JPH0437531Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、前部の止め金部に止め金解錠用の押
釦を具えた化粧用コンパクトに関する。

「従来の技術」 この種コンパクトは周知のように、化粧品皿の
前部に凹所を凹設し、この凹所に、背後の押上げ
部材を蓋側の止め金用係合部材下面に接しさせ、
かつその背後に所要の空間を設けて押釦を枢支配
設し、止め金解錠時にこの押釦の下部を前面から
押込んで縦方向に回動させ、この回動で押上げ部
材により係合部材を押上げて止め金を解錠してい
る。

「考案が解決しようとする問題点」 上記押釦式によれば、軽い操作力で容易に止め
金が解錠でき便利である。しかし、押釦を押込む
と止め金が解錠し、蓋が半開状態となるので、例
えばハンドバツグ等に入れて携帯中に押釦が他物
に当つたりすると動作してコンパクトが半開し、
化粧料がバツク内のごみで汚れたりする懸念があ
る。

本考案は、止め金解錠用の押釦に左右方向スラ
イド可能なスライドピースを設け、このピースに
押上げ部材を設け、この押上げ部材と化粧品皿前
面凹所の前向き壁との間にロツク機構を形成し、
常時はこのロツク機構により止め金解錠の押込み
をロツクし、押釦の不用意な動作を防止するよう
にした化粧用コンパクトを得るにある。

「問題点を解決するための手段」 本考案では、蓋１前部裏面に化粧品皿２前面凹
所３に垂下する止め金用の係合部材４を有し、か
つこの凹所３に止め金解錠用押釦５を枢支配設し
た化粧用コンパクトにおいて、前記凹所３の前向
き壁６に窓７を明け、一方前記押釦５に窓８を明
けてこの押釦５に、この押釦５前面に沿う前面板
９背後から窓８を貫通して押釦５後方に突出し、
上面が前記係合部材４下面に近接する押上げ部材
１０を設け、この押上げ部材１０背後から後方の
前記前向き壁６に近接する足１１を突出したスラ
イドピース１２を左右方向スライド可能に設け、
このスライドピース１２を一方にスライドさせた
とき足１１を前向き壁６部に位置させて押込みを
ロツクし、他方にスライドさせたとき足１１を前
記窓７部に位置させて押込みロツクを解除させる
ようにしている。

「作用」 上記において、常時はスライドピース１２は一
方、例えば右方側にスライドさせており、この位
置ではスライドピース１２の押上げ部材１０は係
合部材４下面部にあるが、この押上げ部材１０背
後のロツク用の足１１は第１図ｂに示すように、
凹所３の前向き壁６部にあつてこの壁６面に届く
ように近接しており、従つてこの位置で押釦５を
押込んでも押込むことができず、止め金解錠操作
はロツク状態にある。

化粧に当つては、スライドピース１２を他方、
即ち左方側にスライドさせる。すると、押上げ部
材１０は係合部材４下面から外れないが、足１１
は前向き壁６の窓７部に位置する。従つてこの位
置で押釦５前面下部を押込めばよい。この押込み
で足１１は窓７に抵抗なく入り込むので、押上げ
部材１０は係合部材４を押上げることができ、止
め金を解錠する。

「実施例」 本考案は、止め金解錠用押釦５に左右方向スラ
イド可能にスライドピース１２を設け、このピー
ス１２にロツク用の足１１を持つ押上げ部材１０
を設け、一方化粧品皿２の押釦５取付け凹所３の
前向き壁６に窓７を明け、スライドピース１２の
位置によりロツク用の足１１を前向き壁６部に位
置させるか窓７部に位置させるかして解錠操作を
ロツクまたロツク解除させることを特徴としてい
る。

化粧品皿２は、前面中央部に押釦５の取付け凹
所３を凹設し、この凹所３の前向き壁６上部中央
に止め金の一方の係合突起１３を設け、またこの
前向き壁６の中央より幾分左方にずれた個所に窓
７を明け、そしてこの凹所３の左右の横向き壁か
ら押釦５枢支用のピン１４，１４を突設してい
る。

蓋１は、後端部をヒンジ１５で前記化粧品皿２
後端部に枢着してこの化粧品皿２上面部に片開き
可能に配設され、また前部裏面から下部背面に止
め金の他方の係合突起１６を設けた係合部材４を
垂設している。この係合部材４は左右方向に巾広
な板状の形状で、下部前面右側に押釦５の押込み
操作ロツク用の突条１７を突設している。

押釦５は、前面板１８に窓８を明け、また上面
板に係合部材４を通す切欠き１９を設け、両側板
外面に枢支溝２０，２０を設け、この枢支溝２
０，２０を導入溝２１，２１を介し前記ピン１
４，１４に枢支して凹所３に縦方向回動可能に配
設してある。

スライドピース１２は、前面板９背後の幾分左
側にずれた個所から前記窓８を貫通するこの窓８
より巾狭な貫通部２２を設け、この貫通部２２の
背後から、上面が前記係合部材４下面に近接する
押上げ部材１０を設け、この押上げ部材１０背後
下部から後方に、凹所３の前向き壁６面に届くよ
うに近接する足１１を突出し、左右方向スライド
可能に設けてある。前記貫通部２２の上下面から
は窓８の背面の上下端縁に係止してスライドピー
ス１２の抜け出しを防止する係止用突条２３，２
３を設けている。また貫通部２２の後部側上面か
らは、前記突条１７に上面から係合する押え片２
４を設けている。この押え片２４は突条１７とで
押釦５押込み防止の第２のロツク機構を形成して
いる。尚、２５は摘みである。

前記押上げ部材１０、足１１及び押え片２４は
次のような関係にある。即ち、スライドピース１
２を貫通部２２が窓８の右端に当接するよう右方
にスライドさせたとき、押上げ部材１０は係合部
材４下面にあるが、足１１は前向き壁６部にあ
り、また押え片２４は突条１７に係合し、押釦５
の押込みは２重のロツク状態にあり、そしてスラ
イドピース１２を貫通部２２が窓８の左端に当接
するよう左方にスライドすると、押上げ部材１０
は係合部材４下面にあるが、足１１は窓７部に位
置し、また押え片２４は突条１７から外れ、押釦
５押込みロツクを解除する。

上記において、押え片２４と突条１７の第２の
ロツク機構は必らずしも設けずともよい。尚、こ
の第２のロツク機構を設ける場合において、常時
における押え片２４と突条１７の係合が固くなる
ようにしておけば、押釦５、スライドピース１２
の揺動を防止し耳障りな音の発生が防げる利点が
ある。

「考案の効果」 上記したように本考案では、止め金解錠用の押
釦５に左右方向スライド可能なスライドピース１
２を設け、このピース１２に押上げ部材１０を設
け、この押上げ部材１０と化粧品皿２前面凹所３
の前向き壁６との間にロツク機構を設け、常時は
このロツク機構により止め金解錠の押釦５押込み
をロツクするようにしたので、押釦５の不用意な
動作が防止でき便利である。しかして操作は、ス
ライドピース１２を僅かの距離スライドさせるの
みであり、何の面倒もなく簡便である。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは本考案化粧用コンパクトの一実
施例の外形斜視図と要部縦断面図、第２図は同実
施例の要部拡大分解斜斜視図、第３図は同実施例
の押釦とスライドピースの分解斜視図である。 １……蓋、２……化粧品皿、５……押釦、１０
……押上げ部材、１２……スライドピース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蓋１前部裏面に化粧品皿２前面凹所３に垂下す
   る止め金用の係合部材４を有し、かつこの凹所３
   に止め金解錠用押釦５を枢支配設した化粧用コン
   パクトにおいて、前記凹所３の前向き壁６に窓７
   を明け、一方前記押釦５に窓８を明けてこの押釦
   ５に、この押釦５前面に沿う前面板９背後から窓
   ８を貫通して押釦５後方に突出し、上面が前記係
   合部材４下面に近接する押上げ部材１０を設け、
   この押上げ部材１０背後から後方の前記前向き壁
   ６に近接する足１１を突出したスライドピース１
   ２を左右方向スライド可能に設け、このスライド
   ピース１２を一方にスライドさせたとき足１１を
   前向き壁６部に位置させて押込みをロツクし、他
   方にスライドさせたとき足１１を前記窓７部に位
   置させて押込みロツクを解除させるようにした化
   粧用コンパクト。