JPH0443746Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はプレート式オイルクーラであつて、
特に外郭に冷却水のハウジングを設けないハウジ
ングレス形のものに関する。

（従来の技術） 従来のプレート式ハウジング形のオイルクーラ
は例えば実開昭59−134755号に開示されているよ
うなもので、一例を第５図に示す。フランジ２１
ａを有する皿形のプレート２１は複数枚重ね合わ
され、上下端に端板２２，２３が重ねられオイル
クーラ２０を形成する。プレート２１により形成
された各空間層はオイルの入口２４、出口２５、
水の出口２６、出口２７と連通するようになつて
おり、２個の通孔２８ａ、２８ｂの一方を空間内
部から遮断し他方を切欠きにより空間内部へ開通
させた間隔板２８を一層おきに交互に開通孔が異
なるように設けている。そして内部にフイン２９
を設けている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記のような従来のプレート式オイルクーラで
は、油と冷却水との境界面がプレートの平坦な底
面に限定されるので容積の割に伝熱面積を広くな
し難い。平坦な底面の油圧などによる膨れ変形を
防ぐため、別体のフインを組み込んで底面間を連
結しなければならない。しかもこの連結を完全に
施工することは部品の寸法精度やろう付けの工程
管理上かなりの困難を伴なう。フインや間隔板な
ど部品点数が多く、重量大、組立て工数増大、ろ
う付け不具合の機会が増大する。などの種々の問
題がある。

（問題点を解決するための手段） この考案は上記の問題を解決するためになされ
たもので、次のような構成のものである。すなわ
ち、周縁に立上りフランジを具え、底面に設けた
複数の平行な凸条の頂壁に、複数の切り窪めたス
リツト開口列を形成させ、さらに底面の平坦部の
前記凸条の一端側と他端側に複数の通孔を設けた
皿形のプレートを、複数枚そのフランジおよび凸
条の側壁を接合させて重ね合わせ、その上下面を
それぞれ端板で被い、上下端板のいずれかに前記
各凸条の一端と他端においてスリツト開口列と連
通する複数のオイル入口孔および出口孔、ならび
に前記凸条の一端側および他端側の通孔にそれぞ
れ連通する複数の水入口孔および水出口孔を穿設
してなるプレート式オイルクーラである。

（作用） この考案のプレート式オイルクーラは次のよう
に作用する。冷却水は端板の水入口から各プレー
トのフランジで区画されたオイルクーラ内に入
る。プレート底面の通孔を通つてプレート間の各
層に達し各層内で凸条のまわりを流れる。凸条の
側壁が互に接合されているので上記の水の流路は
凸条内側とは隔絶されている。そして水出口から
流出する。一方オイルはオイル入口から入り凸条
の内側に入る。各層の凸条は側壁により接合され
て一体となつており、各層にスリツト開口がある
ので各層の凸条内および上下に隣接する凸条内へ
スリツト開口を経て流れ、凸条側壁で冷却水に熱
をうばわれてオイル出口から流出する。上下に隣
接する凸条へのオイルの流れはスリツト開口の数
や形状により適当に選ぶことができる。また後述
の一つの実施例のように凸条頂壁にスリツト開口
のほかオイル通孔を設けて流量を増すこともでき
る。

（実施例） 第１図はこの考案のプレート式オイルクーラの
構造を示す図である。プレート１は周縁に立上り
フランジ２を具え底面３に複数の凸条４が設けら
れる。凸条４の頂壁にはスリツト５が多数切り込
まれ、各スリツト間の頂壁片を一つおきに窪ませ
てスリツト開口列６を形成している。また必要に
より頂壁に通孔７が穿設される。底面３には複数
の通孔８が穿設される。上記のプレート１は複数
枚重ね合わされ各プレートの立上りフランジ２と
凸条４の側壁９とが順次に接合さる。重ね合わさ
れたプレート１の下端面は無孔の下端板１０で被
われ、上端面は、複数の水入口１１、水出口１２
ならびに凸条の重なりの各列の頂壁に対応して穿
設された複数のオイル入口１３およびオイル出口
１４を有する上端板１５で被われる。上端板は最
上層のプレート上部開放端を閉塞するとともに凸
条側壁に接合して水側とオイル側とを隔絶する。
水入口１１、水出口１２、オイル入口１３そして
オイル出口１４はそれぞれ点線１６，１７，１
８，１９で示すように、各一群となつてそれぞれ
にギヤラリ（図示せず）が付設され外部とオイル
および水を流通させる。

上記の例のほか、水入口１１、水出口１２、オ
イル入口１３、オイル出口１４はその全部又は一
部を適宜に下端板１０に設けてもよい。また最下
段のプレートの通孔８およびスリツト５を廃止す
れば下端板１０を省略することもできる。

第２図に考案のプレート式オイルクーラの凸条
に直角な断面を、第３図に凸条を断面にした状況
を、そして第４図には凸条に沿つた水の流路部分
の断面を、それぞれ部分図で示す。

（考案の効果） この考案のプレート式オイルクーラは従来のハ
ウジングレス形のものと異なり同一平面内にオイ
ル流路と水流路が凸条側壁で接触して平行して存
在しておりしかも凸条を細かくすれば側壁増加分
だけ伝熱面積を増やすことができ容積の割合に伝
熱量が大きい効率のよいオイルクーラとすること
ができる。またプレートをすべて同一形状とし、
しかも凸条側壁の接合により従来必要とされた別
体のフインを省略することができるので軽量化、
部品点数の減少、組立工数の削減、ろう付けの容
易確実化などすぐれた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の、第５図は従来の部材構成
を示す斜視図第２、第３、第４図は考案品の部分
断面図である。 １……プレート、２……フランジ、４……凸
条、６……スリツト開口列、９……凸条の側壁、
１０……下端板、１１……水入口、１２……水出
口、１３……オイル入口、１４……オイル出口、
１５……上端板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周縁に立上りフランジを具え、底面に設けた複
   数の平行な列をなす凸条の頂壁に、複数の切り窪
   めたスリツト開口列を形成させ、さらに底面の平
   坦部の前記凸条の一端側と他端側に複数の通孔を
   設けた皿形のプレートを、複数枚そのフランジお
   よび凸条の側壁を接合させて重ね合わせ、その上
   下面をそれぞれ端板で被い、上下端板のいずれか
   に、前記各凸条の一端と他端においてスリツト開
   口列と連通する複数のオイル入口孔および出口
   孔、ならびに前記凸条の一端側および他端側の通
   孔にそれぞれ連通する複数の水入口孔および水出
   口孔を穿設してなる、プレート式オイルクーラ。