JPH0432733B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 一般に空気入りゴムタイヤは各種のコード類と
ゴム部材との複合になり、このうちゴム部材は、
予めコード材と複合されるプライやブレーカーな
いしはベルトなどのほか、たとえばインナライナ
やトレツドリングの如く、ゴム単独のシート状の
ままでの取扱いをもつて上記タイヤの成形過程に
供されるものも含まれ、この成形過程はコード材
との事前の複合、有無に拘らず、通常シート状ゴ
ム部材を、いわゆる貼合せドラムに巻付けその始
端と終端の接合による筒状成形体の造成が殆どで
ある。このようなシート状ゴム部材の周回貼合わ
せの工程改善に関してこの明細書で述べる技術内
容は、適切な周回継ぎ目を必要とする場合に適合
することができる、貼合せ方法とその実施に好適
な装置を提案しようとするものである。

（従来の技術） 最近の省力化志向の下で従来専ら手作業で行わ
れたシート状ゴム部材の貼合せについても自動化
の強い要請に従う改良提案が進められつつある。

たとえば特公昭57−40723号公報には、シート
状ゴム部材のうちのプライをその供給手段として
のコンベアの前端にて垂れ下がらせこれをホーマ
ーつまり貼合せドラムに対してまず該ホーマの外
周に沿う軌跡上を自走する貼付ローラにて貼付け
ることに特色づけられる提案がみられるけれど
も、この貼付ローラの移動軌跡がホーマのに対応
させなければならないので、その案内機構を、外
径の異なるホーマ毎に用意しなければならないと
ころに問題点を残している。

また特開昭58−38144号公報によると、プライ
送り込みテーブルの前部と下部にそれぞれ始端貼
付ローラと、その残りプライ又はその終端に対す
る圧着ローラとをそれらの間の定尺切裂き機構と
ともに設けることを要点とする開示が見られる
が、始端貼付ローラはそれによるタイヤ成型ドラ
ム周へのプライ先端への圧着を確実にするために
変形を生じる（スポンジ）必要があつて耐久性に
難があり、さもなくば係止が不完全になつて、圧
着ローラに達するまでの間に離脱し、その結果工
程のタイミングを狂わせるおそれがある。

（発明が解決しようとする問題点） フエスツーンを介しコンベアベルトの上面へシ
ート状ゴム部材のコイルから巻出した該部材を、
その巻出し端末から確実に貼合せドラムの周上へ
巻移すことができ、ドラム径に拘りなく適切な周
回貼合わせを実現し得る簡素かつ簡便な手法を与
え、またその実施に適合する装置を提案すること
がこの発明の目的である。

（問題点を解決するための手段） この発明はシート状ゴム部材のコイルから、進
退可動の架台上にて一対のプーリー間に巻掛けし
たコンベアベルトの上面へフエスツーンを介して
巻出したシート状ゴム部材を、その巻出し端末が
コンベアベルトの前端から所定長さで垂れ下がる
送出し位置に至るまでの間に上記のコンベアベル
トを駆動して搬送し、 ついでこのコンベアベルトをその架台および架
台に対し進退可動に取り付けた押圧ローラととも
に、コンベアベルトの前端に面して配置した貼合
せドラムの直前まで推進し、つぎに押圧ローラの
みの進出にてシート状ゴム部材の垂れ下がり域を
貼合せドラムに圧接し、 その後、コンベアベルトの駆動系の作動をフリ
ーにし、かつ貼合せドラムを逆転駆動して、貼合
せドラムと押圧ローラとの間におけるシート状ゴ
ム部材の垂れ下り域の挟着下に一たん押圧ローラ
をコンベアベルトとともに上記の送出し方向と反
対向きに、同一周速で後戻りさせ乍らシート状ゴ
ム部材の垂れ下がり域を貼合せドラムに圧着さ
せ、 次に貼合せドラムの正転駆動にて、コンベアベ
ルト上のシート状ゴム部材をコンベアベルトの帯
同移動の下に引出し乍ら、押圧ローラにより貼合
せドラムの周上に貼付けて巻き取り、 この間にシート状ゴム部材の巻取り先端が貼合
せドラムの頂部を越える到来を待ち受けるセンサ
の検出信号にて、貼合せドラムの駆動を中断する
とともに、このときコンベアベルト上のシート状
ゴム部材を、上記巻取りの周長不足代に対応する
位置に配置したカツタをもつて切断し、 その後の貼合せドラムの継続正転駆動にてシー
ト状ゴム部材の切断端末に至る貼付けを続行して
上記巻き出し端末と切断端末を接合させ、貼付け
を完了して貼合せドラムの駆動を停止し、 しかる後、押圧ローラの退行と、コンベアベル
トのその架台とともにする復帰を経て再び、コン
ベアベルトの駆動にはじまる工程の反覆を準備す
る ことを特徴とする、タイヤ用シート状ゴム部材の
周回貼合せ方法ならびにシート状ゴム部材の周回
巻付けに供する貼合せドラムと、該ドラムの軸心
と平行な一対のプーリー間に巻掛けしたコンベア
ベルトと、該プーリーを軸支したまま貼合せドラ
ムに対して進退可動の架台およびこの架台にコン
ベアベルトの上面と鋭角をなす向きで貼合せドラ
ムに対し進退可動に取付けた押圧ローラとより主
として成り、上記コンベアベルト上にフエスツー
ンを介し巻出されたシート状ゴム部材の端末を、
コンベアベルトの前端から垂れ下る送出し位置に
至る間のみの一定距離にわたるコンベアベルトの
駆動を司るクラツチつきステツプモータと、該位
置から貼合せドラム上での周回巻付き長さに対応
した位置にてシート状ゴム部材を切断するカツタ
とを上記コンベアベルトに設け、このカツタをシ
ート状ゴム部材の貼合せドラムの頂部をこえる先
行端の到来にて動作させる指令を司るセンサを貼
合せドラムに対設して成る、タイヤ用シート状ゴ
ム部材の周回貼合せ装置である。

（作用） この発明ではコンベアベルトの前端におけるシ
ート状ゴム部材の垂れ下り端末を、コンベアベル
トの前方下部にて貼合せドラムに向つて進出する
押圧ローラにて、貼合せドラムの逆回転をもつて
堅固に圧接する段階により、簡便にしかも確実な
貼合せ工程の進行を、適切に導き得るところに独
自の作用をもたらす。

（実施例） 以下、インナーライナをシート状ゴム部材とす
る周回貼合せ方法の具体例を、その方法に使用す
る装置の構造、機構にあわせ説明する。

第１図〜第４図に各工程段階における構成要部
を図解し、第１図において１はフエスツーン部２
を介して図にはあらわれていないシート状ゴム部
材のコイルから巻解されてコンベアベルト３上に
巻出されたシート状ゴム部材である。

コンベアベルト３は一対のプーリー４，４間に
巻掛けし、ステツプモータ５によりタイミングベ
ルト６、クラツチ７およびチエン８を介して上記
のシート状ゴム部材１を図に実線で示した巻出し
位置から仮想線で示すようにコンベアベルト３の
前端から充分な垂れ下り長さの送出し位置に向う
一定距離にわたり駆動されるようにする。

コンベアベルト３は両プーリ４，４を軸受け支
持するフレーム９を含み、このフレームはベース
１０上のガイド１１に適合させたスライダ１２，
１２を有する往復台１３上の架台１４により、貼
合せドラム１５に対し進退可動とする。１６は架
台１４を往復台１３とともに推進移動させるシリ
ンダである。

図示例で架台１４もまたガイド１７をそなえて
フレーム９のスライダ１８，１８と適合させてフ
レーム９ひいてはコンベアベルト３を進退可動と
した場合を示し１９は推進移動に供したシリンダ
である。

往復台１３には、ターンバツクル２０の如きに
よる傾斜度の調整をなし得るのがより好ましい傾
動台２１に設けたガイドスリーブ２２とはまり合
うガイドロツド２３の上方端に固着したヨーク２
４に架台１４に対し進退可動の押圧ローラ２５を
軸受支持する。２６は上記進退を、コンベアベル
トの上面と鋭角をなす向きで貼合せドラム１５に
面して司るシリンダである。

なお図中２７は図には示していないがフレーム
９に対し適切に支持し、コンベアベルト３上にて
シート状ゴム部材１の定尺裁断を司るカツタ、２
８は操作用のシリンダである。

第１図にて仮想線で示したシート状ゴム部材１
の送り出し位置へのコンベアベルト３の駆動を経
て架台１４を第２図のようにシリンダ１６の作動
でもつて推進させ貼合わせドラム１５に近づけ、
このとき押圧ローラ２５も架台１４と一緒に往復
台１３上の傾動台２１に支持されているので同時
に推進される。

コンベアベルト３の前端付近でシート状ゴム部
材１が貼合せドラム１５の外周に対しより接近し
た第３図の位置に達したときシリンダ２６の作動
により押付けローラを推進することによりシート
状ゴム部材１の垂れ下りを、仮想線のように貼合
せドラム１５の外周に圧接させるとともに第１図
に示したクラツチ７で定量駆動装置５からの伝動
系をフリーにする。

その後要すればシリンダ１９をわずかに付勢し
てコンベアベルト３のみの推進によるシート状ゴ
ム部材１の貼付けドラム１５に対する圧接の助成
の下に該ドラムを破線矢印のように一たん逆転さ
せる。

このとき押圧ローラ２５からはみ出したシート
状ゴム部材１の先行域が上記逆転にて貼付けドラ
ム１５との間に挾圧され、また上記の助成を加え
たときには最初の垂れ下り長さの全部にわたつ
て、貼合せドラム１５との圧接接合が成就され、
このとき上記はみ出し部分の長さに相当するコン
ベアベルト３の退行の下にフエスツーン量がわず
かに増加するが格別の支障はない。

このようにしてシート状ゴム部材１のはみ出し
先端が押圧ローラ２５の貼合せドラム１５に対す
る最小間隙に達したのち、こんどは貼合せドラム
１５を第４図の実線矢印の向きに正転させてベル
トコンベア１の空転下にその上に載るシート状ゴ
ム部材１を引出し乍ら、貼合せドラム１５のまわ
りに巻付け、この間押圧ローラ２５による圧着を
続行する。

シート状ゴム部材１の先行端が第４図に仮想図
示したように貼合せドラム１５の頂部をこえたと
き、その到来を待構える位置に配置したセンサ２
９で得られる信号にて、貼合せドラム１５の回転
を中断し、これとともに上記信号にてシリンダ２
８を作動させカツタ２７による第４図の仮想線に
示したような切断動作にてシート状ゴム部材１の
定寸裁断を行う。もちろんこの裁断位置は、上記
先行端との接合が成就されるべき周回長さに対す
る不足分に対応させ、重ね合わせ代について増減
調節はもちろん容易に可能である。

カツタ２７の稼動後はその避譲位置への復帰を
経て貼合せドラム１５の正回転を続行し、切断残
余域についての貼合せを行うのであり、このとき
図示例の場合、シリンダ１９の復帰退行にて更新
されたシート状ゴム部材１の先端が貼合せドラム
１５に巻付いたゴム部材上１′に巻重なるのを回
避するのに便宜であるが、その代りにシリンダ１
６により架台１４の方をわずか復帰退行させると
ともにその分押圧ローラ２５を追加推進させるこ
とによつても同等に機能させ得る。

この間に貼合せドラム１５に巻付いたシート状
ゴム部材１の尾端がコンベアベルト３上から離脱
して押圧ローラ２５にかぶさつて支持されたとき
コンベアベルト３の帯同移動は停止し、その位置
はほぼ一定であるのでこのときクラツチ７を再結
合し、コンベアベルト３の妄動を防ぎ乍ら、押圧
ロール２５による貼付けを必要なだけ行うことが
できる。

その後押圧ローラ２５をシリンダ２６により、
また架台１４をシリンダ１６により、それぞれ初
期位置（第１図）に退行復帰させ、あらためてス
テツプモーター５の駆動にはじまる工程を準備す
るわけである。

以上のべたところにおいて、コンベアベルトの
前端から垂れ下がらせたシート状ゴム部材の端末
域につき、押圧ローラによる貼合せドラムの逆転
下の挾圧による強固な圧着が簡便、的確に成就さ
れるので、貼合せドラムへの巻付けの過程におけ
るトラブルを生じるうれいなく、シート状ゴム部
材の周回貼合わせ工程の安定かつ能率的な進捗
が、可能となるわけである。

発明の効果 一般的なコンベアベルトによるフエスツーンを
介したシート状ゴム部材の順次的な巻出し供給を
円滑に導きつつ、貼合せドラムへの確実な巻移し
を簡便、的確に遂行でき、空気入りゴムタイヤ製
造工程の基本となる筒状成形体の正確な成形を能
率的に実現することができる。

またその実効をもたらす方法の実施に使用する
装置の構成を簡素化することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図はこの発明の工程進行の順序を
各部構成の作用にあわせ示した説明図である。 １……シート状ゴム部材、２……フエスツー
ン、３……ベルトコンベア、４……プーリー、５
……定量駆動装置、７……クラツチ、１４……架
台、１５……貼合せドラム、２５……押圧ロー
ラ、２７……カツタ、２９……センサ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シート状ゴム部材のコイルから、進退可動の
   架台上にて一対のプーリー間に巻掛けしたコンベ
   アベルトの上面へフエスツーンを介して巻出した
   シート状ゴム部材を、その巻出し端末がコンベア
   ベルトの前端から所定長さで垂れ下がる送出し位
   置に至るまでの間に上記のコンベアベルトを駆動
   して搬送し、 ついでこのコンベアベルトをその架台および架
   台に対し進退可動に取り付けた押圧ローラととも
   に、コンベアベルトの前端に面して配置した貼合
   せドラムの直前まで推進し、つぎに押圧ローラの
   みの進出にてシート状ゴム部材の垂れ下がり域を
   貼合せドラムに圧接し、 その後、コンベアベルトの駆動系の作動をフリ
   ーにし、かつ貼合せドラムを逆転駆動して、貼合
   せドラムと押圧ローラとの間におけるシート状ゴ
   ム部材の垂れ下り域の挟着下に一たん押圧ローラ
   をコンベアベルトとともに上記の送出し方向と反
   対向きに、同一周速で後戻りさせ乍らシート状ゴ
   ム部材の垂れ下がり域を貼合せドラムに圧着さ
   せ、 次に貼合せドラムの正転駆動にて、コンベアベ
   ルト上のシート状ゴム部材をコンベアベルトの帯
   同移動の下に引出し乍ら、押圧ローラにより貼合
   せドラムの周上に貼付けて巻き取り、 この間にシート状ゴム部材の巻取り先端が貼合
   せドラムの頂部を越える到来を待ち受けるセンサ
   の検出信号にて、貼合せドラムの駆動を中断する
   とともに、このときコンベアベルト上のシート状
   ゴム部材を、上記巻取りの周長不足代に対応する
   位置に配置したカツタをもつて切断し、 その後の貼合せドラムの継続正転駆動にてシー
   ト状ゴム部材の切断端末に至る貼付けを続行して
   上記巻き出し端末と切断端末と接合させ、貼付け
   を完了して貼合せドラムの駆動を停止し、 しかる後、押圧ローラの退行と、コンベアベル
   トのその架台とともにする復帰を経て再び、コン
   ベアベルトの駆動にはじまる行程の反覆を準備す
   る ことを特徴とする、タイヤ用シート状ゴム部材の
   周回貼合せ方法。 ２ シート状ゴム部材の周回巻付けに供する貼合
   せドラムと、該ドラムの軸心と平行な一対のプー
   リー間に巻掛けしたコンベアベルトと、該プーリ
   ーを軸支したまま貼合せドラムに対して進退可動
   の架台およびこの架台にコンベアベルトの上面と
   鋭角をなす向きで貼合せドラムに対し進退可動に
   取付けた押圧ローラとより主として成り、 上記コンベアベルト上にフエスツーンを介し巻
   出されたシート状ゴム部材の端末を、コンベアベ
   ルトの前端から垂れ下る送出し位置に至る間のみ
   の一定距離にわたるコンベアベルトの駆動を司る
   クラツチつきステツプモータと、該位置から貼合
   せドラム上での周回巻付き長さに対応した位置に
   てシート状ゴム部材を切断するカツタとを上記コ
   ンベアベルトに設け、このカツタをシート状ゴム
   部材の貼合せドラムの頂部をこえる先行端の到来
   にて動作させる指令を司るセンサを貼合せドラム
   に対設して成る、タイヤ用シート状ゴム部材の周
   回貼合せ装置。