JPH045726Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、クランク軸を垂直に配置すると共
に、左右１対のシリンダをＶ型に配置し、冷却フ
アンをクランク軸上端部に設けた縦軸Ｖ型エンジ
ンに関する。

（従来技術） 縦軸Ｖ型エンジンは従来特に開発されていない
ようである。ただし横軸（水平軸）エンジンとし
ては例えば特開昭53−92056のようなエンジンが
開発されている。

（考案の目的） 本考案の目的は、コンパクトで、しかもキヤブ
レターまわり及びエヤクリーナのメンテナンスが
容易な縦軸Ｖ型エンジンを提供することである。

（目的を達成するための手段） 上記目的を達成するために本考案は、両シリン
ダ間で形成されるＶバンク内にキヤブレターを配
置し、エヤクリーナを上方から見て長円形に形成
し、エヤクリーナの長辺部分がフアンハウジング
に沿うようにかつ両端円弧状部分がロツカーアー
ムカバー部分近傍に位置するようにして、エヤク
リーナをロツカーカバー間に収まるようにキヤブ
レターの上方に配置し、エヤクリーナの蓋をＶバ
ンク内エンジン上面に配置している。

（実施例） 本考案を適用した縦軸Ｖ型エンジンの上面図で
ある第１図において、左右１対のシリンダ１，１
は垂直なクランク軸２側を底部側としてＶ形に配
置されており、クランク軸２の上端部には冷却フ
アン３が固着されている。両シリンダ１，１の上
側には冷却フアンハウジング５が設けられてお
り、フアンハウジング５にはクランク軸２と同一
中心の空気取入れ口６が形成されている。

両シリンダ１，１間で形成されるＶバンク内に
はキヤブレター７が配置されており、キヤブレタ
ー７の上方にはキヤブレター７を覆うようにエア
クリーナ８が配置されている。キヤブレター７は
横吸込型で、キヤブレター７を貫通するボルト２
２によりエアクリーナ８と共に吸気マニホールド
１３に締付けられている。この種のキヤブレター
７並びに締付方法は例えば特開昭53−92056に示
されているような下吸込型に比べ、コンパクト
で、メンテナンスが容易で、しかも安価であると
いう長所がある。エアクリーナ８は長円形をして
おり、その長辺部分がフアンハウジング５に近接
している。またエアクリーナ８は両ロツカーカバ
ー１１間に収まるように配置されている。１２は
フアンハウジング５内の仕切り板であつて、この
仕切り板１２によりハウジング５内に左シリンダ
用袋状部分と右シリンダ用袋状部分を形成してい
る。即ちハウジング５内の冷却風を左側シリンダ
１用と右側シリンダ１用に分流するようにしてい
る。

１３は２股状の吸気マニホールドであつて、そ
の中央合流部がキヤブレター７に接続し、両端出
口部１３ａがシリンダヘツド１４の吸気通路に接
続している。シリンダヘツド１４の吸気通路はシ
リンダヘツド１４の上端面に開口している。吸気
マニホールド１３の中央合流部はＶバンクの中央
底部（クランク軸側の端部）に近接している。

第２図において、各シリンダ１，１はそれぞれ
冷却風ダクト１６で覆われており、ダクト１６の
上端部はフアンハウジング５内に連通し、下端部
は下向きに開口している。

エアクリーナ８は内部にエレメント１７を備え
ると共に、上部にクリーナカバー（蓋）８ａをナ
ツト１８等により締着している。エアクリーナ８
の新気取入れ口８ｂはフアンハウジング５内に突
入し、ハウジング５内に開口している。エアクリ
ーナ８の新気通路８ｃは下方へ延び、キヤブレタ
ー７に接続している。

２０はチヨークレバー、２１はスロツトルレバ
ーである。

（作用） エンジン作動中、冷却フアン３の回転により空
気取入れ口６からハウジング５内に空気が吸込ま
れ、加圧される。加圧された空気の一部は仕切り
板１２の孔１２ａ（第２図）を通つて新気取入れ
口８ｂからエアクリーナ８内に流入し、さらに新
気通路８ｃを通つてキヤブレター７に入る。キヤ
ブレター７内で燃料油と混合した後、吸気マニホ
ールド１３内に入つて分岐し、各シリンダヘツド
１４の吸気通路を通つて各シリンダ１に供給され
る。

またフアンハウジング５内の残りの加圧空気
は、各シリンダ用の袋状部分からそれぞれ冷却風
ダクト１６内に流入し、各シリンダ１を冷却した
のち、ダクト１６の下端から放出される。

（別の実施例） 第２図に示しているようなエアクリーナカバー
８ａをフアンハウジング５と一体に形成するよう
にしてもよい。

なお本考案は空冷縦軸型エンジンの実施例によ
り説明したが、水冷エンジンにも適用されること
はいうまでもない。

（考案の効果） 以上説明したように本考案は、クランク軸を垂
直に配置すると共に、左右１対のシリンダを上方
から見てＶ型に配置し、冷却フアンをクランク軸
の上端部に設けた縦軸Ｖ型エンジンにおいて、 (1) 両シリンダ間で形成されるＶバンク内にキヤ
ブレターを配置し、エヤクリーナを上方から見
て長円形に形成し、エヤクリーナの長辺部分が
フアンハウジングに沿うようにかつ両端円弧状
部分がロツカーアームカバー部分近傍に位置す
るようにして、エヤクリーナをロツカーカバー
間に収まるようにキヤブレター上方に配置して
いるので、エアクリーナのエンジンからのオー
バーハング量が小さくなり、エンジン全体をコ
ンパクトにすることができる。

(2) 縦軸エンジンにおいてエアクリーナをキヤブ
レターの上方に配置しているので、キヤブレタ
ーがエンジンの側方（正面）に開かれることに
なり、キヤブレターをＶバンク正面から点検し
易くなり、キヤブレターのメンテナンスが容易
になる。

しかもキヤブレター上方のエヤクリーナの蓋
（クリーナカバー）をＶバンク内エンジン上面
に配置しているので、エンジン上方から簡単に
エヤクリーナを開閉して点検でき、日常最もメ
ンテナンス回数の多いエヤクリーナのメンテナ
ンスも容易になる。

(3) キヤブレターまわりの上方をエアクリーナ及
びフアンハウジングで覆つているので、キヤブ
レター及びその回りのダストの堆積を防止する
ことができる。即ちエアクリーナがダストカバ
ーの役割を果すことにより、ダストからキヤブ
レターを保護することができる。

なおエアクリーナの新気取入れ口をフアンハ
ウジング内に開口させると、吸気騒音を低減す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した強制空冷式縦軸Ｖ型
エンジンの上面図、第２図は第１図の−断面
図である。 １……シリンダ、３……冷却フアン、５……フ
アンハウジング、７……キヤブレター、８……エ
アクリーナ、８ａ……クリーナカバー（蓋）、８
ｂ……新気取入れ口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) クランク軸を垂直に配置すると共に、左右１
   対のシリンダを上方から見てＶ型に配置し、冷
   却フアンをクランク軸の上端部に設けた縦軸Ｖ
   型エンジンにおいて、両シリンダ間で形成され
   るＶバンク内にキヤブレターを配置し、エヤク
   リーナを上方から見て長円形に形成し、エヤク
   リーナの長辺部分が冷却フアンのフアンハウジ
   ングに沿うようにかつ両端円弧状部分がロツカ
   ーアームカバー部分近傍に位置するようにし
   て、エヤクリーナをロツカーカバー間に収まる
   ようにキヤブレターの上方に配置し、エヤクリ
   ーナの蓋をＶバンク内エンジン上面に配置した
   ことを特徴とする縦軸Ｖ型エンジン。 (2) エアクリーナを上記冷却フアンのフアンハウ
   ジングに隣接させた実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の縦軸Ｖ型エンジン。 (3) エアクリーナを上記冷却フアンのフアンハウ
   ジングに隣接させ、エアクリーナの新気取入れ
   口をフアンハウジング内に開口させた実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の縦軸Ｖ型エンジ
   ン。