JPH0453771B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (a) 産業上の利用分野 本発明は圧電素子を利用したパーツフイーダの
改良に関するものである。

(b) 従来の技術 従来の一般的なパーツフイーダは、板バネとソ
レノイドからなる単振動装置と、これに取り付け
られるボウルとから構成されている。

ボウルの内周には部品の通路であつて、部品が
底部から出口まではい上がつていくように螺旋状
の走路が設けられている。斜め方向に設けられた
板バネに支持されたボウルは、垂直軸とこれに直
角の方向とに同時に励振され、その結果ボウルが
斜め方向に単振動し、部品を一方向に移送する。

この他、ソレノイドの代わりにセラミツク等の
圧電素子を利用して板バネに単振動を生じさせ、
これに連結したボウルで部品を移送するパーツフ
イーダが開発され、構造を簡単にすると共に高い
振動数を得ることができ、作業能率の向上が達成
されている。

この圧電素子を用いたパーツフイーダの構造は
例えば第５図に示すように、基台２に固定された
板バネ３に圧電素子E₁，E₂をその表裏に貼着し
たものである。つまり、圧電素子E₁，E₂に交流
電圧をかけることにより、その分極方向に曲げ歪
を生じさせた、いわゆる圧電現象を利用して板バ
ネを単振動させるようにしたものである。

(c) 発明が解決しようとする問題点 しかし、従来の圧電素子を利用したパーツフイ
ーダでは、板バネを振動搬送体に固定して連結す
ることが不可能であつた。このことは、第５図か
ら理解できるように、基台２に複数固定された板
バネ３が単振動することによつて、振動搬送体４
との取り付け部の角度が変化するためである。従
つて、従来の圧電素子を利用したパーツフイーダ
は板バネと振動搬送体とを直接取り付けないで弾
性に富む薄板状バネ７を介して固定し、この薄板
状バネ７によつてその角度変化を吸収するように
していた。

ところが、板バネの振動数は300Hzにも達する
ことがあり、この板バネの振動を振動搬送体に伝
達する薄板状バネは当然に疲労しやすく、長時間
の使用によつて破断することがあつた。さらに、
振動搬送体には大量の搬送物を投入して振動させ
る必要があり、これら全体を支えている薄板状バ
ネの損傷する割合が高く、部品の取り替えによる
作業能率の低下を招くなどの欠点があつた。

(d) 問題を解決するための手段 そこで本発明者は鋭意研究の結果、板バネを基
台及び振動搬送体の両者に固定連結することによ
つて、板バネで直接振動搬送体を単振動させるパ
ーツフイーダを開発した。

つまり、本発明に係るパーツフイーダは従来と
同様に板バネに圧電素子を貼着することにより、
圧電現象を利用して板バネを単振動させるもので
あるが、一つの板バネの上部及び下部に圧電素子
を取り付け、一の変曲点を有するよう互いに反対
方向に曲げを生じさせて単振動させるよう構成し
たものである。

尚、本明細書中でいうパーツフイーダとは、ボ
ウルフイーダ及び直進フイーダを指す。また、圧
電素子とは、チタン酸バリウム・ジルコン酸鉛・
チタン酸鉛等の多結晶セラミツクであつて、電界
中におくことによつて、曲げ歪を生じるものをい
う。

(e) 作 用 この結果、振動時において板バネと振動搬送体
との取り付け角度が不変となり、板バネと振動搬
送体とを直接固定することが可能となつた。

(f) 実施例 以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。

第１図は本発明に係るパーツフイーダ１の一実
施例を示すもので、基台２に固定された板バネ３
には、表裏に圧電素子E₁，E₂が貼着され、さら
にその上部に圧電素子E₃，E₄を貼着している。
この板バネ３の運動は図の鎖線に示すように圧電
素子E₁，E₂，E₃，E₄を貼着した箇所で夫々反対
方向に曲げを生じさせて、一つの変曲点Ｐを有す
るようにしている。つまり、圧電素子E₁，E₄と
E₂，E₃を交互に引張、圧縮させることによつて
板バネ３を単振動させている。従つて、板バネ３
と振動搬送体４との取り付け角度が常に一定とな
り、板バネ３を振動搬送体４に直接固定しても両
者の間に無理な曲げ応力などが生じることなく、
固定された状態のままで振動搬送体４に単振動を
伝達することを可能としている。

本実施例に示すものでは、圧電素子E₁，E₄と
E₂，E₃を交互に反対側に曲げることによつて振
動させているが、第２図に示すように、これらの
内のE₁とE₄の圧電素子のみを板バネ３に取り付
けるようにしても同様に振動させることができ
る。また、これと反対にE₂とE₃の圧電素子を取
り付けるようにしてもよく、或いはE₁とE₃又は
E₂とE₄というように、一つの板バネ３の片側に
のみ引張と圧縮の圧電素子Ｅを設けるようにして
もよい。

また、圧電素子Ｅを取り付けた板バネ３の振動
数は、通常180Hz前後で使用しているが、静止形
周波数変換装置などで周波数をコントロールし
て、約120Hzから300Hzまで調節できるようにすれ
ば、大きさや形状の異なる種々の搬送物にも容易
に対応することができる。

本発明に係るパーツフイーダ１は第３図に示す
ように振動搬送体４としてのボウル５に圧電素子
Ｅ…を取り付けた板バネ３をその円周に沿つて設
けたボウルフイーダとしてもよく、また、第４図
に示すように直進トラフ６に板バネ３を設けた直
進フイーダとしても同様に実施することができ
る。

(g) 発明の効果 以上のように本発明に係るパーツフイーダは、
板バネの上部及び下部に圧電素子を取り付け一の
変曲点を有するよう単振動させることによつて、
板バネと振動搬送体との取り付け角度を常に一定
となるようにしているため、板バネと振動搬送体
とを直接固定することができるので、構造が極め
て簡単となり、かつ、振動伝達部分に無理な力が
生じないので故障が少なくなるという極めて有益
な効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るパーツフイーダの一実施
例を示す概略側面図、第２図は本発明の他の実施
例を示す概略側面図、第３図及び第４図はパーツ
フイーダの応用例を示す夫々斜視図、第５図はパ
ーツフイーダの従来例を示す概略側面図である。 Ｅ…圧電素子、Ｐ…変曲点、１…パーツフイー
ダ、２…基台、３…板バネ、４…振動搬送体、５
…ボウル、６…直進トラフ、７…薄板状バネ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 圧電素子を取り付けることによつて単振動す
   る板バネを振動搬送体に連結し、該振動搬送体に
   載置した搬送物を振動搬送するものであつて、該
   板バネには一の変曲点を有する曲げによる振動を
   発生させるべく、上部及び下部に圧電素子を設
   け、かつ、該板バネを基台と振動搬送体に直接固
   定したことを特徴とするパーツフイーダ。 ２ 圧電素子は、板バネの表裏に設けたものであ
   る特許請求の範囲第１項記載のパーツフイーダ。 ３ 圧電素子は、板バネの表裏のいずれか一方に
   設けたものである特許請求の範囲第１項記載のパ
   ーツフイーダ。 ４ 振動搬送体は、螺旋状の内部走路を備えたボ
   ウルである特許請求の範囲第１項、第２項又は第
   ３項記載のパーツフイーダ。 ５ 振動搬送体は、直進トラフである特許請求の
   範囲第１項、第２項又は第３項記載のパーツフイ
   ーダ。