JPH05101982A - 電解コンデンサ駆動用電解液 - Google Patents

電解コンデンサ駆動用電解液

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JPH05101982A
JPH05101982A JP25754091A JP25754091A JPH05101982A JP H05101982 A JPH05101982 A JP H05101982A JP 25754091 A JP25754091 A JP 25754091A JP 25754091 A JP25754091 A JP 25754091A JP H05101982 A JPH05101982 A JP H05101982A
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JP
Japan
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electrolytic capacitor
electrolytic solution
electrolytic
driving
capacitor according
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Application number
JP25754091A
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English (en)
Inventor
Shigeo Shinpo
成生 新保
Hisao Nagara
久雄 長柄
Kenjiro Nakanishi
賢治朗 中西
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05101982A publication Critical patent/JPH05101982A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比電導度を下げることなく、火花発生電圧を
十分に高めることができるとともに、電解コンデンサの
ガス発生と腐食も抑制することができる信頼性の高い電
解コンデンサ駆動用電解液を提供することを目的とす
る。 【構成】 エチレングリコールを主体とした溶媒に金属
物である超微粒子無機化合物を分散させ、かつニトロ化
合物を添加して溶解させることにより電解コンデンサ駆
動用電解液を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電解コンデンサ駆動用電
解液に関するもので、特に電解コンデンサのガス発生を
低減し、かつ腐食性を改善することにより長寿命化を図
ることを目的としたものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電解コンデンサ駆動用電解液とし
ては、エチレングリコールに、ほう酸あるいはその塩を
溶解したものが用いられている。しかしながら、この種
の電解コンデンサ駆動用電解液は、高耐圧が得られると
いう反面、ほう酸から得られる結晶水により高温度の環
境下では、ガス発生が大きく長時間の使用に耐えられ
ず、また比電導度が低いために電解コンデンサの低イン
ピーダンス化に対応できないという欠点があった。その
ため、特開昭60−13293号公報にみられるように
ブチルオクタン二酸を用いたり、特開昭63−1573
8号公報にみられるように5,6−デカンジカルボン酸
を用いる例などがあり、水分を極力減らして高温下でも
ガス発生を低減させる試みがみられる。しかし、これら
の技術だけでは、十分にガス発生を低減できないために
さらなる高温環境下では、開弁に至るためにニトロ化合
物を用いることによってガス発生を低減することが提案
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
に使用されている材料を用いて高耐圧を得ようとした場
合、ニトロ化合物は、十分な火花発生電圧を得られない
ため、耐圧を高める働きを持つ添加剤を入れる必要があ
った。しかるにこれらの添加剤は電解液の比電導度を下
げるために電解コンデンサへの低インピーダンスの要求
に応えることができないという課題があった。
【0004】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、駆動用電解液の比電導度を下げることなく、火花発
生電圧を十分に高めることができるとともに、電解コン
デンサのガス発生と腐食も抑制することができる信頼性
の高い電解コンデンサ駆動用電解液を提供することを目
的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の電解コンデサ駆動用電解液は、エチレングリ
コールを主体とした溶媒に金属物である超微粒子無機化
合物を分散させ、かつニトロ化合物を添加して溶解させ
たものである。
【0006】
【作用】上記した本発明の電解コンデンサ駆動用電解液
は、エチレングリコールを主体とした溶媒に金属物であ
る超微粒子無機化合物を分散させ、かつニトロ化合物を
添加して溶解させているもので、金属物である超微粒子
無機化合物は、電解液中で帯電してコロイド状になって
いるため、電解液中に均一に分散させることができる。
また酸化皮膜の生成時には金属物である超微粒子無機化
合物が吸着,凝集して酸化皮膜の欠陥部を埋めるため、
欠陥の少ない酸化皮膜を生成することができ、これによ
り、火花発生電圧を高くすることができ、さらに前記金
属物である超微粒子無機化合物は電解コンデンサの耐圧
を上昇させる効果を有するため、添加物であるニトロ化
合物も多量に添加することが可能となり、その結果、こ
のニトロ化合物の添加により、電解コンデンサのガス発
生と腐食を抑制することができるというすぐれた効果を
有するものである。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0008】本発明の電解コンデンサ駆動用電解液の基
本は、エチレングリコールを主体とした溶媒に金属物で
ある超微粒子無機化合物を分散させ、かつニトロ化合物
を添加して溶解させたもので、金属物である超微粒子無
機化合物は、通常、電解液中で帯電しているため、コロ
イド状になって分散するが、溶液のPHや無機化合物の
種類により分散しにくいものもある。その場合、適当な
界面活性剤の使用や表面処理を行えば、分散させること
ができる。
【0009】また、超微粒子無機化合物は、他の溶媒に
分散しても同様の効果が得られることから、本発明の溶
媒としてはエチレングリコール単体をもしくは他の溶媒
との混合物を挙げることができる。混合できる溶媒とし
ては、例えばアルコール類{1価アルコール(メチルア
ルコール,エチルアルコール,プロピルアルコール,ブ
チルアルコール,ジアセトンアルコール,ベンジルアル
コール,アミノアルコール等);2価アルコール(エチ
レングリコール,プロピレングリコール,ジエチレング
リコール,ヘキシレングリコール等);3価アルコール
(グリセリン等);ヘキシトール等}、エーテル類{モ
ノエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル,
エチレングリコールモノエチルエーテル,ジエチレング
リコールモノメチルエーテル,ジエチレングリコールモ
ノエチルエーテル,エチレングリコールフェニルエーテ
ル等);ジエーテル(エチレングリコールジメチルエー
テル,ジエチレングリコールジメチルエーテル,ジエチ
レングリコールジエチルエーテル等)}、アミド類{ホ
ルムアミド類(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド,N−エチルホルムアミド、N,N−
ジエチルホルムアミド等);アセトアミド類(N−メチ
ルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−
エチルアセトアニド、N,N−ジエチルアセトアニド
等);プロピオンアミド類(N,N−ジメチルプロピオ
ンアミド等);ヘキサメチルホスホリルアミド等}、オ
キサゾリジノン類(N−メチル−2−オキサゾリジノ
ン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノン等)、ラ
クトン類(α−アセチル−γ−ブチロラクトン,β−ブ
チロラクトン,γ−バレロラクトン等)、ジメチルスル
ホキシド,スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノン,N−メチルピロリドン,芳香族溶剤(トル
エン,キシレン等)、パラフィン系溶剤(ノルマルパラ
フィン,イソパラフィン等)およびこれらの2種以上の
混合物が挙げられる。
【0010】溶質としては、無機酸,有機酸またはその
塩であり、例えば、ほう酸,アゼライン酸,アジピン
酸,グルタル酸,フタル酸,マレイン酸,安息香酸,ブ
チルオクタン二酸,1−メチル−1,7ヘプタンジカル
ボン酸,1−メチル−1,3,9ノナントリカルボン酸
またはその塩の中の1種もしくは2種以上が挙げられ
る。上記した塩としては、アンモニウム塩,アミン塩、
第4級アンモニウム塩等が使用できる。
【0011】分散する超微粒子無機化合物の量は、通
常、電解液に対して、0.1〜30%であり、好ましく
は1〜20%である。これは、0.1%以下では効果が
なく、かつ30%以上では凝集しやすくなるからであ
る。
【0012】次に本発明の具体的な実施例について説明
する。(表1),(表2)は従来例1,2,3と本発明
の実施例1,2,3,4,5,6,7,8,9,10の
具体的な電解液組成と、これらの各例における30℃の
比電導度,火花発生電圧,含水率についての測定結果を
示したものである。
【0013】本発明の実施例1,2,3,4,5,6,
7,8,9で使用した超微粒子状無水シリカは、フェロ
シリコンを塩素化して四塩化硅素とした後、精製し酸素
と水素の炎中で加水分解することによって得られたもの
を、機械的に撹拌して分散させた。また本発明の実施例
10で使用した超微粒子酸化チタンは四塩化チタニウム
の蒸気を気相中で酸素酸化することによって得られたも
のを、機械的に撹拌して分散させた。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】この(表1),(表2)から明らかなよう
に、超微粒子状の金属酸化物である酸化硅素を分散させ
た本発明の実施例1,2,3,4,5,6,7,8,9
および酸化チタンを分散させた本発明の実施例10の電
解液は、従来例1,2,3の電解液に比較して比電導度
を低下させることなく、火花発生電圧を高くすることが
できる。すなわち、酸化硅素(SiO2),酸化チタン
(TiO2)の分散溶液を加えることにより、粘度の高
い添加剤の量を減らしても、高い火花発生電圧を得るこ
とができ、これにより比電導度も高いレベルを推持する
ことができるものである。
【0017】(表3)は(表1),(表2)に示した電
解液のうち、従来例2,3および本発明の実施例2,
3,5,7,8,9の電解液を使用した電解コンデンサ
(定格400V150μF)の各30個について温度1
10℃でDC定格印加試験を1000時間実施した結果
を示したものである。なお、(表3)中の値は30個の
平均値を示す。
【0018】
【表3】
【0019】この(表3)から明らかなように、本発明
の実施例2,3,5,7,8,9の電解液を使用した電
解コンデンサは、従来例2,3の電解液を使用した電解
コンデンサに比べ、容量変化率,tanδ変化率,開弁
状況のどの特性においても優れており、信頼性に優れた
電解コンデンサ駆動用電解液を得ることができるもので
ある。
【0020】なお、本発明の上記実施例には示していな
いが、他の溶質材料、すなわち、ほう酸,グルタル酸,
フタル酸,マレイン酸,アジピン酸,安息香酸,1−メ
チル−1,7ヘプタンジカルボン酸,1−メチル−1,
3,9ノナントリカルボン酸もしくはその塩でも効果が
あることを確認した。
【0021】また本発明の各実施例で挙げたニトロ化合
物は、構造異性体が存在するが、パラ体,メソ体,オル
ト体のいずれにおいても、ガス発生と腐食の抑制効果が
認められた。
【0022】図1は本発明の実施例6における電解コン
デンサ駆動用電解液と従来例3における電解コンデンサ
駆動用電解液の定電流化成時における化成・放電特性の
比較を示したもので、この図1からも明らかなように本
発明の実施例6が従来例3に比べてその特性は著しく優
れているものである。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明の電解コンデンサ駆
動用電解液は、エチレングリコールを主体とした溶媒に
金属物である超微粒子無機化合物を分散させ、かつニト
ロ化合物を添加して溶解させたもので、金属物である超
微粒子無機化合物は、電解液中で帯電してコロイド状に
なっているため、電解液中に均一に分散させることがで
き、また酸化皮膜の生成時には金属物である超微粒子無
機化合物が吸着,凝集して酸化皮膜の欠陥部を埋めるた
め、欠陥の少ない酸化皮膜を生成することができ、これ
により、火花発生電圧を高くすることができ、さらに前
記金属物である超微粒子無機化合物は電解コンデンサの
耐圧を上昇させる効果を有するため、添加物であるニト
ロ化合物も多量に添加することが可能となり、その結
果、このニトロ化合物の添加により、電解コンデンサの
ガス発生と腐食を抑制することができるというすぐれた
効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例6における電解コンデンサ駆動
用電解液と従来例3における電解コンデンサ駆動用電解
液の定電流化成時における化成・放電特性の比較を示す
特性図

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレングリコールを主体とした溶媒に金
    属物である超微粒子無機化合物を分散させ、かつニトロ
    化合物を添加して溶解させたことを特徴とする電解コン
    デンサ駆動用電解液。
  2. 【請求項2】超微粒子無機化合物が金属酸化物である請
    求項1記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  3. 【請求項3】超微粒子無機化合物が金属窒化物である請
    求項1記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  4. 【請求項4】超微粒子無機化合物が金属炭化物である請
    求項1記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  5. 【請求項5】金属酸化物がSiO2,TiO2の単独もし
    くは混合物である請求項2記載の電解コンデンサ駆動用
    電解液。
  6. 【請求項6】金属窒化物がTiN,Si32,AlN,
    TaNおよびZr34から選ばれる1種類もしくは2種
    類以上の混合物である請求項3記載の電解コンデンサ駆
    動用電解液。
  7. 【請求項7】金属炭化物がSiC,TiCから選ばれる
    1種類もしくは2種類以上の混合物である請求項4記載
    の電解コンデンサ駆動用電解液。
  8. 【請求項8】超微粒子無機化合物の大きさが100nm以
    下である請求項1記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  9. 【請求項9】ニトロ化合物がニトロ安息香酸,ニトロフ
    ェノール,ニトロベンズアルデヒド,ニトロアニソール
    のいずれか1種もしくは2種以上である請求項1記載の
    電解コンデンサ駆動用電解液。
JP25754091A 1991-10-04 1991-10-04 電解コンデンサ駆動用電解液 Pending JPH05101982A (ja)

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JP (1) JPH05101982A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08222484A (ja) * 1995-02-16 1996-08-30 Marcon Electron Co Ltd 電解コンデンサ駆動用電解液
JPH08264389A (ja) * 1995-03-28 1996-10-11 Marcon Electron Co Ltd 電解コンデンサ駆動用電解液
JP2012099527A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Univ Of Fukui アルミニウム電解コンデンサ駆動用電解液およびアルミニウム電解コンデンサ

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