JPH043599Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は可逆転レオナードにおける逆転防止
に関する。

一般に、可逆転レオナードは停止の際逆方向へ
少し回転して後完全停止するのであるが、これは
制御対象によつては危険を招き、また停止時間が
長くなり、更には歯車等に無理な力が加わり寿命
を縮めることも考えられる。

この考案は、上記に鑑み、可逆転レオナードの
停止の際、定格速度の1/100とか1/200の“零速
度”の値にまで低下したとき、その零速度を検知
し、速度、電流の各調節器の入出力間を短絡して
増幅度の大きい各調節器の出力レベルを入力側レ
ベルまで低下させ、すなわち移相器入力を零とし
てゲート移相角を転流失敗を来たさない最深位置
にまで絞つた約150〜160°のキツクパルス位置に
移相し電動機逆転を防止したもので、以下詳細を
図示する実施例に基づき具体的に説明する。

図面は、第１図がサイリスタレオナード制御装
置の全体構成図、第２図がその動作を説明するた
めのタイムチヤートである。第１図において、１
が指令速度Ｎを設定する速度指令器、２が上記指
令速度Ｎと速度検出器１１からの電動機速度Nf
間との偏差を求め増幅する速度調節器、３及び４
はそれぞれ正転用、逆転用の電流調節器で速度調
節器２出力の電流指令と、電流検出器１０からの
電流帰還信号との差を増幅し移相器６，７への入
力信号とする。なお、逆転用の電流調節器４は、
速度調節器２との間に符号変換器５を介在させ電
流指令を反転させ、逆方向の電機子電流を供給す
る。８，９はそれぞれ正転用、逆転用の順変換
器、１２は直流電動機である。

この考案は、上記一般的のレオナード制御装置
において、電動機速度が、定格値の1/100とか1/2
００の零速度に達した際における、僅かの間、速度
調節器２、電流調節器３，４の各入出力間を短絡
し移相器６，７の入力を零とするもので、そのた
め、電動機１２の零速度を検出する零速度検知器
２１と、検出器出力を一定期間維持しこの間リレ
ーＸ２３を作動させて電動機を慣性により減速、
停止させる微分器２２と、各調節器の入出力間を
短絡する上記リレーＸ２３とを、電動機速度帰還
系に付設せしめて構成される。

第２図に基づき動作を説明する。第２図に示す
ように、時点ｔ１で電動機１２が停止指令を受け
ると（速度指令Ｎが零）、正転用のリレーXFが作
動を停止し移相器６の入力信号は零となり、電動
機１２は駆動状態から回生状態へと移行する。正
転用、逆転用順変換器８，９間の電源短絡を避け
るため若干時間後のｔ２時点で逆転用リレーXR
が投入され、逆転用の電流調節器４、移相器７が
速度制動系として作動し、逆転用の順変換器９が
移相制御され正転時とは逆方向に電機子電流が流
れる。もちろん、電動機１２は、図示するよう
に、正方向への回転を継続しており、この電機子
電流は制御電流として働き、電動機１２には制動
力が作用し電動機速度は急激に減少する。かくし
て、電動機１２が零速度近辺（時点ｔ３）にまで
低下し、本考案に係る零速度検知回路が作動す
る、すなわち零速度検知器２１に出力を生じ微分
器２２により一定期間維持されるのであり、この
間リレーＸ２３が付勢され、速度制御系の速度調
節器２、電流マイナループ正転用、逆転用の各電
流調節器３、４のそれぞれの入出力間が短絡され
る。実施例の場合、逆転用の移相器７の入力信号
が零となり（正転用移相器６はリレーXF不動作
のためすでに入力信号零）、逆転用順変換器７の
ゲート位相がキツクパルス位置となり、制動電流
を急激衰させる。この結果、電動機１２は逆転す
ることなく漸次速度を低下させ、時点ｔ４で完全
停止し、その後微分器２２による一定期間が終了
し調節器２，３，４の入出力短絡が解除される。

このように、本考案は、この種可逆のレオナー
ド装置にあつて、停止時に、制動電流が指令信号
の形で帰還されており、僅かの間であるけれども
逆方向に回転して後、停止するという、制御対象
によつては危険を招き、かつ歯車等に悪影響を及
ぼす等の現象を、零速度検知のコンパレータ、微
分器と、リレー装置を備えるという極めて簡易な
構成により防止したことを特長とする。

【図面の簡単な説明】

第１図が実施例のブロツク線図、第２図はその
動作を説明するためのタイムチヤートである。 ２……速度調節器、３……正転用電流調節器、
４……逆転用電流調節器、１２……直流電動機、
２１……零速度検出器、２２……微分器、２３…
…各調節器短絡用リレー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２組の順変換器８，９を互いに逆並列接続して
   なる主回路と、速度指令と電動機速度を比較しそ
   の差を零にするよう制御する、速度調節器２を主
   な構成要素とする速度制御ループ、速度調節器２
   の電流指令と電動機電流を比較しその差を零にす
   るよう制御する、正転用電流調節器３と正転用移
   相器６からなる正転用電流マイナループ、同じく
   逆転用電流調節器４と逆転用移相器７と更に電流
   指令反転用の符号変換器５を挿入してなる逆転用
   電流マイナループ、正転用逆転用いずれかの電流
   マイナループを投入するべく正転用移相器６の入
   力側に挿入される正転用リレーXFと逆転用移相
   器７の入力側に挿入される逆転用リレーXR、か
   らなる制御回路から構成され、停止の際に速度指
   令を零とし、正転用リレーXFと逆転用リレー
   XRの作動を切り換えることにより、電動機速度
   の負帰還信号を系へ供給し速度に見合つた制動電
   流を流し急減速させるようにしたレオナード制御
   において、電動機が停止直前の零速度近傍に達し
   たことを検知する零速度検出器２１とこの零速度
   検出器２１の出力を一定期間維持する微分器２２
   からなる零速度検知回路と、零速度検知回路出力
   により速度調節器２、正転用、逆転用各電流調節
   器３，４の入出力間を短絡し、この短絡により正
   転用、逆転用各移相器６，７の入力を零とするリ
   レー回路２３を備えたことを特徴とするレオナー
   ド制御における逆転防止装置。