JPH0453567B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 Ａ 発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、浴槽その他の水槽内に貯留した水を
ポンプで循環させ、その水を循環経路に配設した
フイルタタンクを通過させることにより浄化する
水槽内貯留水の浄化装置に関する。

(2) 従来の技術 従来、家庭用風呂の浴槽内の水をポンプで循環
させ、フイルタを収納したタンクや麦飯石等の活
性石を収納したタンクを通過させることにより浄
化し、その水を長期間に亘つて交換せずに使用可
能とした浄化装置が知られている。

かかる浄化装置では、浴槽内に開口する吸水口
と出水口を接続する循環水回路の途中に前記フイ
ルタタンク、ポンプ、活性石タンクが直列に介装
されており、前記ポンプで強制循環される水をフ
イルタタンクや活性石タンクを順次通過させて浄
化するように構成されている。

(3) 発明が解決しようとする課題 ところで、上記従来の浄化装置にフイルタタン
クは内部が完全に水で満たされる密閉構造を有し
ており、その内部の水をポンプで吸引することに
より負圧を生じせしめて浴槽内の水を取り入れる
ようになつている。しかしながら、一般にフイル
タタンクの上端は浴槽の液面よりも高く設定され
ているのでポンプをフイルタの交換等のために停
止させておくと、フイルタタンク上部のキヤツプ
部分からの僅かな空気の侵入によつて該フイルタ
タンク内の液面が次第に低下することがある。ま
た、ポンプが浴槽から水と共に空気を吸い込んだ
場合にも、フイルタタンクの上部に空気が溜まつ
て液面が低下する場合がある。このような状態で
ポンプを再起動すると、やがてポンプが空気を吸
い込んで空転して水の循環が不可能になるため、
その都度キヤツプを外してフイルタタンクの上面
まで水を補給して空気層のないことを確認する必
要があつた。

そこでこのような不都合を回避するために、例
えば実開昭62−179010号のマイクロフイルムに開
示される如くフイルタタンク内及びポンプ間の接
続管路の内部と、フイルタタンク内の上部とをエ
ア抜き管を介して相互に接続し、フイルタタンク
内への水補給を特別に行うことなくポンプの吸引
力だけでフイルタタンク内の空気を強制排出する
ようにしたものが既に提案されているが、この提
案のものでは、ポンプ起動時にフイルタタンク内
への水補給無しで該タンク内の滞留空気全部を吸
引排出するために、空気吸引力の強力なポンプロ
スの少ない特殊ポンプを用いる必要がある。斯か
る特殊ポンプは、此の種浄化装置に従来普通に使
用されるポンプと比べて高価であるだけでなく、
運転音が大きく、また寿命も比較的短い等の問題
があるが、上記提案のものでは、ポンプの起動に
よりフイルタタンク内の滞留空気が一旦排出され
た後（その排出後は従来普通のポンプを使用して
も水の循環に何等支障はない）も、上記問題のあ
る特殊ポンプをそのまま使用し続けなければなら
ない不都合がある。

本発明は、前述の事情に鑑みてなされたもの
で、従来普通のポンプを用いて、フイルタタンク
内上部の滞留空気を該タンク内への水補給無しで
容易に排出できるようにしてポンプの再起動を的
確に行わせることができる、水槽内貯留水の浄化
装置を提供することを目的とする。

Ｂ 発明の構成 (1) 課題を構成するための手段 前記目的を達成するために、本発明は、水槽に
開口する吸水口と出水口を接続する循環水回路に
介装されるフイルタタンクとポンプとを備え、前
記フイルタタンクがフイルタを挟んでダーテイ室
とクリーン室に画成されるとともに、このダーテ
イ室が第１管路を介して前記水槽の吸水口に、ク
リーン室が第２管路を介して前記ポンプに接続さ
れ、前記第２管路とフイルタタンク内の上部とが
エア抜き管で接続されてなる、水槽内貯留水の浄
化装置において、前記フイルタタンク内の上部に
滞留する空気を前記エア抜き管を通して第２管路
内に吸引し得る渦流をポンプ起動に伴い第２管路
内の水流に生じさせる渦流発生部材を備えること
を第１の特徴とする。

また本発明は前記第１の特徴に加えて、前記フ
イルタタンクを円筒状に形成し、その内部空間に
前記ポンプと水槽の出水口間に介装される活性石
タンクを配設したことを第２の特徴とする。

(2) 作用 前述の本発明の第１の特徴によれば、ポンプを
駆動することにより水槽内の水は第１管路からフ
イルタタンクに吸引され、そのダーテイ室とクリ
ーン室間に設けられたフイルタを通過する際にゴ
ミを除去されて浄化される。浄化された水は、更
に第２管路からポンプを通つて水槽の出水口に還
流する。

フイルタタンク内の上部に空気が溜まつて液面
が低下した状態でポンプを駆動すると、先ずフイ
ルタタンク内に残留した水が第２管路を通つてポ
ンプに吸引され、その際に渦流発生部材によつて
第２管路内に生じた渦流の作用で該第２菅路及び
エア抜き管の内部に負圧が発生する。これによ
り、フイルタタンク内上部の滞留空気がエア抜き
管を介して第２管路側に吸引されこの空気は水と
共に出水口から水槽に排出される。これにより、
フイルタタンク内の液面は速やかに上限まで上昇
し、水槽内の水は吸水口および第１管路を介して
フイルタタンクに取り込まれる。

また本発明の第２の特徴によれば、フイルタタ
ンクを通過した水が更に活性石タンクを通過する
ことにより水質の一層の向上が可能になり、しか
も、この活性石タンクが円筒状に形成したフイル
タタンクの内部に配設されることにより、装置全
体をコンパクトに形成することが可能となる。

(3) 実施例 以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明す
る。

第１図〜第３図は本発明の第１実施例を示すも
ので、第１図はその浄化装置の全体図、第２図は
第１図の部拡大図、第３図は第２図の−線
断面図である。

第１図に示すように、水槽としての浴槽１内の
貯留水を浄化するための浄化装置Ｃは、フイルタ
タンク２、ポンプ３、および活性石タンク４から
構成されており、浴槽１の下部に設けた吸水口５
とフイルタタンク２は第１管路６を介して、フイ
ルタタンク２とポンプ３は第２管路７を介して、
ポンプ３と活性石タンク４は第３管路８を介し
て、活性石タンク４と浴槽１の出水口９は第４管
路１０を介して各々接続されており、これら第１
管路６〜第４管路１０によつて閉じた循環水回路
が構成されている。

フイルタタンク２は有底円筒状の容器１１を備
え、その上部開口は蝶ねじによつて着脱自在なキ
ヤツプ１２によつて密封されている。フイルタタ
ンク２の内部には、前記キヤツプ１２の下面に当
接する輪状の上枠１３と容器１１の底面に当接す
る輪状の下枠１４が円筒形状に形成したの金網１
５によつて保持されており、前記上下の枠１３，
１４の間には特殊繊維で形成したフイルタ１６が
配設されている。フイルタ１６は容器１１および
金網１５と同心の円筒形状に形成されており、そ
の外側と内側にダーテイ室１７とクリーン室１８
が画成されている。

浴槽１の吸水口５とフイルタタンク２のダーテ
イ室１７を接続する第１管路６は容器１１の側壁
に接線方向に連通し、該フイルタタンク２に導入
された水は上方から見て時計方向に回転する水流
を形成する。一方、フイルタタンク２の底壁中央
から該フイルタタンク２のクリーン室１８内部に
延びる第２管路７の上端には渦流発生部材１９が
装着されている。第２図および第３図から明らか
なように、渦流発生部材１９は第２管路７の上端
に嵌合する短管状の部材であつて、その外周の４
カ所には前記第１管路６によつてフイルタタンク
２内に生成する水流と同方向に傾斜したスリ１９
ａを備えている。これにより、前記第１管路２に
よりフイルタタンク２内に生じた回転水流の作用
と相俟つて、第２管路７の内部に強い渦流が生じ
て負圧が発生する。渦流発生部材１９に上部には
エア抜き管２０の下端が嵌合しており、このエア
抜き管２０はフイルタタンク２の中心を上方に延
びて該フイルタタンク２の上部空間に開口してい
る。

第１図に示すように、活性石タンク４は上端が
蝶ねじによつて着脱自在なキヤツプ２１で密閉さ
れた有底円筒状の容器２２を備えており、その内
部には水質を活性化するための多数の麦飯石２３
を収容した内筒２４が同心に配設されている。ポ
ンプ３から延びて第３管路８は容器２２の底室２
５に接続しており、この底室２５は金網２６を介
して前記麦飯石２３を収容した内筒２４に連通し
ている。そして、内筒２４の上部開口は容器２２
と内筒２４の間に形成された側室２７を介して浴
槽１の出水口９に接続する第４管路１０に連通し
ている。

次に、前述の構成を備えた本発明の第１実施例
の作用を説明する。

通常の運転状態ではフイルタタンク２の内部は
水で完全に満たされており、浴槽１の吸水口５か
ら第１管路６を介して外側のダーテイ室１７に導
入された水は、フイルタ１６を通過してゴミを取
り除かれた状態で内側のクリーン室１８に流入す
る。クリーン室１８の水はエア抜き管２０の上端
および渦流発生部材１９のスリツト１９ａから第
２管路７に流入し、そこからポンプ３および第３
管路８を介して活性石タンク４に導入される。活
性石タンク４の内筒２４を通過する際に麦飯石３
に接触して活性化された水は該内筒２４の上端か
らオーバーフローし、更に第４管路を介して浴槽
１の出水口９に還流する。

さて、第１図に示すようにフイルタタンク２の
液面が低下してその上部に空気が溜まつた状態で
ポンプ３を起動すると、フイルタタンク２に接線
方向に接続する第１管路６から流入する水によつ
て該フイルタタンク２内に回転水流が発生する。
更に、フイルタタンク２内の水が渦流発生部材１
９を通過して第２管路７に吸入される際に、前記
水流と同方向に傾斜したスリツト１９ａの作用に
よつて強い渦流が生じ、第２管路７の内部は負圧
傾向となる。その結果、フイルタタンク２の上部
に溜まつた空気はエア抜き管２０の上端から第２
管路７の内部に吸引され、フイルタタンク２の液
面は速やかに上昇する。このようにして、フイル
タタンク２は完全に水で満たされ、その後は渦流
発生部材１９およびエア抜き管２０の両方から第
２管路７に水が導入される。

このとき、活性石タンク４には下端から水が供
給され、しかも浴槽１に接続する第４管路１０が
上端に開口しているので、その液面が低下した場
合であつてもポンプ３の起動と同時に自動的に液
面を上昇させることができる。

第４図および第５図は本発明の第２実施例を示
すもので、第４図はその浄化装置の全体図、第５
図は第４図の−線断線図である。この実施例
はフイルタタンク２の内部に活性石タンク４を配
設した点に特徴を有するもので、同図において先
の実施例と同じ部材には同一の符号が付されてい
る。

第４図に示すように、上部開口がキヤツプ２８
で密閉された有底円筒状の容器２９の内部は、下
端が該容器２９の下部内周に当接し、上端が蓋部
材３０を介して容器２９の上部内周に当接する円
筒状の仕切壁３１によつて外側のフイルタタンク
２と内側の活性石タンク４に仕切られている。フ
イルタタンク２は先の実施例と同様にフイルタ１
６を介してダーテイ室１７とクリーン室１８に画
成されており、外側ダーテイ室１７は第１管路６
を介して浴槽１の吸水口５に接続するとともに、
内側のクリーン室１８は第２管路７を介してポン
プ３に接続している。フイルタタンク２の上端と
前記第２管路７の中間はフイルタタンク２の外部
配設したエア抜き管２０によつて接続されてい
る。第５図から明らかなように、第２管路７とエ
ア抜き管２０を接続する継手３２の内部に設けら
れた渦流発生部材３３は板材を筒状に湾曲させて
その対向部間にスリツト３３ａを形成したもの
で、第２管路７の水平部７ａから前記スリツト３
３ａを通過して垂直部７ｂに流入する水に強い渦
流を発生させるように構成されている。

ポンプ３は第３管路８を介して内部に麦飯石２
３を収納した活性石タンク４の内筒２４に連通し
ており、この内筒２４と仕切壁３１の間に形成さ
れた側室２７の下端は第４管路１０を介して浴槽
１の出水口９に接続している。なお、前記側室２
７の下部にはフイルタタンク２および活性石タン
ク４を通過して温度の低下した水を加熱するため
のヒータ３４が装着されている。

この第２実施例において、通常の運転状態では
先の実施例と同様に、浴槽１の吸水口５から吸引
された水は第１管路６、フイルタタンク２、第２
管路７、ポンプ３、第３管路８、活性石タンク
４、第４管路１０を介して浴槽１の出水口９に還
流して、その間に前記フイルタ１６と麦飯石２３
によつて水の浄化および活性化が図られる。

そして、第４図に示すようにフイルタタンク２
の液面が低下した状態でポンプ３を起動すると、
先ずフイルタタンク２内の水が第２管路７に介装
した渦流発生部材３３を通過し、その際に発生す
る渦流による負圧でフイルタタンク２の上部に溜
まつた空気がエア抜き管２０から第２管路７に吸
引される。その結果、フイルタタンク２内の液面
は速やかに上昇し、やがてフイルタタンク２の内
部は完全に水で満たされる。

而してこの第２実施例によれば、フイルタタン
ク２の内部に活性石タンク４が配設されるので、
浄化装置Ｃをコンパクトに形成することが可能と
なる。

以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明
は、前記実施例に限定されるものではなく、特許
請求の範囲に記載された本発明を逸脱することは
なく、種々の小設計変更を行うことが可能であ
る。

例えば、この浄化装置Ｃは浴槽１の水の浄化に
限らず、その他の水槽の貯留水の浄化にも使用可
能であり、その際、必要に応じて活性石タンク４
は省略することが可能である。

Ｃ 発明の効果 以上のように本発明の第１の特徴によればフイ
ルタタンク内の上部に空気が溜まり液面が低下し
た状態でポンプを起動しても、渦流発生部材によ
つて第２管路内に生じた渦流の吸引作用を以て、
フイルタタンク内上部の滞留空気をエア抜き管を
介して第２管路側に積極的に吸引排出することが
できるため、前記従来のようにフイルタタンク内
への水補給を特別に行わずとも、或いは空気吸引
力の強力なポンプロスの少ない特殊ポンプを特別
に使用せずとも、ポンプ起動時におけるフイルタ
タンク内滞留空気の排出を容易確実にしてポンプ
の空転を防止でき、水槽内の水を確実にフイルタ
タンクの内部に取り入れることができる。

しかも上記滞留空気排出のために上記特殊ポン
プを使用する必要はなく、即ち従来普通のポンプ
の使用が可能であることから、それだけコストの
節減、ポンプ運転音の低減およびポンプの延命に
寄与することができる。

また本発明の第２の特徴によれば、フイルタタ
ンクを通過した水が更に活性石タンクを通過する
ことにより水質の一層の向上が可能になり、しか
も、この活性石タンクが円筒状に形成したフイル
タタンクの内部に配設されることにより、装置全
体をコンパクトに形成することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本発明の第１実施例を示すも
ので、第１図はその浄化装置の全体図、第２図は
第１図の部拡大図、第３図は第２図の−線
断面図、第４図および第５図は本発明の第２実施
例を示すもので、第４図はその浄化装置の全体
図、第５図は第４図の−線断面図である。 １……浴槽（水槽）、２……フイルタタンク、
３……ポンプ、４……活性石タンク、５……吸水
口、６……第１管路、７……第２管路、９……出
水口、１６……フイルタ、１７……ダーテイ室、
１８……クリーン室、１９……渦流発生部材、２
０……エア抜き管、３３……渦流発生部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １水槽１に開口する吸水口５と出水口９を接続す
   る循環水回路に介装されるフイルタタンク２とポ
   ンプ３とを備え、前記フイルタタンク２がフイル
   タ１６を挟んでダーテイ室１７とクリーン室１８
   に画成されると共に、このダーテイ室１７が第１
   管路６を介して前記水槽１の吸水口５に、クリー
   ン室１８が第２管路７を介して前記ポンプ３に接
   続され、前記第２管路７とフイルタタンク２内の
   上部とがエア抜き管２０で接続されてなる、水槽
   内貯留水の浄化装置において、前記フイルタタン
   ク２内の上部に滞留する空気を前記エア抜き管２
   ０を通して第２管路７内に吸引し得る渦流をポン
   プ３起動に伴い第２管路７内の水流に生じさせる
   渦流発生部材１９，３３を備えることを特徴とす
   る、水槽内貯留水の浄化装置。 ２ 前記フイルタタンク２を円筒状に形成し、そ
   の内部空間に前記ポンプ３と水槽１の出水口９間
   に介装される活性石タンク４を配設したことを特
   徴する、請求項１記載の水槽内貯留水の浄化装
   置。