JPH0446042Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、操作部材の引つ張りと押す操作に
よりラツチヘツドを没入させる形式の錠前に関す
るものである。

〔従来の技術〕

ドアを開放するには、レバーや握り玉を回動さ
せながらスライダを引き戻し、そしてラツチヘツ
ドを没入させている。

〔考案が解決しようとする問題点〕 レバーや握り玉の回動操作によりラツチヘツド
を没入させる形式の錠前にあつては、レバーや握
り玉の回動と同時にドアの開放方向にレバーや握
り玉を押すので、受金具の貫孔の縁にラツチヘツ
ドを圧接することになる。

このため、ラツチヘツドの円滑なスライダが阻
害されてドアをスムーズに開放させることができ
ず、特に急いでドアーを開放させる場合顕著であ
つた。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するために、この考案はド
ア内外面の前記錠箱を挟む位置に座板を取付ける
と共に、ドアの開放方向側に位置する座板に引つ
張りにともない回動するレバーを、ドアの開放方
向反対側に位置する座板にプツシユにともない回
動するレバーを設け、また錠箱内の前後に下端を
それぞれ軸支した前側リンク及び後側リンクを設
けると共に、前側リンクの下端から後方に向け突
出する突片の上面に後側リンクの下端から前方に
向け突出する突片を重ね、さらに後側リンクの上
端から延びるアームをスライダの末端に係合さ
せ、また両レバーの操作により揺動するよう設け
てある揺動片の先端を前側リンクと後側リンクと
の間に位置させて構成したものである。

〔作用〕

片方のレバーを引つ張り、残る片方のレバーを
プツシユすると共に揺動片が揺動する。

片方の揺動片は、後側リンクと係合して前記後
側リンクを後方に倒しながらアームを介しスライ
ダを引き戻すので、ラツチヘツドが没入する。

また、残る片方の揺動片は、前側リンクと係合
して前記前側リンクを前方に倒すので、重なつて
いる突片を介し後側リンクを後方に倒し、そして
上述と同様にアームを介しスライダを引き戻しな
がらラツチヘツドが没入する。

〔実施例〕

図において、１はドアＡの縦框面から内方に嵌
め込み埋設した錠箱であつて、この錠箱１のフロ
ント板２には、貫孔３が設けられている。

また、錠箱１内にバネ４によつてフロント板２
の方向に押し出す進退自在のスライダ５を組み込
むと共に、このスライダ５の先端には、ラツチへ
ツド６が設けられている。

上記のラツチヘツド６は、図示の場合ラツチヘ
ツド６の末端に設けてある突起７とスライダ５の
先端に設けてある突起８を互に噛み合せ、スライ
ダ５の引き戻しにともない突起７から突起８が外
れるとラツチヘツド６が反転して没入するように
なつているが、反転しない形式のものであつても
よい。

なお、ラツチヘツド６は、フロント板２を外し
て突起８を有する受台９と共に180°回動させて、
ドアＡの外開き、内開き両方に兼用できるように
なつている。

また、ドアＡ内外面の前記錠箱１を挟む位置に
は、それぞれ座板１０，１１が取付けられてい
る。

さらに、両座板１０，１１に透孔１２を設け
て、この各透孔１２にレバー１３，１４の元部を
嵌挿すると共に、このレバー１２，１３の嵌挿し
た元部は、両座板１０，１１にそれぞれ上下に位
置する両端を支持した垂直１５のピン１５を介し
回動自在に取付けてある。

なお、ドアＡの解放方向側（第３図上側）レバ
ー１３は、第３図実線位置から鎖線位置に向け引
つ張り、ドアＡの閉鎖方向側（第３図下線）レバ
ー１４は、第３図実線位置から鎖線位置に向けプ
ツシユし、引つ張り、プツシユを解除すると、ピ
ン１５の貫通する捲目部分の両側をレバー１３，
１４の元部両側平面左右に当接すると共に、座板
１０，１１にそれぞれ両端を係止したバネ１６に
より元の位置（第３図実線位置）に復帰回動する
ようになつている。

また、錠箱１内のスライダ５下側の前後には、
ピン１７により下端をそれぞれ軸支した前側リン
ク１８及び後側リンク１９が設けられており、前
記前側リンク１８の下端から後側リンク１９に向
け突出する突片２０の上面には、前記後側リンク
１９の下端から前側リンク１８に向け突出する突
片２１が重なつている。

さらに、後側リンク１９の上端から上方に延び
るアーム２２を設けると共に、このアーム２２の
上端には、水平方向に突出するピン２３が設けて
ある。

また、スライダ５の末端には、スライダ５のス
ライダ方向に両端を位置させた長孔２４が設けら
れており、この長孔２４に貫通するピン２３と長
孔２４の端縁との当接によりラツチヘツド６の反
対方向にスライダ５をスライドさせる。

さらに、錠箱１の両側壁のスライダ５の下側に
は、横長な長孔２５が設けられており、この長孔
２５には、前側リンク１８と後側リンク１６との
間に位置するようレバー１３，１４の元部から突
出する揺動片２６，２７が貫通している。

上記のように構成すると、片方の揺動片２６が
揺動すると、後側のリンク１９を後方に倒してア
ーム２２を介してスライダ５が引き戻され、また
残る片方の揺動片２７が揺動すると、前側のリン
ク１８を前方に倒して重なり合つている突片２
０，２１を介し後側リンク１９を後方に倒し、そ
してアーム２２を介しスライダ５を引き戻す。

〔効果〕

以上のように、この考案に係る錠前によれば、
片方レバーの引つ張りにともない揺動片を介し後
側リンクを後方に倒し、そしてアームを介しスラ
イダを引き戻し、また残る片方レバーのプツシユ
にともない揺動片を介し前側リンクを前方に倒し
ながら重なり合つて突片により後側のリンクを後
方に倒し、そしてアームを介しスライダを引き戻
すので、ドアの外開き、或は内開による揺動片の
揺動方向が異なつても何ら支障なくスライダを引
き戻すことができる。

このため、ドアの内開き、外開き専用の錠前を
別々に製作する不便が解消できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る錠前の一部切欠側面
図、第２図は揺動片を揺動させた状態の一部切欠
側面図、第３図は同上の横断平面図である。 Ａ……ドア、１……錠箱、２……フロント板、
３……貫孔、４……バネ、５……スライダ、６…
…ラツチヘツド、７……突起、８……突起、９…
…受台、１０，１１……座板、１２……透孔、１
３，１４……レバー、１５……ピン、１６……バ
ネ、１７……ピン、１８……前側リンク、１９…
…後側リンク、２０，２１……突片、２２……ア
ーム、２３……ピン、２４……長孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 操作部材の操作により錠箱内のスライダを引き
   戻しながら前記スライダの先端ラツチヘツドを没
   入させる形式の錠前に於て、ドア内外面の前記錠
   箱を挟む位置に座板を取付けると共に、ドアの開
   放方向側に位置する前記座板に引つ張りにともな
   い回動するレバーを、ドアの開放方向反対側に位
   置する前記座板にプツシユにともない回動するレ
   バーを設け、また上記錠箱内の前後に下端をそれ
   ぞれ軸支した前側リンク及び後側リンクを設ける
   と共に、前記前側リンクの下端から後方に向け突
   出する突片の上面に前記後側リンクの下端から前
   方に向け突出する突片を重ね、さらに上記後側リ
   ンクの上端から延びるアームを上記スライダの末
   端に係合させ、また上記両レバーの操作により揺
   動するよう設けてある揺動片の先端を上記前側リ
   ンクと上記後側リンクとの間に位置させたことを
   特徴とする錠前。