JPH0447339Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、建物の窓や出入口に既に取付けら
れているサツシ枠をそのままにして、新しく取付
ける改装用サツシ枠に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

周知の如く建物の窓や出入口の開口部に金属製
のサツシ枠を取付けることは知られている。この
サツシ枠が古くなつたり損傷して取替る場合、特
開昭59−31384号の如くサツシ枠の外周囲外装部
を除去し、既設サツシ枠を室外側へ取外した後、
その代りに新規サツシ枠を室外側より開口部に挿
入し、これを取付け、サツシ取外し時に除去した
外装部を補修するか、実開昭60−162683号の如く
既設サツシ枠を取外すことなくその外側に新規サ
ツシ枠を増設していた。しかし前者手段にあつて
は外装部の除去と補修、サツシ枠の交換をしなけ
ればならないので、面倒で手数がかかる不都合が
あるし、後者手段にあつては前者手段の如く不都
合はないが、既設サツシがそのまま新規サツシ枠
の内周に現在するため、体裁が悪くなる欠点があ
つた。

〔考案の目的〕

そこでこの考案は、既設サツシ枠を取外すこと
なく取付けができて、しかも既設サツシ枠を隠蔽
する新規サツシ枠を工夫し、サツシ枠の改装を簡
単に且つ体裁よく成し得るようにすることにあ
る。

〔考案の概要〕

本案の改装用サツシ枠は、建物開口部に外付け
されている既設サツシ枠において、既設サツシ上
枠の外側に嵌合する上枠材と、既設サツシ下枠の
外側に嵌合する下枠材、及び既設サツシ縦枠の外
側に嵌合する縦枠材とが枠状に組立構成され、こ
れらの各枠材に既設サツシ枠の室外側から内外周
まで嵌合する室内向きに開口した空間を設け、空
間内にこれと対応する既設サツシ枠を挿入して隠
蔽し得るようにしたものである。

〔考案の実施例〕

以下、本案改装用サツシ枠の構造を実施例の図
面により説明すると、Ｆは窓開口部Ｅの室外側に
外付けされている既設サツシ枠で、その外周に外
装Ｐが施されている。Ｉは既設サツシ枠Ｆを隠蔽
するようその外側に取付ける本案サツシ枠で、サ
ツシ枠１は既設サツシ上枠F₁を隠蔽する上枠材
１と、既設サツシ下枠F₂を隠蔽する下枠材１０、
及び既設サツシ縦枠F₃を隠蔽する縦枠材２０よ
り構成されている。本案サツシ枠Ｉを構成する上
枠材１は、室内側より室外に向けて下降傾斜する
斜壁２と、斜壁２より垂下する外側壁３、及び外
側壁３から室内に向けて延長する内周壁４より構
成され、室内に向けて開口する空部Ａを形成し、
斜壁２は既設上枠F₁より上部の外装部外面ｐか
ら、既設上枠水切壁f₁の外側まで傾斜し、斜壁２
の室内端より上方に外装部Ｐの外面ｐに取付ける
固定壁５を設け、外側壁３は斜壁２の先端より既
設上枠水切壁f₁と平行に垂下し、内周壁４は外側
壁３の下端より既設上枠F₁の内周側に延長し、
その内周側に障子やドアの嵌挿部７を形成すると
共に、室内側に開口部Ｅまで挿入して窓台Ｄに固
定する内向壁１６と、内周向きに垂設する内側壁
２６より成る接続部６を有している。又本案サツ
シ枠Ｉを構成する他の下枠材１０と縦枠材２０
は、前記上枠材１と略同形状を成すもので、内周
壁４とその内周に設ける嵌挿部７が、サツシ枠Ｉ
に嵌挿する障子やドアによつて多少異なるだけで
ある。８は本案サツシ枠Ｉの接続部６に取付ける
合成樹脂製の断熱材で、断熱材８は接続部内向壁
１６の内周側に嵌合する座底１８と、内側壁２６
の室内側に係止する座壁２８から成り、略Ｌ字状
を成すものである。

本案の改装用サツシ枠は上記構造であるから、
予め本案サツシ枠Ｉを構成する上枠材１と下枠材
１０、及び縦枠材２０を軽金属より押出し成形す
る際、各枠材１，１０，２０の空部Ａ，A₁，A₂
内に既設サツシ枠Ｆの露出部が挿入するよう大き
く形成しておく。具体的には上枠材１の空部５内
に既設上枠F₁の露出部が挿入するよう、又下枠
材１０の空部A₁内に既設下枠F₂が挿入するよう
形成し、且つ縦枠材２０の空部A₂内に既設縦枠
F₃の露出部が挿入するよう形成しておく。

先ず上記構造の上下枠材１，１０と縦枠材２０
を、既設サツシ枠Ｆの開口高さＨと開口幅Ｌに合
せて組立て、本案サツシ枠Ｉを構成する一方、既
設サツシ枠Ｆに嵌挿する障子やドアを取外してお
く。

次いで本案サツシ枠Ｉを室外側より既設サツシ
枠Ｆに向けて嵌合し、具体的にはサツシ枠Ｉの固
定壁５が既設サツシ枠Ｆより外周の外装部Ｐに当
接するよう、又サツシ枠Ｉの内周壁４が既設サツ
シ枠Ｆの内周に挿入し、接続部６が開口部Ｅ内ま
で挿入するよう嵌合すれば、サツシ枠Ｉの空部
Ａ，A₁，A₂内に既設サツシ枠Ｆの露出部が挿入
する。このサツシ枠Ｉの固定壁５を外装部Ｐに釘
付けすると共に、開口部Ｅまで挿入した接続部６
の内向壁１６を窓台Ｄに釘付けし、本案サツシ枠
Ｉの取付けを完了する。サツシ枠Ｉの固定壁５
と、固定壁５の釘付け部をコーキング材Ｃ等によ
つてシールする。

尚、本案改装用サツシ枠は上記実施例に限定さ
れるものではなく、例えば既設サツシ枠Ｆの上枠
F₁と下枠F₂の外側に、各枠F₁，F₂を包むように
本案上枠材１と下枠材１０を嵌合し、両枠材１，
１０の固定壁５，１５を外装部Ｐに、又接合部内
向壁１６を窓台Ｄに釘付け固定し、次に既設サツ
シ縦枠F₃の外側に本案縦枠材２０を嵌合し、縦
枠材２０より先に取付けた上下枠材１，１０にビ
スを螺入して、上下枠材１，１０を縦枠材２０を
固定した後、縦枠材２０の固定壁２５を外装部Ｐ
に、内向壁１９を窓台Ｄに釘付けしても取付ける
ことができる。更にサツシ枠Ｉの組立手順と取付
手順、及びサツシ枠Ｉを構成する上下枠材１，１
０と縦枠材２０の形状構造は、本案の要旨に反し
ない限りサツシの種類に応じて適宜変更可能であ
る。

〔考案の効果〕

従つて本案の改装用サツシ枠は、従来サツシ枠
と同様に手段で組立てることができて、しかもそ
の取付けにおいても、躯体外装部の一部を切取つ
たり、既設サツシ枠を取外すことなく、既設サツ
シ枠の取付部に向けて本案サツシ枠を室外側より
嵌合し、既設サツシ枠の露出部を本案サツシ枠の
空間内に挿入した後、既設サツシ枠の外周に嵌合
した枠材の固定壁を外装部に、又既設サツシ枠の
内周より開口部内まで挿入した枠材の接続部を開
口部の窓台に釘付けし、固定壁とその釘付部にコ
ーキングを施すだけで取付け得るので、サツシ窓
の改装を著しく簡単に、且つ能率的に施工し得る
し、特殊な工具や施工技術を要しないで取付ける
こともできる。特に本案サツシ枠は既設サツシ枠
を取外さないで取付けるものであるが、既設サツ
シ枠の外側に本案サツシ枠が嵌挿され、本案サツ
シ枠によつて既設サツシ枠の露出部が完全に隠蔽
されるので、既設サツシ枠が室内外の何れからも
見えることがない。その結果、改装後の窓には本
案サツシ枠のみが取付けてあるが如くなるので、
窓の体裁が非常に良いし、本案サツシ枠に嵌挿す
る障子、或は軸支するドア扉を、従来サツシと同
様に開閉し得る等、本案は古くなつたり損傷した
既設サツシ枠の改装用サツシ枠として実用面に有
益な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図と第２図は本案改装用サツシ枠の取付例
を示す縦断面図、第３図と第４図はその横断面
図、第５図はサツシ縦枠材の取付例を示す横断面
図、第６図と第７図は断熱材の構造例を示す平面
図である。 Ｅ……窓開口部、Ｄ……窓台、Ｃ……コーキン
グ材、Ｐ……外装部、ｐ……表面、Ｆ……既設サ
ツシ枠、F₁……上枠、F₂……下枠、F₃……縦枠、
f₁……水切壁、Ｈ……既設サツシの開口高さ、Ｌ
……既設サツシの開口幅、Ｉ……本案サツシ枠、
１……上枠材、１０……下枠材、２０……縦枠
材、２，１２，２２……斜壁、３，１３，２３…
…外側壁、４，１４，２４……内周壁、５，１
５，２５……固定壁、６……接続部、１６……内
向壁、２６……内側壁、７……障子嵌挿部、８…
…断熱材、１８……座底、２８……座壁、Ａ，
A₁，A₂……空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建物の開口部Ｅに外付けされている既設サツシ
   枠Ｆに新たに取付けるサツシ枠Ｉにおいて、サツ
   シ枠を既設サツシ上枠F₁の外側に嵌合する上枠
   材１と、既設サツシ下枠F₂の外側に嵌合する下
   枠材１０、及び既設サツシ縦枠F₃の外側に嵌合
   する縦枠材２０から構成し、各枠材の外周に建物
   外装部Ｐに取付ける固定壁５，１５，２５を設け
   ると共に、内周に開口部内まで達し窓台Ｄに取付
   ける内周壁４，１４，２４を設け、固定壁と内周
   壁の間に室内向きに開口した空間Ａ，A₁，A₂を
   形成し、且つ内周壁の内周に障子嵌挿部７を設
   け、各枠材の空間を連続するように組立て、空間
   内に既設サツシ枠を挿入して隠蔽し得るようにし
   た改装用サツシ枠。