JPH0454278Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はシリンダ錠のカバーをキープレート抜
き取り後自動的に閉位置に戻すカバー自動復帰機
構に関する。

（従来の技術） カバーを装着したシリンダ錠であつて、キー操
作後キープレートを抜き取るとカバーが自動的に
閉位置に戻るものは、既に知られている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、従来のカバー自動復帰機構はカバーが
常時閉位置に移動しようとしており、キー操作に
際して、片方の手でカバーを開けながら他方の手
でキープレートを差し込むという動作が必要であ
り、片手操作ができないという問題点がある。
又、この問題点を解決したものも一部にあるが、
その場合構造が複雑であると共に、カバーを開け
てキープレートをロータに差し込んだ後キー操作
（回動）をしないでキープレートを引き抜くと、
カバーが自動復帰しないという問題点がある。

本考案は上記問題点に鑑みてなされたもので、
その目的は、片手操作が可能で構造も簡単なシリ
ンダ錠のカバー自動復帰機構であつて、キープレ
ート挿入後キー操作をしないでキープレートを引
き抜いてもカバーが自動復帰するものを実現する
ことにある。

（問題を解決するための手段） 上記問題点を解決する本考案は、カバーが開位
置まで回動されたときそのロツク用段部に係合す
るポールと、該ポールに回動端部が枢支されキー
プレートのロータへの差し込み時には前記キープ
レートに押されて回動し、前記ポールと前記カバ
ーとの係合が解くと共に、爪部が前記カバー側へ
移動して前記ロツク用段部に係合し前記カバーを
中間開位置に停止させる回動プレートと、前記ポ
ールを前記カバー側に付勢するためのスプリング
とから成ることを特徴とするものである。

（作用） 本考案のシリンダ錠のカバー自動復帰機構で
は、カバーを開くとポールがカバーのロツク用段
部に係合しカバーが開位置にロツクされる。次に
キープレートをロータに差し込むと回動プレート
がポールを引つ込めてロツクを外し、今度は回動
プレートの段部に回動プレートの爪部が係合し
て、カバーは中間開位置に停止する。この状態で
キー操作を行い、キープレートを抜き取ると、回
動プレートが元の位置に戻るので、カバーは爪部
との係合を解かれ中間開位置から閉位置に戻る。

（実施例） 以下、図面を用いて本考案の実施例を説明す
る。

第１図乃至第４図において、１はキープレート
１０が差し込まれるキー穴１ａが開設されたロー
タで、ロータケース２に嵌入されている。３はロ
ータケース２に回動可能に枢着され図示しないリ
ターンスプリングにより閉位置（第３図の位置）
に戻るように常時付勢されているカバーで、ロー
タケース２側に突出したピン３ａがその回転中心
となつている。又、このカバー３の第１図におけ
る下面には、ロツク用段部３ｂが設けられてい
る。尚、このロツク用段部３ｂの背部は傾斜面と
なつている。４は第１図の上下方向のスライド可
能に案内されたポールで、その先端部は鋭角に形
成され第１図における垂下面がロツク用段部３ｂ
に当接するようになつている。又、ポール４の基
端部は、ピン５を中心に回動する略Ｙ字形の回動
プレート６の回動端部６ａにピン９でもつて回動
自在に枢支されている。回動プレート６の他の端
部の内、一方の端部はポール４の先端部と同様の
形状の爪部６ｂを形成し、他方の端部６Ｃはスラ
イドピース７に当接している。スライドピース７
はその前端がキープレート１０の嵌入路内即ちキ
ー穴１ａ内に突出し、且つ第１図の前側角部上面
がテーパ加工されており、キープレート１０をキ
ー穴１ａに差し込むとそのテーパ面とキープレー
ト１０との摺接により後退し、回動プレート６を
第１図の反時計方向に回動させるようになつてい
る。このスライドピース７が後退位置にあると
き、回動プレート６の爪部６ｂは、カバー３の閉
位置への戻り動作を阻止し得るように、カバー３
のロツク用段部３ｂに当接する位置にある。８は
回動プレート６を第１図の時計方向に付勢するコ
ンプレツシヨンスプリングで、このスプリング８
により、ポール４も第１図における上方に常時付
勢されることになる。尚、第１図及び第２図で
は、ポール４に対して回動プレート６の回動端部
６ａが第１図の横方向に相対運動できるように、
ピン９が嵌入するポール４の穴は横方向の長穴と
なつているが、この枢支部分に第１図の横方向の
遊びを設けない場合は、ポール４の横方向の移動
を多少許容するようにポール４を案内する必要が
ある。

次に上記実施例の作動を説明する。まず、第３
図の如くカバー３が閉位置にあるとき、カバー３
を第３図における反時計方向に、ロツク用段部３
ｂがポール４を越えるまで回動させて、カバー３
から手を離すと、カバー３はロツク用段部３ｂが
ポール４が当接する位置まで戻り、そこに停止す
る。これが第１図及び第４図に示したカバー３の
開位置である。この状態でキープレート１０をキ
ー穴１ａに差し込むと、回動プレート６が反時計
方向に回動し、ポール４が引き下げられる。従つ
て、ロツク用段部３ｂとポール４との係合が解か
れ、前述のリターンスプリングによるカバー３は
閉位置の方向に移動するが、回動プレート６の爪
部６ｂがその移動経路上に突出しているので、ロ
ツク用段部３ｂがこれに当接した位置で停止す
る。これが第２図に示す中間開位置で、カバー３
がキー操作の障害とならない位置である。キー操
作後、キープレート１０を引き抜くと、回動プレ
ート６の端部６ｃに押されてスライドピース７が
ロータ１のキー穴１ａ内まで進み、回動プレート
６も回動して、その爪部６ｂも第１図の下方に移
動する。このため、カバー３の移動を阻止するも
のが無くなるため、カバー３は閉位置まで回動
し、そこで停止する。

上記構成によれば、キープレート１０を持つた
手でカバー３を開けて開位置にロツクした後、キ
ープレート１０を差し込み、キー操作を行えるの
で、片手操作が可能になる。また、キープレート
１０をロータ１に差し込んだ後キー操作をしない
で引き抜いてもカバー３が自動復帰する。更に、
構造については、部品点数が少なく好都合であ
る。

尚、本考案は上記実施例に限らず種々の変形が
可能である。例えば、回動プレート６の形状は上
記の如き作動が得られるものであればどのような
ものであつてもよい。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、片手操
作が可能でしかも構造が簡単なシリンダ錠のカバ
ー自動復帰機構であつて、キープレート挿入後キ
ー操作をしないでキープレートを引き抜いてもカ
バーが自動復帰するものを実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の要部拡大断面図で
後述の第４図の−線断面図、第２図は第１図
の実施例の他の作動状態を示す要部拡大断面図、
第３図は第１図の実施例のカバー閉位置での平面
図、第４図は同じくカバー開位置での平面図であ
る。 １……ロータ、１ａ……キー穴、２……ロータ
ケース、３……カバー、３ｂ……ロツク用段部、
４……ポール、６……回動プレート、６ａ……回
動端部、６ｂ……爪部、６ｃ……端部、７……ス
ライドピース、８……コンプレツシヨンスプリン
グ、１０……キープレート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カバーが開位置まで回動されたときそのロツク
   用段部に係合するポールと、該ポールに回動端部
   が枢支されキープレートのロータへの差し込み時
   には前記キープレートに押されて回動し、前記ポ
   ールと前記カバーとの係合が解くと共に、爪部が
   前記カバー側へ移動して前記ロツク用段部に係合
   し前記カバーを中間開位置に停止させる回動プレ
   ートと、前記ポールを前記カバー側に付勢するた
   めのスプリングとから成るシリンダ錠のカバー自
   動復帰機構。