JPH05105461A - ガラスモールドレンズの成形型 - Google Patents
ガラスモールドレンズの成形型Info
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- JPH05105461A JPH05105461A JP29633491A JP29633491A JPH05105461A JP H05105461 A JPH05105461 A JP H05105461A JP 29633491 A JP29633491 A JP 29633491A JP 29633491 A JP29633491 A JP 29633491A JP H05105461 A JPH05105461 A JP H05105461A
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- JP
- Japan
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- mold
- boron nitride
- sintered body
- purity
- cbn
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B11/00—Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
- C03B11/06—Construction of plunger or mould
- C03B11/08—Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
- C03B11/084—Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor
- C03B11/086—Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor of coated dies
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B2215/00—Press-moulding glass
- C03B2215/02—Press-mould materials
- C03B2215/08—Coated press-mould dies
- C03B2215/10—Die base materials
- C03B2215/12—Ceramics or cermets, e.g. cemented WC, Al2O3 or TiC
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B2215/00—Press-moulding glass
- C03B2215/02—Press-mould materials
- C03B2215/08—Coated press-mould dies
- C03B2215/14—Die top coat materials, e.g. materials for the glass-contacting layers
- C03B2215/22—Non-oxide ceramics
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- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Ceramic Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ガラス付着が少なくしかも長寿命であり、ガ
ラスレンズの成形コストを低減することができるガラス
モールドレンズの成形型の提供。 【構成】 熱分解窒化ほう素を原料とする直接転換法に
よって製造された純度99.5%以上、相対密度99.9%以上
の立方晶窒化ほう素焼結体からなることを特徴とするガ
ラスモールドレンズの成形型。
ラスレンズの成形コストを低減することができるガラス
モールドレンズの成形型の提供。 【構成】 熱分解窒化ほう素を原料とする直接転換法に
よって製造された純度99.5%以上、相対密度99.9%以上
の立方晶窒化ほう素焼結体からなることを特徴とするガ
ラスモールドレンズの成形型。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に光学レンズの製造
に好適なガラスモールドレンズの成形型に関する。
に好適なガラスモールドレンズの成形型に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスレンズの成形法として、光学ガラ
スを加熱プレスして所望の形状にする方法が知られてい
る。成形型には、高温のガラスに対する化学的安定性や
耐摩耗性、ガラスとの離型性、さらには成形後のガラス
の後研磨を不要にするための表面平滑性などの特性が要
求される。このような要求を満たす材料が従来より検討
されており、各種の金属やセラミックスが提案されてい
る。
スを加熱プレスして所望の形状にする方法が知られてい
る。成形型には、高温のガラスに対する化学的安定性や
耐摩耗性、ガラスとの離型性、さらには成形後のガラス
の後研磨を不要にするための表面平滑性などの特性が要
求される。このような要求を満たす材料が従来より検討
されており、各種の金属やセラミックスが提案されてい
る。
【0003】その中で、立方晶窒化ほう素(cBN)
は、上記の多くを満足する基本特性を有していることか
ら、特開昭63-270324 号公報ではこれを光学素子成形型
として利用することを提案している。この先行技術で
は、成形型の成形面をcBN含有率50atm %以上、より
好ましくは70atm %以上の焼結体で構成されている。
は、上記の多くを満足する基本特性を有していることか
ら、特開昭63-270324 号公報ではこれを光学素子成形型
として利用することを提案している。この先行技術で
は、成形型の成形面をcBN含有率50atm %以上、より
好ましくは70atm %以上の焼結体で構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際にcBN
焼結体を成形型の成形面に用いるには、種々の技術的困
難があり、その実用化は進んでいない。その大きな理由
は、まず第1に、cBNは共有結合性が強い物質であり
単体では焼結が困難であるので、通常はcBNに各種の
セラミックスや金属を焼結助材として混合し、これを超
高圧高温で焼結することによって焼結体が製造されてい
ることによる。特開昭63-270324 号公報においても、実
施例の全ては窒化物や炭化物の焼結助材を使用してい
る。このため、cBN焼結体の粒界にcBN以外の物質
が存在し、焼結体の特性がcBN本来の特性を反映しな
くなる。
焼結体を成形型の成形面に用いるには、種々の技術的困
難があり、その実用化は進んでいない。その大きな理由
は、まず第1に、cBNは共有結合性が強い物質であり
単体では焼結が困難であるので、通常はcBNに各種の
セラミックスや金属を焼結助材として混合し、これを超
高圧高温で焼結することによって焼結体が製造されてい
ることによる。特開昭63-270324 号公報においても、実
施例の全ては窒化物や炭化物の焼結助材を使用してい
る。このため、cBN焼結体の粒界にcBN以外の物質
が存在し、焼結体の特性がcBN本来の特性を反映しな
くなる。
【0005】ガラスモールドレンズの成形型としてこの
ようなcBN焼結体を使った場合、粒界部分に残存する
セラミックスや金属部分が選択的に腐食・摩耗されて成
形型表面が荒れ、離型性が悪くなったり、早い段階で型
として使えなくなるという問題が生ずる。特開平3-8873
2 号公報では、cBNに非常に近い特性を持ったウルツ
型BN(wBN)の焼結体を使うことを提案している
が、この場合も粒界に残存する焼結助材の悪影響の問題
はcBNの場合と変わらない。また、wBNはcBNよ
りも柔らかいため、耐摩耗性がcBNに及ばず、寿命の
面で問題がある。
ようなcBN焼結体を使った場合、粒界部分に残存する
セラミックスや金属部分が選択的に腐食・摩耗されて成
形型表面が荒れ、離型性が悪くなったり、早い段階で型
として使えなくなるという問題が生ずる。特開平3-8873
2 号公報では、cBNに非常に近い特性を持ったウルツ
型BN(wBN)の焼結体を使うことを提案している
が、この場合も粒界に残存する焼結助材の悪影響の問題
はcBNの場合と変わらない。また、wBNはcBNよ
りも柔らかいため、耐摩耗性がcBNに及ばず、寿命の
面で問題がある。
【0006】このため、薄膜コーティングの形で利用し
たり、粒界の存在しない単結晶を研削・研磨して型にす
ることなどが考えられている。しかし、薄膜コーティン
グでは、薄膜形成技術そのものが未だ完成しておらず、
化学的安定性の高い結晶質のcBN膜を工業的に形成す
る方法は確立していない。また、cBN単結晶は現在ま
だ直径10mm以下のものしか製造できず、成形型とするに
は寸法の点で難点があるほか、へき開しやすい単結晶を
機械的に研削・研磨するので相当のコスト高となってし
まう。
たり、粒界の存在しない単結晶を研削・研磨して型にす
ることなどが考えられている。しかし、薄膜コーティン
グでは、薄膜形成技術そのものが未だ完成しておらず、
化学的安定性の高い結晶質のcBN膜を工業的に形成す
る方法は確立していない。また、cBN単結晶は現在ま
だ直径10mm以下のものしか製造できず、成形型とするに
は寸法の点で難点があるほか、へき開しやすい単結晶を
機械的に研削・研磨するので相当のコスト高となってし
まう。
【0007】もう一つの問題は、特開平3-88732 号公報
にも述べられているように、これまでのcBN焼結体で
は、曲率が小さく深面のガラスレンズ成形に対応できる
ような肉厚の焼結体の作製が非常に難しく、型コストが
上昇してしまうことである。
にも述べられているように、これまでのcBN焼結体で
は、曲率が小さく深面のガラスレンズ成形に対応できる
ような肉厚の焼結体の作製が非常に難しく、型コストが
上昇してしまうことである。
【0008】本発明の目的は、従来の以上のような問題
点を解決し、曲率が小さく深面の型を容易に成形でき、
しかもこれまでのcBN成形型よりも長期にわたって平
滑な面が保持され離型性も維持される長寿命のガラスモ
ールドレンズの成形型を提供することにある。
点を解決し、曲率が小さく深面の型を容易に成形でき、
しかもこれまでのcBN成形型よりも長期にわたって平
滑な面が保持され離型性も維持される長寿命のガラスモ
ールドレンズの成形型を提供することにある。
【0009】
【課題を解決すための手段】すなわち、本発明は、熱分
解窒化ほう素(P−BN)を原料とする直接転換法によ
って製造された、純度99.5%以上、相対密度99.9%以上
の立方晶窒化ほう素焼結体からなることを特徴とするガ
ラスモールドレンズの成形型である。
解窒化ほう素(P−BN)を原料とする直接転換法によ
って製造された、純度99.5%以上、相対密度99.9%以上
の立方晶窒化ほう素焼結体からなることを特徴とするガ
ラスモールドレンズの成形型である。
【0010】以下、さらに詳しく本発明について説明す
る。
る。
【0011】本発明で用いるcBN焼結体は、直接転換
法として知られている方法で製造されたものであり、低
圧相である六方晶窒化ほう素(hBN)をcBNに転換
する際に、一般に「触媒」もしくは「溶媒」と呼ばれて
いる物質の作用が無い状態で、超高圧高温処理されて製
造されたものである。直接転換法によるcBN焼結体の
製造においては、原料として表面にほう素を形成させた
粉末状のhBNを用いる方法(特開昭55-167110 号公
報)、hBN粉末の焼結体を用いる方法(特開平3-1599
64号号公報)、CVD法で製造されるP−BNを用いる
方法(特開昭54-33510号公報、特開平1-184033号公報)
などが知られている。
法として知られている方法で製造されたものであり、低
圧相である六方晶窒化ほう素(hBN)をcBNに転換
する際に、一般に「触媒」もしくは「溶媒」と呼ばれて
いる物質の作用が無い状態で、超高圧高温処理されて製
造されたものである。直接転換法によるcBN焼結体の
製造においては、原料として表面にほう素を形成させた
粉末状のhBNを用いる方法(特開昭55-167110 号公
報)、hBN粉末の焼結体を用いる方法(特開平3-1599
64号号公報)、CVD法で製造されるP−BNを用いる
方法(特開昭54-33510号公報、特開平1-184033号公報)
などが知られている。
【0012】本発明では、これらのなかで後者の方法を
採用する。その理由は、低圧相BNの粉末又は粉末の焼
結体を原料とする方法では、原料自身に多くの空隙が存
在するために、ガラスモールドレンズの成形型に適した
相対密度99.9%以上の気孔の殆ど無い緻密なcBN焼結
体を得るのが容易でなく、圧力7GPa以上、温度2100℃以
上の非常に厳しい超高圧高温処理条件が必要となるので
製造コストの面で問題がある他、超高圧高温処理装置に
充填される段階での原料の相対密度が低いために厚みの
ある焼結体が得られにくく、曲率の小さい深面ガラスレ
ンズの成形型をつくりにくいという問題があるからであ
る。
採用する。その理由は、低圧相BNの粉末又は粉末の焼
結体を原料とする方法では、原料自身に多くの空隙が存
在するために、ガラスモールドレンズの成形型に適した
相対密度99.9%以上の気孔の殆ど無い緻密なcBN焼結
体を得るのが容易でなく、圧力7GPa以上、温度2100℃以
上の非常に厳しい超高圧高温処理条件が必要となるので
製造コストの面で問題がある他、超高圧高温処理装置に
充填される段階での原料の相対密度が低いために厚みの
ある焼結体が得られにくく、曲率の小さい深面ガラスレ
ンズの成形型をつくりにくいという問題があるからであ
る。
【0013】これに対して、P−BNを原料とする場合
には、P−BN自身が非常に高密度な低圧相BNの成形
体であり、しかもCVD法で製造されるので高純度であ
るため、超高圧高温処理条件が比較的穏やかであるにも
かかわらず、気孔の殆ど無い、密度99.9%以上の緻密な
焼結体を得ることができる。
には、P−BN自身が非常に高密度な低圧相BNの成形
体であり、しかもCVD法で製造されるので高純度であ
るため、超高圧高温処理条件が比較的穏やかであるにも
かかわらず、気孔の殆ど無い、密度99.9%以上の緻密な
焼結体を得ることができる。
【0014】ガラスモールドレンズは、成形後に研磨し
ないで使用することを目的としており、そのためには成
形された表面粗さはできるだけ滑らかになっていなけれ
ばならず、具体的には、Rmax=0.5 μm 以下が必要であ
る。直接転換法により製造されるcBN焼結体の場合、
相対密度99.9%以上でこのような表面粗さを達成するこ
とができる。
ないで使用することを目的としており、そのためには成
形された表面粗さはできるだけ滑らかになっていなけれ
ばならず、具体的には、Rmax=0.5 μm 以下が必要であ
る。直接転換法により製造されるcBN焼結体の場合、
相対密度99.9%以上でこのような表面粗さを達成するこ
とができる。
【0015】P−BNは、「FCレポート」vol.4 No2
7〜15頁(1986)にも記載されているように、三塩化ほう
素とアンモニアなどの原料ガスを、50Torr以下の圧力、
1800℃以上の高温で反応させ、黒鉛基材上に固体として
析出させることによって製造することができる。このよ
うにして得られたP−BN成形体には、電子顕微鏡で観
察されるような気孔はほとんど認められず、非常に緻密
なものであるので、これを直接転換法によってcBNに
転換した場合も、ガラス成形型とした場合に問題となる
ような気孔の無いcBN焼結体にすることができ、その
相対密度も99.9%以上の非常に緻密なものとなる。
7〜15頁(1986)にも記載されているように、三塩化ほう
素とアンモニアなどの原料ガスを、50Torr以下の圧力、
1800℃以上の高温で反応させ、黒鉛基材上に固体として
析出させることによって製造することができる。このよ
うにして得られたP−BN成形体には、電子顕微鏡で観
察されるような気孔はほとんど認められず、非常に緻密
なものであるので、これを直接転換法によってcBNに
転換した場合も、ガラス成形型とした場合に問題となる
ような気孔の無いcBN焼結体にすることができ、その
相対密度も99.9%以上の非常に緻密なものとなる。
【0016】さらに、P−BNはCVD法で製造される
ので、原料ガスとCVD装置の炉材の純度に注意すれ
ば、高純度にすることが容易であり、たとえば半導体の
製造に使われるような4〜6NのP−BN純度を維持す
ることができる。本発明では、P−BN純度が99.5%以
上あれば、目的とする高性能のガラスモールドレンズの
成形型を得ることができる。
ので、原料ガスとCVD装置の炉材の純度に注意すれ
ば、高純度にすることが容易であり、たとえば半導体の
製造に使われるような4〜6NのP−BN純度を維持す
ることができる。本発明では、P−BN純度が99.5%以
上あれば、目的とする高性能のガラスモールドレンズの
成形型を得ることができる。
【0017】直接転換法で上記P−BN原料をcBNに
転換した場合、直接転換法自身もcBN中への不純物混
入が非常に少ない方法であるので、最終的に得られるc
BN焼結体も非常に高い純度99.5%以上を維持すること
ができる。従って、これをガラスモールドレンズの成形
型とした場合、ガラスと反応しやすい不純物成分がきわ
めて少ないので、長期の繰り返し使用によっても型表面
の荒れや離型不良が起きず、高性能かつ長寿命の型を得
ることができる。しかし、cBN純度が99.5%よりも悪
いと、ガラスレンズの成形において型表面が比較的早い
段階から荒れ始める場合があり好ましくない。なお、特
開平1-184033号公報に示されているような結晶性の高い
P−BN原料を用いる場合には、6GPa台の圧力、2000℃
以下の温度でも緻密なcBN焼結体が得られるので、製
造コストの点で有利になる。
転換した場合、直接転換法自身もcBN中への不純物混
入が非常に少ない方法であるので、最終的に得られるc
BN焼結体も非常に高い純度99.5%以上を維持すること
ができる。従って、これをガラスモールドレンズの成形
型とした場合、ガラスと反応しやすい不純物成分がきわ
めて少ないので、長期の繰り返し使用によっても型表面
の荒れや離型不良が起きず、高性能かつ長寿命の型を得
ることができる。しかし、cBN純度が99.5%よりも悪
いと、ガラスレンズの成形において型表面が比較的早い
段階から荒れ始める場合があり好ましくない。なお、特
開平1-184033号公報に示されているような結晶性の高い
P−BN原料を用いる場合には、6GPa台の圧力、2000℃
以下の温度でも緻密なcBN焼結体が得られるので、製
造コストの点で有利になる。
【0018】P−BNの密度が高いという特徴は、これ
を原料として超高圧高温処理装置に充填する際に、限ら
れた超高圧発生空間を低圧相BNで効率よく満たすこと
ができるので、曲率の小さい深面成形型に対応できる肉
厚の焼結体をつくる上でも有利に作用する。
を原料として超高圧高温処理装置に充填する際に、限ら
れた超高圧発生空間を低圧相BNで効率よく満たすこと
ができるので、曲率の小さい深面成形型に対応できる肉
厚の焼結体をつくる上でも有利に作用する。
【0019】P−BNを原料とすることのもう一つの利
点は、P−BNはセラミックスでありながら柔軟性に富
み、しかもある程度の温度と圧力を加えることによって
容易に塑性変形を起こすので、最終的な成形面に近い寸
法形状のcBN焼結体を得る方法をも採用することがで
きるということである。すなわち、成形面とほぼ同じ形
状に加工された型の間にP−BNの板を位置させ、600
℃以上の温度をかけながらこれをプレスすることによっ
て、金属のプレス成形と同様に型の形状にあわせて塑性
加工されたP−BNを得ることができる。あまり鋭利な
角に成形することは難しいが、ガラスレンズの成形に必
要な程度の曲率であれば、問題なく成形することができ
る。
点は、P−BNはセラミックスでありながら柔軟性に富
み、しかもある程度の温度と圧力を加えることによって
容易に塑性変形を起こすので、最終的な成形面に近い寸
法形状のcBN焼結体を得る方法をも採用することがで
きるということである。すなわち、成形面とほぼ同じ形
状に加工された型の間にP−BNの板を位置させ、600
℃以上の温度をかけながらこれをプレスすることによっ
て、金属のプレス成形と同様に型の形状にあわせて塑性
加工されたP−BNを得ることができる。あまり鋭利な
角に成形することは難しいが、ガラスレンズの成形に必
要な程度の曲率であれば、問題なく成形することができ
る。
【0020】以上のようにして、あらかじめ成形された
P−BNを同じ所望の形状の型の間にはさんで超高圧高
温処理装置にセットし、超高圧高温処理を行なうことに
より、最終的な成形面に非常に近い、いわゆるニアネッ
トシェイプのcBN焼結体を得ることができ、その後の
研削加工がほとんど必要でなくなるので、コスト面で非
常に有利となる。
P−BNを同じ所望の形状の型の間にはさんで超高圧高
温処理装置にセットし、超高圧高温処理を行なうことに
より、最終的な成形面に非常に近い、いわゆるニアネッ
トシェイプのcBN焼結体を得ることができ、その後の
研削加工がほとんど必要でなくなるので、コスト面で非
常に有利となる。
【0021】また、P−BNの塑性加工とそのcBNへ
の転換は、超高圧高温処理装置で連続して行なうことも
可能である。このようなことが可能になるのは、P−B
Nが非常に高い配向性を持った材料で、特にCVDの際
の析出面と平行な方向にhBN結晶のc面が配向した構
造をしており、しかもBNがc面方向に非常に滑りやす
いという特性を持っているからであって、粒子がランダ
ムに配向した通常のhBN焼結体ではこのような挙動は
全く期待できない。なお、この方法を採用する場合に
は、原料のP−BNは配向度の高いものが変形が容易で
好ましく、具体的にはc軸の選択配向度が100 以下のも
のが特によい。選択配向度の値がこれよりも大きいと、
原料の塑性加工をした後に元の形状に戻りやすくなっ
て、超高圧高温処理装置への充填が容易でなくなる。な
お、c軸の選択配向度とその測定方法については、米国
特許第3578403 号明細書、Physica 139 & 140B (1986)
256-258等に示されている。
の転換は、超高圧高温処理装置で連続して行なうことも
可能である。このようなことが可能になるのは、P−B
Nが非常に高い配向性を持った材料で、特にCVDの際
の析出面と平行な方向にhBN結晶のc面が配向した構
造をしており、しかもBNがc面方向に非常に滑りやす
いという特性を持っているからであって、粒子がランダ
ムに配向した通常のhBN焼結体ではこのような挙動は
全く期待できない。なお、この方法を採用する場合に
は、原料のP−BNは配向度の高いものが変形が容易で
好ましく、具体的にはc軸の選択配向度が100 以下のも
のが特によい。選択配向度の値がこれよりも大きいと、
原料の塑性加工をした後に元の形状に戻りやすくなっ
て、超高圧高温処理装置への充填が容易でなくなる。な
お、c軸の選択配向度とその測定方法については、米国
特許第3578403 号明細書、Physica 139 & 140B (1986)
256-258等に示されている。
【0022】
【実施例】次に、実施例と比較例をあげてさらに具体的
に本発明を説明する。
に本発明を説明する。
【0023】実施例1 比較例1〜2 厚み3mm の市販のP−BN板(電気化学工業社製商品名
「デンカP−BN」)から直径15mmの円板を切り出し、
これを圧力6.5GPa、温度1980℃で30分間処理して、厚み
約1.8mm 、直径15.5mmのcBN焼結体を作製した。IC
P法で純度分析を行なったところ、原料のP−BNは9
9.995%以上、同じ方法で製造したcBN焼結体は99.95
%以上であった。また、この焼結体の密度はcBNの
理論密度3.45g/cm3 に等しく、ほぼ100 %緻密化してい
た。
「デンカP−BN」)から直径15mmの円板を切り出し、
これを圧力6.5GPa、温度1980℃で30分間処理して、厚み
約1.8mm 、直径15.5mmのcBN焼結体を作製した。IC
P法で純度分析を行なったところ、原料のP−BNは9
9.995%以上、同じ方法で製造したcBN焼結体は99.95
%以上であった。また、この焼結体の密度はcBNの
理論密度3.45g/cm3 に等しく、ほぼ100 %緻密化してい
た。
【0024】この焼結体をダイヤモンド砥石によって研
削加工して成形面の形状にほぼ仕上げた後、超硬合金製
の台座にTiを含む高温ロウ材によってロウ付けした。こ
の状態でさらに成形面をダイヤモンド砥粒によって研磨
し、表面粗さRmax=0.03μmにまで仕上げてガラスレン
ズの成形型を作製した(実施例1)。
削加工して成形面の形状にほぼ仕上げた後、超硬合金製
の台座にTiを含む高温ロウ材によってロウ付けした。こ
の状態でさらに成形面をダイヤモンド砥粒によって研磨
し、表面粗さRmax=0.03μmにまで仕上げてガラスレン
ズの成形型を作製した(実施例1)。
【0025】比較のため、特開昭63-270324 号公報に開
示された方法に従い、cBN85atm%、TiN11atm%、TiC
2atm %及び残分Niからなる混合粉末を用いてcBN焼
結体を作製し、実施例1と同じ方法により成形型を作製
した(比較例1)。その際、実施例1と同じ方法で成形
面の仕上げ研磨を行なったところ、その表面粗さはRmax
=0.05μmmとやや大きい値であった。
示された方法に従い、cBN85atm%、TiN11atm%、TiC
2atm %及び残分Niからなる混合粉末を用いてcBN焼
結体を作製し、実施例1と同じ方法により成形型を作製
した(比較例1)。その際、実施例1と同じ方法で成形
面の仕上げ研磨を行なったところ、その表面粗さはRmax
=0.05μmmとやや大きい値であった。
【0026】以上の2つの成形型を用いてSF系ガラス
(SiO2-PbO系)のレンズを成形したところ、実施例1で
は75000 ショットの成形後もガラスの品質に変化はな
く、引続き使用が可能であった。これに対して、比較例
1では50000 ショットを繰り返した時点から徐々にガラ
スの変色が目立ち始め、55000 ショットを越えた時点か
らは型へのガラスの焼き付きが顕著になって使用できな
くなった。
(SiO2-PbO系)のレンズを成形したところ、実施例1で
は75000 ショットの成形後もガラスの品質に変化はな
く、引続き使用が可能であった。これに対して、比較例
1では50000 ショットを繰り返した時点から徐々にガラ
スの変色が目立ち始め、55000 ショットを越えた時点か
らは型へのガラスの焼き付きが顕著になって使用できな
くなった。
【0027】同じ試験をwBNの焼結体から作製した型
(比較例2)について行なったところ、20000 ショット
で変色と焼き付きが著しくなり寿命に達した。
(比較例2)について行なったところ、20000 ショット
で変色と焼き付きが著しくなり寿命に達した。
【0028】比較例3〜4 市販のhBN粉末(電気化学工業社製商品名「グレード
GP」)を10-3Torrの真空中、2000C で10分間熱処理し
て、表面に遊離ほう素を形成させたもの(比較例3)、
および市販のhBN焼結体(電気化学工業社製商品名
「グレードN-1 」)を10-3Torrの真空中、1600℃で2 時
間、さらに窒素雰囲気中、2100℃で2 時間、加熱して酸
素含有量を0.06%以下にしたもの(比較例4)を準備し
た。
GP」)を10-3Torrの真空中、2000C で10分間熱処理し
て、表面に遊離ほう素を形成させたもの(比較例3)、
および市販のhBN焼結体(電気化学工業社製商品名
「グレードN-1 」)を10-3Torrの真空中、1600℃で2 時
間、さらに窒素雰囲気中、2100℃で2 時間、加熱して酸
素含有量を0.06%以下にしたもの(比較例4)を準備し
た。
【0029】それらを実施例1と同じ条件でcBN焼結
体への転換を試み生成物を粉末X線回折法により分析し
たところ、いずれも完全にはcBNに転換せず原料のh
BNが一部残存していた。そこで、圧力を7GPa、温度を
2150℃に高め、30分処理することにより、X線回折法で
hBNの残留が認められないcBN焼結体が作製するこ
とができた。しかし、cBN焼結体の相対密度は、比較
例3が99.6%、比較例4が99.8%であり、実施例1より
も小さかった。
体への転換を試み生成物を粉末X線回折法により分析し
たところ、いずれも完全にはcBNに転換せず原料のh
BNが一部残存していた。そこで、圧力を7GPa、温度を
2150℃に高め、30分処理することにより、X線回折法で
hBNの残留が認められないcBN焼結体が作製するこ
とができた。しかし、cBN焼結体の相対密度は、比較
例3が99.6%、比較例4が99.8%であり、実施例1より
も小さかった。
【0030】得られた焼結体を実施例1と同様の方法で
研削・研磨加工したが、表面粗さはRmax=0.05μmm以下
にはならず、平滑さにおいて実施例1の水準には達しな
かった。実施例1と同じSF系ガラスの成形を行なった
ところ、比較例3は35000 ショット、比較例4は23000
ショットを越えた付近から、成形面の荒れが目立ち始
め、引き続いての使用が困難になった。この転換条件で
は、cBNへの転換はほぼ完全に起こるものの、緻密
化、粒子間結合の発達の面で本発明の水準には達してい
ないと思われる。
研削・研磨加工したが、表面粗さはRmax=0.05μmm以下
にはならず、平滑さにおいて実施例1の水準には達しな
かった。実施例1と同じSF系ガラスの成形を行なった
ところ、比較例3は35000 ショット、比較例4は23000
ショットを越えた付近から、成形面の荒れが目立ち始
め、引き続いての使用が困難になった。この転換条件で
は、cBNへの転換はほぼ完全に起こるものの、緻密
化、粒子間結合の発達の面で本発明の水準には達してい
ないと思われる。
【0031】実施例2 c軸の選択配向度が10のP−BN板を、 c軸が選択的に
配向した方向に2mm の厚さに加工し、 この板から直径15
mm、 厚さ2mm のP−BN円板を切り出した。黒鉛により
目的とするガラスレンズの曲率に合わせた型を作製し、
この型の間にP−BN円板をはさんで温度1200℃、 圧力
30MPa で30分間熱間加工して、ガラスレンズ成形型の成
形面にほぼ一致する曲率を持ったP−BN板を得た。
配向した方向に2mm の厚さに加工し、 この板から直径15
mm、 厚さ2mm のP−BN円板を切り出した。黒鉛により
目的とするガラスレンズの曲率に合わせた型を作製し、
この型の間にP−BN円板をはさんで温度1200℃、 圧力
30MPa で30分間熱間加工して、ガラスレンズ成形型の成
形面にほぼ一致する曲率を持ったP−BN板を得た。
【0032】ついで、このP−BN板を同じ黒鉛型の間
にはさみ、全体を超高圧高温処理装置にセットして、圧
力6.5GPa、温度1980℃で30分間処理した。冷却、除圧し
て試料を回収したところ、成形型の成形面にほぼ一致す
る曲率を持ったcBN焼結体が得られた。cBN焼結体
の純度は99.9%、相対密度は理論密度3.45g/cm3 に等し
く、ほぼ100 %緻密化していた。
にはさみ、全体を超高圧高温処理装置にセットして、圧
力6.5GPa、温度1980℃で30分間処理した。冷却、除圧し
て試料を回収したところ、成形型の成形面にほぼ一致す
る曲率を持ったcBN焼結体が得られた。cBN焼結体
の純度は99.9%、相対密度は理論密度3.45g/cm3 に等し
く、ほぼ100 %緻密化していた。
【0033】これを超硬合金製の土台にロウ付けし、実
施例1と同様にして、ダイヤモンド砥粒によって研磨加
工して表面粗さRmax=0.03μm に仕上げた。実施例1と
は異なり、この場合にはダイヤモンド砥石による研削が
ほとんど必要でなく、研磨加工のみで型の面に仕上げる
ことができたので製造コストが低減できた。実施例1と
同様にして、SF系ガラスの成形を行なったところ、75
000 ショット以上の繰り返しにも問題なく使用できた。
施例1と同様にして、ダイヤモンド砥粒によって研磨加
工して表面粗さRmax=0.03μm に仕上げた。実施例1と
は異なり、この場合にはダイヤモンド砥石による研削が
ほとんど必要でなく、研磨加工のみで型の面に仕上げる
ことができたので製造コストが低減できた。実施例1と
同様にして、SF系ガラスの成形を行なったところ、75
000 ショット以上の繰り返しにも問題なく使用できた。
【0034】
【発明の効果】本発明のガラスモールドレンズの成形型
は、従来のcBN焼結体からなる成形型よりもガラス付
着が少なくしかも長寿命であり、ガラスレンズの成形コ
ストを低減することができる。
は、従来のcBN焼結体からなる成形型よりもガラス付
着が少なくしかも長寿命であり、ガラスレンズの成形コ
ストを低減することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 熱分解窒化ほう素を原料とする直接転換
法によって製造された、純度99.5%以上、相対密度99.9
%以上の立方晶窒化ほう素焼結体からなることを特徴と
するガラスモールドレンズの成形型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29633491A JPH05105461A (ja) | 1991-10-16 | 1991-10-16 | ガラスモールドレンズの成形型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29633491A JPH05105461A (ja) | 1991-10-16 | 1991-10-16 | ガラスモールドレンズの成形型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05105461A true JPH05105461A (ja) | 1993-04-27 |
Family
ID=17832199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29633491A Pending JPH05105461A (ja) | 1991-10-16 | 1991-10-16 | ガラスモールドレンズの成形型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05105461A (ja) |
-
1991
- 1991-10-16 JP JP29633491A patent/JPH05105461A/ja active Pending
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