JPH0441084Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は食品等を密封するイージーオープン容
器に関する。

（従来の技術） 従来、この種の容器にあつては、容器本体の開
口部に、パネルの全周縁に垂下状態に連設せる周
壁部にスコア線を備え、このスコア線を破断すべ
きタブを周壁部の下縁に連なつて設けた金属製容
器蓋を外嵌させて密封したものは例えば実開昭59
−16865号により知られている。

また、金属箔と合成樹脂を積層した素材によ
り、パネル部、周壁部及び該周壁部に続く開蓋用
タブをもち、周壁部の合成樹脂層にスコア線を設
けたものは実願昭60−60362号（実開昭61−
178364号）により本出願人が先に提案した。

（考案が解決しようとする課題） しかし、前記実開昭59−16856号の構成による
ときは、容器本体の開口部を密封する金属製容器
蓋は、容器蓋にスコア線を所定の深さに刻設する
ことが重要であり、このため品質管理がなかなか
困難である。更に輸送中の振動或いは衝撃による
容器蓋のスコア線破断を防ぐために肉厚の容器蓋
を使用せざるを得ず、コストアツプすると共に容
器全体が重くなる等の問題がある。

また、前記実開昭61−178364号の構成によると
きは、スコア線形成加工に手間がかかりコスト高
になる難点がある。

本考案はかかる従来の問題点を解消し、容器蓋
に直接スコア線を設けずに安定した開蓋性を備
え、調和のとれた外観を有するイージーオープン
容器を提供しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記問題点を解決するためになされた
ものであつて、その手段は、容器本体の開口部に
金属箔とこの金属箔の表面に被覆した合成樹脂被
膜とから成る容器蓋を外嵌させて閉蓋すると共
に、容器蓋に開蓋用のタブとこのタブに連なる開
蓋手段とを設けたイージーオープン容器におい
て、前記開蓋手段が、容器本体の開口部の外面と
容器蓋の周壁部の内面との間に介在させたコネク
タの外面に設けた凹部内に収設された開蓋用スト
リツプとし、該開蓋用ストリツプの外面を容器蓋
の開蓋用タブの周壁部内面に接着固定せしめたこ
とを特徴とする。

（作用） 開蓋時にタブを引張ると、タブに連なる開蓋用
のストリツプが引張られ、容器蓋は該開蓋用スト
リツプから加わる力によつて破断され開蓋され
る。

（実施例） 以下本考案を図面によつて説明する。

第１図ないし第３図は本考案実施の１例を示す
ものである。

図面で、１はスパイラル、コンボリユート、シ
ングルウオール等の従来のコンポジツト容器の容
器本体であり、容器本体１は第２図示のように従
来と同様に筒状の胴部２の内外面にアルミニウム
フオイル３を更にその表面に金属に対して良好な
熱接着性を有する熱可塑性樹脂の被膜４が施され
ており、また容器本体１の上下に開口部５を備え
る。

６は容器蓋で、第１図および第２図示のように
テイン・フリー・スチール、アルミニウム等の金
属箔７とその表面に被覆された例えばポリプロピ
レン系、ポリエチレン系等の合成樹脂被膜８から
なり、容器蓋６はパネル部９の全周縁に筒状の周
壁部１０を垂下状に形成し、更に周壁部１０の下
端に連なつて開蓋用のタブ１１を周壁部１０と一
体に形成すると共に、このタブ１１に連なる後記
の開蓋手段１２を設けた。

また１３はコネクタで、第２図および第３図示
のように熱接着性樹脂材から成り、外面１４の全
周に亘つて囲繞する凹部１５としての溝を設けた
外補強部１６と、これに連なる連結部１７および
内補強部１８とから成る、断面略逆Ｕ字形のリン
クで、容器本体１の開口部５全周に嵌合したもの
であり、コネクタ１３の外補強部１６が容器本体
１の開口部５の外面１９と容器蓋６の周壁部の内
面２０との間に介在するように開口部５に被覆接
着されている。

２１は帯状の開蓋用ストリツプで、熱可塑性樹
脂材から成り、第１図および第２図示のように前
記コネクタ１３に設けられた凹部１５の断面形状
と略同形である。そしてこの開蓋用ストリツプ２
１をコネクタ１３の凹部１５内に収設し、かつこ
の開蓋用ストリツプ２１の外面２２をその一方の
端部２２ａから他方の端部２２ｂに至まで容器蓋
６の周壁部の内面２０に接着固定せしめて、開蓋
用ストリツプ２１を前記容器蓋６のタブ１１に連
なる開蓋手段１２とした。また容器蓋６の周壁部
１０にタブ１１の一側縁から開蓋用ストリツプ２
１の端縁２１ａに至る間にスコア線２３を設けて
開蓋の補助手段とした。

第４図は別の実施例で第２図示と同様の状態を
示すもので、コネクタ１３の外面１４の全周に亘
つて囲繞する凹部１５を、コネクタ１３の外補強
部１６の下端部に設けた窪み２４としたものであ
る。そして開蓋手段１２として開蓋用ストリツプ
２１をこの窪み２４に収設させた。

前述のように本考案の容器は、容器本体１の開
口部５の外面１９と容器蓋６の周壁部内面２０と
の間に介在したコネクター１３の外面１４に設け
られた凹部１５内に収納した開蓋用ストリツプ２
１を容器蓋６の開蓋手段１２としたので、開蓋用
のタブ１１を上方に引張ることによつてタブ１１
と共に、この上方の周壁部１０の内面２０に接着
固定された開蓋用ストリツプ２１の一方の端部２
２ａおよびこれに続く開蓋用ストリツプ２１の他
方の端部２２ｂに至まで順次引張られてコネクタ
１３の凹部１５の上縁に沿つて容器蓋６の周壁部
１０の破断が行なわれて安定した開蓋性が得られ
る。

更に前記実施例のように周壁部１０にスコア線
２３を設けることによりタブ１１より開蓋用スト
リツプ２１への容器蓋６の開蓋を円滑に行なうこ
とが出来る。

また開蓋手段１２としての開蓋用ストリツプ２
１をコネクタ１３の凹部１５内に収設したので、
開蓋用ストリツプ２１の外面２２が容器蓋６の外
表面に現われることがなく調和のとれた外観を有
する。更に容器蓋６の金属箔７に従来のように開
蓋用のスコア線を設ける必要がないので、金属箔
７の厚みを薄くして容器蓋６の軽量化を計ること
が出来る。

なお、前記実施例において胴部２に紙製の容器
本体１を用いたものを示したが、ブリキ板、テイ
ン・フリー・スチール板、アルミニウム板のよう
な金属製薄板材料から成る容器本体を用いても良
い。また容器本体１の開口部５に断面略逆Ｕ字形
のコネクター１３を被覆接着させたので、開口部
５の端面２５は容器中に収納された液体と接触す
ることがないから、開口部５近傍は紙製容器胴に
おいては脆弱化することがなく、また金属製容器
本体においては腐蝕することがない。更に容器本
体１が紙製のコンポジツト容器の場合には容器蓋
６を容器本体１と共に焼却することが出来て廃棄
処理問題を生じない。

（考案の効果） このように本考案によるときは、タブを引張る
ことによりタブに連なる開蓋用ストリツプがその
一方の端部から他方の端部に亘つて順次引張ら
れ、これによりコネクタの凹部の上縁に沿つて容
器蓋の破断が行なわれる。そして開蓋用ストリツ
プがコネクタ外面の凹部に収設されて容器蓋の外
表面に凹凸が生じることがないから調和のとれた
外観を有し、金属箔にはスコア線が形成されてい
ないから金属箔はその厚みを薄くすることが出来
ると共に、合成樹脂被膜にもタブ部分以外にはス
コア線が形成されないので製造が容易であり、か
つ安定した開蓋性を有するイージーオープン容器
を提供出来る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の実施の１例を示
すもので、第１図は一部截断側面図、第２図はそ
のＡ部分の拡大図、第３図は本考案品に用いるコ
ネクターの１例を示す側面図、第４図は本考案品
の別の実施例の部分截断側面図である。 １……容器本体、５……開口部、６……容器
蓋、７……金属箔、８……合成樹脂被膜、１１…
…タブ、１２……開蓋手段、１３……コネクタ、
１４……コネクタの外面、１５……凹部、１９…
…開口部の外面、２０……周壁部内面、２１……
開蓋用ストリツプ、２２……開蓋用ストリツプ外
面、２２ａ……一方の端部、２２ｂ……他方の端
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器本体の開口部に金属箔とこの金属箔の表面
   に被覆した合成樹脂被膜とから成る容器蓋を外嵌
   させて閉蓋すると共に、容器蓋に開蓋用のタブと
   このタブに連なる開蓋手段とを設けたイージーオ
   ープン容器において、前記開蓋手段が、容器本体
   の開口部の外面と容器蓋の周壁部の内面との間に
   介在させたコネクターの外面に設けた凹部内に収
   設された開蓋用ストリツプとし、該開蓋用ストリ
   ツプの外面を容器蓋の開蓋用タブの上方の周壁部
   内面に接着固定せしめたことを特徴とするイージ
   ーオープン容器。