JPH04342444A - 表面処理された輸送機器用物品および該物品の製造方法 - Google Patents

表面処理された輸送機器用物品および該物品の製造方法

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JPH04342444A
JPH04342444A JP3141416A JP14141691A JPH04342444A JP H04342444 A JPH04342444 A JP H04342444A JP 3141416 A JP3141416 A JP 3141416A JP 14141691 A JP14141691 A JP 14141691A JP H04342444 A JPH04342444 A JP H04342444A
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JP
Japan
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group
article
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transportation equipment
hydrolyzable
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Application number
JP3141416A
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English (en)
Inventor
Takashige Yoneda
貴重 米田
Tsuneo Wakabayashi
若林 常生
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Priority to DE69229924T priority patent/DE69229924T2/de
Priority to EP19920107814 priority patent/EP0513690B1/en
Priority to US07/883,391 priority patent/US5314731A/en
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Priority to US08/457,537 priority patent/US5645939A/en
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水滴の付着が少ないあ
るいは付着した水滴の除去が容易な撥水性表面を長期に
渡って維持しうる輸送機器用物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電車、自動車、船舶、航空機等の輸送機
器における外板、窓ガラス、鏡、表示機器表面材等の外
装部材、計器盤表面材等の内装部材、その他の物品の表
面は常に清浄であることが好ましい。輸送機器用物品の
表面に、雨滴、ほこり、汚れ等が付着したり、大気中の
温度や湿度の影響によって水分が凝縮すると、その外観
が損なわれる。それが人の目に直接触れる表面であった
り、人が接触する表面であると、不快感や衛生上の問題
も生じる。
【0003】さらには、輸送機器用物品表面が有する本
来の機能を著しく低下させることにもなる。特に、輸送
機器用物品が透明性、透視野性を要求される物品(例え
ば、窓ガラスや鏡等)である場合には、この種の現象は
その物品の本来の目的すら達成できないことに通じ、重
大事故を誘発する原因ともなりかねない。
【0004】水滴等を除去するための手段(例えば、ふ
き取りやワイパーによる除去)は、ときとして表面に微
細な傷を付けることがある。また、水滴等に伴われる異
物粒子によってかかる損傷を一層著しいものとすること
もある。さらに、ガラス表面に水分が付着した場合には
、水分中にガラス成分が溶出し、表面が浸食されていわ
ゆる焼けを生じることはよく知られている。この焼けを
除去するために強く摩擦すると微細な凸凹を生じ易い。 焼けが激しく生じたガラスや表面に微細な凸凹を生じた
ガラスからなる透視野部は、本来の機能が低下し、また
、その表面で光の散乱が激しく視野確保の点で不都合が
生じるため安全性に問題がある。
【0005】その他にも、水分は、輸送機器用物品の表
面に有害な影響を与えて損傷、汚染、着色、腐食等を促
進させ、また、輸送機器用物品の電気的特性、機械的特
性、光学的特性等の変化を誘発することもある。
【0006】このような現状において、輸送機器用物品
表面に水をはじく性質(以下これらを撥水性という)付
与し、水滴の付着が少ないあるいは付着した水滴の除去
が容易な表面を長期に維持しうることは強く求められて
いるところである。従来から表面を撥水性にするために
、例えばシリコン系ワックスやオルガノポリシロキサン
からなるシリコン油、界面活性剤などを直接塗布する表
面処理剤が提案されている。
【0007】しかるに、これらは、塗布に伴う前処理を
必要とするものが多く、かつ塗布時に塗布ムラが発生し
易いという問題があった。また、処理剤自身の基材への
付着性が低いことにより、撥水性の長期持続性を満足し
得るには至らず、しかも処理剤の適用範囲が限定されて
いた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
問題点に鑑みなされたものである。すなわち、本発明者
は、従来の提案が有していた欠点を解消し得る処理剤の
研究、検討の過程において、多種類の基材に応用が可能
であり、優れた撥水性を発現する処理剤を見いだた。し
かも、該処理剤で処理した各種基材は撥水性を有する基
材として、特に輸送機器用物品として極めて好適である
ことを確認し、本発明を完成するに至った。従って、本
発明は、撥水性を有し、耐摩耗性、耐薬品性、耐候性に
優れることで、その効果が半永久的に持続する輸送機器
用物品の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
した下記の発明である。
【0010】少なくとも2層の表面処理層を有する基材
からなる、あるいはその基材を構成要素とする、輸送機
器用物品であって、表面処理層の最外層である第1層が
2以上のフッ素原子を有する有機基と加水分解性基とを
有する含フッ素オルガノシラン化合物(I) あるいは
その部分加水分解生成物で処理して得られる層であり、
最外層に接する下層である第2層が上記含フッ素オルガ
ノシラン化合物以外の加水分解性シラン化合物(II)
あるいはその部分加水分解生成物で処理して得られる層
である、輸送機器用物品。
【0011】本発明において、含フッ素オルガノシラン
化合物(I) とは、少なくとも1つの2以上のフッ素
原子を有する有機基と少なくとも1つの加水分解性基と
が同一あるいは異なるケイ素原子に結合した構造を有す
る化合物を意味する。有機基とケイ素原子は炭素−ケイ
素結合で結合し、加水分解性基もケイ素原子に直接結合
している。有機基とケイ素原子は同一分子の異なるケイ
素原子に結合していてもよく(この場合、同一分子内に
2以上のケイ素原子を有する)、同一ケイ素原子に結合
していてもよい。また、ケイ素原子には2以上のフッ素
原子を有する有機基以外の有機基が結合していてもよい
。2以上のフッ素原子を有する有機基は、通常1価の有
機基であるが、2つのケイ素原子間を結合する2価ある
いはそれ以上の多価の有機基であってもよい。
【0012】加水分解性シラン化合物(II)とは、少
なくとも1つの加水分解性基がケイ素原子に結合した構
造を有する化合物を意味する。この化合物は、ケイ素原
子に加水分解性基のみが結合している化合物(たとえば
、テトラアルコキシシラン)であってもよく、ケイ素原
子に少なくとも1つの有機基が結合している化合物であ
ってもよい。ただし、この場合の有機基は2以上のフッ
素原子を有する有機基ではない有機基である。
【0013】これら化合物における加水分解性基は、ケ
イ素原子に結合している基であって水と反応して脱離し
、ケイ素原子に結合した水酸基(シラノール基)を生じ
る基である。加水分解性基としては、例えば、ハロゲン
原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシ置換
アルコキシ基、アミノキシ基、アミド基、酸アミド基、
ケトキシメート基などがある。好ましくは、アルコキシ
基、置換アルコキシ基アシル等の酸素原子でケイ素原子
と結合する加水分解性基である。これら加水分解性基の
炭素数は好ましくは8以下、特に4以下である。好まし
い加水分解性基は炭素数4以下のアルコキシ基(以下低
級アルコキシ基ともいう)である。
【0014】含フッ素オルガノシラン化合物(I) や
加水分解性シラン化合物(II)の部分加水分解生成物
とは、水や酸性水溶液中でこれらシラン化合物を部分的
に加水分解し、生成するシラノール基を有する化合物あ
るいはそのシラノール基の反応により2以上に分子が縮
合した化合物をいう。酸としては、例えば、塩酸、酢酸
、りん酸、硝酸、硫酸、スルホン酸などを使用すること
ができる。
【0015】上記のような加水分解性基を有するシラン
化合物やその部分加水分解生成物で処理された表面とは
、シラン化合物が化学的にあるいは物理的に結合した表
面をいう。加水分解性基は水分により分解してシラノー
ル基となので、これらシラン化合物は主としてこのシラ
ノール基の化学的反応により表面に結合するものと考え
られる。即ち、例えば、このシラノール基はガラス表面
のシラノール基と脱水縮合反応すると考えられる。また
、第1層も第2層表面のシラノール基等と結合すると考
えられる
【0016】本発明において輸送機器用物品とは、電車
、自動車、船舶、航空機等の輸送機器における外板、窓
ガラス、鏡、表示機器表面材等の外装部材、計器盤表面
材等の内装部材、その他の輸送機器に使用される、ある
いは輸送機器に使用された部品や構成部材をいう。物品
は、表面処理された基材のみからなっていてもよく、表
面処理された基材が組み込まれたものであってもよい。 例えば、前者として自動車用窓ガラスがあり、後者とし
てガラス鏡が組み込まれた自動車用バックミラー部材が
ある。
【0017】輸送機器用物品の基材の種類は特に限定さ
れるものではない。例えば、金属、プラスチック、ガラ
ス、セラミックス、その他の無機質材料や有機質材料、
あるいはその組み合わせ(複合材料、積層材料等)があ
る。また基材の表面は、基材そのものの表面は勿論、塗
装金属板等の塗膜表面や表面処理ガラスの表面処理層の
表面など、基材表面に存在する基材とは異なる材質の表
面であってもよい。また、基材の形状としては平板に限
らず、全面に、あるいは部分的に曲率を有するものなど
目的に応じた任意の形状であってよいことはもちろんで
ある。
【0018】本発明において特に適当な基材は、ガラス
や透明プラスチック等の透明な材料からなる基材であり
、物品はその透明性を利用した物品である。例えば、ガ
ラスや透明プラスチック等からなる窓材、鏡、計器盤保
護カバーなどである。これらは、雨滴、ほこり、汚れ等
の付着により、透視野性が低下し易く、かつそれによる
問題の発生により重大な事態が発生するおそれが大きい
からである。基材としては特にガラスが好ましい。
【0019】基材の表面処理は、通常シラン化合物ある
いはそれを含む組成物を表面に塗布し、シラン化合物を
表面に結合させることによって行なう。組成物としては
溶剤を含む溶液であることが好ましい。この溶液にはさ
らに他の成分を存在させることができる。他の成分とし
ては、例えば、後述のようなバインダー成分や金属酸化
物微粒子がある。
【0020】基材表面への塗布あるいはその後の溶剤の
揮散によりシラン化合物が基材表面に接触し加水分解−
結合の反応が起こると考えられる。この場合、塗布後の
乾燥は常温であってもよく、加熱乾燥してもよく、また
、形成された層を焼成してもよい。加熱乾燥あるいは焼
成の温度は200 ℃以下が好ましく、その時間は12
0 時間以下が好ましい。余りに高温で、あるいはしか
も長時間加熱を行うと層の密着性(特に第2層の場合、
第1層の第2層に対する密着性)に悪影響がある。
【0021】この表面処理によって生成する表面処理層
の厚さは特に限定されるものではないが、少なくとも第
1層はきわめて薄いものであることが好ましい。好まし
い第1層の層厚は、20μ以下、特に2μ以下である。 またその下限は単分子層厚である。勿論、バインダー成
分や金属酸化物微粒子等を多く配合してより厚い層厚と
することもできる。第2層も第1層と同様の薄い層厚を
有することが好ましい。しかし、第2層はより厚くする
こともできる。層厚は、溶液等の組成物の層形成成分の
濃度、塗布条件、加熱条件等により所望の厚さに調節で
きる。
【0022】含フッ素オルガノシラン化合物(I) と
して好ましい化合物は、加水分解性基が結合したケイ素
原子を1〜2個有する化合物である。好ましい含フッ素
オルガノシラン化合物(I) は、下記式(A)あるい
は(B)で表わされる化合物である。なお、以下におい
て式(A)で表わされる化合物を化合物(A)ともいい
、式(B)で表わされる化合物を化合物(B)ともいう
【0023】 (A)  X3−a−b(R1)a(R2)bSi−Y
−Si(R3)c(R4)dX3−c−dただし、X 
は加水分解性基、R1、R2、R3、R4は独立に水素
または炭素数1から16の有機基、a、b は独立に0
、1、2 であって 0≦a+b ≦2 を満たす整数
、c、d は独立に0、1、2 であって 0≦c+d
 ≦2 を満たす整数、および Yは2価の有機基を表
わし、 Yまたは存在するR1〜R4の少なくとも1つ
が2以上のフッ素原子を有する有機基である。
【0024】(B)  (Rf)eR5gR6hSiX
4−e−g−hただし、X は加水分解性基、Rfは2
以上のフッ素原子を有する有機基、R5、R6は独立に
水素または炭素数1から16の有機基、e は1、2、
3 、g、h は独立に0、1、2、3 であって 1
≦e+g+h ≦3 を満たす整数を表わす。
【0025】化合物(A)は加水分解性基が結合したケ
イ素原子を2個有する化合物であり、化合物(B)は加
水分解性基が結合したケイ素原子を1個有する化合物で
ある。R1〜R6は水素原子である場合よりも有機基で
あることが好ましい。特に存在するすべてのR1〜R6
は有機基であることが好ましい。
【0026】加水分解性基X が分子内に2以上存在す
る場合は各加水分解性基は異なっていてもよい。勿論、
化合物(A)、化合物(B)、および後述化合物(C)
における加水分解性基X は互いに異なっていてもよい
。化合物(A)および化合物(B)において、ケイ素原
子に結合した加水分解性基はケイ素原子当たり2以上が
好ましい。加水分解性基が多いほど基材表面に対する結
合が強固となると考えられるからである。
【0027】Rfは2以上のフッ素原子を有する1価の
有機基であり、それはポリフルオロアルキル基、ポリフ
ルオロオキサアルキル基、ポリフルオロチオキサアルキ
ル基、またはこれらのいずれかの基とアルキレン基等の
炭化水素基とがエステル結合その他の後記のような連結
結合で結合した有機基(炭化水素基の他端でケイ素原子
と結合する)が好ましい。ポリフルオロアルキル基、ポ
リフルオロオキサアルキル基、およびポリフルオロチオ
キサアルキル基はケイ素原子と結合する端部あるいはそ
の周辺がアルキレン基(特に、ジメチレン基)であって
他の部分がパーフルオロのそれらの基であることが好ま
しい。
【0028】1価の有機基のパーフルオロ部分は炭素数
3以上のパーフルオロアルキル基、パーフルオロオキサ
アルキル基、あるいはパーフルオロチオキサアルキル基
が好ましく、特に炭素数3〜16のパーフルオロアルキ
ル基が好ましい。e が2〜3の場合、複数のRfは異
なっていてもよい。
【0029】R1〜R4は有機基であることが好ましく
、しかも後述Y が2以上のフッ素原子を有する2価の
有機基ではない場合、R1〜R4の存在する有機基の少
なくとも1つは2以上のフッ素原子を有する1価の有機
基である必要がある。この場合の2以上のフッ素原子を
有する1価の有機基は上記Rfと同等の有機基である(
以下、化合物(A)における2以上のフッ素原子を有す
る1価の有機基もRfで表す)。
【0030】R1〜R4がRfではない有機基の場合、
その有機基はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキ
ル基、アリール基等の炭化水素基、クロロアルキル基、
その他のRf以外のハロゲン化炭化水素基、水酸基、エ
ポキシ基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、
その他の官能基を有する(ハロゲン化)炭化水素基、お
よび炭素鎖の中間にエステル結合、エーテル結合、チオ
エーテル結合、イミノ結合、アミド結合、その他の連結
結合を有する(ハロゲン化)炭化水素基が好ましい。特
に好ましくは、炭化水素基と上記のような官能基を有す
る炭化水素基である。好ましい炭化水素基としては、炭
素数1〜16のアルキル基、およびアリール基が好まし
い。特に、炭素数4以下のアルキル基(以下、低級アル
キル基という)が好ましい。特に好ましい低級アルキル
基はメチル基である。
【0031】R5〜R6はそれが水素原子でない場合に
はRfではない有機基であり、その有機基としては上記
したR1〜R4がRfではない有機基の場合の有機基と
同等のであることが好ましい。
【0032】Y が2以上のフッ素原子を有する2価の
有機基である場合、それはポリフルオロアルキレン基、
ポリフルオロオキサアルキレン基(アルキレン基の炭素
鎖の中間に少なくとも1つのエーテル結合が存在するも
の)、およびポリフルオロチオキサアルキレン基(アル
キレン基の炭素鎖の中間に少なくとも1つのチオエーテ
ル結合が存在するもの)が好ましい。特に、両末端のケ
イ素原子に結合する部分がポリメチレン基(特にジメチ
レン基)であり、それらの中間部分がパーフルオロアル
キレン基、パーフルオロオキサアルキレン基、あるいは
パーフルオロチオキサアルキレン基である2価の有機基
が好ましい。これらYの炭素数は6〜30、特に6〜1
6が好ましい。
【0033】また、Y が2以上のフッ素原子を有する
2価の有機基でない場合、それはアルキレン基、オキサ
アルキレン基、およびチオキサアルキレン基であること
が好ましい。その炭素数は2〜30、特に2〜16が好
ましい。
【0034】これらRf、R1〜 R6 、Yの具体例
については、下記の化合物(A)および化合物(B)の
具体例中の例がある。下記具体例中のRf基としては、
特に、CnF2n+1CmH2m− (ただし、この化
学式において、n は3〜16の整数、m は2〜4の
整数)で表されるパーフルオロアルキル基部分を有する
ポリフルオロアルキル基が、下記具体例中のRF基とし
ては、特に、CnF2n+1−(ただし、この化学式に
おいて、nは3〜16の整数)が好ましい。
【0035】化合物(A)および化合物(B)の具体例
を下記に示す。しかし、化合物(A)および化合物(B
)はこれら具体例に限定されるものではない。なお、下
記化学式においてx 、n 、m はそれぞれ1以上の
整数を、X は加水分解性基を、R はアルキル基等を
、Rfはポリフルオロアルキル基を、RFはパーフルオ
ロアルキル基を示す。これら化学式において、x は2
〜8が、X は低級アルコキシ基が、Rは低級アルキル
基が、Rfはパーフルオロアルキル基を有するジメチレ
ン基が好ましい。
【0036】化合物(A)の例示。
【0037】
【化1】
【0038】
【化2】
【0039】
【化3】
【0040】
【化4】
【0041】
【化5】
【0042】
【化6】
【0043】
【化7】
【0044】
【化8】
【0045】
【化9】
【0046】化合物(B)の例示。
【0047】
【化10】
【0048】
【化11】
【0049】さらに、本発明において、第2層を形成す
るための材料として含フッ素オルガノシラン化合物以外
の加水分解性シラン化合物(II)あるいはその部分加
水分解生成物が使用される。第1層の下層の第2層は第
1層の耐久性を向上させ、また基材との密着性を高める
効果もある。この第2層は通常基材表面に形成される。 以下この加水分解性シラン化合物(II)を化合物(C
)ともいう。この化合物(C)は下記式(C)で表され
る化合物が好ましい。
【0050】(C)  R7iR8jR9kSiX4−
i−j−kただし、X は加水分解性基、R7、R8、
R9は独立に水素または炭素数1から16の有機基(た
だし、2以上のフッ素原子を有する有機基ではない)、
i、j、k は独立に0、1、2、3 であって 0≦
i+j+k ≦3 を満たす整数を表わす。
【0051】R7〜R9はそれが水素原子でない場合に
はRfではない有機基であり、その有機基としては前記
したR1〜R4がRfではない有機基の場合の有機基と
同等のであることが好ましい。特に好ましい化合物(C
)はi+j+k=0 の化合物である。最も好ましくは
、テトラアルコキシシランである。これら加水分解性基
のみを有するシラン化合物、特にその部分加水分解生成
物の使用は第1層との相溶性や密着性の点で優れている
。勿論この化合物と他のシラン化合物の併用や後述添加
成分の添加によっても良好な第2層が形成される。、
【0052】化合物(C)の具体例を下記に例示するが
、化合物(C)はこれらに限定されるものではない。
【0053】テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラ(n−プロポキシ)シラン、テトラ(i−
プロポキシ)シラン、テトラ(n−ブトキシ)シラン、
テトラ(sec−ブトキシ)シラン、テトラ(t−ブト
キシ)シランなどのテトラアルコキシシラン類。
【0054】メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、
フェニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリ
メトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラ
ン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシ
ラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチル
トリエトキシシラン、
【0055】γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチル
トリエトキシシラン、
【0056】グリシドキシメチルトリメトキシシラン、
グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシ
メチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルト
リメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキ
シシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン
、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシド
キシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピル
トリエトキシシラン、
【0057】γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシエトキシシラン、α−グリ
シドキシシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキ
シブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチル
トリメトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエト
キシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−
グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシド
キシブチルトリエトキシシラン、
【0058】(3,4− エポキシシクロヘキシル)メ
チルトリメトキシシラン、(3,4− エポキシシクロ
ヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−
 エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
、β−(3,4− エポキシシクロヘキシル)エチルト
リプロポキシシラン、β−(3,4− エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−
 エポキシシクロヘキシル)エチルトリメチルトリメト
キシエトキシシラン、
【0059】γ−(3,4− エポキシシクロヘキシル
)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4− エポ
キシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ
−(3,4− エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメ
トキシシラン、δ−(3,4− エポキシシクロヘキシ
ル)ブチルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシ
ラン類。メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセ
トキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−ク
ロロプロピルトリアセトキシシランなどのトリアシルオ
キシシラン類。
【0060】メチルトリフェノキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリフェノキシシラン、β−(3,4−
 エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラ
ンなどのトリフェノキシシラン類。
【0061】ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチ
ルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエト
キシシラン、γ−メタアクリルオキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチル
ジエトキシシラン、
【0062】γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
アミノプロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニル
ジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、

0063】グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン
、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、α−グ
リシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシ
ドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキ
シエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエ
チルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピル
メチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、
【0064】γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシエト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジプロポキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシ
ランなどジアルコキシシラン類。
【0065】ジメチルジアセトキシシランやγ−グリシ
ドキシプロピルメチルジフェノキシシランなどのジアシ
ルオキシシラン類やジフェノキシシラン類。
【0066】本発明において、表面処理層の最外層であ
る第1層は含フッ素オルガノシラン化合物(I) ある
いはその部分加水分解生成物で処理して得られる層であ
る。 この層を形成するための組成物としては含フッ素オルガ
ノシラン化合物(I) あるいはその部分加水分解生成
物を有する溶液や分散液の使用が好ましい。
【0067】その組成物には溶剤や分散剤以外ににさら
に他の添加剤を添加することができる。その添加剤とし
ては前記の加水分解を行なうための酸がある。また、加
水分解性シラン化合物(II)やその部分加水分解生成
物もこの組成物に添加することができる。その添加量は
、特に限定されるものではないが、含フッ素オルガノシ
ラン化合物(I) やその部分加水分解生成物の合計に
対して等重量以下、特に50重量%以下が好ましい。
【0068】さらに、シリカ、酸化アルミニウム、酸化
ジルコニウム等の金属酸化物の微粒子、特にシリカゾル
やアリミナゾル等のゾル中の超微粒子、その他の充填剤
成分、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、(メタ)アクリレート類等のバインダー成
分等も添加できる。また組成物の被膜形成性(作業性)
を高めるために界面活性剤を添加することもできる。
【0069】このような組成物において溶剤や分散剤以
外の添加成分の量は目的に応じて変えることができるが
、通常は全シラン化合物100 重量部に対して40重
量部以下、特に10重量部以下が好ましい。添加剤とし
て充填剤成分を用いる場合は、0.1 〜20重量部、
特に1〜10重量部が好ましい。バインダー成分を用い
る場合は、10重量部以下、特に0.5 〜5重量部が
好ましい。これら添加剤の過剰な添加は本発明が有する
撥水性、耐摩耗性等を低下させるので望ましくない。
【0070】上記組成物は被覆対象の基材に直接手拭き
等の方法で塗布してもよいが、溶液あるいは分散液の形
態で使用することが塗布作業性等の理由で好ましい。こ
の有機溶剤等による溶液や分散液において、含まれる全
シラン化合物の合計量は被膜の形成性(作業性)、安定
性、被膜厚さ、経済性を考慮して決定されるが 0.1
〜30重量%であるのが好ましい。有機溶剤としては酢
酸エステル類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素
類、ケトン類、エーテル類等各種溶剤の適用が可能であ
る。溶剤は1種に限定されることなく、2種以上の混合
溶剤を使用することも可能である。
【0071】上記最外層に接する下層である第2層は加
水分解性シラン化合物(II)あるいはその部分加水分
解生成物で処理して得られる層である。この層を形成す
るための組成物としては加水分解性シラン化合物(II
)あるいはその部分加水分解生成物を有する溶液や分散
液の使用が好ましい。その組成物には溶剤や分散剤以外
ににさらに他の添加剤を添加することができる。この溶
剤、分散剤、添加剤等は上記のものを使用できまた、使
用量も上記に準じた量であることが好ましい。勿論、こ
の第2の組成物は含フッ素オルガノシラン化合物(I)
 あるいはその部分加水分解生成物を実質的に含有しな
い組成物である。
【0072】基材の表面処理あるいは第2層上に第1層
を形成する表面処理にあたっては特別な前処理は必要な
い。しかし、目的に応じて行うことは別段問題なく、例
えば、希釈したフッ酸、塩酸等による酸処理、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム水溶液等によるアルカリ処理
、あるいはプラズマ照射等による放電処理を行うことが
できる。
【0073】各層の形成は調製された組成物を含む有機
溶剤よりなる液状物を通常の処理方法によって表面に塗
布、例えば、はけ塗り、流し塗り、回転塗り、浸漬塗り
、スプレー塗布等の各種方法によって行い、大気中ある
いは窒素エアー中、常温であるいは加熱して乾燥させる
。さらに焼成を行なう場合乾燥温度下あるいはさらに高
温に加熱する。加熱する場合には基材の耐熱性を加味し
て温度、時間を設定することが好ましい。
【0074】形成される各層の厚さは組成物を含む液状
物の組成物濃度、塗布条件、加熱条件などによって適宜
制御し得る。本発明の第1層は比較的屈折率が低く、こ
れ故に低反射性も付与される。かかる効果を期待する場
合には第1層の膜厚を光学干渉が生じる膜厚に制御すれ
ば良い。特に、撥水性を発現するには理論的には被膜の
膜厚は単分子層以上あればよく、これに経済的効果も加
味して前記のように2μ以下であるのが望ましい。
【0075】かかる層を有する基材は輸送機器用の物品
としてあるいはその一部として容易に装着可能である。 例えば、電車のボディー、窓ガラス、パンタグラフ等、
自動車(トラック)のボディー、フロントガラス、リア
ガラス、サイドガラス、ミラー、バンパー等、船舶のボ
ディー、窓ガラス等、航空機等のボディー、窓ガラス等
に容易に使用可能である。
【0076】かかる表面処理された基材においては、撥
水性により表面に付着する水滴がはじかれ、特に、運行
に伴って受ける風圧との相互作用によって表面上を急速
に移動し、水滴として溜ることなく、水分が誘発する悪
影響を排除することが可能となる。特に、各種窓ガラス
等の透視野部での用途では水滴の飛散により視野確保が
非常に容易となり車輌の安全性向上に通じるものである
。また、水滴が氷結するような環境下においても氷結す
ることなく、仮に、氷結したとしても解凍は著しく速い
。さらには、水滴の付着がほとんどないため定期的な清
浄作業回数を低減し得て、しかも、清浄は極めて容易で
、美観保持の点からも非常に有利である。
【0077】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが本発明は実施例のみに限定されるものではない。 実施例において実施した各種評価方法は次ぎの通りであ
る。
【0078】1.撥水性 1−a)水に接触角を測定した。基材表面の異なる5ヶ
所で測定を行ない、その平均値を示す。1−b)サンプ
ル面から20cmの距離に保持したノズルから水を全面
に約1時間スプレーした後に表面に残存する水滴を肉眼
で観察し以下の評価基準で評価した。
【0079】 A:サンプル表面に全く水が残らない。 B:サンプル表面に少し水が残る。 C:サンプル表面にかなり水滴が残る。 D:サンプル表面で水が濡れ広がる。
【0080】2.耐摩耗性 試験機:テイバー式ロータリーアブレッサー(株式会社
東洋精機製作所)。 試験条件:摩耗輪H−22、荷重1kg、摩耗回数 3
00回。 上記方法で耐摩耗試験を実施し、試験後の撥水性を評価
した。
【0081】3.耐候性試験 紫外線照射を8時間(70℃)、湿潤曝露を4時間(5
0℃)とする工程を1サイクルとして、 100サイク
ルで実施。上記方法で耐候性試験を実施し、試験後の撥
水性を評価した。
【0082】4.煮沸試験 沸騰水中に1時間浸漬した。試験後の撥水性を評価した
【0083】5.使用化合物 (a) (CH3O)3SiC2H4C6F12C2H
4Si(OCH3)3(b) (CH3O)2(CH3
)SiC2H4C6F12C2H4Si(CH3)(O
CH3)2(c) C8F17CH2CH2Si(OC
H3)3(d) Si(OCH3)4 (e) エポキシ樹脂(商品名「EP 827」、油化
シェルエポキシ(株)製) (f) メタノール分散シリカゾル(固形分30重量%
、触媒化成(株)製)
【0084】[処理剤1の調製]撹拌子および温度計が
セットされたフラスコに、(d) 78.5g、メチル
アルコール1020.2g、イソプロピルアルコール2
000.0gを加え、1時間撹拌した。この溶液の温度
を5℃に維持しながら、1%塩酸水溶液37.2gを徐
々に滴下した。滴下終了後、液温を25℃に維持しなが
ら5日間撹拌を継続し処理剤1を得た。
【0085】[処理剤2の調製]撹拌子及び温度計がセ
ットされたフラスコに、(d) 75.0g、(f) 
10.9g、メチルアルコール1203.5g、イソプ
ロピルアルコール2000.0gを加え、1時間撹拌し
た。この溶液の温度を5℃に維持しながら、1%塩酸水
溶液35.5gを徐々に滴下した。 滴下終了後、液温を25℃に維持しながら5日間撹拌を
継続し処理剤2を得た。
【0086】[処理剤3の調製]撹拌子及び温度計がセ
ットされたフラスコに、(a) 56.3g、(c) 
29.4g、(d)43.9gを混合し、メチルアルコ
ール1531.9g、イソプロピルアルコール7000
.0gを加え、さらに酢酸ナトリウム8.9 gを添加
して1時間撹拌した。この溶液の温度を5℃に維持しな
がら、1%塩酸水溶液34.5gを徐々に滴下した。滴
下終了後、液温を25℃に維持しながら5日間撹拌を継
続し処理剤3を得た。
【0087】[処理剤4の調製]撹拌子及び温度計がセ
ットされたフラスコに、(a) 23.0g、(b) 
10.8g、(c)30.0g、(d) 22.4g、
および(e) 13.6gを混合し、メチルアルコール
1708.9g、イソプロピルアルコール7000.0
gを加え、1時間撹拌した。この溶液の温度を5℃に維
持しながら、1%塩酸水溶液23.6gを徐々に滴下し
た。 滴下終了後、液温を25℃に維持しながら5日間撹拌を
継続し処理剤4を得た。
【0088】[実施例1]10cm×10cm(厚さ3
mm)のガラス板を処理剤1の溶液に浸漬させ、11c
m/分なる速度で引き上げ、80℃、10分間加熱した
。この試験片を室温にて30分放置した後、処理剤3の
溶液に浸漬し、11cm/分なる速度で引き上げ、20
0 ℃、30分間加熱し、サンプル試験片を作成した。 この試験片を評価した結果を表1に示す。
【0089】[実施例2]実施例1における処理剤3を
処理剤4に変更した他は実施例1と同様に試験、評価を
行った。結果は同じく表1に示す。
【0090】[実施例3]実施例1における処理剤1を
処理剤2に変更した他は実施例1と同様に試験、評価を
行った。結果は同じく表1に示す。
【0091】[実施例4]実施例1における処理剤1を
処理剤2に、処理剤3を処理剤4変更した他は実施例1
と同様に試験、評価を行った。結果は同じく表1に示す
【0092】[実施例5]実施例1における処理剤1の
浸漬後の加熱を80℃、10分間から300 ℃、30
分間に変更した以外は実施例1と同様に試験、評価を行
った。結果は同じく表1に示す。
【0093】[比較例1]10cm×10cm(厚さ3
mm)のガラス板を処理剤3の溶液に浸漬させ、11c
m/分なる速度で引き上げ、サンプル試験片を作成した
。この試験片を評価した結果を表1に示す。
【0094】
【表1】
【0095】[実施例6]実施例1で得られた試験片を
第2表に示す薬品に24時間浸漬し、取り出して直ちに
洗浄した後、この試験片の外観変化および水滴除去性を
確認した。その結果を表2に示す。
【0096】
【表2】
【0097】[実施例7]実施例1の方法で自動車用フ
ロント合わせガラスの表面に2層の表面処理層を形成し
た。かくして得られたフロント合わせガラスを自動車の
フロントに装着した。この自動車を日中4時間の走行テ
ストを1ヶ月間行い、日毎にフロント表面への汚れ、ほ
こりの付着状態、また、雨天時においては水滴の付着状
態を肉眼で観察した。
【0098】その結果、汚れ、ほこりの付着、水滴の付
着による水アカの発生は全く認められず、希にそれらの
発生が認められてもティシュペーパーで軽く拭うことで
容易に除去された。また、雨天時には表面の水滴ははじ
かれ走行による風圧との相互作用によって速やかに移動
してしまい、ワイパーを使用することなく視野が確保さ
れた。さらに未処理のフロント合わせガラスに付着して
いる水滴が氷結する、或は空気中の水分が凝縮してフロ
ントガラスに氷結するような環境下(0℃〜−5℃)で
の走行テストにおいてフロントガラスでの氷結は全く認
められなかった。
【0099】次いで更に厳しい低温環境下(−10℃〜
−15℃)においてはフロントガラスでの氷結も認めら
れるが、その解凍も早く、未処理のフロントガラスに比
し著しい差があった。
【0100】[実施例8]実施例7のフロント合わせガ
ラスをサイドガラス、リアガラスに変更して走行試験を
実施したが、実施例7と同様の効果が確認できた。
【0101】[実施例9]実施例7のフロント合わせガ
ラスをサイドミラーに変更して走行試験を実施したが、
実施例7と同様の効果が確認できた。
【0102】
【発明の効果】本発明の輸送機器用基材や輸送機器用物
品およびそれらを装着した輸送機器には実施例に明かな
ように優れた効果が認められる。すなわち、1.撥水性
に優れており、ほこり、汚れ、水滴の付着、あるいはそ
れによる水垢の発生などがなく、希にそれらの発生があ
っても、容易に除去可能で水が誘発する悪影響を遮断す
ることができるし、洗浄の簡略化が図れる。
【0103】2.撥水性の持続性に優れ、半永久的にそ
の状態を維持する。 3.耐薬品性に優れ、海岸線沿いでの使用、あるいは海
水が直接触れる船舶においても効果を発揮する。 4.特別な前処理を必要とせず、経済的効果も高い。 5.既に常用されている輸送機器用物品にも適用が可能
である。以上のような効果は従来の材料では期待できな
いものであり、これまで使用不可能であった分野にまで
その適用範囲をが拡大することが期待できる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2層の表面処理層を有する基材
    からなる、あるいはその基材を構成要素とする、輸送機
    器用物品であって、表面処理層の最外層である第1層が
    2以上のフッ素原子を有する有機基と加水分解性基とを
    有する含フッ素オルガノシラン化合物(I) あるいは
    その部分加水分解生成物で処理して得られる層であり、
    最外層に接する下層である第2層が上記含フッ素オルガ
    ノシラン化合物以外の加水分解性シラン化合物(II)
    あるいはその部分加水分解生成物で処理して得られる層
    である、輸送機器用物品。
  2. 【請求項2】表面処理層が、基材表面を加水分解性シラ
    ン化合物(II)、その部分加水分解生成物、あるいは
    それらの少なくとも1種を含む組成物で処理して第2層
    を形成し、次いで第2層表面を含フッ素オルガノシラン
    化合物(I) 、その部分加水分解生成物、あるいはそ
    れらの少なくとも1種を含む組成物で処理して第1層を
    形成してなる表面処理層である、請求項1の輸送機器用
    物品。
  3. 【請求項3】表面処理層を有する基材が透明な材料から
    なる基材である、請求項1の輸送機器用物品。
  4. 【請求項4】基材がガラスである、請求項3の輸送機器
    用物品。
  5. 【請求項5】含フッ素オルガノシラン化合物(I) が
    下記式(A)または(B)で表される化合物である、請
    求項1の輸送機器用物品。 (A)  X3−a−b(R1)a(R2)bSi−Y
    −Si(R3)c(R4)dX3−c−dただし、X 
    は加水分解性基、R1、R2、R3、R4は独立に水素
    または炭素数1から16の有機基、a、b は独立に0
    、1、2 であって 0≦a+b ≦2 を満たす整数
    、c、d は独立に0、1、2 であって 0≦c+d
     ≦2 を満たす整数、および Yは2価の有機基を表
    わし、 Yまたは存在するR1〜R4の少なくとも1つ
    が2以上のフッ素原子を有する有機基である。 (B)  (Rf)eR5gR6hSiX4−e−g−
    hただし、X は加水分解性基、Rfは2以上のフッ素
    原子を有する有機基、R5、R6は独立に水素または炭
    素数1から16の有機基、e は1、2、3 、g、h
     は独立に0、1、2、3 であって 1≦e+g+h
     ≦3 を満たす整数を表わす。
  6. 【請求項6】加水分解性基がハロゲン原子、アルコキシ
    基、アシルオキシ基、アルコキシ置換アルコキシ基、ア
    ミノキシ基、アミド基、酸アミド基、およびケトキシメ
    ート基より選ばれる加水分解性基である、請求項5の輸
    送機器用物品。
  7. 【請求項7】式(A)において Yが2以上のフッ素原
    子を有する2価の有機基であるか、またはケイ素原子に
    結合した有機基が存在しかつその有機基の少なくとも1
    つが炭素数3以上のポリフルオロアルキル基を有する有
    機基であり、式(B)においてRfは炭素数3以上のポ
    リフルオロアルキル基を有する有機基である、請求項5
    の輸送機器用物品。
  8. 【請求項8】式(A)において Yがポリフルオロアル
    キレン基であるか、またはケイ素原子に結合した有機基
    が存在しかつその有機基の少なくとも1つが炭素数3以
    上のパーフルオロアルキル基を有する有機基であり、式
    (B)においてRfは炭素数3以上のパーフルオロアル
    キル基を有する有機基である、請求項5の輸送機器用物
    品。
  9. 【請求項9】加水分解性シラン化合物(II)が、下記
    式(C)で表わされる化合物である、請求項1の輸送機
    器用物品。 (C)  R7iR8jR9kSiX4−i−j−kた
    だし、X は加水分解性基、R7、R8、R9は独立に
    水素または炭素数1から16の有機基(ただし、2以上
    のフッ素原子を有する有機基ではない)、i、j、k 
    は独立に0、1、2、3 であって 0≦i+j+k 
    ≦3 を満たす整数を表わす。
  10. 【請求項10】加水分解性基がハロゲン原子、アルコキ
    シ基、アシルオキシ基、アルコキシ置換アルコキシ基、
    アミノキシ基、アミド基、酸アミド基、およびケトキシ
    メート基より選ばれる加水分解性基である、請求項9の
    輸送機器用物品。
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