JPH04358904A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、トレッド部の耐久性を
向上しかつ生産性向上に寄与しうる空気入りラジアルタ
イヤに関する。

【０００２】

【従来の技術】乗用車、小型トラック等のタイヤにあっ
てはトレッド部に、カーカスの外側に位置させてベルト
層を配設しトレッド部の剛性を高めている。特に乗用車
又は小型トラック用のタイヤにあっては、ベルト層が２
枚以上のプライを重ね合わせて形成される場合が多く、
図７（Ａ）に示す如く長手方向に対して一定の角度で傾
斜するベルトコードａを有する第１のベルトプライｂと
、第１のベルトプライｂのベルトコードａとは逆向きに
傾くベルトプライｃを有する第２のベルトプライｄとを
個別に形成するとともに、図７（Ｂ）に示す如く両ベル
トプライｂ、ｃを重ね合わせ貼着していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし２枚のベルトプ
ライｂ、ｄを個別に製作ししかも両者を貼着するために
は多大の手間を要し、又作業能率にも劣る。

【０００４】しかも２枚のベルトプライｂ、ｄの側縁部
を強固に接着するためには、図７（Ｂ）に示す如く、何
れか一方のベルトプライを巾狭に形成し隅部を完全に糊
着する方法が用いられていた。従ってベルト層ｅの両側
縁部には２つのベルトプライａ、ｂが重合しない１０ｍ
ｍ以下の段長さを有する段部ｓ、ｓが存在し、又この段
部ｓが存在することによってベルト層ｅはその側縁部に
おいての強度、及び曲げ剛性が低下することとなる。さ
らに加えてベルト層ｅは前記段部において曲げによる変
形量が大となる結果、ベルトコードａに剥離が生じ易く
、この剥離によってトレッド部の耐久性を著しく損なう
こととなる。

【０００５】本発明はベルト層は、広巾のシートプライ
がその両側縁とタイヤ赤道近傍で近接させて折り曲げら
れることにより形成された折曲プライを含むことを基本
として、トレッド部の耐久性を向上できしかも経済的な
生産をなしうる空気入りラジアルタイヤの提供を目的と
している。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、トレッド部か
らサイドウォール部を通りビード部のビードコアの周り
を折返すラジアル配列のカーカスと、このカーカスのタ
イヤ半径方向外側に配されるベルト層とを具えた空気入
りラジアルタイヤであって、前記ベルト層は、タイヤ赤
道に対して１５〜３０度の角度で傾斜させ平行に並べた
ベルトコードをトッピングゴムにより被覆した長尺広巾
のシートプライが該シートプライの両側縁をタイヤ赤道
近傍で近接させて折り曲げられることにより形成された
折り曲げプライを含んだことを特徴とする空気入りラジ
アルタイヤである。

【０００７】なおシートプライの折り曲げによる両側縁
の近接は、両側縁の端面を互いに衝合させてもよく、又
前記端面を３ｍｍ以下の小間隙を隔てて向き合わせても
よく、さらには、両側縁部を僅少の重なり代を有してラ
ップさせることも出来る。

【０００８】

【作用】ベルト層は、シートプライの両側縁をタイヤ赤
道近傍で近接させて折り曲げた折り曲げプライを含んで
いる。従って折り曲げプライはベルトコードを分断する
ことなく２層のプライが形成でき、従来のカットプライ
の欠点とされていたコードが端縁で途切れることによっ
て生じるベルトコードの剥離を排除できトレッド部の耐
久性を著しく向上する。

【０００９】又前記の如く両側縁を近接させて折り曲げ
ているため、プライを２枚を貼合わせた図７（Ｂ）に示
す従来の構造のもののようにベルト層側縁部に段部がな
く、従って剛性段差が生じないため、段部からの割れの
発生を防ぎ、又ベルト層はこの段部に相当する面積が増
すことと相まってベルト層の強度、剛性を高め、一層の
高速走行が可能となる。

【００１０】しかも従来のもののように２枚のプライの
個々の成形及び両プライを貼合わせる必要がないため、
成形の手間を減じ作業能率が高まる結果、経済的な提供
が可能となる。

【００１１】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。図１〜３において空気入りラジアルタイヤ１は、ト
レッド部２と、その両端からタイヤ半径方向内側に向け
てのびるサイドウォール部３と、該サイドウォール部３
のタイヤ半径方向内端に位置するビード部４とを有し、
前記トレッド部２からサイドウォール部３を通り、ビー
ド部４にのびる本体部６ａに、前記ビードコア５をタイ
ヤ軸方向内側から外側に向かって巻上げる巻上げ部６ｂ
を設けたカーカス６と、トレッド部２の内部かつカーカ
ス６の半径方向外側に配されるベルト７とを具える。又
ビードコア５のタイヤ半径方向外側かつ巻上げ部６ｂと
本体部６ａとの間に断面三角状のビードエーペックス９
を立ち上げる。

【００１２】前記カーカス５は、カーカスコードをタイ
ヤ赤道Ｃに対して７０〜９０°の角度で傾斜させた１枚
以上、本実施例では１枚のカーカスプライからなり、カ
ーカスコードはナイロン、レーヨン、ポリエステル、芳
香族ポリアミド等の有機繊維コードが用いられる。

【００１３】ベルト層７は、本実施例では折り曲げプラ
イ１０からなり、その折り曲げプライ１０はシートプラ
イ１１を折り曲げることにより形成される。

【００１４】シートプライ１１はタイヤ赤道Ｃに対して
１５〜３０度の角度で傾斜させかつ平行に並べたベルト
コード１２…をトッピングゴムにより被覆した長尺のシ
ート体であり、両側縁Ｆ、Ｆはタイヤ赤道Ｃに対して略
平行に向くとともに、両側縁Ｆ、Ｆ間のタイヤ軸方向の
距離であるシート巾ＷＳはベルト層の巾ＷＢの略２倍に
設定される。

【００１５】又シートプライ１１は、本実施例では、そ
の長手方向の端縁Ｊが前記ベルトコード１２と略平行に
斜め切りされ、かつシートプライ１１をその巾方向中心
線をタイヤ赤道Ｃに合致させて周回させたときに、対向
する端縁Ｊ、Ｊが衝合するようその長さ寸法が決定され
る。

【００１６】前記ベルトコード１２は、ナイロン、レー
ヨン、ポリエステル、芳香族ポリアミド等の有機繊維の
他、スチールコードが採用できる。なお芳香族ポリアミ
ド繊維はスチールに略等しい引張り強さと柔軟性とを有
し、好適に採用しうる。

【００１７】折り曲げプライ１０は、前記シートプライ
１１を、図３に示す如く、その両側縁Ｆ、Ｆをタイヤ赤
道Ｃ上で互いに衝合するよう外側に折り曲げることによ
りベルト層７の巾ＷＢに等しい巾寸度を有する基部１５
と、そのタイヤ半径方向外側に２つの折り曲げ部１６ａ
、１６ｂが形成される。なお本実施例では、前記向き合
う両側縁Ｆ、Ｆ間の隙間は０を目標として３ｍｍ以下と
するのが好ましい。

【００１８】又前記折り曲げにより、ベルトコード１２
は、基部１５と折り曲げ部１６ａ、１６ｂとの間を途切
れることなく一連に連なりしかも該ベルトコード１２の
傾きは、図３に示す如くタイヤ赤道Ｃに対して互いに逆
方向に傾くこととなる。従って、ベルトコードの傾きを
１５〜３０°とした場合には、基部１５のベルトコード
と折り曲げ部１６ａ、１６ｂのベルトコードと前記カー
カス６のラジアル配列のカーカスコードと協同してコー
ドによる三角トラス構造を形成し、トレッド部２の剛性
を高める。

【００１９】又本実施例のように、シートプライ１１の
長手方向の端縁Ｊをベルトコード１２と同じ角度で斜め
切りした場合には、折り曲げにより該端縁Ｊは、折り曲
げ部１６ａ、１６ｂと基部１５においてタイヤ周方向に
位置ずれする。従って折り曲げプライ１０における周方
向の接続は基部１５と折り曲げ部１６ａ、１６ｂにおい
てずれが存在することにより、強固な接続が出来る。

【００２０】なお両側縁Ｆ、Ｆの前記近接部分には図１
に一点鎖線で示す如く、有機繊維コードをトッピングゴ
ムで被覆した小巾の補強プライ１７を添設し、両側縁Ｆ
、Ｆの衝合部分を補強してもよい。

【００２１】又、前記折り曲げプライ１０は図４に示す
如く両側縁Ｆ、Ｆをタイヤ赤道Ｃ上でかつ３〜１０ｍｍ
の重なり代Ｌを有して重ならせることにより、前記両側
縁Ｆ、Ｆを近接させ折り曲げ形成することか出来る。

【００２２】なお折り曲げプライ１０は図５に示す如く
、折り曲げ部１６ａ、１６ｂをカーカス６側に向けて折
り曲げ形成してもよく、さらに図６に示す如く、基部１
５と折り曲げ部１６ａ、１６ｂの間に第２のカーカスプ
ライ１９を挟んで折り曲げてもよく、本発明は種々の態
様のものに変更出来る。

【００２３】ちなみに本発明に係る折曲げプライを乗用
車用タイヤに採用することにより、従来の構造のタイヤ
に比べて最高速度が１１０〜１２０％上昇した。又小型
トラック用タイヤに用いることによって、ベルトコード
の剥離によるベルト層の破損が減じトレッド部の耐久性
を１１０〜１２０％高めることが出来た。

【００２４】又２枚のシートプライを貼り合わせてベル
ト層を形成した従来の構造のタイヤに比べてベルト層の
形成が簡易となることによって、図１に示す構成からな
るタイヤにおいてベルト層の形成に関する生産性を従来
のものに比べて１２０〜１３０％高めることが出来た。

【００２５】

【発明の効果】叙上の如く本発明の空気入りラジアルタ
イヤは、ベルト層がシートプライの両側縁をタイヤ赤道
近傍で近接させて折り曲げられることにより形成された
折り曲げプライを含むことを要旨としているため、従来
のシートプライの貼合わせて形成されたベルト層の側縁
におけるベルトコードの剥離を阻止できトレッド部の耐
久性を向上する。又従来のシートプライの貼合わせのよ
うにベルト層の側縁部に段部がなく従ってベルト層の断
面積が増し、一層の高速走行が可能となる。

【００２６】しかもプライを貼り合わせる作業がなくな
ることにより、作業能率が向上し、生産性向上に寄与し
うる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す断面図である。

【図２】そのシートプライの一例を示す平面図である。

【図３】折り曲げプライを示す平面図である。

【図４】ベルト層の他の例を略示する断面図である。

【図５】ベルト層の他の例を略示する断面図である。

【図６】ベルト層の他の例を略示する断面図である。

【図７】ベルト層の従来技術を示し、（Ａ）は個々のベ
ルトプライを、（Ｂ）はその重ね合わせた状態をそれぞ
れ示す平面図である。

【符号の説明】 ２　　トレッド部 ３　　サイドウォール部 ４　　ビード部 ５　　ビードコア ６　　カーカス ７　　ベルト層 １０　　折り曲げプライ １１　　シートプライ １２　　ベルトコード Ｃ　　タイヤ赤道 Ｆ　　側縁

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トレッド部からサイドウォール部を通りビ
   ード部のビードコアの周りを折返すラジアル配列のカー
   カスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側に配される
   ベルト層とを具えた空気入りラジアルタイヤであって、
   前記ベルト層は、タイヤ赤道に対して１５〜３０度の角
   度で傾斜させ平行に並べたベルトコードをトッピングゴ
   ムにより被覆した長尺広巾のシートプライが該シートプ
   ライの両側縁をタイヤ赤道近傍で近接させて折り曲げら
   れることにより形成された折り曲げプライを含んだこと
   を特徴とする空気入りラジアルタイヤ。