JPH04322202A - フレネルレンズ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フレネルレンズ、特に
、プロジェクションテレビジョン用等のスクリーンに適
用すると、スクリーンに色むらがなく、且つ、スクリー
ン全体を均一な明るさにすることができるフレネルレン
ズに関する。

【０００２】

【従来の技術】各種の透明又は半透明のプラスチックレ
ンズシート（例えば、フレネルレンズシート、レンチキ
ュラーレンズシート）で、透過型スクリーンを形成し、
それをプロジェクション（投射）型テレビジョン用のス
クリーンとして利用することが既に行われている。

【０００３】通常、上記スクリーンを構成するフレネル
レンズは、レンズ形成面を光源側に配する入光面サーキ
ュラフレネルレンズと、レンズ形成面を観察側に配する
出光面サーキュラフレネルレンズの２つのタイプに分け
られる。

【０００４】図３示すように、入光面サーキュラフレネ
ルレンズは、フレネルレンズ１０の中心から周辺に近付
く程、非レンズ面Ｎに入光する光（斜線で示す損失光）
が増加するので、周辺部における光量が減少してしまい
、観察側から見ると、スクリーンのコーナー部が暗く、
中心部が明るいホットスポットのきつい画像となる。又
、テレビジョン（ＴＶ）セットを小型化する場合には、
投射距離（光源−レンズ間距離）が短くなるため、プリ
ズム角αを大きくする必要があるが、このようにプリズ
ム角αを大きくすると、レンズ面Ｌで全反射を起こし易
くなる。

【０００５】一方、出光面サーキュラフレネルレンズで
は、図４に示すように、周辺部においても入光面に入射
した光は、出光面に影が出来るものの全て活用されるの
で入光面サーキュラフレネルレンズのような周辺部にお
ける光ロスがなく、そのため投射距離が短いＴＶセット
でも反射損失の少ないスクリーンを作ることができる。

【０００６】このような点から、従来、プロジェクショ
ンＴＶ用のスクリーンには、出光面サーキュラフレネル
レンズが多用されている。

【０００７】ところが、出光面サーキュラフレネルレン
ズでは、入光面がフラットであるため、該入光面で一定
の方向に反射されてＴＶセットの内部に戻る不要反射光
が発生する。この不要反射光は、ＣＲＴ（陰極線管）等
の光源を除くＴＶセットの内部を、光を吸収する物質で
コーティングすれば、該不要反射光を吸収させることが
できるので、特に問題にはならない。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
、ＴＶセットを小型化、コンパクト化するために、反射
損失の小さい、極めて光を反射し易い鏡をセットの内部
に配設して、光源光の投射光路を折曲げることが行われ
ている。この鏡は、スクリーンの面積の半分以上という
かなり大きなものであるため、該鏡による不要光の反射
は無視できないことがある。

【０００９】即ち、光源が３管式又は１管式のプロシジ
ェクションＴＶでは、側面方向から見た概略構成を示す
図５のように、ＴＶセットの下の方にＣＲＴ（光源）１
２を配置し、該ＣＲＴ１２から光を鏡１４に入射させ、
該鏡１４による反射光をスクリーン１６に入射させるよ
うに設計されており、該ＴＶセットでは、上記のような
大きな鏡１４が少なくとも１枚使用されている。

【００１０】上記セット設計のプロジェクションＴＶの
スクリーン１６に、出光面サーキュラフレネルレンズを
採用すると、図６に示すように、フレネルレンズ１８の
フラットな入光面で鏡１４からの反射光を受けることに
なるため、該入光面で不要反射光が発生する。この不要
反射光を追跡すると、スクリーン（フレネルレンズ）周
辺部で反射する光は、鏡１４の方には向わないが、スク
リーン中心部で反射する光（２点鎖線で示す）は鏡１４
の方に向い、該鏡１４で再び反射し、この反射光の一部
がスクリーン下部から出光し、特に光源が３管式の場合
はそれが色むらとなって現れる。

【００１１】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされもので、プロジェクションＴＶ用のスクリーン
に適用した場合、スクリーンに色むらがなく、且つスク
リーン全体を均一な明るさにすることができる、フレネ
ルレンズを提供することを課題とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は、レンズ中心か
ら外周に向ってサーキュラフレネルレンズが順次形成さ
れているフレネルレンズにおいて、内側領域に入光側に
配する入光面サーキュラフレネルレンズが形成され、上
記内側領域の外周に位置する外側領域に観察側に配する
出光面サーキュラフルネルレンズが形成されている構成
としたことにより、前記課題を達成したものである。

【００１３】

【作用】本発明においては、フレネルレンズを、内側領
域に入光面サーキュラフレネルレンズが形成され、該内
側領域の外周に位置する外側領域に出光面サーキュラフ
レネルレンズが形成されているようにしたので、上記フ
レネルレンズを、例えばプロジェクションＴＶ用のスク
リーンに適用することにより、全体が出光面サーキュラ
フレネルレンズである場合に、入光面がフラットである
ために生じた不要反射光を防止でき、且つ全体が入光面
サーキュラフレネルレンズである場合に、周辺部におけ
る非レンズ面から損失光が生じることを防止できるため
、上記不要反射光に起因する色むら等の発生を防止でき
ると共に、上記損失光に起因して周辺部の明るさが低下
することを防止できる。

【００１４】その結果、上記フレネルレンズを用いるこ
とにより、色むらがなく、全体の明るさが均一なスクリ
ーンを形成することができる。

【００１５】又、本発明において、内側領域及び外側領
域それぞれの形成範囲は、ＴＶセットの設計により不要
反射光が鏡に入射しなくなる範囲が異なるため、ＴＶセ
ットに応じて任意に変更される。

【００１６】

【実施例】図１は、本発明に係る一実施例のフレネルレ
ンズを示す、その中心を通る位置の拡大断面図であり、
図２は、本実施例のフレネルレンズの作用を示す概略説
明図である。

【００１７】本実施例のフレネルレンズ２０は、図１に
示すように、内側領域の入光面サーキュラフレネルレン
ズ２０Ａと、外側領域の出光面サーキュラフレネルンズ
２０Ｂとを、互いに反対の面に形成し、非レンズ形成面
をフラットにしたものである。

【００１８】本実施例のフレネルレンズの作用を、前記
図５に示したものと同構成のプロジェクションＴＶのス
クリーン１６に、該フレネルレンズを適用した場合の説
明図である図２を用いて説明する。

【００１９】上記フレネルレンズ（スクリーン）２０に
対しては、ＣＲＴ１２からの光源光が鏡１４により反射
された後に入射される。スクリーンの中央部（内側領域
）に入射された光の一部は入光面で反射されるが、該入
光面がサーキュラフレネルレンズ２０Ａからなる粗面で
あるため、その反射光は、図示するように散乱され、鏡
１４に向うことが防止される。

【００２０】その結果、入光面がフラットであった場合
に生じた、前記図６に示した不要反射光に起因するスク
リーンの色むらが防止される。

【００２１】又、スクリーンの周辺部（外側領域）に入
射された光は、該周辺部が出光面サーキュラフレネルレ
ンズ２０Ｂであるため、入光面サーキュラフレネルレン
ズである場合のように非レンズ面に入射して損失される
ことが防止される。

【００２２】又、ＣＲＴ１２から入射される光の明るさ
（照度）は、スクリーンの中心部が明るく、その周辺に
近付く程暗くなる。ところが、本実施例のフレネルレン
ズでは、中心部が入光面サーキュラフレネルレンズ２０
Ａであるため、出光面サーキュラフレネルレンズである
場合に比べて、中心側の明るさが若干暗くなるが、周辺
部が出光面サーキュラフレネルレンズ２０Ｂであるため
、入光面サーキュラフレネルレンズである場合に比べて
光の損失が少ないので、結果として、画面全体を均一な
明るさにすることができる。

【００２３】なお、実開昭６４−２６７０３にサーキュ
ラフレネルレンズを両面に形成したフレネルレンズが開
示されている。しかし、このフレネルレンズは、その周
辺部に入光面サーキュラフレネルレンズの非レンズ面か
ら入射する損失光があるため、周辺程スクリーンが暗く
なることは避けられない。その上、本実施例のフレネル
レンズは、通常の片面フレネルレンズに比べてほぼ等し
い厚さであるが、上記両面フレネルレンズは、それ自体
が厚くなる欠点があり、且つ厚さ精度が要求される。

【００２４】次に、本実施例のフレネルレンズについて
更に詳述する。

【００２５】本実施例のフレネルレンズにおけるフレネ
ルピッチは、内側領域の入光面サーキュラフレネルレン
ズ部と、外側領域の出光面サーキュラフレネルレンズ部
のピッチは、必ずしも一致している必要はなく、必要に
応じて任意に変更可能である。

【００２６】又、入光面サーキュラフレネルレンズ部と
出光面サーキュラフレネルレンズ部の切替り点は、光が
ほぼ平行に入射される場合には、図１に示すように、表
裏で末端が一致している方がよい。しかし、光束が多少
発散したり、逆に収束している場合等には、出射光が不
連続にならないように、入光面サーキュラフレネルレン
ズ部の終端よりも外側を透過する光が、全て出光面サー
キュラフレネルレンズ部に入射するように、上記切替り
点を適宜ずらしてもよい。

【００２７】又、フレネルレンズの焦点距離は、一般に
採用されているように、出射光が平行光から観察側６ｍ
　の位置に集光点を有するまでの間になるように設計し
てもよく、又、中心部での光量損失を最小にするために
、中心部の入光面サーキュラフレネルレンズ部からは、
平行光が出射されるようにし、外周部から出射される光
を観察側の所定位置に集光するように設計してもよい。

【００２８】次に、具体例を挙げて本実施例のフレネル
レンズを説明する。

【００２９】アルミニウム材料を旋盤で切削し、中心か
ら２００ｍｍＲのところまで平行光が出射されるように
設計された入光面サーキュフレネルレンズの金型（２０
０ｍｍＲより外周部はフラット面）と、中心から２００
ｍｍＲまでがフラットで、それより外周部が、焦点距離
１０ｍ　に設計された出光面サーキュラフレネルレンズ
の金型の２つを作成し、これら金型の位置合せのために
各金型の４隅に貫通孔を開けて、金型を上下で位置合せ
が可能なようにした。

【００３０】次に、いずれか一方の金型の周囲４辺に塩
化ビニル製のガスケット（厚さ３ｍｍ）をおき、その上
に他方の金型を載せた後、位置合せ用の上記貫通孔にボ
ルトを挿入し、ナットで固定して金型の上下の位置合せ
を行った。

【００３１】次いで、ガスケットの一部を引張って隙間
を形成し、その隙間から、開始剤としてＡＩＢＮ（アゾ
イソブチロニトリル）が０．５％と、離型剤としてＤＢ
Ｐ（ジ−ｎ　−ブチルフタレート）が５％混合されたＭ
ＭＡ（メチルメタアクリレート）シロップを注入した後
、ガスケットを元の状態に戻し、密閉された状態にする
。

【００３２】その後、上記金型を７５°のオーブンで３
時間、次いで、１３０°で３０分かけて上記ＭＭＡシロ
ップを硬化させ、冷却した後その硬化物を型から取り出
し、本実施例のフレネルレンズとした。

【００３３】上記のように形成した本実施例のフレネル
レンズを、前記図５のプロジェクションＴＶ用のスクリ
ーン１６に適用したところ、色むらがなく、しかも画面
全体が均一な明るさのスクリーンを形成することができ
た。

【００３４】

【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、色
むらがなく、しかも全体の明るさが均一なスクリーンを
形成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明に係る一実施例のフレネルレン
ズを示す断面図である。

【図２】図２は、実施例の作用を示す概略説明図である
。

【図３】図３は、入光面サーキュラフレネルレンズの作
用を示す概略説明図である。

【図４】図４は、出光面サーキュラフレネルレンズの作
用を示す概略説明図である。

【図５】図５は、プロジェクションＴＶの一例を示す概
略構成図である。

【図６】図６は、上記プロジェクションＴＶの作用を示
す概略説明図である。

【符号の説明】

Ｎ…非レンズ面、 Ｌ…レンズ面、 １０、１８、２０…フレネルレンズ、 １２…ＣＲＴ、 １４…鏡、 １６…スクリーン、 ２０Ａ…入光面サーキュラフレネルレンズ、２０Ｂ…出
光面サーキュラフレネルレンズ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】レンズ中心から外周に向ってサーキュラフ
   レネルレンズが順次形成されているフレネルレンズにお
   いて、内側領域に入光側に配する入光面サーキュラフレ
   ネルレンズが形成され、上記内側領域の外周に位置する
   外側領域に観察側に配する出光面サーキュラフルネルレ
   ンズが形成されていることを特徴とするフレネルレンズ
   。