した蛇腹部１を設け た構造を有し、その中空部にワイヤハーネス等の電気配線を収納して保護する構 造を有し、その蛇腹部１を構成する単位蛇腹部２は、管体中心線と直交して単位 蛇腹部１の頂点７を通る縦中心線５に対して、頂点７に連なる二個の斜面部６が 対称形をなす対称形傾斜部によって形成されている。

【０００３】 そして、以上の蛇腹部つきグロメットは、図４参照、製造すべきグロメットの 外周形状を有する合せ型の成形型１０と、製造すべきグロメットの内周形状を有 して成形型１０のキヤビティーにインサートされる中子型１１が用いられ、この 成形型１０と中子型１１の間の空隙部にゴム質が充填されて成形される製造方法 になっている。

【０００４】 「考案が解決しようとする課題」 以上の従来の蛇腹部つきグロメットは、蛇腹部１の伸縮代に必要な単位蛇腹部 ２のピッチＰを折半した対称形の斜面部６になるので、斜面部６は相当の急傾斜 を呈する形状となる。従って、グロメット製造後に、成形型１０を外した状態で 中子型１１を抜こうとしても、斜面部６による引き抜き抵抗が大のため引き抜け ず、製造された蛇腹部１と中子型１１の間に空気を圧入して、蛇腹部１を膨大さ せ、図示矢印Ａのように、その状態で中子型１１を引き抜く方法が採られており 、グロメットの製造工程の煩雑化とコスト高をもたらす不具合がある。本考案は 、以上の従来技術の難点を解消する蛇腹部つきグロメットを提供するものである 。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

以上の技術課題を解決する本考案の蛇腹部つきグロメットは、「頂点の両側に 斜面部を有する単位蛇腹部の連設からなる蛇腹部を、弾性質管体の中間に設けた 蛇腹部つきグロメットにおいて、前記頂点の一側を緩斜面部、前記頂点の他側を 急斜面部になし、前記管体の中心線と直交し、かつ、前記頂点を通る縦中心線を 軸とする非対称形斜面部の単位蛇腹部になすと共に、それぞれの単位蛇腹部の前 記緩斜面部を同一方向になして並設した構造」が特徴である。

【０００６】

【作用】

以上の構成の本考案の蛇腹部つきグロメットは、緩斜面部と急斜面部からなる 単位蛇腹部が、その緩斜面部を同一方向になして並設された蛇腹部を有するので 、中子型つき成形型によって成形した後、その中子型に前記緩斜面部側方向の引 き外力を与えると、接合状態の中子型外周と緩斜面部の外周間に、該緩傾斜部の 緩傾斜角に基づく、大きな滑り抜き分力が生ずると共に、その緩傾斜面部は弾性 質にして外方への外力回避変形をなすので、中子型をそのまま容易に引き抜くこ とができる。

【０００７】

【実施例】

以下、実施例に基づいて詳しく説明する。自動車の車体と車体ドアー間に取着 固定して中空部にワイヤハーネスを収納保護する蛇腹部つきグロメットの応用例 を示す図１図２を参照して、このグロメットは弾性質の中空管体の中間部分に設 けた蛇腹部１が、下記に述べる非対称形状の単位蛇腹部２の連設によって構成さ れている。

【０００８】 即ち、単位蛇腹部２は、頂点７の一側の緩斜面部８と他側の急斜面部９によっ て形成され、その緩斜面部８と急斜面部９の下端間が、必要な蛇腹伸縮を満たす 単位蛇腹ピッチＰを満たしており、この緩斜面部８はピッチＰ内で許容し得る緩 やかな傾斜角の斜面をなすと共に、急斜面部９は垂直に近い急斜面角の斜面をな している。

【０００９】 そして、以上の単位蛇腹部２群は、緩斜面部８を同一方向にして並設され、隣 接する単位蛇腹部２間の緩斜面部８と急斜面部９の下端が接合して一体に連設さ れ、蛇腹部１を構成している。即ち、この蛇腹部１を構成する単位蛇腹部２は、 頂点７を通る単位蛇腹部２の縦中心線５を軸として、頂点７の両側の一対の斜面 部８・９が非対称形を呈する形状が特徴である。

【００１０】 以上の実施例の蛇腹部つきグロメットは、図４のように成形型１０のキヤビテ ィーにインサートした中子型１１を用いて成形した後、成形型１０を外した図２ の状態で、中子型１１を緩斜面部８の傾斜方向の図示矢印Ａ方向に引くと、前記 の作用によって、そのまま中子型１１を引き抜くことができる。

【００１１】

【考案の効果】

以上の説明のとおり、本考案の蛇腹部つきグロメットは、中子型つき成形型に よって成形した後、成形されたグロメットを膨大させずに、成形後直ちに中子型 を引き抜くことができるので、グロメツトの成形工程が簡素化・能率化すると共 に、その膨大装置が不要になり、グロメットの成形コストが低減する効果がある 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案一実施例の蛇腹部つきグロメットの正面
図

【図２】図１実施例のグロメットの中子型を抜く状態の
説明図

【図３】従来の蛇腹部つきグロメットの正面図

【図４】従来の蛇腹部つきグロメットの成形手段と、中
子型を抜く状態の説明図

【符号の説明】

１ 蛇腹部 ２ 単位蛇腹部 ３ 接続部 ５ 単位蛇腹部の縦中心線 ６ 傾斜部 ７ 頂点 ８ 緩斜面部 ９ 急斜面部 １０ 成形型 １１ 中子型

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 頂点の両側に斜面部を有する単位蛇腹部
   の連設からなる蛇腹部を、弾性質管体の中間に設けた蛇
   腹部つきグロメットにおいて、前記頂点の一側を緩斜面
   部、前記頂点の他側を急斜面部になし、前記管体の中心
   線と直交し、かつ、前記頂点を通る縦中心線を軸とする
   非対称形斜面部の単位蛇腹部になすと共に、それぞれの
   単位蛇腹部の前記緩斜面部を同一方向になして並設した
   構造を特徴とする蛇腹部つきグロメット。