JPH04348941A - 易接着性ポリエステルフィルム - Google Patents

易接着性ポリエステルフィルム

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JPH04348941A
JPH04348941A JP12384091A JP12384091A JPH04348941A JP H04348941 A JPH04348941 A JP H04348941A JP 12384091 A JP12384091 A JP 12384091A JP 12384091 A JP12384091 A JP 12384091A JP H04348941 A JPH04348941 A JP H04348941A
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film
polyester
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純 平田
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北川 健雄
Kenji Tsunashima
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は易接着性ポリエステルフ
ィルムに関するものである。詳しくは易接着性、耐ブロ
ッキング性、耐湿性、平滑性などに優れた塗膜層を有す
る易接着性ポリエステルフィルムに関するものであり、
特に磁気記録材料などに好適な易接着フィルムである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル二軸延伸フィルムはその機
械的性質、電気的性質、寸法安定性、透明性、耐熱性な
どに優れた性質を有することから磁気記録材料、包装材
料、電気絶縁材料、各種写真材料、グラフィックア−ツ
材料など多くの基材フィルムとして広く使用されている
。しかし、ポリエステルフィルム表面は凝集性が高く、
接着性に乏しいため表面上に種々の被覆物、例えば磁性
体塗料、ケミカルマット塗料、ジアゾ感光塗料、ゼラチ
ン組成物、ヒ−トシ−ル付与組成物、インキなどを塗布
するにあたっては、塗布層の接着性を強靭なものとする
ためにフィルム表面上に各種ガス雰囲気下でのコロナ放
電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理などの物理的処
理やアルカリ、トリクロロ酢酸、アミン、フェノ−ル類
などによる化学的処理、あるいはこれらを併用した処理
方法が知られている。中でもポリエステルフィルムの表
面のプライマ−処理による易接着化が処理工程、作業上
の安全性及びフィルム加工商品の高品質維持などの利点
があることで広く行われており、しかもポリエステルフ
ィルム製造工程内で一気にプライマ−処理を行う方法が
工程簡略化や製造コストの点で有力視され、盛んに実施
されている。上記プロセスで用いられるプライマ−処理
剤としては、各種水系組成物が提案されており、中でも
ポリエステル基材への塗布性や塗布層の密着性、耐摩耗
性などに優れたポリエステル樹脂を主成分とした組成物
、あるいはアクリル系樹脂からなる塗布層を形成する検
討が種々なされてきた。(特公昭47−40873号、
特公昭49−10243号、特公昭56−5476 号
、特開昭52−19786号、特開昭52−19787
号、特開昭54−43017号、特開昭56−8845
 号、特開昭61−85436号などが知られている。 )
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし前述した従来の
技術には次のような問題点がある。すなわち従来の水溶
性ポリエステルは溶解性が悪いために未溶解分が多く瀘
過性に問題があった。また、そのためポリエステル基板
に積層した塗布面にピンホ−ルが発生しやすく、またワ
イア−バ−などが目詰まりを起こして塗布むらを生じる
原因となる。そのため溶解性を上げようとして、水溶性
のジカルボン酸成分の5ースルホイソフタール酸などの
比率をアップすると、耐湿性、耐ブロッキング性が悪く
なると共に、密着性も低下すると言う欠点が生じる。
【0004】本発明はこれらの欠点を解消せしめ、熱水
溶解性が良好でありポリエステル基材との密着性および
塗膜層上に設けられる各種塗設層との接着性に優れ、か
つ耐ブロッキング性、耐溶剤性、耐湿性、平滑性などに
優れた易接着ポリエステルフィルムを提供するものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】ポリエステルフィルムの
少なくとも片面に、5−ナトリウムスルホイソフタル酸
を含んだ状態でのTgが30℃以上130℃以下である
水溶性共重合ポリエステルからなる易接着層を積層した
ことを特徴とする易接着性ポリエステルフィルムをその
骨子とするものである。
【0006】本発明でいうポリエステルフィルムを構成
するポリエステルとは、エステル結合を主鎖の主要な結
合鎖とする高分子の総称であるが、特に好ましいポリエ
ステルとしては、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエ
チレン2,6−ナフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ
−ト、ポリエチレンα、β−ビス(2−クロルフェノキ
シ)エタン4,4−ジカルボキシレ−トなどであり、こ
れらの中でも品質、経済性などを総合的に勘案するとポ
リエチレンテレフタレ−トが最も好ましい。そのため以
後ポリエチレンテレフタレ−ト(以後PETと略称する
)をポリエステルの代表例として記述を進める。
【0007】PETとは80モル%以上、好ましくは9
5モル%以上がエチレンフタレ−トを繰り返し単位とす
るものであるが、この限定量範囲内で他のジカルボン酸
成分、ジオ−ル成分としても良い。またこのPET中に
公知の添加剤、例えば耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候
安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有
機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤など
を配合しても良い。上述したPETフィルムの極限粘度
(25℃のオルソクロロフェノ−ル中で測定)は0.4
0〜1.20dl/g好ましくは0.50〜0.80d
l/gの範囲にあるものが本発明の内容に適したもので
ある。本発明のポリエステルフィルムは、易接着層が積
層された状態においては機械的、熱的特性などから二軸
配向されたものであるのが好ましく、たとえばポリエス
テルとして上記PETを用いた場合の二軸配向PETフ
ィルムとは、無延伸状態のPETシ−トまたはフィルム
を長手方向および幅方向に各々2.5〜5倍程度延伸さ
れて作られるものであり、広角X線回折で二軸配向のパ
タ−ンを示すものをいう。PETフィルムの厚みは特に
限定されるものではないが、通常2〜500μmが好ま
しく、用途によって任意に選べば良い。
【0008】本発明の5−ナトリウムスルホイソフタル
酸を含んだ状態でのTgが30℃以上、130℃以下で
ある水溶性共重合ポリエステルとは全ジカルボン酸成分
中5〜40モル%、好ましくは10〜30モル%、より
好ましくは10〜20モル%が5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸からなる水溶性共重合ポリエステルであり、
該共重合ポリエステルのTgが30℃以上、130℃以
下、好ましくは50℃以上、120℃以下、より好まし
くは70℃以上、110℃以下である水溶性共重合ポリ
エステルをいう。Tgが30℃未満では得られた塗膜の
耐熱性が低く、耐ブロッキング性が不足するようになり
、Tgが130℃を超えると塗膜の密着性が悪くなるの
で好ましくない。
【0009】本発明の水溶性共重合ポリエステルは、ポ
リエステルのジカルボン酸成分として、1,1,3−ト
リメチル−3−フェニレンインダン−4′,5−ジカル
ボン酸(以後、PIDAと略称することがある)を5モ
ル%以上、60モル%以下、好ましくは10モル%以上
、50モル%以下、より好ましくは20モル%以上、4
0モル%以下含むポリエステル共重合体であることが望
ましい。5モル%未満ではブロッキング改良効果が発現
しにくく、60モル%を超えると密着性が劣るようにな
ると共に、ポリマの溶解性が極端に悪くなるので好まし
くない。
【0010】残るジカルボン酸成分としては、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸(以下、SIと略称すること
がある)を全ジカルボン酸成分中5〜40モル%、好ま
しくは10〜30モル%、より好ましくは10〜20モ
ル%含むことを必須とするが、他のジカルボン酸成分は
本発明の効果を損なわない範囲であるならば特に限定さ
れないが、水溶性共重合ポリエステルの溶解性、得られ
る易接着フィルムの密着性、耐ブロッキング性などから
、テレフタル酸(以下、TPAと略称することがある)
が主要なモノマとして共重合されることが好ましい。そ
の他のジカルボン酸成分の代表的なものとしては、イソ
フタル酸(以下、IPAと略称することがある)、ジメ
チルアジピン酸(以下、AAと略称することがある)、
ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4′ジカル
ボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などを例示す
ることが出来るがこれらに限定されるものではない。ま
た、これらジカルボン酸の共重合成分の割合も本発明の
範囲内であれば特に限定されるものではない。
【0011】一方、本発明の水溶性共重合ポリエステル
のジオ−ル成分としては、ビスフェノ−ルS−エチレン
オキサイド付加物(以下、BPS−EOと略称すること
がある)を5モル%以上、60モル%以下、好ましくは
10モル%以上、50モル%以下、より好ましくは20
モル%以上、40モル%以下含むポリエステル共重合体
であるのが望ましい。5モル%未満ではブロッキング改
良効果が発現しにくく、60モル%を超えると密着性が
劣るようになると共に、ポリマの溶解性が極端に悪くな
るので好ましくない。残るジオ−ル成分としては、エチ
レングリコ−ル(以下、EGと略称することが有る)、
1,4−ブタンジオ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、
1,5−ペンタンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジ
オ−ル、1,6ヘキサンジオール、ポリアルキレングリ
コ−ルなどを挙げることができるがこれらに限定される
ものではない。しかし本発明においては、得られる易接
着層の特性からEGが50モル%以上共重合されたもの
が好ましく用いられる。
【0012】本発明では、水溶性共重合ポリエステルの
成分としてジカルボン酸であるPIDA単独あるいはジ
オ−ルであるBPS−EO単独でもよく、またPIDA
及びBPS−EOそれぞれを共重合成分に使用しても良
い。
【0013】本発明では上記の水溶性共重合ポリエステ
ルからなる塗布液を塗布、乾燥後少なくとも一方向に延
伸された該塗膜をさらに高温熱処理することをその骨子
とするものであり、これによって塗布膜の性能が飛躍的
に向上することを見出したものである。
【0014】本発明の該塗膜の配向度は1.03〜1.
5であることが好ましい。これは配向度が1.5より大
きい場合塗膜の易接着性が十分でなく、また、塗膜内部
で劈開が起こり易いため好ましくない。一方1.03よ
り小さい場合、塗膜の耐湿性、耐ブロッキング性、耐溶
剤性が不十分となり、膨潤あるいは白化が容易に起こる
ため好ましくない。特に配向度が1.1〜1.40であ
る場合、特性のバランスが良好であり好ましい。また、
塗膜の厚みは0.001μm〜2μm、好ましくは0.
01μm〜1μm、更に好ましくは0.06μm〜0.
5μmであることが望ましい。これは、厚みが0.00
1μmより薄い場合接着性改良効果がみられないため好
ましくなく、また、2μmより厚い場合、耐湿性、耐ブ
ロッキング性、耐溶剤性などが極端に悪化するので好ま
しくない。該塗膜の厚みは、種々の方法で測定できるが
、例えば積層フィルムの断面を電子顕微鏡で測定したり
、該塗膜が溶剤その他で除去できる場合は、除去した部
分と除去していない部分の段差からも求めることができ
る。
【0015】水溶性共重合ポリエステルの極限粘度(2
5℃のオルソクロロフェノ−ル中で測定)は0.40〜
1.20dl/g好ましくは0.60〜0.90dl/
gの範囲にあるものが本発明の内容に適したものである
。また、本発明の水溶性共重合ポリエステルにはオキサ
ゾリン等の架橋剤を添加することが耐ブロックング性向
上の面から好ましく、該水溶性共重合ポリエステル塗液
中には本発明の効果を損なわない範囲で帯電防止剤、界
面活性剤等の各種添加剤を添加してもなんら差し支えな
い。本発明の水溶性共重合ポリエステルはポリエステル
フィルムの製造工程中に塗布し、基材と共に延伸する方
法が最も好ましい。例えば、溶融押し出しされた結晶配
向前のポリエステルフィルムを長手方向に2.5〜5倍
程度延伸し、連続的に塗布する面にコロナ放電処理を施
し、その処理面に塗布液を塗布する。塗布されたフィル
ムは段階的に加熱されたゾ−ンを通過しつつ乾燥され、
幅方向に2.5〜5倍程度延伸される。さらに連続的に
150〜250℃の加熱ゾ−ンに導かれ結晶配向を完了
させる方法によって得られる。この場合に用いる塗布液
は環境汚染や防爆性の点で水系が好ましい。基材フィル
ム上への塗布の方法は公知の塗布方法、例えばリバ−ス
コ−ト法、グラビアコ−ト法、ロッドコ−ト法、ダイコ
−ト法、ワイアーバ−法などを用いることができる。上
記塗布層(易接着層)中には本発明の効果を阻害しない
範囲内で公知の添加剤、例えば耐熱安定剤、耐酸化安定
剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、
染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、
核剤などを配合しても良い。
【0016】次に本発明の易接着性ポリエステルフィル
ムの製造方法について説明するが、当然これに限定され
るものではない。
【0017】PETを常法に従って乾燥後、溶融押出し
、押出しされたシ−ト状溶融体を冷却固化せしめて未延
伸PETフィルムを作る。このフィルムを80〜120
℃に加熱して長手方向に2.0〜5.0倍延伸して一軸
配向フィルムとする。このフィルムの片面にコロナ放電
処理を施し、この処理面に所定の濃度に水で希釈した本
発明の範囲の水性塗剤を塗布する。次いで、この塗布さ
れたフィルムを90〜140℃に加熱しつつ幅方向に2
.5〜5.0倍延伸し、引き続いて160〜240℃の
熱処理ゾ−ン中に導き、1〜10秒間熱処理を行う。 この熱処理中に必要に応じて幅方向に3〜12%の弛緩
処理を施しても良い。かくして得られた易接着性ポリエ
ステルフィルムの塗布層側に用途に応じた塗剤を塗布す
ることにより、各種用途、例えば磁気記録材料、セロフ
ァン用インク、オフセット用インク、紫外線硬化インキ
などの各種インク印刷用、電子写真トナ−易接着用、ケ
ミカルマット塗料易接着用、ジアゾ塗料易接着用、蒸着
用などの無機質被覆用などの基材フィルムとして好適に
使用されるものである。
【0018】
【特性値の測定方法および評価方法】本発明における特
性の測定方法および効果の評価方法は次の通りである。
【0019】(1)熱水溶解性 共重合ポリエステルを80℃2時間、90℃1時間熱水
中で撹拌溶解して冷却後、5μmフィルターで瀘過する
。その時の未溶解分の有無及び瀘過速度から熱水溶解性
の良否を下記により判定した。なお、熱水に未溶解のも
のはその後の評価は当然実施できないので(−)で示し
た。 ○  :  未溶解分もなく瀘過速度も速いもの△  
:  溶解性か瀘過性に問題のあるもの×  :  溶
解しないか、未溶解分が多く瀘過速度も遅いもの
【0020】(2)ガラス転移点(Tg)示差走差熱量
計(PERKIN  ELMER社製  DSC−2)
に試料10mgをセットし、10℃/分の昇温速度で昇
温し、吸熱ピ−クの頂上をポリマのTgとした。
【0021】(3)密着性 下記の塗料をフィルム上(塗布層を積層したものは該塗
布層上)に塗布して被覆層を設け、その被覆層の上にセ
ロハン粘着テ−プ(ニチバン(株)製)を貼付け、線圧
50kg/cmのニップロ−ルを通過させた後、180
度方向に急速に剥離する。その時のセロハン粘着テ−プ
に付着した被覆層の面積を下記の基準で判定した。なお
下記基準において[○]以上を接着性良好とした。 ◎  :  10%未満 ○  :  10%以上20%未満 △  :  20%以上40%未満 ×  :  40%以上
【0022】 [ダイフェラコ−ト] ・ダイフェラコ−トVD1654(大日精化工業(株)
製)    100重量部・スミジュ−ルN75(住友
バイエル(株)製)                
  1重量部上記比率で混合した塗料を乾燥後で6μm
になるようにバ−コ−タ−で塗布し、100℃で5分間
乾燥した。
【0023】(4)耐湿性 上記(3)で作成した被覆層を設けたフィルムを50℃
90%RH雰囲気下に1週間放置した後、上記(3)と
同様の接着性の評価を行った。
【0024】(5)耐ブロッキング性 易接着層を設けたフィルムの易接着層面同士を重ね合わ
せたもの(A)および易接着層面と2軸配向PETフィ
ルムを重ね合わせたもの(B)(重ね面積:3cm×4
cm)に500g/12cm2 の加重をかけて50℃
85%RH中で24時間放置した後、重ね合わせ部のせ
ん断応力をテンシロン引張り試験機を用い引張り速度2
0cm/分で測定し、下記基準で判定した。 ○  :  0kg/cm2 以上1kg/cm2 未
満△  :  1kg/cm2 以上3kg/cm2 
未満×  :  3kg/cm2 以上
【0025】(6)耐溶剤性 易接着層表面に有機溶剤として酢酸エチル、トルエン、
メチルエチルケトン、アセトン、イソプロピルアルコ−
ルをそれぞれ滴下し、易接着層の白濁の程度をヘイズア
ップ率で判定した。ヘイズアップ率が3%未満を(○)
、5%未満を(△)、5%以上を(×)とした。
【0026】(7)易接着層と基材フィルムとの密着性
易接着層上にクロスカットを入れ(100個/cm2 
)、クロスカット面にセロハンテ−プ(ニチバン(株)
製)を貼付け、線圧50kg/cm2 のニップロ−ル
で圧着した後、セロハンテ−プを180度方向に急速に
剥離して易接着層がセロハンテ−プに移行した程度で密
着性の評価を行った。剥離面積が5%未満を(○)、5
%以上10%未満を(△)、10%以上を(×)とした
【0027】(8)塗布層の厚み 日立製作所製透過型電子顕微鏡HU−12型を用い、積
層フィルムの超薄断面切片を観察し、厚みを求めた。
【0028】(9)表面粗さ(Ra) JIS−B−0601に従い、株式会社小坂研究所製の
触針型表面粗さ計BE−3Eを用い、カットオフ0.0
25mm、測定長4mmで平均表面粗さRa(μm)測
定した。
【0029】(10)塗膜の配向度 赤外偏光ATR法で行なう。装置にはBruker社製
FT−IR(IFS−113V)に偏光ATR測定用付
属装置(Bio−Rad  Digilab製)を取り
付けたものを使用する。このATR装置に、対称形のエ
ツジを持つ厚さ3mm、一辺25mmの正方形のInt
ernal  Peflection  Elemen
tを取り付け、延伸方向に対して並行と垂直の二方向の
吸収測定を行なう。光の入射方向をフィルムの流れ方向
にとり、入射面に垂直な偏光を用いてコ−ト面、非コ−
ト面のスペクルを測定し、各々SMC,SMPとする。 また、光の入射方向をフィルム幅方向にとり、入射面に
垂直な偏光を用いてコ−ト面、非コ−ト面のスペクルを
測定し、各々STC,STPとする。ただし、非コ−ト
面が存在しない場合は、コ−ト面を各種溶剤、水等で拭
きとった後基材面を測定する。コ−ト面と非コ−ト面の
差スペクルを次の手順で求める。差スペクルを計算する
際の内部基準バンドとして、解析に必要なコ−ト層の吸
収体に近い波数領域に観測されるベ−スフィルムの吸収
帯を選ぶ。内部基準吸収帯の吸光度が0になるように係
数を定めて、コ−ト面のスペクルから非コ−ト面のスペ
クルを引いた差スペクトルを各偏光成分について求め、
Sv(SMC−SMP)、Sp(STC−STP)とす
る。このようにして求めた差スペクトル上予め定めた二
つの波数における点を結びベ−スラインとし、ベ−スラ
インから吸収帯のピ−クまでの高さをコ−ト層吸収帯の
吸光度Av(Svに対し)、Ap(Spに対し)とする
。このようにして得られたコ−ト層の吸光度AvとAp
から配向度Pを計算する。 P=|Av−Ap|/(Av+Ap)+1
【0030】
【発明の効果】本発明は、ポリエステルフィルムの少な
くとも片面に、易接着層として特定の組成を有する塗布
液を塗布乾燥後、延伸された塗膜を有する易接着性ポリ
エステルフィルムとしたので以下の優れた効果を奏する
ものである。
【0031】(1)各種被覆層との接着性に優れ、高温
高湿下においても接着性の低下が極めて小さい。
【0032】(2)また耐ブロッキング性に優れ高温高
湿下での保管性が良く、本発明の成分を共重合すること
により溶解性が一段と向上するため、未溶解分により発
生するピンホールが極めて少なくなるので各種用途、特
に表面平滑性を要求される磁気材料などの易接着フィル
ムなどに好適に使用することができる。
【0033】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明を説明するが必
ずしもこれに限定されるものではない。
【0034】実施例1 平均粒径0.12μmのコロイダルシリカを0.4%お
よび平均粒径0.8μmの炭酸カルシウムを0.03%
含有するPETペレット(極限粘度0.62dl/g)
を充分に真空乾燥した後、押出機に供給して280℃で
溶融押出し、10μmカットの金属焼結フィルタ−で瀘
過した後、T型口金よりシ−ト状に押出し、これを30
℃の冷却ドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この間
のシ−トと冷却ドラム表面との密着性を向上させるため
、シ−ト側にワイヤ−電極を配置して6000Vの直流
電圧を印加した。かくして得られた未延伸PETフィル
ムを95℃に加熱して長手方向に3.5倍延伸し、一軸
延伸フィルムとした。このフィルムの一方の面に空気雰
囲気中でコロナ放電処理を施し、その処理面に下記の易
接着層形成水性塗料をグラビアコ−ト方式で塗布した。 塗布厚みは二軸延伸後において易接着層が0.15μm
となるようにした。
【0035】[易接着層形成水性塗料]水溶性共重合ポ
リエステルのジカルボン酸成分として、TPA55モル
%、SI15モル%、PIDA30モル%、一方ジオ−
ル成分としてはEG100モル%の組成比で、酸成分に
対して0.09%の酢酸カルシウムを触媒として用いて
オ−トクレ−ブ中で撹拌下で加熱することによりエステ
ル交換し、次いで着色防止剤としてリン酸トリメチル0
.04%を加えて重縮合して本発明の水溶性共重合ポリ
エステルを得た。得られた水溶性共重合ポリエステルは
極限粘度0.73dl/gであった。このポリマ−を6
重量%の水性塗料としたものは透明性に優れ、不溶解分
も極めて少なかった。水性塗料が塗布された一軸延伸フ
ィルムを95℃に加熱された予熱ゾ−ンに導き、水分を
乾燥させた後、連続的に100℃の加熱ゾ−ンでクリッ
プに把持して幅方向に3.5倍延伸し、続いて225℃
の加熱ゾ−ンで幅方向に5%の弛緩処理をしつつ10秒
間熱処理を施し、易接着層厚み0.15μmを設けた厚
み75μmの易接着性ポリエステルフィルムを得た。 この易接着性ポリエステルフィルムの評価結果を表1及
び表2に示す。このフィルムの易接着層側に設けた各種
被覆層の接着性は極めて良好であり、高温高湿下におい
ても接着性の低下がなく、かつ耐ブロッキング性も良好
であった。
【0036】実施例2 実施例1のポリエステル共重合体ジカルボン酸成分のP
IDAの代わりに、ジオ−ル成分にBPS−EOを使い
、ジカルボン酸成分としてTPA87.5モル%、SI
12.5モル%、ジオ−ル成分としてEG70モル%、
BPS−EO30モル%の共重合組成比で重合した以外
は実施例1と同様にして易接着層厚み0.12μmを設
けた厚み75μmの易接着性ポリエステルフィルムを得
た。結果は表1及び表2に示すとおり良好な特性を示し
た。
【0037】実施例3〜4 それぞれ表1及び2に結果を示したが本発明の範囲内に
あるものは全て良好な特性を示した。
【0038】比較例1〜3 それぞれ表1及び2に結果を示したが本発明の範囲外に
あるものは極めて被覆層との接着性が悪く、耐ブロッキ
ング性も劣るものであった。比較例3はポリエステルフ
ィルム基板の上に易接着層を全く塗布しないものであり
、当然のことであるが被覆層との接着性が極めて悪いも
のであった。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ポリエステルフィルムの少なくとも片
    面に、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を含んだ状態
    でのTgが30℃以上130℃以下である水溶性共重合
    ポリエステルからなる易接着層を積層したことを特徴と
    する易接着性ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】  水溶性共重合ポリエステルが、ジカル
    ボン酸成分として1,1,3−トリメチル−3−フェニ
    レンインダン−4′,5−ジカルボン酸を5モル%以上
    60モル%以下共重合された水溶性共重合ポリエステル
    であることを特徴とする請求項(1)記載の易接着性ポ
    リエステルフィルム。
  3. 【請求項3】  水溶性共重合ポリエステルが、ジオ−
    ル成分としてビスフェノ−ルS−エチレンオキサイド付
    加物を5モル%以上60モル%以下共重合された水溶性
    共重合ポリエステルであることを特徴とする請求項(1
    )記載の易接着性ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】  水溶性共重合ポリエステルが、ジカル
    ボン酸成分として1,1,3−トリメチル−3−フェニ
    レンインダン−4′,5−ジカルボン酸を5モル%以上
    60モル%以下、及びジオ−ル成分としてビスフェノ−
    ルS−エチレンオキサイド付加物を5モル%以上60モ
    ル%以下共重合された水溶性共重合ポリエステルである
    ことを特徴とする請求項(1)記載の易接着性ポリエス
    テルフィルム。
  5. 【請求項5】  水溶性共重合ポリエステルからなる塗
    布液をポリエステルフィルム上に塗布乾燥後、少なくと
    も一方向に延伸してなり、該塗膜の配向度が1.03〜
    1.5、厚みが0.001〜2.0μmであることを特
    徴とする請求項(1)から(4)のいずれかに記載の易
    接着性ポリエステルフィルム。
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