JPH0449960B2 - - Google Patents

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JPH0449960B2
JPH0449960B2 JP59132385A JP13238584A JPH0449960B2 JP H0449960 B2 JPH0449960 B2 JP H0449960B2 JP 59132385 A JP59132385 A JP 59132385A JP 13238584 A JP13238584 A JP 13238584A JP H0449960 B2 JPH0449960 B2 JP H0449960B2
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residual
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JP59132385A
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Satoru Taguchi
Takayuki Ishikawa
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NEC Corp
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Nippon Electric Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0449960B2 publication Critical patent/JPH0449960B2/ja
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【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は残差励振型ボコーダ、特にスペクトル
包絡情報をパタンマツチング手段により伝送する
手段と残差波形の高域周波数成分を分析側で再生
する手段とを備えた残差励振型ボコーダに関す
る。
〔従来技術〕 入力音声信号をLPC(Linear Prediction
Coefficient、線形予測係数)分析して得られる
LPC係数とともに波形情報としての残差波形の
うち予め設定する領域の低域周波数成分に関する
情報を分析側から合成側に伝送し、合成側では入
力した低域周波数成分を利用して復元して高域周
波数成分とともに残差波形を合成し、これと
LPC係数とによつて合成フイルタを動作せしめ
て高品質の入力音声信号の再生を行なう残差励振
型ボコーダはRELP(Residual Exciting Linear
Prediction vocoder)の略称によつてもよく知ら
れている。
このRELPは、LPC係数とともに、モデル化し
た残差波形を分析側から合成側に送出する従来の
一般的なボコーダに比して、残差波形の1部の低
域周波数成分をモデル化を介することなく分析側
から合成側に送出するという形式で波形の一部伝
送を行なつている点で基本的に再生音質が優れて
り、4.8Kb/s(キロビツト/秒)程度の従来タ
イプのボコーダの伝送ビツトレート帯域でも高品
質の再生音が得られるCODEC(COder
DECorder、コーデツク)として近時多用されつ
つある。
しかしながら、従来のこの種のRELPにあつて
は、分析側から合成側に供給する残差波形情報は
利用可能なデータビツトレートの関係から予め設
定する周波数領域の低域周波数成分に限定されて
おり、高域周波数成分はこの低域周波数成分を合
成側で非線形回路に印加してその高調波成分とし
て得られるものを位相情報は無視して単純加算す
るのが基本的手法となつており、位相の再現性が
得られないため再生音声の波形が入力音声信号と
異なつたいわゆるRELP音と言われる再生歪が発
生する欠点があることはよく知られている。
このようなRELP音を改善するために分析側に
高域周波数再生手段を設けた残差励振型ボコーダ
が近時利用されつつある。これは合成側で残差波
形を再生するために使用されるトランスバーサル
型の高域再生フイルタのタツプ係数を分析側で推
定したうえ合成側に供給するものであり、合成側
で使用する高域再生フイルタと同じ構成のトラン
スバーサルフイルタを対象とし、低域周波数と合
成すべき高域周波数に対する位相条件を含むイン
パルスレスポンス特性の設定すなわちタツプ係数
の設定を実施したうえ、これを合成側に供給する
ものである。
しかしながら、従来のこの種の残差励振型ボコ
ーダにおいては、合成側で発生する高周波成分は
分析側から供給を受けた低域周波数成分を非線形
回路に印加することによつて生成される高調波分
を利用しているため所望の高域周波数再生が得難
いことがしばしば発生するという欠点がある。
又、従来のこの種の残差励振型ボコーダにおい
てはLPC係数を直接的に量子化して伝送してい
るために、残差波形に十分な情報量を割当てるこ
とが困難となり、高音質の再生音を得難いことが
しばしば発生するという欠点がある。
〔発明の目的〕
本発明の目的は上述した欠点を除去しスペクト
ル包絡情報をパタンマツチング手段により伝送す
る手段を有し、且つ、高域周波数成分再生手段を
分析側に備えた残差励振型ボコーダにおいて、残
差波形低域周波数成分のダウンサンプル値を零レ
べルサンプルの内挿を介して基準サンプリング変
換標本系列としたサンプルを利用しかつ非線形回
路を利用することなく高域再生フイルタのタツプ
係数を推定する手段を備えて入力音声信号の分析
ならびに合成を図ることにより、大幅なRELP音
の改善が安定かつ確実に図れる残差励振型ボコー
ダを提供することにある。
〔発明の構成〕
本発明によれば、入力音声信号のスペクトル包
絡特性を予め準備した標準パタンと照合し、標準
パタンに付されたラベルをスペクトル包絡特性を
示す情報として分析側から合成側へ伝送する第1
の手段と、予め設定する基準サンプリング周波数
に対応して入力音声信号の残差波形の基準サンプ
ル系列を求める第2の手段と、前記基準サンプリ
ング周波数を予め設定する割合で減周したダウン
サンプリング周波数に対応して残差波形の低域周
波数成分のダウンサンプル系列を求める第3の手
段と、前記基準サンプリング周波数のタイミング
で前記ダウンサンプル系列に零レベルの内挿点を
設定しつつ形成する前記残差波形の前記低域周波
数成分の基準サンプリング変換標本系列と前記残
差波形の前記基準サンプル系列とにもとづきかつ
非線形回路を介することなく合成側に備えるべき
トランスバーサル型の高域再生フイルタの係数を
推定した合成側へ伝送される前記係数を出力する
第4の手段を備えて成ることを特徴とする残差励
振型ボコーダが得られる。
また本発明の他の特徴によれば、入力音声信号
のスペクトル包絡特性を予め準備した標準パタン
と照合し、複数のパタン候補を予備的に選択し、
各パタン候補についてそれぞれ合成側に備えるべ
きトランスバーサル型の高域再生フイルタの係数
を分析側で推定する第1の手段と、更に、各パタ
ン候補に対応する入力音声信号と合成音声信号と
のS/N比を求める第2の手段と、前記第2の手
段の出力を受け最もS/N比のよいパタン候補に
付されたラベルをスペクトル包絡特性を示す情報
として分析側から合成側へ伝送する第3の手段
と、予め設定する基準サンプリング周波数に対応
して入力音声信号の残差波形の基準サンプル系列
を求める第4の手段と、前記基準サンプリング周
波数を予め設定する割合で減周したダウンサンプ
リング周波数に対応して前記残差波形の低域周波
数成分のダウンサンプル系列を求める第5の手段
と、前記基準サンプリング周波数のタイミングで
前記ダウンサンプル系列に零レベルの内挿点を設
定しつつ形成する前記残差波形の低域周波数成分
の基準サンプリング変換標本系列と前記残差波形
の前記基準サンプル系列とにもとづきかつ非線形
回路を介することなく合成側に備えるべきトラン
スバーサル型の高域再生フイルタの係数を推定し
合成側へ伝送される前記係数を出力する第6の手
段を備えて成ることを特徴とする残差励振型ボコ
ーダが得られる。
〔実施例〕
次に図面を参照して本発明を詳細に説明する。
第1図Aは本発明による残差励振型ボコーダの第
一の実施例の分析側の構成を示すブロツク図、第
1図Bは合成側の構成を示すブロツク図である。
第1の実施例は入力音声信号のスペクトル包絡
情報をパタンマツチング手段により伝送するに当
り、入力音声信号を分析して得られるLPC係数
と最もスペクトル距離の小さな標準パタンを選択
し、前記パタンに対応するラベルを伝送する形式
のものである。
第1図Aに示す分析側はA/Dコンバータ1、
LPC分析器2、量子化/復号化器3、LPC逆フ
イルタ4、LPF(Low Pass Filter、ローパスル
イルタ)5、ダウンサンプラ6,量子化/復号化
器7、フイルタ係数推定器(1)8、量子化器9、電
力算出器10、量子化器11および多重化器12
を備えて構成され、また第1図Bに示す合成側は
多重分離・復号化器13、高域再生フイルタ1
4、乗算器15、LPC合成フイルタ16および
D/Aコンバータ17を備えて構成される。
入力端子101から入力した音声信号は、A/
Dコンバータ1に供給され予め設定する高域周波
数、本実施例では3.4KHz以上の成分をカツトす
る低域フイルタリングを実施したのち、予め設定
する基準サンプリング周波数8KHzでサンプリン
グしたうえ所定のビツト数のデジタル量に変換し
量子化入力音声データとしてLPC分析器2およ
びLPC逆フイルタ4に送出される。8KHzのサン
プリング周波数は入力音声信号の最高周波数を
3.4KHzと設定した条件のもとでナイキストレー
トを勘案して決定されたものである。LPC分析
器2は、このようにして入力する量子化入力音声
データに対し予め設定する窓関数を乗算するウイ
ンドウ処理を基本フレーム周期ごとに次次に実施
したうえ基本フレームごとに計測する自己相関係
数を利用しよく知られるAuto Correlation(自己
相関)法による手法で所定の次数のLPC係数を
抽出するLPC分析を行なう。
このよにしてLPC分析器2から出力される
LPC係数は量子化/復号化器3によつて量子化
され多重化器12に供給されるとともに、またこ
の量子化LPC係数データをいつたん復号化した
うえLPC逆フイルタ4に供給する。量子化/復
号化器3はパタンマツチング処理によりLPC係
数を分析し、LPC係数データをパタンのラベル
という形式で符号化し、更にLPC係数に復号化
するものである。第10図は量子化/復号化器3
の構成の一例を示すブロツク図である。以下、第
10図を用いて量子化/復号化器3を詳しく説明
する。
LPC分析器2から出力されるLPC係数はパタ
ン照合プロセツサ1001へ供給される。パタン
照合プロセツサ1001は入力されたLPC係数
と最も空間ベクトル距離が近い標準パタンを標準
パタンメモリ1002に記憶されている複数の標
準パタン(本実施例では4096=212)から選択す
る。(以後、この選択処理を「マツチング」と云
う)。
次にマツチングの原理を簡単に説明する。この
マツチングはマツチング特性が全般的にすぐれて
いるもの、すなわち全周波数範囲にわたつて空間
ベクトル距離、いわゆるスペクトル距離が接近し
ているものを標準パタンから選択する。
N次のLPC係数のそれぞれはN次のパラメー
タ空間におけるひとつの空間ベクトルを表わすも
のと考えることができ、従つてLPC係数による
周波数間の空間ベクトルを表わすスペクトル距離
は二つのLSP係数の近似度を表わすマツチング尺
度として利用されることはよく知られている。
上述した標準パタンは予め音声資料をLPC分
析して得られる標準的LPC係数の分布パタンで
あり、予め設定する種類、本実施例では212種類
を用意し、またスペクトル距離は次の(1)式に示す
Dijによつて基本的に示される。
Dij=1π/π0{Si(w)−Sj(w)}2dw ……(1) 言(1)式においてi,jはそれぞれLPC分析にお
ける処理単位区間としてのフレーム番号、Si
(w),Sj(w)はフレームi,jの対数スペクト
ルである。(1)式は通常次の(2)式の近似式に変換利
用される。
DijNk=1 Wk{Pk(i)−Pk(j)2 ……(2) (2)式においてPk(i),Pk(j)はフレームiおよび
jにおけるN次のLPC係数、WkはN次のLPCス
ペクトル感度である。上述したNは全極型の
LPCデジタルフイルタの次数、本実施例にあつ
ては10と対応し、そのLPC係数α1,α2,…α10
示す。さらにN次のスペクトル感度WkはN次、
本実施例の場合は10次のLPC係数の微少変化に
よつて発生するスペクトル変化の程度を示す。
再び第10図を用いて説明する。パタン照合プ
ロセツサ1001はLPC係数が入力されると、
最小距離レジスタ1004を経験的に知られてい
る前記(2)式に示すDijの最大値よりも大きな値Do
に初期設定する。更にラベルレジスタ1005を
例えば“4096”に初期設定する。次にパタン照合
プロセツサ1001は標準パタンに付されたラベ
ル“0”に相等するスタート番地0〓10=0(0
〓10の10はLPCの次数10に相等する)を標準パ
タンメモリ1002へ、LPC係数α1に対応する
スペクトル感度W1を指定する番地0をスペクト
ル感度メモリ1003へ出力し、スペクトル距離
Dを“0”に設定する。次にパタン照合プロセツ
サ1001は標準パタンメモリ1002より出力
されるラベル“0”の標準パタンのα1 (o)(前記(2)
式に於いてP1 (i)に相等する)とスペクトル感度メ
モリ1003より出力されるスペクトル感度W1
と、LPC分析器2より供給されたLPC係数の第
1番目の係数α1 (I)(前記(2)式に於いてP1 (i)に相等
する)とから、 D=W1(α1 (0)−α1 (I)2 を算出する。次にパタン照合プロセツサ1001
は標準パタンメモリ1002に出力している番地
データをインクリメントし、即ち0+1=1と
し、更にスペクトル感度メモリ1003へ出力し
ている番地データをインクリメントし、即ち0+
1=1とし、α2 (0),W2を入力する。パタン照合
プロセツサ1001は前記求めたDにW2(α2 (0)
α2 (I)2で算出される量を加算し D=W1(α1 (0)−α1 (I)2+W2(α2 (0)−α2 (I)22K=1 Wk(αk (0)−αk (I)2 を求める。以下同様にパタン照合プロセツサ10
01は標準パタンメモリ1002へ番地データを
2,3,4,…10と次々に、スペクトル感度メモ
リ1003へ番地データを2,3,4,…と次々
に与え D=10k=1 Wk(αk (0)−αk (I)2 …… (3) を算出する。
(3)式で与えられるDは標準パタンα(0)と入力
LPC係数データα(I)との距離D0Iである。
次にパタン照合プロセツサ1001は最小距離
レジスタ1004に記憶されているデータD0
前記D0Iとを比較し、D0>D0Iの場合には、最小距
離レジスタ1004にD0としてD0Iを再設定し、
更にラベルレジスタ1005にラベル”0”を示
す”0”を再設定する。D0>D0Iの場合にはパタ
ン照合プロセツサ1001は最小距離レジスタ1
004とラベルレジスタ1005とに対する再設
定は実施しない。D0=D0Iの場合は、前記再設定
は実施しても、しなくともよい。
次にパタン照合プロセツサ1001は標準パタ
ンに付されたラベル”1”に相等するスタート番
地1〓10=10を標準パタンメモリ1002へ、
LPC係数α1に対応するスペクトル感度W1を指定
する番地”0”をスペクトル感度メモリ1003
へ出力し、スペクトル距離Dを”0”に設定す
る。更にパタン照合プロセツサ1001はラベ
ル”1”の標準パタンのα1 (1)と前記のW1と前記
のα1 (I)とからD=W1(α1 (1)−α1 (I)2を算出する
。次
にパタン照合プロセツサ1001は標準パタンメ
モリ1002へ供給する番地データを11,12,…
20と次々に与え、スペクトル感度メモリ1003
へ供給する番地データを1,2,…10と次々と与
えて D=10k=1 Wk(αk (1)−αk (I)2 ……(4) を算出する。(4)式で与えられるDは標準パタン
α(1)と入力LPC係数データα(I)との距離D1Iである。
次にパタン照合プロセツサ901は最小距離レジ
スタ904に記憶されているデータD0と前記D1I
とを比較し適宜、最小距離レジスタ1004とラ
ベルレジスタ1005とを書替える。
以下、次々にラベル”2”,”3”,…,”4095”
の標準パタンとの照合を実施する。
最後にパタン照合プロセツサ1001はラベル
レジスタの内容を符号化データとして多重化器1
2へ出力し、ラベルレジスタの内容に対応する標
準パタンデータを復号化データとしてLPC逆フ
イルタ4へ出力する。
再び第1図に戻つて説明する。
LPC逆フイルタ4は、第1図Bに示す合成側
のLPC合成フイルタ16とはインパルス応答特
性が逆特性のフイルタであり、かつLPC合成フ
イルタ16と量子化誤差による影響を同一のもの
とするため量子化/復号化器3でいつたん復号化
したLPC係数データを受け、これによりA/D
コンバータ1の出力から受ける量子化入力音声デ
ータの残差波形に関するデータのみを抽出し、こ
れをLPF5、フイルタ係数推定器(1)8、電力算
出器10に供給する。
LPF5はボコーダのデータビツトレートその
他の条件を勘案して設定する高域遮断特性を有す
るローパスフイルタであり、LPC逆フイルタ4
から受ける残差波形のうち、1KHzを高域遮断周
波数として残差波形のうち1KHz以下の低域周波
数成分をダウンサンプラ6に供給する。
ダウンサンプラ6は、入力した1KHz以下の低
域周波数成分を基準サンプリング周波数を予め設
定する割合、本実施例では1/4にダウンしたダウ
ンサンプリング周波数2KHzによつてサンプリン
グしてこれを量子化/復号化器7に送出する。
量子化/復号化器7は、こうして入力した残差
波形低域周波数成分を量子化してこれを多重化器
12に送出するとともに、これを復号化したデー
タをフイルタ係数推定器(1)8に供給する。このフ
イルタ係数推定器(1)8に供給するダウンサンプリ
ングデータを量子化/復号化器7による復号化処
理ずみのデータとするのは、合成側における高域
再生フイルタ14における量子化誤差の影響とフ
イルタ係数推定器(1)8における量子化誤差の影響
とをほぼ同一の状態とするためである。
なお、量子化/復号化器7における残差波形低
域周波数成分の量子化、復号化処理は本実施例で
は後述する電力算出器10より供給される電力デ
ータにより、正規化して実行される。正規化処理
により残差波形低域周波数成分の量子化を効率よ
く行なつている。
フイルタ係数推定器(1)8はLPC逆フイルタ4
からは8KHzの基準サンプリング周波数による残
差波形のサンプル系列を入力し、また量子化/復
号化器7からは2KHzのダウンサンプリング周波
数による残差波形低域周波数成分のダウンサンプ
ル系列を入力し次のようにして合成側に備えるべ
き高域再生フイルタのタツプ係数の推定を実施す
る。
第2図aは第1図A,Bに示す本発明第一の実
施例において入力音声信号の残差波形を基準サン
プリング周波数でサンプリングした残差波形の一
例を示す残差波形基準サンプル標本図、第2図b
は残差波形の低域周波数成分をダウンサンプリン
グ周波数でサンプリングしたダウンサンプルの一
例を示すダウンサンプル標本図、第2図cは第2
図cに示す残差波形低域周波数成分のダウンサン
プル標本に対し基準サンプリング周波数に対応す
る基準サンプリング変換を実施した残差波形低域
周波数成分基準サンプリング変換標本系列であ
る。以下に第2図a,bおよびcを参照しつつ第
1図A,Bの実施例について説明する。
第2図aに示す残差波形標本列は、LPC逆フ
イルタ4からの8KHzサンプリング出力であり、
第2図bに示す残差波形低域周波数成分ダウンサ
ンプル標本は量子化/復号化器7による2KHzサ
ンプリング出力で、これをさらに8KHzの基準サ
ンプリング周波数による標本に変換したのが第2
図cに示すa1,a2,a3,a4,a5,a6およびb1〜b5
の標本群である。これらの標本群のうちa1〜a6
第2図bに示す標本に対応するものであり、また
b1〜b5は標本a1〜a6間に間に内挿され全体として
8KHzの基準サンプリング変換を図るために等間
隔に配列された零レベルの標本点であり、このよ
うにして恰も8KHzの基準サンプリング周波数に
よる標本と同様なイメージで残差波形低域周波数
成分のダウンサンプル標本の基準サンプリング変
換が図れる。
フイルタ係数推定器(1)8はこのようにして2K
Hzのダウンサンプル周波数によるダウンサンプル
標本化列を8KHzの基準サンプリング周波数によ
る標本化イメージで系列化し、これを合成側に備
えるべき高域再生フイルタとしてのトランスバー
サルフイルタと同様な内蔵フイルタの入力として
供給する。このトランスバーサルフイルタのタツ
プ係数は音声資料等にもとづいて予め設定する初
期値から次のようにして学習同定法あるいはA−
b−S(Analysis−by−Synthesis)法等の手法
にもとづき分析フレームごとに制御されつつ決定
される。
すなわち、フイルタ係数推定器(1)8に第2図b
に示す2KHzサンプリングの残差波形低域周波数
成分の標本化系列が入力されるこれは第2図bに
示す8KHzサンプリングイメージ標本化系列に変
換されて内蔵トランスバーサルフイルタに印加さ
れ、音声資料等にもとづいて予め設定するタツプ
係数初期値を付与したトランスバーサルフイルタ
出力と、別に入力する第2図aに示す如き残差波
形の8KHzサンプリング標本化系列とを比較する
ことによつて得られる誤差出力を得る。本実施例
の場合はこの誤差出力の電力を算出しこの誤差電
力の大きさに対応してトランスバーサルフイルタ
の係数を分析フレームごとに制御しつつ誤差電力
の最小化が図れるようなフイルタ係数の推定を学
習同定法やA−b−S法等の手法によつて実施す
る。
第3図は第1図Aに示すフイルタ係数推定器(1)
8の構成を詳細に示すブロツク図である。
フイルタ係数推定器(1)8は合成側に備えるべき
高域再生フイルタと基本的に同一構成のトランス
バーサルフイルタ81、減算器82および電力算
出器83を備えて構成され、トランスバーサルフ
イルタ81には量子化/復号化器7の出力のうち
第2図bに示す如き残差波形低域周波数成分ダウ
ンサンプルが入力され、また8KHzサンプリング
周波数の供給をうけつつ次のようにしてフイルタ
係数の推定を行なう。
すなわち、トランスバーサルフイルタ81は、
第2図bに示すような残差波形低域周波数成分ダ
ウンサンプルを入力するとこれにもとづいて第2
図cの如き残差波形低域周波数成分の基準サンプ
リング変換標本化系列に変換、初期設定タツプ係
数によるトランスバーサルフイルタ出力を出力ラ
イン811を介して減算器82に送出、LPC逆
フイルタ4の出力する残差波形との差をとりこの
誤差出力を出力ライン821を介して電力算出器
83に供給、その電力を算出する。
フイルタ係数推定器(1)8はこうして算出された
誤差電力にもとづいてトランスバーサルフイルタ
81のタツプ係数の制御を実施しつつ誤差電力の
最小化が図れたときのタツプ係数推定フイルタ係
数として出力し量子化器9によつて量子化データ
としたのち多重化器12に供給する。
このようにして残差波形の低域周波数成分のダ
ウンサンプルの8KHzサンプリングイメージ標本
化系列を図つたうえ学習同定法やA−b−S法に
もとづき非線形回路を用いることなくフイルタの
係数の推定が可能となる。
電力算出器10は残差波形を入力し、分析フレ
ームごとの短時間平均音声電力を算出しこれを量
子化器11と量子化/復号化器7とに送出、所定
の量子化を施したうえ多重化器12に供給する。
この短時間平均音声電力は、合成側でLPC合
成フイルタ16によつて入力音声信号を再生する
場合、再生すべき音声のレベル設定のために利用
されるが、入力音声信号のレベルが長時間にわた
つてほぼ一定であるときなどはこのデータ送出は
不要である。
多重化器12はこうして供給された各量子化デ
ータを予め設定する方式で多重化して伝送路を介
して合成側に送出する。
第1図Bの合成側では多重化されて分析側から
供給された各量子化データを多重分離・復号化器
13によつて多重化分離し、さらに復号化したう
え、第2図bに示す如き残差波形低域周波数成分
のダウンサンプリング標本化データは出力ライン
1301を介して高域再生フイルタ14に、また
推定フイルタ係数データも出力ライン1302を
介して高域再生フイルタ14に供給される。また
短時間平均音声電力データは入力ライン1303
を介して乗算器16に、更にラベルの形式に変換
されているLPC係数データは多重分離・復号化
器13に内蔵されている、分析側に有する標準パ
タンメモリ1002と同一のメモリより復号化さ
れたLPC係数データを読出し、出力ライン13
04を介してLPC合成フイルタ16にそれぞれ
供給される。
高域再生フイルタ14は、推定フイルタ係数を
タツプ係数とするトランスバーサルフイルタを内
蔵し、入力したダウンサンプリング標本化サンプ
ルをいつたん第2図cに示す如く8KHzサンプリ
ングイメージの標本に変換してこれをフイルタ入
力として第2図aに示す如き8KHzサンプリング
の残差波形データを再生する。この残差波形デー
タは乗算器15に供給され、入力ライン1303
を介して入力する短時間平均音声電力との乗算を
介して再生残差波形データのレベル修正を行なつ
たうえこれをLPC合成フイルタ16に供給する。
LPC合成フイルタ16は、入力ライン130
4を介して入力するLPC係数をフイルタ係数と
し、再生残差波形データを駆動音源情報として入
力音声信号をデジタル的に再生しこれをD/Aコ
ンバータ17に供給、アナログ量に変換したうえ
さらに内蔵LPFによつて所定の低域周波数成分
だけを出力端子1701に出力する。
第4図は本発明第二の実施例における分析側の
構成を示すブロツク図である。第4図に示す分析
側の構成はフイルタ係数推定器(2)18の内容のみ
が第1図A、第3図と異なるのみであり、他の同
一記号のものは全く同様であるのでこれらに関す
る詳細な説明は省略する。
また第二の実施例における合成側は第1図Bに
示す第一の実施例における合成側と同一の構成で
あるのでこれについても詳細な説明は省略する。
第4図に示す第二の実施例におけるフイルタ係
数推定器(2)18は、第1図Aに示すフイルタ係数
推定器(1)8がいわゆる学習同定法医やA−b−S
法等によつて入力音声信号の残差波形との差を最
小ならしめるインパルス応答をもつトランスバー
サルフイルタのフイルタ係数を推定しようとする
ものであるのに対し、フイルタ係数を遂次的に変
化しつつ最適インパルス応答をもつトランスバー
サルフイルタを決定しようとする、いわゆるフオ
ワード的フイルタ係数設定手法によつてフイルタ
係数を推定する点が異る。
第5図は第4図に示すフイルタ係数推定器(2)1
8の構成を詳細に示すブロツク図である。
第5図のフイルタ係数推定器(2)18は、相互相
関回路181、自己相関回路182および最大値
検索回路183を備えて構成される。
第2図bに示すような残差波形低域周波数成分
ダウンサンプルが量子化/復号化器7から相互相
関回路181と自己相関回路182に供給される
と、相互相関回路181は2KHzのダウンサンプ
リング周波数によるこのダウンサンプルを第2図
cの如く零レベルサンプルを内挿させながら見掛
上8KHzサンプリング標本化系列に変換したうえ
これとLPC逆フイルタ4から出力される第2図
aに示すような8KHzサンプリングの残差波形と
の相互相関係数を算出しこれを最大値検索回路1
83に送出する。
また自己相関回路182は、2KHzのダウンサ
ンプリング周波数によるダウンサンプル波形の零
レベル内挿による8KHzサンプルイメージ化を図
つて第2図cに示す如き標本化系列を発生したう
え、この8KHzイメージ化サンプルの自己相関係
数列を算出する。これら相互相関係数列と自己相
関係数列の算出には8KHzサンプリング周波数が
利用される。
さて、最大値検索回路183に供給される相互
相関係数列は予め設定する限定された遅れ時間内
でその最大値を検索する。この場合前記遅れ時間
に対応するタツプ位置がたとえばタツプγであり
かつこのタツプγにおける相互相関係数をφγと
し、また自己相関回路182において得られる自
己相関係数列の遅れ零における自己相関係数を
ψοとすると、φγをψοで除した値Cγ=φγ/ψο

トランスバーサルフイルタのタツプγにおけるタ
ツプ係数となる。
次いで、前述した相互相関係数列からCγ倍さ
れた前記自己相関係数列をタツプ位置γを自己相
関値ψοの位置に一致して減ずる演算を実施し、
このような演算を繰返しつつCγを次次に求めて
トランスバーサルフイルタの全フイルタ係数を決
定しこれを推定フイルタ係数として出力する。第
5図に示す補正メツセージはこのようにしてCγ
を次次に演算、出力するために必要とするデータ
である。
こうしてトランスバーサルフイルタの係数の連
続的変化のもとに最大インパルス応答を得るフオ
ワード的係数設定が実施でき、RELP音を大幅に
抑圧した残差励振型ボコーダの分析と合成処理が
安定、確実に行なうことができる。
第6図A,Bはそれぞれ本発明の第三の実施例
における分析側Aおよび合成側Bの構成を示すブ
ロツク図である。
第6図Aにおいてはフイルタ係数推定器(3)19
が、また第6図Bにおいては係数再生器(1)20お
よび高域再生フイルタ21がそれぞれ第1図A,
Bにおけるものと異なるかもしくは追加されてい
るのみで、他はすべで同一であるのでこれらに関
する詳細な説明は省略する。
第6図Aに示すフイルタ係数推定器(3)19は、
第1図Aに示すフイルタ係数推定器(1)8のほかに
零位相化回路等を備えて構成され、前者で得られ
た合成側の高域再生フイルタの推定係数をさらに
位相線形フイルタの係数に変換し、零位相位をは
かつたうえ出力する。
第7図Aは第6図Aに示す第三の実施例の分析
側において形成する高域再生フイルタ予測係数特
性図、第7図Bは第7図Aの零位相化予測係数特
性図である。以下第7図A,Bを参照しながら第
6図A,Bの実施例を説明する。
フイルタ係数推定器(3)19は、まず第1図Aに
示すフイルタ係数推定器(1)8とほぼ同様にして第
7図Aに示すような推定フイルタ係数を発生す
る。次にこの推定フイルタ係数はトランスバーサ
ルフイルタによる複素スペクトルとしての係数群
からほぼ同じインパルス応答特性を示す位相線形
フイルタによるパワースペクトルとしての第7図
Bに示す係数群に変換される。この変換によつて
形成される係数群は位相情報は失つてしまうが第
7図Aにおけるトランスバーサルフイルタ係数群
と同一のタツプ数でエネルギー中心位置は不変、
かつ左右対象なタツプ係数すなわちインパルス応
答列が得られる。このようにエネルギー中心位置
が不変であれば位相情報を失つても高域再生フイ
ルタの係数として実用上殆んど問題はない。
さて第7図Bに示す位相線形フイルタ係数群は
左右対称性を有するのでエネルギー中心位置から
左右いずれか、全体のほぼ1/2のみを推定係数と
して合成側に送出しても容易に全体を再生するこ
とが可能である。フイルタ係数推定器(3)19から
はこのような理由から全体係数群のほぼ1/2の係
数群のみが量子化器9に送出され、所定の量子化
を施されて多重化器12に供給され他の量子化デ
ータとともに多重化されて第6図Bの合成側に伝
送される。
第6図Bに示す合成側では多重分離・復号化器
13から出力ライン1301を介して多重化分
離、復号化した推定係数データを係数再生器(1)2
0に供給する。このようにして供給される推定係
数データは第6図Bに示す係数群の中心タツプ位
置ぶんを含みほぼ1/2である。係数再生器(1)20
はこの係数群にもとづき再び第7図Bに示す対称
化係数群を再生したのちこれら係数群をタツプ係
数として構成されるトランスバーサルフイルタを
利用する高域再生フイルタ21に供給し、他は第
1図B等によつて説明したとほぼ同様にして再生
入力音声信号を出力端子1701に出力し、かく
して推定係数の伝送データビツトレートを大幅に
低減した分析、合成が可能となる。
第8図A,Bは本発明の第四の実施例における
分析側Aおよび合成側Bの構成を示すブロツク図
である。
第8図Aはフイルタ係数推定器(4)22が、また
第8図Bは係数再生器(2)23および高域再生フイ
ルタ24以外はそれぞれ第1図A,Bと同様であ
るのでこれらに関する詳細な説明は省略する。
第8図A,Bに示す第四の実施例は、第1図A
に示すフイルタ係数推定器(1)8と同様にして得ら
れる高域再生フイルタのタツプ係数群をこれとほ
ぼ同一の電力スペクトルを有しかつエネルギー中
心位置は不変である三角形包絡配列の推定係数列
となるように変換し、分析側から合成側にはこの
三角波包絡を構成する変換推定係数列と実変換系
数列との差の成分のみを伝送するという方法で伝
送データレートの減少を図るものである。
第9図Aは第8図Aに示す第四の実施例の分析
側において形成する高域再生フイルタ予測係数特
性図であり、第7図Aと基本的にほぼ同一の内容
を示し、第9図Bは第9図Aの推定係数群をほぼ
同一電力スペクトルに保ちつつ得られる三角形包
絡分布変換特性図である。
第9図Bは第9図Aの係数群に対しその概略的
な包絡線が所望の三角形状となるように変換され
る。この変換は第9図Aに示す係数群をフーリエ
変換し、所望の三角形状の係数が有する位相推移
に一致するように、第9図Aのフーリエ変換値を
位相調整することにより実現される。
変換係数群の包絡が三角形状となるようにする
動機は、一般的に声帯振動波形が三角形の波形を
とることにもとづいて配慮したものであり、この
ような変換によつて位相情報を喪失しても、この
包絡形状とエネルギー中心位置不変の係数配列特
性から合成による再生音声品質には殆んど影響を
与えないで済む。
こうして、三角形の包絡分布を示しかつほぼ同
一の電力スペクトルを有するような係数系列に変
換されたあと所望の三角形状との差成分のみをフ
イルタ係数推定器(4)22から出力し量子化器9を
介して量子化データとして多重化器12に送出、
これから合成側に伝送する。
第8図Bに示す合成側は、多重分離・復号化器
13によつて復号再生した所望の三角形状との差
成分を出力ライン1301を介して係数再生器(2)
23に供給し、これにより分析側で減じた所望の
三角形状を付加して係数群を再生、これらを高域
再生フイルタ24に供給する。
高域再生フイルタ24は、これら係数群をその
タツプ係数とし、かつ出力ライン1302を介し
て8KHzサンプリングイメージ化を図つた残差波
形低域周波数成分を入力として高域周波数成分を
含む全残差波形を再生する。
合成側はこのあと、第1図Bに示す内容と同一
の再生動作を実施して入力音声信号を再生し、か
くしてRELP音を基本的に除去するとともに高域
再生フイルタのタツプ係数の伝送データビツトレ
ートを著しく低減した分析、合成処理が可能とな
る。
尚、上述の説明では第1図A、第4図、第6図
A、第8図Aに各々電力算出器10を備え、第1
図B、第6図B、第8図Bに各々乗算器15を備
えていたが、量子化/復号化器7の残差波形低域
周波数成分の量子化、復号化処理に関する電力デ
ータによる正規化処理を行なわず、絶対レベルの
量子化、復号化処理を行なうのであれば、前記電
力算出器10と乗算器15とは不要である。
第11図は本発明第五の実施例における分析側
の構成を示すブロツク図である。第11図に示す
分析側に於いて第1図に示す第1の実施例と同一
の構成のものは同一の記号が付されており、これ
らに関する詳細な説明は省略する。
また第五の実施例における合成側は第1図Bに
示す第1の実施例における合成側と同一の構成で
あるので、これについても詳細な説明は省略す
る。
第11図に示す第5の実施例は入力音声信号の
スペクトル包絡情報をパタンマツチング手段によ
り伝送するに当り、 1 入力音声を分析して得られるLPC係数と最
もスペクトル距離の小さな標準パタンと、2番
目にスペクトル距離の小さな標準パタンとの2
種類の標準パタン候補を予備的に選択し、 2 前記選択された2種類の標準パタン候補の
各々を用いて、各々独立に前述の第1の実施例
に於ける残差波形の算出、フイルタ係数推定等
の一連の分析処理を実行し、更に本来、合成側
で実行される音声再生処理を実行する。
3 更に2種類の予備的に選択された標準パタン
候補に対応する2種類の再生音声各々と入力音
声とのS/N比を測定する。
4 前記S/N比の良好な標準パタン候補を標準
パタンと決定する。
ことにより、残差励振型ボコーダに於いて、より
適切なパタンマツチングを行なうものである。
A/Dコンバータ1は出力をLPC分析器2お
よび波形メモリ29へ出力する。LPC分析器2
は分析したLPC係数を量子化/復号化器25へ
出力する。量子化/復号化器25は例えば第12
図に示す構成であり、量子化/復号化器3に補助
ラベルレジスタ1201を追加して構成されるも
のである。以下、第12図を用いて量子化/復号
化器25を説明する。パタン照合プロセツサ10
01はLPC係数が入力されると、最小距離レジ
スタ1004を経験的に知られている前記(2)式に
示すDijの最大値よりも大きな値D0に初期設定す
る。更にラベルレジスタ1005と補助ラベルレ
ジスタ1201を例えば”4096”に初期設定す
る。次にパタン照合プロセツサ1001は標準パ
タンに付されたラベル”0”に相等するスタート
番地0〓10=0(0〓10の10はLPCの次数10に相
等する)を標準パタンメモリ1002へ、LPC
係数α1に対応するスペクトル感度W1を指定する
番地0をスペクトル感度メモリ1003へ出力
し、スペクトル距離Dを”0”に設定する。次に
パタン照合プロセツサ1001は標準パタンメモ
リ1002より出力されるラベル”0”の標準パ
タンのα1 (0)(前記(2)式に於いてP1 (i)に相等する)
とスペクトル感度メモリ1003より出力される
スペクトル感度W1と、LPC分析器2より供給さ
れたLPC係数の第1番目の係数α1 (I)(前記(2)式に
於いてP1 (j)に相等する)とから、 D=W1(α1 (0)−α1 (I)2 を算出する。次にパタン照合プロセツサ1001
は標準パタンメモリ1002に出力している番地
データをインクリメントし、即ち0+1=1と
し、更にスペクトル感度メモリ1003へ出力し
ている番地データをインクリメントし、即ち0+
1=1とし、α2 (0),W2を入力する。パタン照合
プロセツサ1001は前記求めたDにW2(α2 (0)
α2 (I)2で算出される量を加算し D=W1(α1 (0)−α1 (I)2+W2(α2 (0)−α2 (I)22k=1 Wk(αk (0)−αk (I)2 を求める。以下同様にパタン照合プロセツサ10
01は標準パタンメモリ1002へ番地データを
2,3,4,…10と次々に、スペクトル感度メモ
リ1003へ番地データを2,3,4,…10と
次々に与え D=10k=1 Wk(αk (0)−αk (I)2 ……(3) を算出する。
(3)式で与えられるDは標準パタンα(0)と入力
LPC係数データα(I)との距離D0Iである。
次にパタン照合プロセツサ1001は最小距離
レジスタ1004に記憶されているデータD0
前記D0Iとを比較し、D0>D0Iの場合には、最小距
離レジスタ1004にD0としてD0Iを再設定し、
更にラベルレジスタ1005にラベル“0”を示
す“0”を再設定する。次にパタン照合プロセツ
サ1001は、ラベルレジスタ1005に記憶さ
れていた“4096”を補助ラベルレジスタ1201
へ出力する。D0>D0Iの場合にはパタン照合プロ
セツサ1001は最小距離レジスタ1004とラ
ベルレジスタ1005とに対する再設定は実施し
ない。D0=D0Iの場合は、前記再設定は実施して
も、しなくともよい。
次にパタン照合プロセツサ1001は標準パタ
ンに付されたラベル“1”に相等するスタート番
地1〓10=10を標準パタンメモリ1002へ、
LPC係数α1に対応するスペクトル感度W1を指定
する番地“0”をスペクトル感度メモリ1003
へ出力し、スペクトル距離Dを“0”に設定す
る。更にパタン照合プロセツサ1001はラベル
“1”の標準パタンのα1 (1)と前記のW1と前記のα1 (
I)とからD=W1(α1 (1)−α1 (I)2を算出する。次
にパ
タン照合プロセツサ1001は標準パタンメモリ
1002へ供給する番地データを11,12,…,20
と次々に与え、スペクトル感度メモリ1003へ
供給する番地データを1,2,…10と次々と与え
て D=10k=1 Wk(αk (1)−αk (I)2 ……(4) を算出する。(4)式で与えられるDは標準パタン
α(1)と入力LPC係数データα(I)との距離D1Iである。
次にパタン照合プロセツサ1001は最小距離レ
ジスタ1004に記憶されているデータD0と前
記D1Iとを比較し適宜、最小距離レジスタ100
5とラベルレジスタ1005とを書替え、更にラ
ベルレジスタ1005の内容を補助ラベルレジス
タ1201へ退避する。
以下、次々にラベル“2”,“3”,…,“4095”
の標準パタンとの照合を実施する。
パタン照合プロセツサ1001は必要に応じて
ラベルレジスタ1005又は補助ラベルレジスタ
1201の内容を符号化データとして多重化器2
6へ出力し、ラベルレジスタ1005又は補助ラ
ベルレジスタ1201の内容に対応する標準パタ
ンデータをLPC逆フイルタ4とLPC合成フイル
タ16とへ出力する。
量子化/復号化器7は残差波形低域周波数成分
を量子化してこれを多重化器26に送出するとと
もに、これを復号化したデータをフイルタ係数推
定器(1)8と高域再生フイルタ14とに供給する。
フイルタ係数推定器(1)8は推定フイルタ係数を量
子化器9へ出力する。量子化器9は前記係数を量
子化し多重化器26と復号化器28とへ供給す
る。復号化器28は量子化されたフイルタ係数を
復号化し乗算器15へ出力する。電力算出器10
は残差波形を入力し分析フレームごとの短時間平
均音声電力を算出し、これを量子化器11と量子
化/復号化器17とへ出力する。量子化器11は
短時間平均音声電力を量子化し多重化器26と復
号化器28とへ出力する。復号化器28は短時間
平均電力を復号化し乗算器15へ出力する。
高域再生フイルタ14は量子化/復号化器7よ
り供給された残差波形低域周波数成分から高域を
再生し、乗算器15へ出力する。乗算器15は前
記波形に短時間平均音声電力との乗算を実施して
LPC合成フイルタ16へ出力する。LPC合成フ
イルタ16は音声を再生しS/N比算出器30へ
出力する。波形メモリ29はS/N比算出器30
へ入力音声波形を出力する。S/N比算出器30
は再生音声波形と入力音声波形との差の波形(以
下「誤差波形」と云う)を求め、これの電力PN
を算出する。更に入力音声波形の電力PIを算出
し、S/N比即ちPN/PIを算出し多重化器26
へ出力する。
以上のSN算出処理は前述のラベルレジスタ1
005の内容と補助ラベルレジスタ1004の内
容とについて各々1回づつ実行される。多重化器
26はラベルレジスタ1005の内容に関する
S/N比と補助ラベルレジスタ1201の内容に
関するS/N比とを比較し、S/N比の良好なラ
ベルと前記ラベルに対応するフイルタ係数等を合
成側へ出力する。
無論S/N比を算出する代りに誤差波形の電力
を判定パラメータに利用しても本発明は実施でき
る。又、量子化/復号化器25は補助ラベルレジ
スタを高々1ケ有しているが必ずしも1ケに限定
されない。更にフイルタ係数推定器(1)8はフイル
タ係数推定器(2)18又はフイルタ係数推定器(3)1
9と置換し得る。
なお、第1〜第5の実施例においてパタンマツ
チングのパラメータとしてαパラメータを使用し
ていたが、これはKパラメータ、LSPパラメータ
等でも実施し得ることは明らかである。
〔発明の効果〕
以上説明した如く本発明によれば、スペクトル
包絡情報をパタンマツチング手段により伝送する
手段を有し、且つ、高域周波数成分再生手段を分
析側に備えた残差励振型ボコーダにおいて、残差
波形低域周波数成分のダウンサンプル値を零レべ
ルサンプルの内挿を介して基準サンプリング変換
標本系列としたサンプルを利用しかつ非線形回路
を利用することなく高域再生フイルタのタツプ係
数を推定する手段を備えて入力音声信号の分析な
らびに合成を図ることにより、大幅なRELP音の
改善がきわめて安定かつ確実に図れる残差励振型
ボコーダが実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図Aは本発明第一の実施例における分析側
の構成を示すブロツク図、第1図Bは合成側の構
成を示すブロツク図、第2図aは第1図A,Bに
示す本発明第一の実施例において入力音声信号の
残差波形を基準サンプリング周波数でサンプリン
グした残差波形の一例を示す残差波形基準サンプ
ル標本図、第2図bは残差波形の低域周波数成分
をダウンサンプリング周波数でサンプリングした
ダウンサンプルの一例を示すダウンサンプル標本
図、第2図cは第2図bに示す残差波形低域周波
数成分のダウンサンプル標本に対し基準サンプリ
ング周波数に対応する基準サンプリング変換を実
施した残差波形低域周波数成分の基準サンプリン
グ変換標本系列、第3図は第1図Aに示す第一の
実施例における分析側のフイルタ係数推定器(1)8
の構成を詳細に示すブロツク図、第4図は本発明
の第二の実施例における分析側の構成を示すブロ
ツク図、第5図は第4図に示す本発明の第二の実
施例におけるフイルタ係数推定器(2)18の構成を
詳細に示すブロツク図、第6図Aは本発明第三の
実施例における分析側の構成を示すブロツク図、
第6図Bは合成側の構成を示すブロツク図、第7
図A,Bは第6図Aに示す本発明の第三の実施例
の分析側において形成する高域再生フイルタ予測
係数特性図Aおよびその零位相化予測係数特性図
B、第8図A,Bは本発明の第四の実施例におけ
る分析側Aおよび合成側Bの構成を示すブロツク
図、第9図A,Bは第8図Aの第四の実施例にお
ける分析側において形成する高域再生フイルタ予
測係数特性図Aおよびその同一電力スペクトルに
よる三角形包絡分布変換特性図B、第10図は第
1図Aに示す第1の実施例における分析側の量子
化/復号化器3の構成を詳細に示すブロツク図、
第11図は本発明第5の実施例における分析側の
構成を示すブロツク図、第12図は第11図に示
す第5の実施例における分析側の量子化/復号化
器25の構成を詳細に示すブロツク図である。 1……A/Dコンバータ、2……LPC分析器、
3……量子化/復号化器、4……LPC逆フイル
タ、5……LPF、6……ダウンサンプラ、7…
…量子化/復号化器、8……フイルタ係数推定器
(1)、9……量子化器、10……電力算出器、11
……量子化器、12……多重化器、13……多重
分離・復号化器、14……高域再生フイルタ、1
5……乗算器、16……LPC合成フイルタ、1
7……D/Aコンバータ、18……フイルタ係数
推定器(2)、19……フイルタ係数推定器(3)、20
……係数再生器(1)、21……高域再生フイルタ、
22……フイルタ係数推定器(4)、23……係数再
生器(2)、24……高域再生フイルタ、25……量
子化/復号化器、26……多重化器、27……復
号化器、28……復号化器、29……波形メモ
リ、30……S/N比算出器、81……トランス
バーサルフイルタ、82……減算器、83……電
力算出器、181……相互相関回路、182……
自己相関回路、183……最大値検索回路、10
01……パタン照合プロセツサ、1002……標
準パタンメモリ、1003……スペクトル感度メ
モリ、1004……最小距離レジスタ、1005
……ラベルレジスタ、1201……補助ラベルレ
ジスタ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 入力音声信号のスペクトル包絡特性を予め準
    備した標準パタンと照合し、標準パタンに付され
    たラベルをスペクトル包絡特性を示す情報として
    分析側から合成側へ伝送する第1の手段と、予め
    設定する基準サンプリング周波数に対応して入力
    音声信号の残差波形の基準サンプル系列を求める
    第2の手段と、前記基準サンプリング周波数を予
    め設定する割合で減周したダウンサンプリング周
    波数に対応して残差波形の低域周波数成分のダウ
    ンサンプル系列を求める第3の手段と、前記基準
    サンプリング周波数のタイミングで前記ダウンサ
    ンプル系列に零レベルの内挿点を設定しつつ形成
    する前記残差波形の前記低域周波数成分の基準サ
    ンプリング変換標本系列と前記残差波形の前記基
    準サンプル系列とにもとづきかつ非線形回路を介
    することなく合成側に備えるべきトランスバーサ
    ル型の高域再生フイルタの係数を推定し合成側へ
    伝送される前記係数を出力する第4の手段を備え
    て成ることを特徴とする残差励振型ボコーダ。 2 入力音声信号のスペクトル包絡特性を予め準
    備した標準パタンと照合し、複数のパタン候補を
    予備的に選択し、各パタン候補についてそれぞれ
    合成側に備えるべきトランスバーサル型の高域再
    生フイルタの係数を分析側で推定する第1の手段
    と、更に、各パタン候補に対応する入力音声信号
    と合成音声信号とのS/N比を求める第2の手段
    と、前記第2の手段の出力を受け最もS/N比の
    よいパタン候補に付されたラベルをスペクトル包
    絡特性を示す情報として分析側から合成側へ伝送
    する第3の手段と、予め設定する基準サンプリン
    グ周波数に対応して入力音声信号の残差波形の基
    準サンプル系列を求める第4の手段と、前記基準
    サンプリング周波数を予め設定する割合で減周し
    たダウンサンプリング周波数に対応して前記残差
    波形の低域周波数成分のダウンサンプル系列を求
    める第5の手段と、前記基準サンプリング周波数
    のタイミングで前記ダウンサンプル系列に零レベ
    ルの内挿点を設定しつつ形成する前記残差波形の
    低域周波数成分の基準サンプリング変換標本系列
    と前記残差波形の前記基準サンプル系列とにもと
    づきかつ非線形回路を介することなく合成側に備
    えるべきトランスバーサル型の高域再生フイルタ
    の係数を推定し合成側へ伝送される前記係数を出
    力する第6の手段を備えて成ることを特徴とする
    残差励振型ボコーダ。
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