JPH0436429Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 産業上の利用分野 本考案は自動車や産業車両などの完成車両の走
行性能試験を行なうシヤシーダイナモメータ用ロ
ーラの改良に関するものである。

Ｂ 考案の概要 固定枠に設けられたローラの頂部に、自動車や
産業車両などの完成車両の駆動輪を乗せて走行性
能試験を行なうシヤシーダイナモメータ用ローラ
において、該ローラを軸受を介して浮動枠に取付
け、該浮動枠を複数のロードセルにより釣支する
とともに、前記車両の走行方向に繋止することに
より、前記車両の走行性能試験の際に駆動力、制
動力、輪重ならびにそれらの変化状態を直接測定
することができるようにしたものである。

Ｃ 従来の技術 完成車両の駆動力や制動力を直接測定するに
は、車両ごとに取付具を製作してホイールトルク
メータを取付け、また輪重については車体支持部
に歪ゲージを貼着して測定していた。

Ｄ 考案が解決しようとする問題点 完成車両の駆動力、制動力、輪重ならびにそれ
らの変化状態を実際に屋外の道路を走行して測定
する場合、同一道路であつても路面状態は天候塵
埃等により常に変化しており同一路面状態での試
験を繰返し継続することは不可能に近い。

シヤシーダイナモメータのローラ上に車輪を乗
せて実際の走行状態を再現して測定する場合には
路面状態を一定にすることはできるが、車両ごと
に取付具を製作してホイールトルクメータを着脱
し、また車体支持部に歪ゲージを貼着するという
多大の時間を要する作業を必要としていた。

Ｅ 問題点を解決するための手段 シヤシーダイナモメータのローラを、軸受を介
して浮動枠に取付け、該浮動枠を複数のロードセ
ルにより固定枠に釣支するとともに車両の走行方
向に繋止する。

Ｆ 作用 浮動枠を固定枠に釣支したロードセルにより輪
重を測定し、前記浮動枠を車両の走行方向に繋止
したロードセルにより駆動力や制動力を測定す
る。

Ｇ 実施例 第１図は本考案に係るローラを採用したシヤシ
ーダイナモメータが床面下に設置されている場合
の例を示す図で、１は床板、２は電気動力計、３
はローラ、４は固定枠、５が車両である自動車、
６は増速機、７はフライホイールである。図示を
省略したが自動車５の前正面の床板１上には自動
車の走行速度に比例した速さの風を送り出す車速
比例送風機が設けられ、また車輪とローラとの接
触部に向けて冷却風を吹き付けるタイヤ冷却フア
ン等が設置されている。

第２図乃至第４図は本考案の一実施例であるシ
ヤシーダイナモメータ用ローラの一部切截正面
図、平面図、側面図を示し、第１図におけるロー
ラ３、固定枠４部分を更に詳細に示したものであ
る。

第２図乃至第４図において３はローラ、４は固
定枠で、８はローラ３の頂部を床面上に露出させ
るために固定枠４に設けた切欠孔である。９はロ
ーラ３を回転可能に支承する軸受、１０は浮動枠
で前記軸受９を介してローラ３が取付けられてい
る。１１は浮動枠１０を固定枠４に釣支するため
のロードセルで、１２は該ロードセル１１の固定
枠４側の取付金具、１３はロードセル１１の浮動
枠１０側の取付金具である。１４は浮動枠１０を
固定枠４に、第１図における車両５の走行方向に
繋止するためのロードセルで、１５は固定枠４に
固設された取付板、１６はロードセル１４の固定
枠４側の取付金具、１７はロードセル１４の浮動
枠１０側の取付金具で、１８は浮動枠１０に固設
された取付板である。１９は等速ボール軸接手で
ローラ３とローラ３の間、あるいは他の軸とロー
ラ３との間を接続するのに使用される。

以上のように構成したローラ３の頂部に車両５
の駆動輪を乗せて駆動し、あるいは制動すると、
その駆動力あるいは制動力はローラ３、軸受９、
浮動枠１０を経て、該浮動枠１０を固定枠４に繋
止しているロードセル１４に引張力あるいは圧縮
力を加えることになるから、ロードセル１４によ
つて車両５の駆動力あるいは制動力を直接測定す
ることができる。また車両５の駆動あるいは制動
時に生じた輪重の変化はローラ３、軸受９、浮動
枠１０を経て、該浮動枠１０を固定枠４に釣支し
たロードセル１１に引張力として作用するから輪
重ならびにそれらの変化はロードセル１１によつ
て直接測定することができる。

以上に述べた実施例においては、ローラ３とロ
ーラ３との間を等速ボール軸接手で接続してある
から車両５の左右の駆動輪個々の駆動力、制動
力、輪重ならびに輪重の変化の測定ができるが、
車両の左右の駆動輪を同時に乗せることができる
巾広のローラを使用するか、または２個のローラ
３を共通の１個の浮動枠に取付けるときは、前輪
駆動車の前輪、あるいは後輪駆動車の後輪の総合
駆動力、制動力、輪重ならびにそれらの変化を直
接測定することができる。

また第１図に示すシヤシーダイナモメータを２
台使用してローラ３上に車両５の前輪と後輪を乗
せるときは、４輪駆動車の前後輪差動、前後輪直
結時の駆動力、制動力、輪重ならびにそれらの変
化を直接測定ができ、さらに第２図におけるロー
ラ３とローラ３との間に等速ボール軸接手を取外
し、各ローラごとに増速機、フライホイール、電
気動力計を接続すると、前輪駆動車や後輪駆動車
における左右輪差動時の駆動力、制動力、輪重な
らびに輪重の変化を各車輪ごとに直接測定するこ
とが可能となり、これを前後輪に設けるときは４
輪駆動車の前輪差動、後輪差動、前後輪差動ある
いはそれらの組合せや差動部を直結したときの各
車輪の駆動力、制動力、輪重ならびにそれらの変
化を直接測定することができる。

Ｈ 考案の効果 本考案はシヤシーダイナモメータ用ローラを、
軸受を介して浮動枠に取付け、該浮動枠を複数の
ロードセルによつて固定枠に釣支するとともに、
車両の走行方向に繋止したものであるから、試験
車両ごとに取付具を製作したホイールトルクメー
タを着脱したり車輪タイヤの有効半径を推定した
り、トルクから力を算出したり、あるいは車体支
持部に歪ゲージを貼着したりするなどのことな
く、車両の駆動力、制動力は前記浮動枠を固定枠
に車両の走行方向に繋止したロードセルによつ
て、また輪重ならびに輪重の変化は前記浮動枠を
固定枠に釣支したロードセルによつて、前輪駆動
車、後輪駆動車は勿論４輪駆動車の場合において
も各車輪個々に、あるいは前輪、後輪の左右輪を
総合して直接測定することができるという実用的
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るローラを採用したシヤシ
ーダイナモメータの一例を示す正面図、第２図乃
至第４図はそれぞれ本考案の一実施例を示す一部
切截正面図、平面図、側面図である。 ３……ローラ、４……固定枠、５……車両、９
……軸受、１０……浮動枠、１１……浮動枠を釣
支するロードセル、１４……浮動枠を繋止するロ
ードセル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定枠に設けられたローラの頂部に車両の駆動
   輪を乗せて走行性能試験を行なうシヤシーダイナ
   モメータのローラにおいて、該ローラを軸受を介
   して浮動枠に取付け、該浮動枠を複数のロードセ
   ルにより前記固定枠に釣支するとともに、前記車
   両の走行方向に繋止したことを特徴とするシヤシ
   ーダイナモメータ用ローラ。