JPH046934B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はフイルム給送方法、特に画像を有する
フイルム部の先端にリーダーテープ部を有するフ
イルムのフイルム給送方法に関する。

〔従来の技術〕

第１図はマイクロフイルムＦ（以下、フイルム
Ｆと略称する）の送給開始時の端部の一例を示す
もので、図中、１は画像２とそれに対応したブリ
ツプマーク３を含むフイルム部、４はリーダーテ
ープ部、５はフイルム部１とリーダーテープ部４
を接合するスプライシングテープである。

図示の例においてフイルム部１の幅は16mm、リ
ーダーテープ部４の幅は20mmである。

第２図は、フイルム送給開始時のフイルム給送
側のフイルムカートリツジ内の１対のリールフラ
ンジの断面図である。リールフランジ１５′の内
部にはフイルムＦのフイルム部１が巻回されてお
り、その外周にはリーダーテープ部４が数回巻か
れている。本例ではl₁＝16mmであり、l₂＝20mmで
ある。１６は送り出しローラで、フイルム給送開
始時、リーダーテープ部４に圧接して回転し、不
図示のカートリツジからフイルムＦを引き出して
フイルム巻取側の巻取リールに導き、フイルム給
送を開始するためのものである。これによつてフ
イルムＦが巻取リールに巻かれて検索が開始され
る。なお、リールフランジ１５′の中心孔１５″に
は不図示のフイルム給送用及び巻取用の供給側モ
ータの軸が嵌合している。これにより、フイルム
Ｆの検索終了後、フイルムＦをリールフランジ１
５′に図示例のように巻戻すわけである。このフ
イルムＦをリールフランジ１５′への巻戻しの状
態については第３図及び第４図に略画で示してあ
る。第３図に示したように、リールフランジ１
５′の幅よりも広い幅をもつリーダーテープ部４
がリールフランジ１５′の外周にさしかかると、
以後のリーダーテープ部４はリールフランジ１
５′の外周に巻付いて不図示のカートリツジへの
巻戻しを終了する。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところがフイルム走行系各部、特にフイルム巻
取側の巻取リールに軸を嵌合している不図示の巻
取側モータの回転抵抗（リールフランジ１５′の
矢印の回転方向と逆方向の抵抗）によりフイルム
Ｆには第４図の如く張力Ｔが加わつているため、
リーダーテープ部４がリールフランジ１５′の対
の間にめり込む方向に力F′が生じる。そのため実
際には第４図Ｂのようにリーダーテープ部４がリ
ールフランジ１５′の対の間にめり込んでしまい
フイルムＦが損傷すると同時に、以後のフイルム
給送ができなくなることがある。また、フイルム
部１の全長が短く、巻径がリールフランジ１５′
の外径より小さくなればなるほど、このトラブル
の発生率は高くなる。

〔問題を解決するための手段〕

本発明は上記の点に鑑み、上記欠点を解消する
ためなされたもので、フイルムをカートリツジに
巻戻す際に、フイルムのリーダーテープ部がカー
トリツジに来たことを検出し、この検出された信
号によりフイルムの巻戻し速度を低下させ、フイ
ルムに力がなるべくかからないようにしてフイル
ムのリーダーテープ部を損傷することなくフイル
ムをカートリツジに巻戻すことのできるフイルム
給送方法を提供することを目的とする。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に従つて詳細に説
明する。第５図は本発明に係るフイルム給送方法
の一実施例を用いるフイルム給送装置の全体構成
を示す斜視図である。１１は照明用のランプ、１
２はコンデンサレンズでランプ１１からの光を集
光してフイルムＦに光をあてる。フイルムＦの面
像２を通つたこの光は投影レンズ１３を介して不
図示のスクリーン上に画像２と像を結び、同時に
フイルムＦ上のブリツプマーク３の有無がフオト
トランジスタ等を用いたブリツプセンサー１４で
検出される。１５はフイルムＦを収納するカート
リツジで、この中に前述のリールフランジが収納
されている。１６はフイルムＦのリーダーテープ
部を引出すのに使用される送り出しローラ、１
７，１８はそれぞれ巻戻し、早送り方向にフイル
ムＦを給送するための供給側モータと巻取側モー
タ、１９は供給側モータ１７の回転数を検出する
ためのエンコーダ円板、２０は光源とフオトセン
サとが対となつた光検知器であり、このエンコー
ダ円板１９と光検知器２０とから供給側モータ１
７の回転数に比例したパルス数のパルス信号を出
力するモータ回転検出器３１を構成している。な
お、フイルムＦはカートリツジ１５からローラ２
２，２３を介して平坦に保持されて巻取リール２
１に巻取られている。また、供給側モータ１７、
巻取側モータ１８の回転が制御されることによつ
てフイルムＦが給送されて所望の画像が検索され
る。３６はフイルム給送制御回路で、モータ回転
検出器３１とブリツプセンサー１４からのパルス
を受けてリーダーテープ部を検知する検知器を有
し、供給側モータ１７の回転速度を制御するため
のものである。

第６図は第５図のフイルム給送制御回路３６等
のさらに具体的なブロツク図である。３３はリー
ダーテープ部を検知する検知器を構成するカウン
タで、モータ回転検出器３１からのクロツクパル
スを入力してパルス数をカウントし、ブリツプセ
ンサー１４からのパルスをクリア端子に入力して
リセツトするものである。このカウンタ３３の計
数値が所定の値になるとリーダーテープ検知信号
を出力し、この検知信号は制御回路３５に与えら
れ、制御回路３５からの出力はトランジスタTr₁
のベース側と、エミツタ接地されたトランジスタ
Tr₂のベース側にそれぞれ与えられている。

供給側モータ１７の入力側は抵抗Ｒを介して電
源Ｖに接続され、この抵抗Ｒは両端にはトランジ
スタTr₁のコレクタ側とエミツタ側とが接続され
ている。また、供給側モータ１７の出力側はトラ
ンジスタTr₂のコレクタ側に接続されている。な
お、３６は前述のフイルム給送制御回路であり、
３４は供給モータ１７の駆動回路である。

次に第５図及び第６図を参照して本実施例によ
る手順を説明する。

不図示の操作者によりフイルムＦを巻戻し命令
が出されると、制御回路３５はトランジスタ
Tr₁，Tr₂のベース側に“ハイ”レベルの信号を
出力し、トランジスタTr₁，Tr₂がスイツチ・オ
ンする。これによつて、電源Ｖにより、トランジ
スタTr₁→供給側モータ１７→トランジスタTr₂
→接地という経路を経て供給側モータ１７が通電
し、供給側モータ１７が図示矢印方向に高速回転
し、カートリツジ１５内のリールフランジも同矢
印方向に高速回転してフイルムＦの巻戻しが開始
される。供給側モータ１７が回転するとモータ回
転検出器３１よりパルスが発生し、カウンタ３３
でカウントされていくが、同時にフイルムＦが移
動するため、フイルムＦの画像２上のブリツプマ
ーク３をブリツプセンサー１４が次々と検出して
パルスを発生し、このパルスによりカウンタ３３
がリセツトされるために、カウンタ３３はこのパ
ルスが入力してくるたびにクリアされてカウント
アツプすることはない。フイルムＦがほとんどカ
ートリツジ１５内に巻戻されてフイルムＦ上の画
像２の先端部がブリツプセンサー１４を通過し、
第１図に示したリーダーテープ部４の巻戻し近く
なると、この近辺のフイルムＦにはブリツプマー
ク３がついてないので、ブリツプセンサー１４か
らリセツト信号がカウンタ３３に出なくなるた
め、引続きモータ回転検出器３１からパルスを入
力しているカウンタ３３はカウントアツプして所
低の地になり、検知信号を出力し、この信号が制
御回路３５に与えられる。これによつて、制御回
路３５はトランジスタTr₁のベース側に信号を与
えず、トランジスタTr₁をスイツチ・オフする。
しかし、トランジスタTr₂は相変わらずスイツ
チ・オンの状態にあるので、電源Ｖから抵抗Ｒ→
供給側モータ１７→トランジスタTr₂→接地を通
して供給側モータ１７は通電状態を持続するが、
抵抗Ｒにより供給側モータ１７に流れる電流が低
下して供給側モータ１７の回転速度が遅くなり、
巻戻し速度が低速に切りかわる。すると、フイル
ムＦの巻戻し走行にならつて自由回転していた巻
取リール２１の回転力に慣性があるため、巻戻し
速度の変化に応じてその回転速度が低下せず、し
たがつて供給側モータ１７低速に切りかわつた直
後は、フイルムＦは若干たるんでフイルムＦには
ほとんど張力がかかつてない状態となる。この状
態で、第２図に示したように（この時点では送り
出しローラ１６はフイルムＦに当接していない。）
フイルムＦのリーダーテープ部４ガカートリツジ
１５内のリールフランジ１５′の外周に強い力が
加えられることなク巻取られるので、フイルムＦ
は損傷されずにカートリツジ１５内に完全に巻取
られる。

リーダーテープ部を検知する手段は実施例に限
られるものではなく、例えばマイクロスイツチ等
により幅の広いリーダーテープ部を検知するよう
にしてもよい。また、各ブリツプマーク毎に発生
するパルスの時間間隔よりも長い時間で作動する
タイマーを設け、タイマーの設定時間経過までに
パルスが発生すればタイマーをリセツトし、設定
時間経過までにパルスが発生しなければタイマー
からリーダーテープ検知信号を発生させる構成に
してもよい。

また、リーダーテープ部を検知してからフイル
ムの巻取速度を低下させる時期は巻取速度等を考
慮して適宜に設定される。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明は、フイルムを供給
リールに高速度で巻戻し中にリーダーテープがカ
ートリツジに近付いたことを検出器で検出し、こ
の検出器から出力する信号により供給リールの回
転速度を低下させて供給リールと巻取リールの間
のフイルムの張力を低減させ、この後リーダーテ
ープを１対のリールフランジの外周に低速で巻取
るようにしたから、リールフランジ対の間に幅の
広いリーダーテープがめり込んだりすることなく
適切に巻かれてカートリツジに収納され、次にフ
イルムを送り出す際に容易に送り出すことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はマイクロフイルムの巻戻し端部の説明
図、第２図はリールフランジに巻かれたフイルム
の状態を示す断面図、第３図は巻戻し終了前のリ
ールフランジに巻かれたフイルムの状態の簡略
図、第４図は従来のリールフランジに巻かれたフ
イルムの状態の簡略図、第５図は本発明の一実施
例を用いるフイルム給送装置の構成を示す斜視
図、第６図は第５図に示すフイルム給送制御装置
の動作を説明するためのブロツク図である。 １……フイルム部、３……ブリツプマーク、４
……リーダーテープ部、１４……ブリツプセンサ
ー、１５……カートリツジ、１５′……リールフ
ランジ、１７……供給側モータ、２１……巻取リ
ール、３１……モータ回転検出器、３３……カウ
ンタ、３５……制御回路、３６……フイルム給送
制御回路、Tr₁，Tr₂……トランジスタ、Ｒ……
抵抗。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ カートリツジ内の供給リールの１対のフラン
   ジの間隔より広い幅のリーダーテープを端部に有
   するフイルムが巻かれている供給リールからフイ
   ルムを巻取リールに巻取つた後、供給リールを高
   速回転してフイルムを供給リールに巻戻す際に、
   リーダーテープがカートリツジに近付いたことを
   検出器で検出し、この検出器の出力信号により供
   給リールの回転速度を低下させて供給リールと巻
   取リールの間のフイルムの張力を低減させ、この
   後リーダーテープを前記１対のフランジの外周に
   低速で巻取るようにしたことを特徴とするフイル
   ム給送方法。