JPH0499819A - 軟磁性鋼材の製造方法 - Google Patents

軟磁性鋼材の製造方法

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JPH0499819A
JPH0499819A JP21433090A JP21433090A JPH0499819A JP H0499819 A JPH0499819 A JP H0499819A JP 21433090 A JP21433090 A JP 21433090A JP 21433090 A JP21433090 A JP 21433090A JP H0499819 A JPH0499819 A JP H0499819A
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JP
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less
soft magnetic
magnetic steel
steel material
steel
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JP21433090A
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English (en)
Inventor
Toshimichi Omori
大森 俊道
Haruo Suzuki
治雄 鈴木
Tetsuya Sanpei
哲也 三瓶
Yasunobu Kunisada
国定 泰信
Toshio Takano
俊夫 高野
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は軟磁性材料、特に電磁石磁芯材料或いは磁気遮
蔽材料など高い直流磁化特性を要求される軟磁性材料の
製造方法に関するものである。
〔従来の技術および解決すべき課題〕
直流電磁石鉄芯材料、或いは近年特に進歩・普及のめざ
ましい医療機器や各種物理機器、電子部品および機器等
の磁気遮蔽材料として、比較的安価に得られる軟鉄や純
鉄および非常に高価なパーマロイ或いはスーパーマロイ
が使用されている。
ところで、軟鉄や純鉄の10eにおける磁束密度(以下
B1値)は概ね3000〜11000G程度であり、こ
れらはMHI (核磁気共鳴による断層像撮影診断装置
)の磁気遮蔽等、数ガウス程度までの磁気遮一 蔽材料として、或いは電磁石鉄芯用材料として使用され
ている。
直流磁化特性が重要となる用途のうち、磁気遮蔽を例と
して従来技術の問題点を示す。すなわち、現在、MHI
の磁気遮蔽には比較的安価で且つ飽和磁化の高い純鉄が
使用されているが、軟鉄、純鉄を対象とする電磁軟鉄を
規定するJIS規格のうち最も厳しい0種(例えば、J
IS C25045UYPO)ですらB1値の下限値を
8000Gと規定しており、この特性では地磁気程度の
磁気遮蔽は困難であり、しかも数G程度以下の磁気遮蔽
を行うための遮蔽システムの重厚化をもたらしている。
より良い遮蔽を行うための遮蔽材料として、パーマロイ
或いはスーパーマロイ等のFa−Ni合金を使用する場
合もあるが、これらの材料は地磁気程度以下の遮蔽が可
能である反面、非常に高価であり、また、飽和磁化が純
鉄と比べて173〜2/3と低く、したがって高磁界の
遮蔽にあたっては肉厚を極端に増やさなければならない
等の欠点もあり、いずれにしても大量に使用することは
経済的に困難である。
一方、電磁石鉄芯材料として使用される場合においても
、以下のような問題を指摘することができる。すなわち
、飽和磁化の低いパーマロイ等の高合金材料で電磁石を
構成すると、高い磁束密度を発生し難く、したがって強
力な電磁石を得ることが困難となる。軟鋼や純鉄は上述
のように高い飽和磁化を示すため、強力な電磁石を提供
する上で好都合であるが、パーマロイ等の高合金軟磁性
材料に較べ保磁力が大きいため、軟鋼や純鉄による電磁
石では残留磁気や電流による電磁石の動作制御が困難と
なる。
これらの点を踏まえて、純鉄系材料の持つ高飽和磁化を
損なうことなく、透磁率を高める検討が既にいくつかな
されている。例えば、特公昭63−45442号、特公
昭63−45443号、特開昭62−77420号、特
開平2−4918号ないし同4923号、特開平2−8
323号ないし同8326号、特開平2−66118号
、特開平2−66119号、特開平2−145723号
、或いは日本金属学会第23巻第5号(1984年発行
)「極厚電磁鋼板の開発」に示されている方法は、いず
れも主にフェライト結晶粒の粗大化に伴う透磁率向上を
狙ったものである。しかし、これらの技術は特開昭62
−77420号のように対象が比較的板厚の薄い熱延板
に限定される技術であったり、或いは本発明のようにさ
らに厳しい直流磁化特性を評価する0、5Oeにおける
磁束密度(以下B。、5値)で11000G以上を達成
できない技術であり、いずれにせよ優れた直流磁化特性
を得るための技術として十分なものではない。
このように現状では、飽和磁化が工業鉄並みに高く、且
つ地磁気程度に相当する低い磁場で高い磁束密度を示す
、つまり透磁率が高い材料は提供されていない。本発明
の目的は、このような材料を安価に製造できる方法を提
供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上述した問題点を解決するため、まず、
直流磁場用軟磁性材料の基本である工業用純鉄の検討を
行ってその欠点を明らかにし、さらに特性改善を図るべ
く検討を行い1次のような知見を得た。
すなわち、高透磁率を得るという観点から、A1を添加
することにより、■効果的な脱酸が可能となり酸素量お
よび酸化物系介在物の低減に伴う透磁率向上につながる
ばかりでなく、透磁率に悪影響を及ぼす固溶NをAIN
粒子の形成により低減できること、■また、ある必要量
添加することにより、微細分散しているAIN粒子の凝
集化を図ることが可能となり、AIN粒子そのものの悪
影響を極力低く抑え得ると同時に、フェライト結晶粒の
粗粒化を促進する効果も得られ、いずれも透磁率向上に
有効であること、■第1図に示すように0.5wt%を
超えて添加することにより、変態温度を著しく高めるこ
とができ、特にFe、AI以外の不純物が十分低減され
ている場合には、0゜85wt%以上のAl添加により
フェライト単相とすることが可能になり、したがって変
態による歪が導入されることなく900℃を超える高温
で焼鈍を行うことが可能となること、そして、この高温
焼鈍は、効果的な内部歪の除去とフェライト結晶粒の粗
大化をもたらし、固溶A1そのものの透磁率向上効果も
考えられるが、これらの相乗効果により極めて優れた透
磁率を得ることにつながること、■また、必要に応じて
Tiを適宜添加することにより、これらが固溶Nを優先
的に固定して特性向上に寄与し、特に敢えてN含有量を
減する努力を要しないこと、また、材料の飽和磁化を高
く保つという観点から、■2す七%を超えるA1の添加
は避けるべきであり、また、■C,N含有量が多いと変
態温度の低下もしくは必要なAl添加量の増大に加えて
、固溶C,Nの増加による格子歪の増大または炭化物、
窒化物の生成等により特性を劣化させることがあるので
、これらを避けるためのC1N量の上限が存在すること
、を見い出し、本発明を完成させたものである。
すなわち本発明の特徴は以下の通りである。
(1)重量%で、C: 0.004%以下、Si:0.
5%以下、Mn:0.50%以下、P : 0.015
%以下、S : 0.01%以下、Sol.Al : 
0.5〜2.0%、N:0.005%以下、酸素: 0
.005%以下、残部Feおよび不可避不純物からなる
組成の鋼片または鋳片を、熱間加工、温間加工または冷
間加工、若しくはこれらの組み合わせにより必要な形状
に加工成形後、最終的に900〜1300℃で焼鈍を行
うことにより、平均フェライト結晶粒径が0.5mm以
上であり、保磁力0.4Oe以下、0.5Oeにおける
磁束密度11000G以上を有する軟磁性鋼材を得るこ
とを特徴とする軟磁性鋼材の製造方法。
(2)重量%で、C: 0.004%以下、Si:0.
1%以下、Mn:0.15%以下、P : 0.0]5
%以下、S : 0.01%以下、Sol、Al : 
0.5〜2.0%、N:0.005%以下、酸素: 0
.005%以下、残部Feおよび不可避不純物からなる
組成の鋼片または鋳片を、熱間加工、温間加工または冷
間加工、若しくはこれらの組み合わせにより必要な形状
に加工成形後、最終的に1000〜1300°Cで焼鈍
を行うことにより、平均フェライト結晶粒径が0.5m
n以上であり、保磁力0.4Oe以下、0.5Oeにお
ける磁束密度11000G以上を有する軟磁性鋼材を得
ることを特徴とする特磁性鋼材の製造方法。
(3)重量%で、C+ N : 0.007%以下とす
ることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の軟
磁性鋼材の製造方法。
(4)重量%で、S ol、Al : 0.85〜2.
0%とすることを特徴とする上記(1)、(2)または
(3)に記載の軟磁性鋼材の製造方法。
(5)重量%で、C: 0.004%以下、Si:0.
5%以下、Mn:0.50%以下、P : 0.015
%以下、S : 0.01%以下、Sol、Al: 0
.5〜2.0%、N:0.012%以下、酸素: 0.
005%以下、Ti:0.005〜1.0%、残部Fe
および不可避不純物からなる組成の鋼片または鋳片を、
熱間加工、温間加工または冷間加工、若しくはこれらの
組み合わせにより必要な形状に加工成形後、最終的に9
00−1300℃で焼鈍を行うことにより、平均フェラ
イト結晶粒径が0.5m以上であり、保磁力0.40 
e以下、0.5Oeにおける磁束密度11000G以上
を有する軟磁性鋼材を得ることを特徴とする軟磁性鋼材
の製造方法。
(6)重量%で、C: 0.004%以下、Si:0.
1%以下、Mn:0.15%以下、P : 0.015
%以下、S : 0.01%以下、Sol、Al: 0
.5〜2.0%、N:0.012%以下、酸素: 0.
005%以下、Ti:0.005〜1.0%、残部Fe
および不可避不純物からなる組成の鋼片または鋳片を、
熱間加工、温間加工または冷間加工、若しくはこれらの
組み合わせにより必要な形状に加工成形後、最終的に1
000〜1300℃で焼鈍を行うことにより、平均フェ
ライト結晶粒径が0.5mm以上であり、保磁力0.4
Oe以下、0.5Oeにおける磁束密度11000G以
上を有する軟磁性鋼材を得ることを特徴とする軟磁性鋼
材の製造方法。
(7)重量%で、C+ N : 0.014%以下とす
ることを特徴とする上記(5)または(6)に記載の軟
磁性鋼材の製造方法。
(8)重量%で、Sol、Al: 0.85〜2.0%
とすることを特徴とする上記(5)、(6)または(7
)に記載の軟磁性鋼材の製造方法。
以下、本発明における組成および製造条件の限定理由に
ついて説明する。
CはNと同様に優れた透磁率を確保するためにも可能な
限り低減することが望ましいが、工業的に製造するうえ
で極限的な低減は困難であり、また極端なコスト高を招
く。また、Al添加により変態温度を高めるためにも、
C添加量を低く抑えないとAlの必要添加量が多くなっ
てしまい、これは結果的に飽和磁化を低下することにつ
ながり、本発明の意図に反することになる。このためC
は0.004wt%をその上限とする。
Siは透磁率向上に寄与するが、本発明では透磁率向上
はAl添加により満足させることを目的とし、むしろS
iを多量に添加することによる飽和磁化の低下を懸念し
、0.5wt%、好ましくは0.1wt%をその上限と
する。
Mnは直流磁化特性を劣化させる元素であり、低減する
ことが望ましいが、極端な低減はコスト高およびN含有
量の増加を招き、また、Sを固定することにより熱間脆
性を防止する効果もあることから、Mn/Sが10を下
回らない範囲で、0.50tit%、好ましくは0,1
5wt%を上限に添加してもよい。
P、Sは不純物元素であってコスト高につながらない範
囲で低減することが望ましく、それぞれ0.015wt
%、 0.01vt%をその上限とする。
Alは上述したように本発明において要となる添加元素
である。すなわち.Alは固溶Nの固定およびAIN粒
子の凝集化、変態温度の上昇をもたらし、フェライト域
を拡大させることによって高温焼鈍を実現し、これによ
ってフェライト結晶粒の粗大化および格子歪の低減を達
成し、透磁率を向上させるものであり、さらには固溶A
l自身の透磁率向上効果も考えられ、本発明においては
優れた直流磁化特性を得るために添加しなくてはならな
い元素である。このAIの効果はS ol、 A Iの
状態で0,5wt%以上添加することにより得られるが
、一方、2.0wt%を超えて添加すると飽和磁化の低
下を招き好ましくないので.Alの添加量範囲はSol
、AIの状態で0.5〜2.0すt%とした。
また、Fe、Al以外の不純物元素が十分に低減されて
いる場合では、0.85wt%以上のA1を添加するこ
とで全温度域でフェライト単相とすることができる。0
.5wt%以上のA1が添加されているが、フェライト
単相となっていない場合は、後述する焼鈍がフェライト
−オーステナイト変態温度以上で行われると、変態に伴
うフェライト結晶粒の細粒化と歪の導入により安定して
良好な直流磁化特性を得ることが離しくなる。したがっ
て、Alの添加量は好ましくはSol、Alの状態で0
.85〜2.0wt%とする。そして、この場合特にM
n : 0.15wt%%以下、C+ N : 0.0
07留t%%以下(後述するTi添加の場合には0.0
14tit%以下)とすることが好ましい。
NはCと同様にFe格子内に侵入し、格子歪を多く生じ
直流磁化特性を劣化させる。また、NはAIN粒子を多
く生成させないためにも極力低いほうが望ましい。また
この考えは添加したA1を少しでも有効な固溶Alとし
て存在せしめることにもつながり、このためN量は0.
005wt%以下とする。本発明では、後述するように
強力な窒化物生成元素であるTiを必要に応じて添加す
る。Tiは敢えてコスト高につながるN量の厳しい上限
規定を行うことなく、上述したNの弊害を減することを
目的として添加するものであり、したがってこの場合に
はNの上限値を0.012wt%とする。
また、上述した知見からも明らかなように、直流磁化特
性をより確実に確保するためには、NおよびCの総量を
規制することが望ましい。すなわちTi無添加の場合に
はC+Nを0.007wt%以下、Ti添加の場合には
C+ N ’a: 0.014wt%以下とすることが
好ましい。
酸素もMnと同様に直流磁化特性を劣化させる元素であ
り、特に非金属介在物を生成することによる透磁率への
劣化影響は大きく、本発明鋼を溶製する際には十分低減
しておかなければならず、上限値として、0.005w
t%を規定した。
Tiは上述したように強力な窒化物生成元素であり、0
.005〜1.kt%の範囲で添加することにより、N
含有量が十分に低減されていないつまり安価な素材にお
いても、固溶Nの固定効果により直流磁化特性を著しく
損なうことを回避することができる。また、N含有量が
比較的低い場合は、窒化物粒子の生成量も少なく直流磁
化特性の若干の向上をも期待することができる。一方、
上記上限値を超えて添加すると直流磁化特性の劣化をも
たらす。
次に本発明鋼の製造条件について説明する。
本発明では、加工条件については特に制限はなく、上記
成分組成の鋼片または鋳片を、熱間加工、温間加工また
は冷間加工、若しくはこれらの組み合わせにより必要な
形状に加工成形する。但し、熱間加工に関し、低温域圧
延に伴う熱間加工時の変形抵抗の増加および熱間加工に
費やす時間の増加は常にコスト高につながり、また極度
な低温圧延は焼鈍時に再結晶による細粒化を招く可能性
もあり、加工終了温度については700℃の下限温度を
設けることが好ましい。
最終的に施さねばならない焼鈍については、主にA1の
添加量により決定される変態温度に触れない範囲で実施
する必要があるが、少なくとも900℃以上、好ましく
は1000℃以上の温度で実施しないと本発明鋼の意図
する極めて優れた直流磁化特性を達成できない。また、
具体的に、0.001wt%C10,0020wt%N
で1tit%程度のA1を添加することにより本発明鋼
はフェライト単相となり、1100℃以上の非常に高温
での焼鈍が可能になるが、1300℃を超えた温度域で
の焼鈍は困難でもあり、且つコスト高を招くので、焼鈍
温度は900〜1300℃、好ましくは1000〜13
00℃とした。なお、加熱保持時間については、素材の
熱容量によって変化するが30分以上保持することが望
ましく、また、加熱保持後の冷却に関しては、できるだ
け熱歪を導入しないという観点から徐冷することか望ま
しい。むろん、均一に冷却されるよう配慮がなされてい
る場合は熱歪が導入され難く、この場合は必ずしも徐冷
する必要はない。
以上のように本発明による化学成分および製造条件で、
特に焼鈍温度を限定することにより、透磁率および飽和
磁化の高い、すなわち直流磁界での軟磁気特性に優れた
鋼材を得ることができる。
したがって、本発明では一般の熱間加工材、温間加工材
、或いは冷間加工材についても、その化学成分と最終焼
鈍条件の規定のみで、優れた直流磁化特性を有する鋼材
を製造することができる。このため、本発明が対象とす
る鋼材は、厚板、薄板、条材(形鋼等)、鍛造材等を含
むものである。
〔実施例〕
実施例1゜ 第1表は、実施例および比較例に用いた鋼の化学成分を
示したものである。鋼A−Eは、溶製後、厚さ110閣
の鋼塊となし、1200℃加熱による熱間圧延により板
厚15mmに成形されたものである。鋼A−Cが本発明
の化学成分に適合するものであり、鋼り、E、Fおよび
Gは比較鋼種である。第1表に0.5℃/sの加熱速度
で1300℃まで昇温した場合の変態点を調べた結果に
ついて併せて示した。なお、この変態点測定結果は実施
例に挙げた本発明鋼がフェライト単相であることを示し
ている。
第2表は、本発明鋼および比較鋼について直流磁化特性
を測定した結果を示したもので、熱間圧延後板厚中心部
より外径45mm、内径33mm、厚さ6閣の試験片を
採取し、これに対して焼鈍を行い直流磁化特性を測定し
た結果であり、この焼鈍が、本発明の規定するところの
最終的な焼鈍に相当する。なお、焼鈍は加熱保持時間は
1〜3時間であり、冷却速度は約100℃/hrの徐冷
とした。
第2表において、Nα1は鋼Aに1100℃の焼鈍を行
った本発明に基づ〈実施例である。この実施例では、低
C化とA1添加によりフェライト単相となっているため
、変態歪の導入および変態による細粒化をもたらすこと
なく高温焼鈍が可能であり、むしろ1100℃という高
温で焼鈍することによりフェライト粒径2mn+以上の
著しい粗粒化が達成され、併せて格子歪の除去も達成さ
れており、Bo.値で13000G程度、最大透磁率で
60000を超える極めて優れた特性が得られている。
Nα2は鋼Aに1000℃の焼鈍を行った実施例である
。この実施例では焼鈍温度が&1より低く、フェライト
粒径は0.5〜1.0mm程度であり、Nα1の実施例
と比べて小さいものの最大透磁率は23900と良好な
特性が得られている。
Nα3.4は、いずれも鋼B、Cによる実施例である。
ここでもAl添加によるフェライト単相化がなされてお
り、いずれも1000℃を超える高温焼鈍を行うことが
でき、フェライト結晶粒の粗大化と内部歪の除去による
相乗効果により、翫3では最大透磁率56000、&4
では最大透磁率37200の優れた特性が得られている
以上Nα1〜4の実施例は、いずれも保磁力で0゜4O
e以下、0.5Oeに置ける磁束密度(Bo、) 11
000G以上の優れた直流磁化特性が達成され、JIS
C25045UYPOに定められている特性を十分に満
足しており、地磁気程度の磁気遮蔽をも可能とするもの
である。
Na 5.6.7は鋼り、E、Fによる比較鋼である。
鋼り、E、Fとも工業用純鉄に相当し、本発明の規定す
る化学成分を逸脱している。したがって、Nα5.6に
示すように、1000℃以上で焼鈍を行っても顕著なフ
ェライト結晶粒の粗大化を期待できず、さらにオーステ
ナイトからフェライトへの変態時に歪が導入され良好な
特性を具備できない。Nα7は焼鈍温度を変態点以下と
した場合の結果であるが、いずれも良好な特性が具備さ
れていない。
実施例2゜ 第3表に示す鋼I−dを溶製後、厚さ110+amの鋼
塊となし、1200℃加熱による熱間圧延により板厚1
51mに成形した後焼鈍を行った。鋼重〜Q、S、W−
Z、b−dが本発明の化学成分に適合するものであり、
また鋼R,T、U、V、aが比較鋼種である。第4表は
、本発明鋼および比較鋼について直流磁化特性を測定し
た結果をまとめたものである。なお、本実施例では焼鈍
の加熱保持時間は1〜3時間であり、冷却速度は約10
0℃へr〜500℃/hrとした。
第4表において、Nα10〜13は本発明の規定範囲内
でMn添加量を変化させた実施例である。
Nα23〜26はSol、Al量の影響を、Na28は
C量の影響を、Nα29〜31はSi量の影響をそれぞ
れ調べたものである。
Nn 14〜16はTiを添加した場合の実施例である
。ここでもAl添加によるフェライト単相化がなされて
おり、さらにTi添加により、Nの固定が図られ、Nα
14〜16では良好な特性が認められている。特にNα
15はNα22に相当する鋼にTiを添加した本発明に
基づ〈実施例であり、Ti添加により十分なNの固定が
なされ、Nα22の比較例と比べて大幅な改善が認めら
れている。
Nα21は本発明の規定範囲を超えてTiを添加した比
較例であり、著しい直流磁化特性の劣化が認められる。
Nα22はN添加量が高く、且つTi添加を行わなかっ
た比較例であり、AINの析出状態が安定且つ多量であ
るため、焼鈍を行っても十分なフェライト結晶粒の粗大
化を図ることができず、且つ固溶N量も高いため、良好
な特性が得られていない。
Nα17.18は鋼P、Qについて1000℃の焼鈍を
施した実施例である。
以上(71N+110−18、Na 24−27、Nα
29〜31の実施例は、いずれも保磁力で0.4Oe以
下、Bo.値でl100OG以上の優れた直流磁化特性
が達成されており、JIS C25045UYPOに定
められている特性を優に満足しているばかりか、地磁気
程度以下のレベルに至る磁場環境を作るための磁気遮蔽
材料として適用することができる。
またNα19.20はN量、C+N量との関係でのTi
添加の影響を調べたもので、いずれもN〉0.005す
t%、C+N>0.007すt%であるが、Nα20は
Ti添加材であるため良好な特性が得られている。
Nα32はNα17と同様に鋼Pによる実施例であるが
、焼鈍温度を1100℃としたものである。鋼PはSo
l、Al量が0.73wt%であるため、約1050℃
でフェライト−オーステナイト変態し、このため、11
00℃焼鈍では変態に伴う細粒化と歪の導入が生じ、亜
結晶を生成する。このような理由からNα32ではNα
17と較べ透磁率、保磁力で劣化が認められる。一方、
Na 24、Nn 25等、0.85vt%以上のSo
l、Al添加によりフェライト単相化がなされている実
施例では、1100℃の焼鈍で極めて良好=24 な特性が得られている。
実施例3゜ 各種素材形状での本発明の有意性を調べるため、鋼eを
溶製後、厚さ150mmの鋼塊となし、これから板厚1
5mmの熱間圧延材、板厚2mmの熱間圧延材、板厚1
m、0.5nnの冷間圧延材をそれぞれ得た後、焼鈍を
行った。第5表は、これらについて直流磁化特性を測定
した結果をまとめたものである。なお、本実施例でも焼
鈍の加熱保持時間は1〜3時間であり、冷却速度は約1
00℃/hr〜500℃/hrとシタ。
第5表において、Nα33は板厚15mnの熱間圧延鋼
材、Na 34は板厚2mの熱延板、Nn35、Nn 
36は板厚がそれぞれinm、 0.5mmの冷延板で
あり、いずれの実施例でも本発明の目標とする優れた直
流磁化特性が得られている。なお、Nα37は鋼E〔発
明の効果〕 以上のように本発明により得られた軟磁性鋼材は、優れ
た直流磁化特性を有しており、このため弱磁界でも容易
に磁化させることができ、高機能鉄芯材料あるいは高機
能磁気遮蔽材料として有用なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はFe、Al以外の不純物元素を低減した鋼によ
って、フェライト−オーステナイト変態温度を測定した
結果を示す図面である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量%で、C:0.004%以下、Si:0.5
    %以下、Mn:0.50%以下、P:0.015%以下
    、S:0.01%以下、Sol.Al:0.5〜2.0
    %、N:0.005%以下、酸素:0.005%以下、
    残部Feおよび不可避不純物からなる組成の鋼片または
    鋳片を、熱間加工、温間加工または冷間加工、若しくは
    これらの組み合わせにより必要な形状に加工成形後、最
    終的に900〜1300℃で焼鈍を行うことにより、平
    均フェライト結晶粒径が0.5mm以上であり、保磁力
    0.4Oe以下、0.5Oeにおける磁束密度1100
    0G以上を有する軟磁性鋼材を得ることを特徴とする軟
    磁性鋼材の製造方法。
  2. (2)重量%で、C:0.004%以下、Si:0.1
    %以下、Mn:0.15%以下、P:0.015%以下
    、S:0.01%以下、Sol.Al:0.5〜2.0
    %、N:0.005%以下、酸素:0.005%以下、
    残部Feおよび不可避不純物からなる組成の鋼片または
    鋳片を、熱間加工、温間加工または冷間加工、若しくは
    これらの組み合わせにより必要な形状に加工成形後、最
    終的に1000〜1300℃で焼鈍を行うことにより、
    平均フェライト結晶粒径が0.5mm以上であり、保磁
    力0.4Oe以下、0.5Oeにおける磁束密度110
    00G以上を有する軟磁性鋼材を得ることを特徴とする
    軟磁性鋼材の製造方法。
  3. (3)重量%で、C+N:0.007%以下とすること
    を特徴とする請求項(1)または(2)に記載の軟磁性
    鋼材の製造方法。
  4. (4)重量%で、Sol.Al:0.85〜2.0%と
    することを特徴とする請求項(1)、(2)または(3
    )に記載の軟磁性鋼材の製造方法。
  5. (5)重量%で、C:0.004%以下、Si:0.5
    %以下、Mn:0.50%以下、P:0.015%以下
    、S:0.01%以下、Sol.Al:0.5〜2.0
    %、N:0.012%以下、酸素:0.005%以下、
    Ti:0.005〜1.0%、残部Feおよび不可避不
    純物からなる組成の鋼片または鋳片を、熱間加工、温間
    加工または冷間加工、若しくはこれらの組み合わせによ
    り必要な形状に加工成形後、最終的に900〜1300
    ℃で焼鈍を行うことにより、平均フェライト結晶粒径が
    0.5mm以上であり、保磁力0.4Oe以下、0.5
    Oeにおける磁束密度11000G以上を有する軟磁性
    鋼材を得ることを特徴とする軟磁性鋼材の製造方法。
  6. (6)重量%で、C:0.004%以下、Si:0.1
    %以下、Mn:0.15%以下、P:0.015%以下
    、S:0.01%以下、Sol.Al:0.5〜2.0
    %、N:0.012%以下、酸素:0.005%以下、
    Ti:0.005〜1.0%、残部Feおよび不可避不
    純物からなる組成の鋼片または鋳片を、熱間加工、温間
    加工または冷間加工、若しくはこれらの組み合わせによ
    り必要な形状に加工成形後、最終的に1000〜130
    0℃で焼鈍を行うことにより、平均フェライト結晶粒径
    が0.5mm以上であり、保磁力0.4Oe以下、0.
    5Oeにおける磁束密度11000G以上を有する軟磁
    性鋼材を得ることを特徴とする軟磁性鋼材の製造方法。
  7. (7)重量%で、C+N:0.014%以下とすること
    を特徴とする請求項(5)または(6)に記載の軟磁性
    鋼材の製造方法。
  8. (8)重量%で、Sol.Al:0.85〜2.0%と
    することを特徴とする請求項(5)、(6)または(7
    )に記載の軟磁性鋼材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0770715A (ja) * 1993-09-01 1995-03-14 Nkk Corp 耐歪み性に優れた軟磁性鋼材およびその製造方法
JPH0790505A (ja) * 1993-09-27 1995-04-04 Nkk Corp 軟磁性鋼材およびその製造方法

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JPH02213421A (ja) * 1988-10-24 1990-08-24 Nkk Corp 軟磁性鋼材の製造方法

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