JPH0480276B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はコルゲート管を接続する管継手に関す
るものである。

〔従来の技術〕

この種の管継手は、配管現場で長尺のコルゲー
ト管（以下管と記す）必要な長さだけ切断し、経
済的な配管を行なうために開発されたものであ
る。その接続は管切断後、管先端波形のつぶし代
にスリーブの長さを加えた長さ以上の管の保護被
覆を切取り、前記スリーブを管に装着して袋ナツ
トの締付けを行ない、前記スリーブを継手本体の
テーパ部に挿入する方法が採られている。しかし
この方法では、管接続後、保護被覆を切取られた
管が前記袋ナツトの端部から露出するので、管の
腐食のおそれがあり長期漏れ止め性能の点で不安
が残るものである。

〔発明が解決しようとする問題点〕

この発明は、上記の点に鑑み、管の保護被覆の
切取りの長さが短く施工性に優れ、かつ、管の露
出部分のない長期漏れ止め性能を備えた管継手を
提供することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明の要旨は、外面保護被膜層を有する薄肉
金属製のコルゲート管を接続する管継手であつ
て、一端部の外周にはおねじ部を有し内周には奥
に向かつて小角度で一様に縮径するテーパ孔部を
有し、他端部の内周には前記テーパ孔部よりも小
径の通孔を有し、該通孔と前記テーパ孔部との境
界に管受け壁部を形成した継手本体と、該継手本
体のおねじ部に螺合する袋ナツトと、前記コルゲ
ート管の外周保護被覆層の外径と同じか又は若干
大きい内径の内周面と、該内周面の端部にコルゲ
ート管の波形外周面と係合する突起部とを有し、
円筒状又は前記テーパ孔部のテーパ角度より小さ
い角度のテーパ状の外周面を有し、前記袋ナツト
の螺入によつて前記継手本体のテーパ孔部に嵌入
されると共に、前記内周面と外面保護被覆層を圧
着するスリーブを有することを特徴とする管継手
である。

〔作用〕

コルゲート管に袋ナツトを挿通し、コルゲート
管の端部波山１〜５山程度を突出させて、スリー
ブの内周面はコルゲート管の外面保護被覆層にほ
ぼ接触した状態で、スリーブの端部はコルゲート
管の外周面に装着係合し、このコルゲート管を装
着したスリーブを継手本体のテーパ孔部に嵌入し
て袋ナツトを締付けると、スリーブはテーパ孔部
の奥に移動しつつ縮径してコルゲート管の外面を
締付けると共に、スリーブの内周面と外面保護被
覆層とが圧着される。従つて、袋ナツトの締付け
回転によつてもコルゲート管は共回りせず、同時
にスリーブより突出したコルゲート管の端は管受
け壁部との間で圧着され、こうしてコルゲート管
の端部と、外面保護被覆層との間が、シール性を
もつて継手本体に接続される。

〔実施例〕

第１図は、本発明の一実施例の袋ナツト締め付
け前の状態を示し、第２図は袋ナツト締め付け後
の状態を示す断面図である。

第１図において、１は継手本体で一端外周部に
管用テーパねじ５が刻設されて機器への接続手段
をなし、中央部には連通孔６を有する。他端には
奥側を小径としたテーパ穴部７が形成され、その
奥側に連通孔６と連続する管受け壁部８が設けら
れている。管４は薄肉金属でその外周面は波形を
有し、保護被覆部１０で被覆されている。

またこの管４の保護被覆部１０を包囲するスリ
ーブ３には、保護被覆部１０を切除した管４の波
形外周に係合する突起３２が、継手本体１への挿
入側の端部内側に形成されている。なお、この突
起３２の断面は図では角形になつているが、管４
の溝形状に合う半円形状でもよく、また突起部３
２を端面３１よりわずかに内側（図の左側）にず
らせてもよい。スリーブ３の外周の後部には、袋
ナツト２を締め付ける時の係合、押圧が容易なよ
うに、また継手本体１のテーパ穴部７の開口端７
１に突き当たつて袋ナツト２の締め代が一定に規
制されるように、外周側に張り出したフランジ部
１１を設けてある（しかしこのフランジ部１１は
本発明の構成上必須要件ではない）。フランジ部
１１より前部の外周面３３は前記継手本体１のテ
ーパ穴部７より小角度の外周面を形成しており、
本実施例では継手本体１のテーパ穴部７が片側約
２度の角度にたいしてスリーブ３の外周面３３は
０度の平行円筒状に形成してある。しかし継手本
体１のテーパ穴部７の角度と同じテーパ角度にし
ても差し支えない。

なお１２は袋ナツト２を締め付けて接続したの
ち再度継手本体１から袋ナツト２を緩めて管４を
取り外す際に、スリーブ３が継手本体１から取り
外し易いようにドライバー等で引つ掛けるための
段部１２であつてシール性能上は何ら関係がな
い。そしてこのスリーブ３は第３図のごとく軸方
向に２分割してもよく、また切割り溝３６を１個
所にして手で開き管４に装着してもよい。

また管受け壁部８に耐火性のガスケツト１４が
装着されているがこれは管の波形が螺旋形状のも
のでは、管端４１と管受け壁部８との密着性を良
好にしてシール性を保持するために必要である
が、管４の波形が１山づつ単独で形成されてなる
連続アンニユラー状の管４では、管端４１と管受
け壁部８とは互いに全周に亘つて密着するため必
ずしもガスケツト１４を設けなくとも良い。

管接続に当たつては、まず袋ナツト２を管４に
挿入したのち、スリーブ３を管４の波山を１〜５
山程度突出させて管４の波山に合わせるように装
着する。この時、管４の保護被覆部１０の端部は
スリーブ３の内周部３４に挿入されている。

このように管４に装着したスリーブ３を第１図
のごとくテーパ穴部７に挿入して袋ナツト２を継
手本体１の平行おねじ部９と螺合する。この状態
から袋ナツト２を継手本体１側に締め付けると、
スリーブ３はテーパ穴部７によつて縮径され、管
保護被覆１０を圧着しながらテーパ穴部７の奥に
向かつて進行し、スリーブ３の内周面３４との間
で圧着保護被覆部４４が形成され外部からの水分
の侵入を防止する。

なお、スリーブ３のフランジ部１１の内面に第
４図のごとくＯリング溝を設けてＯリング３５を
装着すれば、外部からの水分等の侵入防止は一層
確実なものとなる。

また、スリーブ３を装着した前側の突出管部４
２もスリーブ３と同時に進行し、その先端４１は
継手本体１の管受け壁部８に突き当たり、袋ナツ
ト２の締め付けにつれて突出管部４２が圧縮され
始め、逐には管受け壁部８とスリーブ３の前端部
３１との間に圧着されて第２図のごとく圧着管部
４３が形成される。この圧着管部４３と管受け壁
部８との間で内部流体のシール作用が行なわれ
る。

〔発明の効果〕

以上述べたように、この発明によれば管を配管
現場で切断して簡便に接続できるとともに、管の
保護被覆を継手本体内で包囲してしまうため、外
部からの腐食環境による長期にわたる漏れ止め性
能面での不安も解消して、長寿命の配管接続が実
現できる。

さらに、スリーブ外周面と当接する本体テーパ
穴部の角度により、スリーブの本体テーパ穴部へ
の挿入は容易となり、また圧着保護被覆部が形成
されて、管を確実に固定し、管の波形外周に変形
やキズを付けず安定した接続が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例で管接続完了前の
状態を示す一部断面図、第２図は管接続後の状態
を示す一部断面図、第３図は第１図のスリーブの
側面図、第４図は別の実施例を示す部分断面図で
ある。 １：継手本体、２：袋ナツト、３：スリーブ、
４：コルゲート管、７：テーパ穴部、８：管受け
壁部、１０：保護被覆部、３２：突起、３４：内
周面、３６：切割り溝、４２：突出管部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 外面保護被覆層を有する薄肉金属製のコルゲ
   ート管を接続する管継手であつて、一端部の外周
   にはおねじ部を有し内周には奥に向かつて小角度
   で一様に縮経するテーパ孔部を有し、他端部の内
   周には前記テーパ孔部よりも小経の通孔を有し、
   該通孔と前記テーパ孔部との境界に管受け壁部を
   形成した継手本体と、該継手本体のおねじ部に螺
   合する袋ナツトと、前記コルゲート管の外面保護
   被覆層の外径と同じか又は若干大きい内径の内周
   面と、該内周面の端部にコルゲート管の波形外周
   面と係合する突起部とを有し、円筒状又は前記テ
   ーパ孔部のテーパ角度より小さい角度のテーパ状
   の外周面を有し、前記袋ナツトの螺入によつて前
   記継手本体のテーパ孔部に嵌入されると共に、前
   記内周面と外面保護被覆層を圧着するスリーブを
   有することを特徴とする管継手。 ２ 前記スリーブは、少なくとも先端部が拡径可
   能なように、少なくとも一個所の切割り溝が形成
   されてなる特許請求の範囲第１項記載の管継手。 ３ 前記スリーブの内周面に密着部材を介装して
   なる特許請求の範囲第１項または第２項記載の管
   継手。