JPH0443642B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は櫛にかかり、詳しくは調髪に際して所
望の刈り高さ（頭皮に残つた毛髪の長さ）を得る
ことができる櫛に関する。

（背景技術） 従来、刈り上げ用のこの種の櫛としては、可動
櫛と固定櫛とからなり、かつ可動櫛を開くことに
よりテーパー刈り（後頭部の裾の毛髪を短く、裾
から離れた位置の毛髪を長く刈つて調髪する刈り
方）に際して、所定のテーパーを与えるものが知
られている。しかし、これによるとテーパー刈り
の角度を変えることは可能であるが、好みに応じ
て刈り高さを高くしたり低くしたりすることが困
難である等の欠点があつた。

（発明の目的） 本発明は上記の点に鑑み提案されたもので、そ
の目的とするところは、単一の櫛によつて任意の
刈り高さやテーパーの角度を得ることができ、所
望のスタイルのテーパー刈りの如き調髪を容易に
行なえるようにした構造簡単な櫛を提供すること
にある。

（発明の開示） 以下、図に沿つて本発明を説明する。本発明に
おいては、多数の櫛歯を有する第１および第２の
櫛材と、前記第１および第２の櫛材を連結する基
台とを備え、第１の櫛材は基台に回動自在に付設
され、第２の櫛材は第１の櫛材の上方に付設され
かつ第１の櫛材とは独立して上下動可能とし、第
１の櫛材の下方縁と第２の櫛材の上方縁とは同一
方向に湾曲する連続した滑らかな凸曲縁を有して
いることを特徴とする。

第１図は本発明の一実施例を示すもので、図に
おいて１は基台であり、この基台１は基板１ａ
と、この基板１ａの両側縁に連接された一対の溝
部１ｂ，１ｃとから形成されている。なお、基板
１ａのほぼ中央には凹部１ｄが形成されており、
この凹部１ｄには窓１ｅが穿設されていると共
に、窓１ｅの下端部の下方に位置する凹部１ｄの
下端縁には係止凸部１ｆが形成されている。ま
た、溝部１ｂ，１ｃの下端部には溝部１ｂ，１ｃ
の対向方向に通孔１ｇがそれぞれ穿設されてい
る。

次に、２は第１の櫛材であり、その基部２ａは
溝部１ｂ，１ｃの下端部相互間の間隔に等しい長
さに形成され、その両端面には溝部１ｂ，１ｃの
通孔１ｇを貫通する止ネジ３に螺合するネジ穴２
ｂがそれぞれ形成されている。また、基部２ａに
直交するように多数の櫛歯２ｃが前方に向けて並
設されており、これらの櫛歯２ｃの下方縁は人間
の頭部の形状にほぼ合致する曲率に湾曲した連続
した滑らかな凸曲縁を有している。更に、櫛歯２
ｃの先端には、側面から見てほぼ三角形の先頭部
２ｄが連接され、これらの先頭部２ｄの基部２ａ
側にはガイド溝２ｅがそれぞれ上下方向に形成さ
れている。

次いで、４は第２の櫛材であり、その基板４ａ
の両側縁には溝部１ｂ，１ｃに係合する係合段部
４ｂが形成されていると共に、基板４ａの背面に
は後述するハンドル５の操作突起５ｂに係合する
ガイド凹部４ｃが設けられている。ここで、この
ガイド凹部４ｃは水平部４c′と斜行部４c″とが交
互に配置されて構成されており、ハンドル５を左
右に移動させればこれに従動して第２の櫛材４が
上下動するようになつている。また、基板４ａの
下端部には、基板４ａに直交するように多数の櫛
歯４ｄが前方に向けて並設されている。これらの
櫛歯４ｄの上方縁は前記第１の櫛材２の下方縁よ
りも小さな曲率、すなわち大きな曲率半径で、し
かも連続した滑らかな凸曲縁を形成するように同
一方向に湾曲している。

ハンドル５は、ほぼ平板状のハンドル基板５ａ
の内面ほぼ中央に円柱状の操作突起５ｂが突設さ
れて構成され、この操作突起５ｂは基台１の窓１
ｅおよびスライド板６の通孔６ａを介して第２の
櫛材４のガイド凹部４ｃに係合されるものであ
る。なお、スライド板の下端部には撓曲可能な係
止リブ６ｂが設けられており、そのほぼ中央の係
止突部６ｃは、スライド板６がハンドル５に従動
して左右にスライドした際に基台１の係止凸部１
ｆとの間でクリツクアクシヨンを得るためのもの
である。

これを組立てるには、基台１の溝部１ｂ，１ｃ
の下端部に第１の櫛材２を止ネジ３にてネジ止め
して回動自在とした後、ハンドル５の操作突起５
ｂを窓１ｅ内に貫通させてハンドル５を基板１ａ
の背面に重ね合わせ、基板１ａの表側からスライ
ド板６を当てがつて、通孔６ａ内に窓１ｅから突
出した操作突起５ｂを圧入する。

次いで、第２の櫛材４を、係合段部４ｂを介し
て基台１の溝部１ｂ，１ｃ間に係入し、スライド
板６から突出した操作突起５ｂの先端部を第２の
櫛材４の背面のガイド凹部４ｃに係合させればよ
い。なお、第２の櫛材４の櫛歯４ｄの先端部は第
１の櫛材２のガイド溝２ｅに係合されるものであ
る。第２図はこのようにして組立てた状態におけ
る本発明の斜視図、第３図は水平断面図、第４図
は垂直断面図である。

なお、第１および第２の櫛材２，４は、共に
ABS樹脂の如き合成樹脂材によつて形成するこ
とを予定しているが、人間の頭は部位や年齢に応
じて曲率が異なるため、その曲率に対応できるよ
うに第１の櫛材２の櫛歯２ｃの湾曲面を最も曲率
の小さい頭の部位や子供の頭の大きさに合わせる
と共に、第１および第２の櫛材２，４のゴムの如
き弾性材や薄板にて形成し、かつ櫛材２，４双方
を複数箇所で連結して構成してもよい。これによ
り、第１の櫛材２の櫛歯２ｃが頭の形状に応じて
変形し、また、第１の櫛材２が頭に密着すると共
に第２の櫛材４もこれに追従して変形するから、
所望の刈り高さを容易に得ることができるもので
ある。

これを使用するには、第５図に示す如く本発明
にかかる櫛の第１の櫛材２を後頭部の刈り上げを
するべき部位に当てがい、第２の櫛材４から突出
した毛髪Ｈを櫛歯４ｄに沿つて刈ればよい。この
際、第１の櫛材２は基台１に対して回動可能であ
り、かつ第２の櫛材４は第１の櫛材２とは独立に
上下動可能となつているので、刈り上げ高さや刈
り上げ部のテーパーの度合は任意に調節すること
ができる。すなわち、刈り上げ高さや刈り上げ部
のテーパーの度合は、第６図および第７図に示す
ように第１の櫛材２の回動や第２の櫛材４の上下
動によつて第２の櫛材４の上面から突出する髪の
長さやテーパーの度合いが変わるため、各人の好
みに応じて調整すればよい。この場合において、
第１の櫛材２の位置決めは止ネジ３の締め付けに
より無段階的に、また、第２の櫛材４の位置決め
はハンドル５の移動により行われる。なお、第８
図は第６図のＡ−Ａ断面を示している。

更に、この実施例においては、第１の櫛材２の
櫛歯２ｃの下面が頭の形状に合致して湾曲した凸
曲縁を有しているため、櫛を頭に当てた際にも櫛
がずれることがない。また、第２の櫛材４は第１
の櫛材２のガイド溝２ｅに沿つて上下動するた
め、２つの櫛材２，４が互いにバラけることがな
く、毛髪を確実に導入することができる。

なお、第６図および第７図において、H₁／H₂
＞h₁／h₂となるように第１の櫛材２を回動させた
場合、毛髪の刈り高さの変化の具合は第６図の方
が大きくなる。また、刈り高さの変化の具合を一
定としたままで全体の刈り高さのみを変えるに
は、第１の櫛材２を固定したままで第２の櫛材４
の高さのみを変えればよい。

（発明の効果） 以上のように本発明によれば、多数の櫛歯を有
する第１および第２の櫛材と、前記第１および第
２の櫛材を連結する基台とを備え、第１の櫛材は
基台に回動自在に付設され、第２の櫛材は第１の
櫛材の上に付設されかつ、第１の櫛材とは独立し
て上下動可能とし、第１の櫛材の上方縁と第２の
櫛材の上方縁とは同一方向に湾曲する連続した滑
らかな凸曲縁を有していることにより、単一の櫛
によつて任意の刈り高さや後頭部におけるテーパ
の角度を得ることができ、従つて、特にスポーツ
刈り等のように長さを徐々に変えている調髪スタ
イルに有効であつて、所望のスタイルの調髪を極
めて容易に行うことができる効果を有する。ま
た、構造が至つて簡単なため、製造、組立が容易
で量産に適する等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示すもので、第１図は
分解斜視図、第２図は組立後の斜視図、第３図は
水平面図、第４図は垂直断面図、第５図は使用状
態の説明図、第６図および第７図は同じく側面
図、第８図は第６図のＡ−Ａ断面である。 １……基台、２……第１の櫛材、２ｃ，４ｄ…
…櫛歯、４……第２の櫛材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 多数の櫛歯を有する第１および第２の櫛材
   と、前記第１および第２の櫛材を連結する基台と
   を備え、第１の櫛材は基台に回動自在に付設さ
   れ、第２の櫛材は第１の櫛材の上方に付設されか
   つ第１の櫛材とは独立して上下動可能とし、第１
   の櫛材の下方縁と第２の櫛材の上方縁とは同一方
   向に湾曲する連続した滑らかな凸曲縁を有してい
   ることを特徴とする櫛。