JPH0465505A - 複合中空糸の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は有機高分子化合物より成る複合中空糸の製造方
法に関する。更に詳しくは、異種又は同種の有機高分子
化合物で構成され、２層が接合された中空糸で、内径が
１００〜５００μ、各々の層の厚さを和した全体の層の
厚さが１０〜１００μの複合中空糸の紡糸方法に関する
。

［従来技術１ 近年、人工腎臓、血漿分離などの血漿浄化膜、逆浸透−
ならびに酸素富化膜等の気体分離膜などで１４流拳透過
性の分離膜を作成する目的で、多孔質体表面に特定の対
象物物質に対して高選択分離透過性を有する高分子を均
一な薄膜状に形成させた複合分離膜およびその製造法が
提案されている。

しかし、従来の方法では薄膜に形成することが困難であ
り、その素材も制限される難点があった。

また同心の２つの円環状の紡糸口金を用いて２層の中空
糸を紡糸する方法もあるが、例えば内層を外層に比して
薄くする場合には安定な紡糸が困難であった。

［発明が解決しようとする課題］ 例えば内層を薄くした２層の中空糸を紡糸する際に、内
層側のポリマー溶液を微量で安定に供給することが困難
になる場合がある。本発明は、かかる場合に安定に製膜
する方法を提供しようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意研究し
た結果、同心２重の円環状吐出口を具備した２層中空糸
紡糸用ノズルを用いて紡糸する際に、薄い方の層吐出口
での吐出速度を厚い方の層の吐出口での吐出速度より一
定の範囲内で大きくしても有効に紡糸し得ることを見い
出し、本発明に到達したものである。

即ち本発明は、異種又は同種の有機高分子化合物で構成
された２層が接合された中空糸で、内径が１００〜５０
０μ、２層の厚さを和した全体の層の厚さが１０〜１０
０μであって、一方の層の厚さｄｌと他方の層の厚さｄ
ｌの比ｄ＋　／　ｄ１／ｄ２が２以上である複合中空糸
を製造するに際し、同心円状に配置された２つの円環状
の吐出口を有する中空糸製造用ノズルを用いて各々の吐
出口に異種又は同種の有機高分子化合物を別々に供給し
、該ノズル吐出口における該他方の層の有機高分子化合
物の吐出線速度が該一方の層のそれの５倍以下であるこ
とを特徴とする複合中空糸の製造方法を提供するもので
ある。

かかる本発明は、多層型複合中空糸の各層の有機高分子
の種類、各層の微小孔径、各層の電荷などを適当に選択
することができ、物質の透過性能。

中空糸膜と接触する液体、気体との神話性、適合性を大
巾に変化させられるという特徴を有する。

本発明に用いる複合紡糸は本質的には溶融紡糸。

湿式紡糸、乾式紡糸のいずれをも含み、いずれの紡糸方
法でもすぐれた性能品質を得ることができる。用いる有
機高分子化合物も広範であり、例えばポリアミド、ポリ
エステル、セル０−スエステル、セルロースエーテル、
ポリアクリロニトリル。

ポリオレフィン、ポリビニル、ポリカーボネート。

ポリメチルメタアクリレートそれらの各成分共重合体等
があげられる。各層の有機高分子化合物の組み合せは、
複合紡糸可能なものであれば、同種の組み合せでも、異
種の組み合せでもよい。異種の有機高分子化合物を用い
１例えば内側の薄層に物質分離機能を具備させるための
有機高分子化合物を用いるのが好ましい。又２種以上の
有機高分子をブレンドすることも添加物可塑剤を混合す
ることも差し支えない。各層に多孔質構造を付与する為
に、例えば、ポリマーに対し不活性な無機塩、低分子化
合物等を含有せしめたもの、有ｌｌｌ５分子化合物を溶
液にして紡糸する場合はポリマーの非溶媒等を含有せし
めたもの、又は適当な発泡剤を含有せしめたものより紡
糸後抽出することなどにより多孔質構造を発現せしめ得
る。

本発明において繊維にチューブ状中空を形成せしめるに
は公知の方法を用いれば充分である。即ち溶融紡糸、乾
式紡糸においては、中空部形成のため外部からノズル孔
を通してポリマーに対して不活性な気体又は液体を導入
する方法、湿式紡糸においてはポリマーに対して凝固性
を有する液体を注入する方法などが有効である。

図１は、本発明の中空繊維を製造するための紡糸口金の
具体的形状の１例を示す。これは２層複合中空糸用口金
を示し、外層形成用有機高分子化合物（Ａ＞は流路１に
供給されて吐出孔３より吐出され、内層形成用有機高分
子化合物（Ｂ）は流路２に供給され、吐出孔４より吐出
される。同時に流路５を通って吐出孔６より適当な気体
又は液体がＩＩＮ中に導入され、中空繊維状複合膜が形
成される。ここで、ポリマーＡとポリマーＢとの２層貼
り合せの状態、即ち２層の間の剥離が生じたり、各層の
厚さの斑の発生、紡糸時の中空糸の断糸が発生したりす
る場合がある。この点について鋭意検討した結果、両層
の吐出口における各ポリマーの吐出線速度の差をあまり
大きくしないことが好ましいことが判った。即ち図１に
おいて内層形成用Ｉｊ機高分子（Ｂ）が吐出孔３より吐
出される時の吐出線速度（Ｕｌ）を外層形成用有機高分
子化合物（Ａ＞が吐出孔４より吐出される時の吐出線速
度（Ｕｌ）の５倍以下とした場合に、２Ｗの貼り合せ状
態は良好である。それらの吐出線速度の比Ｕ２／Ｕｌと
しては、さらに４以下が望ましい。ポリマーＡとポリマ
ーＢの各々の吐出線速度がこれ以上差がつくと、吐出孔
出口において各吐出ポリマー層の間で速度の差に基づく
歪みが発生し、両ポリマーの吐出以上による断糸、各層
の吐出方向の厚さ斑、又は固化した後での両層の界面で
の剥離が発生することがある。尚、かかる比Ｕ２／Ｕｌ
の下限としては１が安定な紡糸を行ない得る点で好まし
い。

また本発明の製造方法において、中空糸の外層の厚みｄ
ｌ　と内層の厚みｄ２の比ｄ＋　／　ｄ２としては２以
上が好ましく、更に５以上が好ましい。

この様に内層を薄くすることによって物質透過性を高め
ることができる。

図２は、本発明に係る紡糸口金の他の例を示すための断
面図であり、この場合にはポリマーＡの吐出線速度は図
２における８の部分の線速度をさし、ポリマーＢの吐出
線速度は図における７の部分の線速度をさすものである
。尚図２において、１１がポリマーＡの流路であり、１
２がポリマーＢの流路であり、気体又は液体が流路９を
通り吐出口１０から繊維中に導入されることを示してい
る。

本発明に係わる中空糸は人工腎臓、血漿分離などの血液
浄化膜、逆浸透膜ならびに酸素富化膜などの気体分離膜
などで島流量透過性の分離膜を提供することを目的とす
るもので、その中空糸の内径は中空部を通る流体の流動
抵抗が余り過大にならない程度即ち５０〜５００μ程度
の内径が適当であり、又膜厚としては各１の層の厚さを
和した全体の層の厚さがうすいのが望ましいが、中空糸
の製糸上の点からみて１０〜１００μが適当であるとい
える。

尚、本発明では、ｗＪＭが内側又は外側のどちらかに具
備された中空系の製造方法を提供するが、血液透析等の
血液処理の場合には、内側に薄い層を具備した中空糸の
方が適している。

以下に実施例を示す。

実施例 外層成分ポリマーとして、トリアセテートに紡糸可塑剤
としてスルホランとポリエチレングリコールを７５重量
％混合したものを、又内層成分ポリマーとしてジアセテ
ートに紡糸可塑剤としてポリエチレングリコールを３０
％混合したものを使用して、図１に示す紡糸口金によっ
て紡糸した。内外層２成分は、各々別々のエクストルー
ダーで溶融され、内層成分と外層成分を別々に計最し、
吐出口において別図に示す吐出線速度で吐出し、約３０
０ｍ　／分の速度で捲取った。

得られたＩｌｌは断面がほぼ真円の円心円状２層複合中
空ｓｓｉで単＊＊の外径、内径、厚さはそれぞれ２８０
μ、２００μ、４０μで非対称構造膜であった。尚、外
層の厚さは約３６μ、内層の厚さは約４μであった。こ
れらの中空繊維の横断面での剥離及び内層の厚さ斑を測
定した結果を別表に示す。

膜厚さ斑は、単繊維における最大膜厚−最小膜厚で表わ
す。

以上の如く、ノズル吐出口における内層のポリマーの吐
出線速度を外層の線速度の１〜５倍にすることにより複
合中空繊維の内外層の剥離がなく又内層の厚さ斑の少な
い２層複合中空繊維が得られる。

〈発明の効果〉 本発明によれば、物質分離特性を広範囲にわたって選択
して付与した複合中空糸を、簡単な紡糸口金を用いて安
定に製造することが出来る。特に物質分離特性に決定的
に影響する内層なる薄層の製膜が安定に行なうことがで
き、得ら９れた複合中空糸の内層と外層の接合状態も良
好にできる利点がある。

【図面の簡単な説明】

図１及び図２は、本発明の複合中空糸の製造方法に用い
られる好ましい紡糸口金を模式的に断面図で例示したも
のである。 特許出願人　帝　人　株　式　会　社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 異種又は同種の有機高分子化合物で構成された２層が接
   合された中空糸で、内径が１００〜５００μ、２層の厚
   さを和した全体の層の厚さが１０〜１００μであつて、
   一方の層の厚さｄ＿１と他方の層の厚さｄ＿２の比ｄ＿
   １／ｄ＿２が２以上である複合中空糸を製造するに際し
   、同心円状に配置された２つの円環状の吐出口を有する
   中空糸製造用ノズルを用いて各々の吐出口に異種又は同
   種の有機高分子化合物を別々に供給し、該ノズル吐出口
   における該他方の層の有機高分子化合物の吐出線速度が
   該一方の層のそれの５倍以下であることを特徴とする複
   合中空糸の製造方法。