JPH0472401B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、電力増幅装置への外部電源からの電
力供給の断続方法に関するものである。

従来の電力増幅装置への外部電源からの電極供
給は、電力増幅装置と外部電源を供給するライン
上に設置された機械的スイツチ（単にスイツチと
いう）により行なわれている。従つて、これに使
用されるスイツチには、外部電源から電力増幅装
置に供給される電力に見合つた電量容量を有する
ことが必要となり、当然所要電力量に応じて形も
大きくなる。然るに、このスイツチの大きさの制
約は、今日、システムの小型、軽量化に伴う使用
部品の小型・軽量化を図る際の障害となつてい
る。

第１図に従来の電力増幅装置のブロツク図を示
す。第１図において、外部電源スイツチ２が閉じ
られると、外部電源１からバイアス回路３に電力
が供給され、バイアス回路３が動作状態になる。
次に、バイアス回路３により初段増幅段４及びプ
リドライバ段５が各々動作状態になり、然る後、
出力増幅段６が動作状態となり、電力増幅装置全
体が動作状態となる。

この様に、従来の電力増幅装置では、外部電源
スイツチの開閉により動作・非動作となるが、ス
イツチ２としては、電力増幅装置の定格出力時及
びスイツチ２の開閉時の過渡的な大電流に耐え得
るものが必要であり、小信号系に於けるスイツチ
に比べ大型なものとなる。従つて、システム構成
部品の小型・軽量化を図るには大きな障害となつ
ていた。

本発明の目的は、このような従来の電源スイツ
チ大型化の問題を解決した、電力増幅装置を提供
するにある。

本発明の電力増幅装置は、初段増幅段をバイア
ス回路を介して電源に接続し、出力増幅段を上記
バイアス回路を介することなく電源に接続し、上
記バイアス回路をスイツチにより動作させて上期
初段増幅段に上記電源からの電流を上記バイアス
回路を介して供給し、これによつて、上記初段増
幅段を動作状態にし、上記出力増幅段を動作状態
にする電力増幅装置であつて、上記バイアス回路
は、コレクタが上記電源に接続されエミツタが上
記初段増幅段に接続された第１のトランジスタ
と、上記第１のトランジスタのベースと基準電位
点との間に直列に接続された第１の抵抗及びコン
デンサと、ベースが上記スイツチに接続されスイ
ツチの状態に応じてオン・オフする第２のトラン
ジスタと、上記第１の抵抗と上記コンデンサとの
接続点と上記電源との間において上記第２のトラ
ンジスタのコレクタ・エミツタ通路と直列に接続
された第２の抵抗とを有することを特徴とする。

かかる構成によれば、初段増幅段への動作電圧
及び電流は、バイアス回路から供給され、これは
スイツチのオンにより導通状態となつた第２のト
ランジスタのコレクタ電流が第１のトランジスタ
のベースに供給され第１のトランジスタで増幅さ
れて第１のトランジスタのエミツタから初段増幅
段に供給される。単に第２のトランジスタのコレ
クタ・エミツタ通路を流れる電流を第１のトラン
ジスタを介さずに初段増幅段に供給するのでは、
第２のトランジスタのコレクタ・エミツタ通路に
流す電流を大きくしなければならず、それにとも
なつて第２のトランジスタのベース電流を大きく
しなければならなくなりこのベース電流が流れる
スイツチの大きさを小さくすることが難しくな
る。これに対し、本発明の構成によれば第２のト
ランジスタのコレクタ・エミツタ通路を流れる電
流は第１のトランジスタを動作状態にできる程度
の大きさでよく、これに従つて、第１のトランジ
スタのベース電流はさらに微少なものでよいの
で、第１のトランジスタのベースに接続されるス
イツチを非常に小型化することができる。

さらに、バイアス回路動作時には電源電圧に重
畳するリツプルを抑制した電圧を初段増幅段に動
作電圧として供給することができ、しかも、スイ
ツチによる電力増幅装置の起動時には回路節点に
接続されるコンデンサの充電電圧の変化に従つて
初段増幅段への動作電圧も変化することから初段
増幅段の出力の急激な変化を防止でき電力増幅装
置の出力からのシヨツク音を防止することができ
る。

また、本発明の電力増幅装置を集積回路化し、
第１の抵抗とコンデンサとの接続点をこの集積回
路の入力端子とすると、第１の抵抗は第１のトラ
ンジスタのベース保護として働くことになる。

つぎに本発明を実施例により説明する。

第２図は本発明の基本原理を示すブロツク図で
ある。第２図において、バイアス回路１３と電源
１との間には電子スイツチ７が接続され、電子ス
イツチ７は、一端を基準電位点、例えば接地点８
に接続する機械的接触の外部電源スイツチ１２の
オン（閉）により導通となる。そして、電子スイ
ツチ７のオンにより、バイアス回路１３は電源１
に接続されて動作し、この動作により、初段増幅
段４、プリドライバ段５、電力増幅段６は動作す
ることになる。

第３図は本発明の一実施例の回路図である。第
３図において、トランジスタ７が第２図の電子ス
イツチ７に対応し、外部スイツチ１２をオンとす
ることによりトランジスタ７のベースは接地さ
れ、トランジスタ７はオンとなる。したがつて、
コンデンサ３３はその容量値と抵抗３２の抵抗値
で決まる時定数をもつて充電され、その充電電圧
が抵抗３１を介してトランジスタ２１のベースに
供給され、トランジスタ２１が導通し、バイアス
回路が動作状態となる。トランジスタ２１はその
ベースに接続されたコンデンサと共にリツプルフ
イルタ回路を構成し、電源１に重畳するリツプル
を抑制して安定した電圧を初段増幅段に供給す
る。その結果、初段増幅段のトランジスタ２２，
２３，２４が動作状態となり、それと共にプリド
ライバ段のトランジスタ２５、およびドライバを
含む電力増幅段のトランジスタ２６，２７，２
８，２９も動作状態となり、初段増幅段に加えら
れた入力信号は、各増幅段を通つて増幅され、負
荷３０に所要の出力電力を与える。

このような本発明の電力増幅装置の電源投入
は、外部電源スイツチ１２のオンによりなされる
わけであるが、外部電源スイツチ１２に流れるオ
ン電流は、電子スイツチのトランジスタ７をオン
にするための、数ないし数百マイクロアンペア程
度の微少電流であるから、この電流をオン・オフ
するためには極めて小形のもので間に合う。した
がつて、本発明により、外部電源スイツチの小形
化は容易に実現される。さらに、初段増幅段４に
はスイツチ１２のオンにより直ちに動作電圧が供
給されずに、トランジスタ７、抵抗３１およびコ
ンデンサ３３の働きによりゆるやかな変化をもつ
て電圧が供給されるので、所謂シヨツク音を発生
させるような出力の発生を防止することができ
る。すなわち、本実施例によれば、スイツチ１２
を小型化できるだけでなく、リツプルフイルタ用
のコンデンサ３３を利用してスイツチ１２のオン
により発生し得るシヨツク音をも防止することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電力増幅装置のブロツク図、第
２図は本発明の基本原理を示すブロツク図、第３
図は本発明の一実施例の回路図である。 １……電源、２，１２……外部電源スイツチ、
３，１３……バイアス回路、４……初段増幅段、
５……プリドライバ段、６……電力増幅段、７…
…電子スイツチ（トランジスタ）、８……接地、
２１……バイアス回路トランジスタ、２２，２
３，２４……初段増幅段トランジスタ、２５……
プリドライバ段トランジスタ、２６，２７，２
８，２９……電力増幅段トランジスタ、３０……
負荷。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 初段増幅段をバイアス回路を介して電源に接
   続し、出力増幅段を前記バイアス回路を介するこ
   となく電源に接続し、前記バイアス回路をスイツ
   チにより動作させて前期初段増幅段に前記電源か
   らの電流を前記バイアス回路を介して供給し、こ
   れによつて、前記初段増幅段を動作状態にし、前
   記出力増幅段を動作状態にする電力増幅装置であ
   つて、前記バイアス回路は、コレクタが前記電源
   に接続されエミツタが前記初段増幅段に接続され
   た第１のトランジスタと、前記第１のトランジス
   タのベースと基準電位点との間に直列に接続され
   た第１の抵抗及びコンデンサと、ベースが前記ス
   イツチに接続されスイツチの状態に応じてオン・
   オフする第２のトランジスタと、前記第１の抵抗
   と前記コンデンサとの接続点と前記電源との間に
   おいて前記第２のトランジスタのコレクタ・エミ
   ツタ通路と直列に接続された第２の抵抗とを有す
   ることを特徴とする電力増幅装置。