JPH0458346B2

JPH0458346B2 -

Info

Publication number: JPH0458346B2
Application number: JP60140224A
Authority: JP
Inventors: Takeshi Karita; Yoshiaki Saito
Original assignee: KUROMATSU KOOHOREESHON KK
Current assignee: KUROMATSU KOOHOREESHON KK
Priority date: 1985-06-28
Filing date: 1985-06-28
Publication date: 1992-09-17
Also published as: JPS622918A

Description

【発明の詳細な説明】〈産業上の利用分野〉この発明は、高吸水性樹脂を含有し、シート状
に加工された高吸水性の素材（水を固まらせる紙
＝水固紙）に関するものである。

〈従来の技術〉カルボキシメチルセルロース（CMC−Ｈ）、カ
ルボキシエチルセルロース（CEC−Ｈ）または、
それぞれのアルミニウム塩、バリウム塩、亜鉛
塩、錫塩、マンガン塩（CMC−Al，CMC−Ba，
CMC−Zn，CMC−Sn，CMC−Mn，CEC−Al，
CEC−Ba，CEC−Zn，CEC−Sn，CEC−Mn）
を含んだ抄紙原料から抄造された紙が、水溶性を
有し、あるいは水に速やかに分散する性質を有す
ることは一般に知られている。水溶性紙は、機密
文書用紙、水溶性ラベル原紙等として利用されて
いる。水溶性、或いは、水に速やかに分散する紙
については、特公昭38−25159号、特公昭39−152
号、特公昭40−968号、特公昭42−2925号、特公
昭43−1214号、特公昭48−27605号等においてそ
の製造方法が開示されている。

一方、グラフト化デンプン系、セルロース系、
ポリアクリル酸系の高吸水性樹脂は、従来の脱脂
綿、布、スポンジ、テイツシユペーパー等の吸水
材料に比べ、高い吸水力を有することから、生理
ナプキン、紙オムツ、アンダーパツト等に利用さ
れている。

高吸水性樹脂の利用方法としては、不織布やテ
イツシユ等のパルプ製品の中に高吸水性樹脂を封
入あるいは混入し、それを生理ナプキン、紙オム
ツの内部に配置させることにより、紙を通して排
尿等々の水分を内部で吸収固化し、表面の紙自体
の水分も吸収して清涼な使用感を得られる製品を
供給している。

従来、尿瓶等の尿器ないし袋状の携帯用簡易ト
イレ等においては、排尿後の処理が問題とされて
おり、容器内に溜められた排尿が、容器の移動、
振動でこぼれ、周囲を汚してしまうという欠点が
あつた。この欠点を除去するために、従来は高吸
水性樹脂を尿瓶等の尿器に入れて尿を固化かせて
いた。また、上述の高吸水性樹脂を不織布やバル
プ製品内に封入し、混入した製品を尿瓶等の中に
挿入しておくことが考えられていた。

しかしながら、この方法では、高吸水性樹脂が
足の長いパルプ繊維と絡んで溶解し難くなり、処
理についても、水洗式のトイレに流すことが出来
なクなる。従つて、使用済み製品は焼却等の旧来
の方法で処理する以外に処理の方法がなかつた。

また、高吸水性樹脂をそのまま尿瓶等の容器内
部に散布しておく方法では、高吸水性樹脂を尿器
内に散布するのに手間がかかり、また、粉状のま
ま尿器に入れられているので、保管・取り扱いが
不便である欠点があつた。また、粉状の樹脂は少
量の液体に反応して表面から固化するので、表面
に出ていない下敷きになつた樹脂は表面の固化に
より、反応の機会を失い、充分な反応をしないま
まの状態（団子状態で）で尿器に残ことが多かつ
た。これを活性化するには、下敷きになつた樹脂
をかき混ぜて表面に出す必要があるが、現実的に
は非衛生的であるので、全体を処分してしまうの
が普通である。

〈発明が解決しようとする問題点〉この発明は、従来技術の欠点を除去し、尿瓶等
の尿器ないしは携帯用簡易トイレにおける排尿の
処理を簡易迅速かつ清潔に行うことができ、か
つ、その他にも応用できる利用範囲の広いシート
状高吸水材料（水を固まらせるシート＝水固紙）
を提供することを目的とする。

〈問題点を解決するための手段）この発明に係るシート状高吸水材料は、パルプ
繊維と水溶性樹脂と高吸水性樹脂とからなり、こ
れらをシート状に形成したものである。シート状
に形成する方法としては、前記パルプ繊維と水溶
性樹脂と高吸水性樹脂とを混合してシート状に形
成する方法と、パルプ繊維と水溶性樹脂とからな
る水溶性紙を利用して高吸水樹脂をサンドイツチ
状に挟み込む方法や、水溶性紙に高吸水性樹脂を
付着させる方法が考えられる。この発明に係るシ
ート状高吸水材料は、シート状に形成されたもの
であれば、その製造方法や積層状態または構造を
問わない。

この発明で使用する高吸水性樹脂としては、デ
ンプン等の天然の樹脂の他に、ポリアクリル酸、
ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルピリジン、
マレイン酸無水物、カルボキシルメチルセルロー
ス、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコ
ール、セルロースエーテル等々を架橋させて製造
した合成樹脂が利用される。この発明で使用され
る高吸水性樹脂は上記の樹脂に限定されるもので
はない。上記の樹脂は既存の高吸水性樹脂の一例
であるが、上記以外にも高吸水性のある樹脂であ
れば、何でも利用することが出来る。

また、水溶性樹脂としては、カルボキシメチル
セルロース（CMC−Ｈ），カルボキシエチルセル
ロース（CEC−Ｈ）を利用することが多いが、
それぞれのアルミニウム塩、バリウム塩、亜鉛
塩、錫塩、マンガン塩（CMC−Al，CMC−Ba，
CMC−Zn，CMC−Sn，CMC−Mn，CEC−Al，
CEC−Ba，CEC−Zn，CEC−Sn，CEC−Mn）
を利用することも可能である。この発明で使用す
る水溶性樹脂は上記したものに限定されるもので
はなく、水溶性のある樹脂であれば良い。また、
水溶性樹脂の他にも、用途に応じて、製紙用クラ
フトパルプ、サルハイトパルプ、化繊用の溶解パ
ルプ等々の植物繊維、ポリアミド、ポリエステル
等の合成繊維、グラスフアイバー、石綿などの無
機質繊維等々の抄紙原料を水に対する分散溶解を
妨げない程度の割合で必要に応じて混合すること
もできる。

高吸水性樹脂は、一般にグラフト化デンプン
系、セルロース系、ポリアクリル酸系のものがあ
る。水溶性樹脂を架橋させるとその架橋密度が高
くなるに従つて、樹脂の性質が水溶性から水膨潤
性、さらに単なる親水性へと変化することは知ら
れている。高吸水性樹脂は、低密度架橋によつて
得られる水膨潤性樹脂を応用したものである。す
なわち、高吸水性樹脂はCMC、PVA、ポリアク
リル酸ソーダ、デンプン−アクリル酸クラフト重
合物、デンプン−アクリロニトルグラフト重合体
の加水分解物等の水溶性樹脂を低密度架橋させた
ものであり、高い吸水力と保水力を有する。パル
プ、テイツシユペーパーは自重の10〜20倍の吸水
力を有するが、高吸水性樹脂は自重の約50〜500
倍以上の吸水力を有する。また、パルプやスポン
ジは、内部空間に水を吸蔵した状態を作り出すだ
けであるので、外圧を加えると容易に水が出てし
まう。高吸水性樹脂は、水分に触れると化学的に
反応して膨潤してゲル化するので、一旦吸水する
と膨潤してゲル状になつた水は外圧をかけても水
として漏れることは無くなり、高い保水性を有す
る。

このような特性を有する高吸水性樹脂を、上記
CMC−Ｈ等の水溶性樹脂と、パルプ繊維とに層
状にはさみこみ、または、該紙製造過程で高吸水
性樹脂を混入し、この発明に係るシート状高吸水
材料を製造する。

上記のように構成されたシート状高吸水材料
（水固紙）は、水または他の水溶液に触れると、
上記CMC−Ｈ等を含んでいるので、まず、シー
ト状高吸水材料（水固紙）が水に溶解する。これ
と同時に、溶解したシート状高吸水材料（水固
紙）の中に含有されていた高吸水性樹脂が水に溶
融し、反応を開始して、水分を固化し膨潤してゲ
ル化する。

水分があるだけシート状高吸水材料（水固紙）
は溶解するが、飽和状態に達すると溶解が止ま
り、部分的に溶解した部分と、まだシート状を維
持しているシート状高吸水材料（水固紙）と残存
する。次ぎに、水分がさらに導入されると残存し
ていたシート状高吸水材料（水固紙）が必要に応
じて溶融し、内部に含有されていた高吸水性樹脂
が反応を開始して膨潤しゲル状になる。

従つて、従来の化学剤（粉末）としての高吸水
性樹脂とは異なり、シート状になつているので、
下敷きになつて反応が充分に行われないまま剤が
固化する欠点はなく、何時でも追加の水分を吸収
することが可能な状態に保つことが可能となる。
これは、従来の化学剤と全く異なるシート状に変
形した利点である。

〈実施例〉以下、図面に示す実施例に基づいて本件発明を
詳細に説明する。第１図は、この発明に係るシー
ト状高吸水材料（水固紙）を尿瓶等の尿器の中に
挿入配置した斜視図である。第２図は、携帯用簡
易トイレの中にシート状高吸水材料（水固紙）を
配置した斜視図である。シート状高吸水材料（水
固紙）は、単に尿瓶等の尿器等々の中に配置され
ているだけである。但し、従来の高吸水樹脂（粉
末）は、器を傾けたり、振つたりすると剤がこぼ
れる心配があつたが、シート状高吸水材料（水固
紙）は器を傾けたり、振つたりしても中からシー
ト状高吸水材料（水固紙）が落ちる心配はない。

これらの容器の中に排尿がなされると、上記
CMC−Ｈ等を含んだ紙成分は水溶性があること
から排尿に分散溶解するとともに、溶解したシー
ト状高吸水材料（水固紙）の中から高吸水性樹脂
が露出し、または溶融する。これにより、高吸水
性剤は反応を開始して、水分を固化し膨潤してゲ
ル化する。従つて、尿瓶等の移動、振動により排
尿が外部にこぼれ、周囲を汚すということが防止
できる。なお、高吸水性樹脂をそのまま尿瓶等の
中に散布した場合には、排尿の量にかかわらず、
該樹脂全体が湿つてしまい、再使用は出来なくな
り、排尿毎に該樹脂を取り替えなければならない
が、本発明のように高吸水性樹脂を紙と一体に構
成した場合には、未だ保水能力がある場合は紙の
状態のまま残るので再使用が可能であり、経済的
である。ゲル化した高吸水性樹脂は、水で簡単に
洗い流すことができる。

また、高吸水性樹脂が水分と反応して水を固化
すると、排尿等と空気との接触がなくなり、排尿
から悪臭を発することがなくなる。

〈発明の効果〉この発明に係るシート状高吸水材料（水固紙）
は上記該述したような構成であるのので、尿瓶等
の尿器ないしは携帯用簡易トイレにシート状高吸
水材料（水固紙）を挿入して使用することによ
り、容器の移動、振動による排尿のこぼれを防止
することができる。また、固化した排尿は水洗ト
イレに流すことが可能であるので、排尿の処理を
簡易、迅速かつ清潔に行うことができる。また、
その取扱いの容易性および吸水、保水性を利用し
て生理用ナプキン、紙オムツ等々幅広く利用する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係るシート状高吸水材料
（水固紙）を尿瓶等の尿器の中に配置した実施例
の斜視図、第２図は携帯用簡易トイレに使用した
実施例の斜視図である。１０：シート状高吸水材料（水固紙）、１１：
尿瓶、１３：携帯用簡易トイレ。

Claims

【特許請求の範囲】１パルプ繊維と水溶性樹脂と高吸水性樹脂とを
シート状に形成したことを特徴とするシート状高
吸水材料。２前記第１項記載の高吸水性樹脂が、デンプン
等の天然の樹脂、または、ポリアクリル酸、ポリ
スチレンスルホン酸、ポリビニルピリジン、マレ
イン酸無水物、カルボキシルメチルセルロース、
ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコー
ル、セルロースエーテル等々を架橋させて製造し
た合成樹脂からなることを特徴とするシート状高
吸水材料。３前記第１項記載の水溶性樹脂が、カルボキシ
メチルセルロース（CMC−Ｈ）、カルボキシエチ
ルセルロース（CEC−Ｈ）または、それぞれの
アルミニウム塩、バリウム塩、亜鉛塩、錫塩、マ
ンガン塩（CMC−Al，CMC−Ba，CMC−Zn，
CMC−Sn，CMC−Mn，CEC−Al，CEC−Ba，
CEC−Zn，CEC−Sn，CEC−Mn）であること
を特徴とするシート状高吸水材料。４前記第１項記載のシート状高吸水材料が、尿
瓶等の尿器に挿入されていることを特徴とするシ
ート状高吸水材料。５前記第１項記載のシート状高吸水材料が、携
帯用便器に挿入されていることを特徴とするシー
ト状高吸水材料