JPH0439400Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、携帯用小型エンジンの操作装置に関
し、さらに詳しくは、携帯用小型エンジンの始動
の際に操作するチヨークレバーを刈払機の操縦の
ため可撓管に、スロツトルレバーとともに本体に
組付けられて取付け、このチヨークレバーとスタ
ータ釦とは連動操作を可能とし、その使用性を向
上した携帯用小型エンジンの操作装置に関する。

従来の技術 従来の携帯用小型エンジンに備える始動のため
のチヨークレバーは、内燃機関の気化器に取付け
られていたため、刈払機を作業者が背負つた状態
においては、チヨークレバー操作が不可能であつ
た。すなわちこのチヨークレバーは、作業者が背
負つている携帯用エンジンの吸気側の気化器に取
付けられている。したがつてエンジンを始動する
際には、作業者がチヨークレバーの位置まで手が
届かないため、そのエンジンを降して始動操作を
行つている。

考案が解決しようとする課題 このような先行技術では、エレクトリツクスタ
ータ付きエンジンにおいて、冷間始動時には、手
動チヨークレバーを操作しながらスタータスイツ
チを起動する必要がある。しかしながら小型携帯
用エンジン等においては、上記の操作を片手でし
なければならない。このときチヨークレバー操作
およびスタータスイツチを同時に操作できず、チ
ヨークを長くしすぎるために燃焼室内に多量の燃
料が吸入され、点火プラグがかぶりをおこし、エ
ンジンの始動がしにくくなるおそれがある。

またエンジン付作業機を背中に背負う場合に
は、背負つた状態でスタータスイツチは手の届く
範囲に設けられているが、気化器の始動用燃料操
作のチヨークレバーは、作業者の手の届かないた
め始動ができない。

本考案の目的は、上述の技術的課題を解決し、
使用性に優れた携帯用小型エンジンの操作装置を
提供することである。

課題を解決するための手段 本考案は、携帯用小型エンジン２に連結された
長手体１３と、 長手体１３の途中位置に取付けられる操作装置
１とを組付けた携帯用小型エンジンの操作装置で
あつて、 操作装置１は、 操作装置本体１０に、大略的Ｌ字状に屈曲した
チヨークレバー１５をピン１４によつて回動自在
に軸支し、該チヨークレバー１５は、操作装置本
体１０の外方に突出するチヨーク操作部１５ｅ
と、操作装置本体１０内に延びるアーム１５ｂと
を有し、該アーム１５ｂには、長手体１３に沿つ
て延びるチヨークのワイヤ１７の端部が連結さ
れ、チヨーク操作部１５ｅの遊端部には、操作装
置本体１０側に向けて突出した突部２０が形成さ
れ、チヨークレバー１５には、チヨーク弁が開く
方向に付勢するばね３７が係止され、 また、操作装置本体１０に設けた前記ピン１４
には、大略的Ｌ字状のスロツトルレバー１６が回
動可能に軸支され、このスロツトルレバー１６
は、操作装置本体１０の外方に延びるスロツトル
操作部１６ｅと、操作装置本体１０内に延びるア
ーム１６ｂとを有し、このアーム１６ｂの遊端部
は、前記長手体１３に沿つて延びるスロツトルワ
イヤ２５に連結され、 操作装置本体１０には、チヨークレバー１５の
操作部１５ｅを押圧したとき、チヨークレバー１
５の突部２０によつて押圧されるスタータ釦２２
が固定され、 前記スタータ釦２２が押圧されることによつて
前記携帯用小型エンジン２のスタータモータを駆
動することを特徴とする携帯用小型エンジンの操
作装置である。

作 用 本考案に従えば、携帯用小型エンジンの始動の
際に操作するチヨークレバーを刈払機の操縦用可
撓管に、スロツトルレバーとともにその取付本体
に取付け、さらにチヨークレバーとスタータ釦と
は、連動操作を可能とした。

したがつてチヨークレバーとスタータスイツチ
釦は片手で操作が可能になり、チヨークレバーは
作業者が指を離せば自動的に戻るため、点火プラ
グのがぶりも防止され、使用性が向上される。

実施例 第１図は本考案の一実施例の携帯用小型エンジ
ンの操作装置の断面図であり、第２図は携帯用小
型エンジンに刈刃３０を備えた刈払機３の斜視図
であり、第２図に示される携帯用小型エンジンを
有する刈払機３に関連して実施される。刈払機３
は、基本的に、エンジン２と、そのエンジン２の
上部の燃料タンク４５と、作業者が背負うための
背当部４１と、そのベルト４３と、刈刃３０と、
この刈刃を駆動するためのドライブシヤフト３２
と、そのドライブシヤフト３２を挿通し、刈刃の
操縦のための可撓管である長手体１３と、この長
手体上に取付けられ、エンジン２を始動するため
の操作装置１とを備えている。

第３図は第２図の操作装置１の切断面線−
から見た断面図であり、第４図は第１図の平面図
であり、第５図は第４図のスロツトルレバー１６
側の断面図である。操作装置１の本体１０は、第
３図に示す取付ブラケツト１１とによつて長手体
１３を半割状に囲み、ボルト３５，３５により固
定される。本体１０には、長手体１３の軸線と筋
違いに直交する軸線を有するピン１４によつて大
略的Ｌ字状に屈曲されたチヨークレバー１５と、
大略的Ｌ字状に屈曲されたスロツトルレバー１６
とが角変位可能にそれぞれ枢支される。第３図お
よび第４図に示されるように捩りばね３７はピン
１４にこの捩りばね３７のコイルの内径が軸支さ
れ、一端部をチヨークレバー１５に、他端部を本
体１０に係止する。この捩りばねによつてチヨー
クレバー１５を、常に第１図における反時計方向
で、チヨーク弁が開く方向にばね付勢している。
チヨークレバー１５は、本体１０の、前記長手体
１３よりも上方でピン１４によつて屈曲部１５ｄ
を支持されており、前記屈曲部１５ｄから本体１
０の外方に突出するチヨーク操作部１５ｅと、本
体１０内で屈曲部１５ｄから延びるアーム１５ｂ
とを有し、このアーム１５ｂには長手体１３に沿
つて延びるチヨークのインナワイヤ１７の端部が
連結され、チヨーク操作部１５ｅはその遊端部に
なるにつれて作業者に近づく方向に傾斜して延び
る。チヨークのインナワイヤ１７はアウタケーブ
ル１８に挿通される。アウタケーブル１８の一端
部は、本体１０に固定される。インナーワイヤ１
７は、エンジン２の気化器のチヨーク弁のレバー
（図示せず）に連結される。インナーワイヤ１７
が第１図の左方に引張られることによつて気化器
のチヨーク弁が閉じる方向に作用するための空気
の吸入量が少なくなつて燃料の空燃比が低くな
る。したがつてエンジンの冷間始動時プラグ着火
しやすく、始動しやすい。

チヨークレバー１５の操作部１５ｅの遊端部に
は、本体１０に向けて突出した突部２０が形成さ
れる。チヨークレバー１５をピン１４のまわり
に、アーム１５ｂが第１図の仮想線で示す１５ｃ
の位置に至るまで回動させ、チヨーク操作部１５
ｅを、チヨークのインナーワイヤ１７が引張られ
る方向に１５ａまで角変位させたとき、前記突部
２０が本体１０上に固定されているスタータボタ
ン２２の頂部の押圧部２３に当接して、この押圧
部２３を押圧することができる。

スタータ釦２２には、可撓性電線２４が接続さ
れる。可撓性電線２４は、エンジン２を始動する
ためスタータモータ（図示せず）に接続され、ス
タータ釦２２の押圧部２３を押圧してスタータ釦
２２を導通することによつてスタータモータが駆
動され、エンジン２が始動される。

ピン１４には、また、チヨークレバー１５とは
ピン１４の軸線方向に間隔をあけて、第４図に示
すようにスロツトルレバー１６が角変位可能に軸
支される。スロツトルレバー１６は、大略的Ｌ字
状の屈曲部１６ｄをピン１４によつて本体１０に
支持され、前記チヨークレバー１６よりも作業者
とは反対側に配置されており、屈曲部１６ｄから
本体１０の外方に延びるスロツトル操作部１６ｅ
と、本体１０内で屈曲部１６ｄから延びるアーム
１６ｂとを有する。スロツトル操作部１６ｅは、
遊端部になるにつれて作業者に近づく方向に延び
る。スロツトルレバー１６のアーム１６ｂの遊端
部は、前記エンジン２の長手体１３に沿つて延び
るスロツトルインナワイヤ２５の一端部に固定さ
れ、スロツトルアウタワイヤ２６にはスロツトル
インナワイヤ２５が挿通する。

スロツトルアウタワイヤ２６の端部は本体１０
に固定される。スロツトルインナワイヤ２５の他
端部はエンジン２のスロツトル弁（図示せず）に
連結される。スロツトルレバー１６を操作してス
ロツトルインナワイヤ２５が引張られる方向に角
変位するとスロツトル弁の開度が大きくなる。第
５図に示したようにスロツトルレバー１６の操作
部１６ｅを１６ａまで角変位させたとき、このレ
バー１６と一体のアーム１６ｂは、１６ｃの位置
まで角変位してスロツトルインナワイヤ２５を引
張る方向に作動する。

内燃機関の始動に当つてチヨークレバー１５を
第１図の時計方向に１５ａのレバー位置まで角変
位し、第６図の使用状態の部分斜視図に示すよう
に、チヨークレバー１５の突部２０がスタータ釦
２２の押圧部２３を押圧することによつてスター
タが駆動され、チヨーク弁（図示せず）の働きに
よつて空燃比の低い高濃度の燃料がエンジンに供
給され、エンジン２を容易に始動することができ
る。エンジン２の始動後にチヨークレバー１５に
かかつている指を離すことによつてチヨークレバ
ー１５と本体１０との間にピン１４を外囲して取
付けられている捩りばねの働きによつて、または
チヨークワイヤ１７の前記他端部に取付けられて
いるチヨーク弁（図示せず）のためのばねの働き
によつてチヨークレバー１５は、第１図の反時計
方向に角変位して戻る。これによつてスタータモ
ータが消勢されるとともにチヨーク弁の開度が大
きくなる。

エンジン２の運転時には、スロツトルレバー１
６を角変位操作してエンジン２により刈払機３の
回転刃３０の回転速度を調整することができる。

このようなエンジン２を運転するにあたつてチ
ヨークレバー１５およびスロツトルレバー１６の
操作部１５ｅ，１６ｅは遊端部になるにつれて作
業者に近づく方向に延びており、特に、スロツト
ルレバー１６はチヨークレバー１５よりも作業者
と反対側に配置されているため、片手の、しかも
親指だけで容易に操作できる。またこのスロツト
ルレバー１６は、チヨークレバー１５とは独立し
て作動するよう構成されているので、チヨークレ
バー１５によつてその作用が制御されたり制限さ
れることはない。

本考案は、実施例に示したエンジンを背中で支
える刈払機のほか、刈刃と反対側の長手体端部に
小型エンジンが取付けられた桿式刈払機は勿論、
他の作業機の小型エンジンを取付けた操作装置に
も適用できる。

効 果 以上のように本考案によれば、チヨークレバー
とスタータ釦とは片手で同時に操作することがで
き、片手による押圧を解くと自動的にチヨークレ
バーは元に戻りチヨークが開となるため、エンジ
ンに高濃度の燃料が良く供給されることがなくな
り、点火プラグのかぶりが防止される。

スロツトルレバーもチヨークレバーと並設され
ているが、チヨークレバーとは無関係に操作で
き、運転中スロツトル弁の開閉が親指一本で自由
にでき、極めて作業性が良い。

このように本考案の操作装置は、使用性に勝
れ、この操作装置を取付けた作業機では高い作業
効率が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の携帯用小型エンジ
ンの操作装置の断面図、第２図は携帯用小型エン
ジンの刈刃３０を備えた刈払機３の斜視図、第３
図は第２図の操作装置１の切断面線−から見
た断面図、第４図は第１図の平面図、第５図は第
４図の断面図、第５図はスロツトルレバー１６側
の断面図、第６図は使用状態を示す左側面からみ
た部分斜視図である。 １……操作装置、２……エンジン、３……刈払
機、１０……本体、１５……チヨークレバー、１
６……スロツトルレバー、２２……スタータ釦、
２３……押圧部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 携帯用小型エンジン２に連結された長手体１３
   と、 長手体１３の途中位置に取付けられる操作装置
   １とを組付けた携帯用小型エンジンの操作装置で
   あつて、 操作装置１は、 操作装置本体１０に、大略的Ｌ字状に屈曲した
   チヨークレバー１５をピン１４によつて回動自在
   に軸支し、該チヨークレバー１５は、操作装置本
   体１０の外方に突出するチヨーク操作部１５ｅ
   と、操作装置本体１０内に延びるアーム１５ｂと
   を有し、該アーム１５ｂには、長手体１３に沿つ
   て延びるチヨークのワイヤ１７の端部が連結さ
   れ、チヨーク操作部１５ｅの遊端部には、操作装
   置本体１０側に向けて突出した突部２０が形成さ
   れ、チヨークレバー１５には、チヨーク弁が開く
   方向に付勢するばね３７が係止され、 また、操作装置本体１０に設けた前記ピン１４
   には、大略的Ｌ字状のスロツトルレバー１６が回
   動可能に軸支され、このスロツトルレバー１６
   は、操作装置本体１０の外方に延びるスロツトル
   操作部１６ｅと、操作装置本体１０内に延びるア
   ーム１６ｂとを有し、このアーム１６ｂの遊端部
   は、前記長手体１３に沿つて延びるスロツトルワ
   イヤ２５に連結され、 操作装置本体１０には、チヨークレバー１５の
   操作部１５ｅを押圧したとき、チヨークレバー１
   ５の突部２０によつて押圧されるスタータ釦２２
   が固定され、 前記スタータ釦２２が押圧されることによつて
   前記携帯用小型エンジン２のスタータモータを駆
   動することを特徴とする携帯用小型エンジンの操
   作装置。