JPH0442376Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、小便器本体の上部に形成した分配室
に芳香剤等の薬剤を収納してなる容器を着脱自在
に設置し、薬剤による使用感の改善並びに洗浄効
果の向上を得んとする洗浄芳香小便器に関するも
のである。

〔従来の技術〕

最近、この種業界にあつては、トイレ室内のイ
メージを一新する企業的努力が払われている。そ
の一つに、臭気対策の改善及び汚れ対策の改善が
ある。洗浄水の貯溜タンクを備えた大便器にあつ
ては、貯溜タンク内に芳香剤、または汚れの付着
を防止したり、洗浄効果を向上させるための薬剤
等を浸漬し、貯溜タンク内の洗浄水に芳香剤、薬
剤を溶け込ませ、洗浄時に便器使用者に快い香を
もたらしたり、また便鉢内面への汚物の付着防止
や洗浄効果の向上を図るようにしている。

ところが、小便器にあつては、一般的に洗浄水
の貯溜タンクを備えておらず、前記目的を達成す
ることができないでいた。また小便器の洗浄水の
分配供給部の大きさが大便器に比較して小さいた
めに、小便器内へ前記目的のための技術手段を組
み込むことも困難であつた。そのため、従来にあ
つては、第２図及び第３図に示すように、給水管
１に接続されるフラツシユバルブ２をバイパスし
て管路３を形成し、該管路途中に芳香剤等の薬剤
を収納してなる容器４を配設するようにしてい
る。フラツシユバルブ２を操作し、小便器５の便
器洗浄を開始すると、給水管１より小便器本体５
ａの上部に形成された分配室６に洗浄水が供給さ
れる。該洗浄水は、分配室６の底壁６ａと便鉢内
面５ｂとの間に穿設された多数の流出孔（スプレ
ーダー孔）７から、便鉢内面５ｂの洗浄水として
吐出されると共に、流入口８ａからリム通水路８
へ流入し、便鉢底壁５ｃの流出口８ｂから吐出さ
れて便鉢底壁５ｃの洗浄を行うようになつてい
る。而して、前記洗浄時にはバイパス管路３へも
洗浄水の一部が流れる。この洗浄水は、薬剤収納
容器４内を通過することによつて、芳香剤等が溶
け込んで混入し、やはり分配室６へ供給される。
そのため、分配室６から便鉢内面５ｂ及び底壁５
ｃへ吐出される洗浄水には、前記芳香剤及び薬剤
等が含まれることになり、初期の目的を達成する
ことが可能である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、前記従来の洗浄芳香小便器にあつて
は、洗浄水の一部のみがバイパス管路３を通じ
て、芳香剤等の薬剤と接触するので、これらの薬
剤が偏つて洗浄水中に混入し、便器全体において
満遍なく芳香や洗浄効果の向上等が得られないと
いう欠点があつた。またバイパス管路３及び薬剤
収納容器４が外部に露出しており、見栄えが悪い
という問題と、バイパス管路３のための専用の器
具・部材等を必要とする欠点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は従来の前記問題点に鑑みてこれを改良
除去したものであつて、便器全体に均一に薬剤の
効果が発揮され、しかも見栄えが良く、保守点検
も容易な洗浄芳香小便器を提供せんとするもので
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

前記問題点を解決するための本考案の手段は、
便器本体の上部に、洗浄水の分配室を設けると共
に、該分配室の上部側のトイレ室壁面寄りに洗浄
水の流入口を設け、また前記分配室底壁の便鉢内
面との境界部分に多数の流出孔を設けて前記分配
室へ供給された洗浄水を、前記流出孔を介して便
鉢内面へ分配供給するようにした小便器におい
て、分配室の上部側に設けられた洗浄水の流入口
と、分配室底壁に設けられた流出孔との間の便器
本体の内壁面より洗浄水の導入壁を水平状且つ部
分的に突出形成して分配室を導入室、混合室、導
出室に連通状態で区画し、前記混合室の天井壁面
に取付孔を穿設し、該取付孔を介して混合室内へ
網状部材で形成された薬剤収納容器を着脱自在に
装着配置したことを特徴とする洗浄芳香小便器で
ある。

〔作用〕

第１図の実施例で明らかなように、フラツシユ
バルブ１２を経て給水管１１より供給される洗浄
水は、分配室１６の導入室Ａに流入し、混合室Ｂ
内において薬剤２４の収納容器２５内を通過す
る。この収納容器２５内を通過することによつ
て、洗浄水中に芳香剤や洗浄剤等が溶け込んで混
入し、以後は導出室Ｃ及びＤを経て便鉢内面１５
ｂ及び便鉢底壁１５ｃへ吐出される。このよう
に、全ての洗浄水は混合室Ｂにおいて芳香剤や洗
浄剤等の薬剤２４と接触するので、便器全体へ均
一に芳香や洗浄効果を付与することが可能であ
る。また芳香剤や洗浄剤等の薬剤２４は、混合室
Ｂ内に着脱自在に装着されており、外部へ露出し
ないので見栄えがよく、専用の配管金具等も不要
である。

以下に本考案の構成を図面に示す実施例に基づ
いて説明すると次の通りである。

〔実施例〕

第１図は本考案の一実施例を示す洗浄芳香小便
器１５の縦断面側面図である。同図に示す如く、
便器本体１５ａの上部に形成された分配室１６に
は、流入口１９と流出孔２０との間に導入壁２１
が形成されている。この導入壁２１によつて分配
室１６は、導入室Ａ、混合室Ｂ、導出室Ｃに区画
されている。また混合室Ｂからリム流入口１８ａ
に至る間の分配室底壁１６ａに、段部２２を形成
し、導出室Ｄを形成している。そして、混合室Ｂ
の上方側の天井壁１６ｂに取付孔２３を穿設し、
該取付孔２３から混合室Ｂ内へ芳香剤や洗浄剤等
の薬剤２４を収納してなる容器２５を水密的に装
着配置している。この容器２５は、網材２６等の
内部にカートリツジ方式（図示せず）等で薬剤２
４が収納されている。

而して、今、電磁弁式のフラツシユバルブ１２
を開動作させ、便器洗浄を開始したとすると、先
ず、給水管１１から導入室Ａへ洗浄水が供給さ
れ、混合室Ｂへ流れる。そして、該室Ｂにおいて
網材２６を通過して収納容器２５内へ流入し、芳
香剤や洗浄剤等の薬剤２４と接触する。この接触
により、洗浄水中に薬剤２４の一部が溶け込んで
混入するようになる。即ち、本実施例の芳香洗浄
小便器１５にあつては、給水管１１より分配室１
６へ供給された洗浄水の全部が、混合室Ｂにおい
て収納容器２５内の薬剤２４と接触し、洗浄水に
満遍なく薬剤２４が溶け込んで混入する。然る
後、斯る洗浄水は導出室Ｃ及びＤへ流れ、流出孔
２０から便鉢内面１５ｂへ吐出されると共に流入
孔１８ａからリム通水路１８へ供給される。この
リム通水路１８へ供給された洗浄水は、その流出
口１８ｂから便鉢底壁１５ｃへ吐出される。

上述の如くして行われる便器洗浄にあつて、洗
浄水の中には、芳香剤や洗浄剤等の薬剤２４が満
遍なく溶け込んで混入しているので、便鉢内より
臭気が立ち上ることはなく、香ばしいにおいのみ
が漂うようになる。このため、使用者は快適な使
用が可能である。また洗浄剤等により、汚水及び
これに含まれる不純物等は全て洗い落とされて排
水トラツプ２７へ排出される。しかも、洗浄剤に
色等を付与しておけば、洗浄水の色彩による視覚
的な効果が使用者に快適な使用感をもたらすとい
う効果もある。このようにして便器洗浄が行われ
た後は、洗浄水及び汚水等は排水トラツプ２７及
び排水管２８等を経て下水等へ排出される。

ところで、本考案は上述の実施例に限定される
ものではなく、適宜の変更が可能である。例え
ば、小便器１５の種類や形状等は壁掛式のもので
なくても或いはリム通水路１８がなくてもよく、
また分配室天井壁１６ｂは、その上面の全面が面
一であつてもよい。それに、収納容器２５の形態
等も、混合室Ｂにおいて洗浄水が満遍なく当該収
納容器２５内へ流入する構成であればよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案にあつては、混合室
において全ての洗浄水が、芳香剤や洗浄剤等の薬
剤と接触するようになつており、便器全体へ均一
に芳香や洗浄効果を付与することが可能である。
また芳香剤や洗浄剤等の薬剤は、混合室内に着脱
自在に装着されており、外部へ露出しないので見
栄えがよく、専用の配管金具等も不要である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る芳香洗浄小便
器の縦断面側面図、第２図は従来の芳香洗浄小便
器を示す正面図であり、第３図は同従来小便器の
縦断面側面図である。 １５ａ……便器本体、１６……分配室、２０…
…流出孔、１５……芳香洗浄小便器、１９……流
入口、２１……導入壁、Ａ……導入室、Ｂ……混
合室、Ｃ，Ｄ……導出室、２４……薬剤、２５…
…収納容器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 便器本体の上部に、洗浄水の分配室を設けると
   共に、該分配室の上部側のトイレ室壁面寄りに洗
   浄水の流入口を設け、また前記分配室底壁の便鉢
   内面との境界部分に多数の流出孔を設けて前記分
   配室へ供給された洗浄水を、前記流出孔を介して
   便鉢内面へ分配供給するようにした小便器におい
   て、分配室の上部側に設けられた洗浄水の流入口
   と、分配室底壁に設けられた流出孔との間の便器
   本体の内壁面より洗浄水の導入壁を水平状且つ部
   分的に突出形成して分配室を導入室、混合室、導
   出室に連通状態で区画し、前記混合室の天井壁面
   に取付孔を穿設し、該取付孔を介して混合室内へ
   網状部材で形成された薬剤収納容器を着脱自在に
   装着配置したことを特徴とする洗浄芳香小便器。