JPH04314456A - 血液処理装置および血漿処理方法 - Google Patents

血液処理装置および血漿処理方法

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JPH04314456A
JPH04314456A JP3067544A JP6754491A JPH04314456A JP H04314456 A JPH04314456 A JP H04314456A JP 3067544 A JP3067544 A JP 3067544A JP 6754491 A JP6754491 A JP 6754491A JP H04314456 A JPH04314456 A JP H04314456A
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JP
Japan
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blood
adsorption
processing device
ldl
plasma
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JP3067544A
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English (en)
Inventor
Hirofumi Yura
洋文 由良
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血液処理装置および処理
方法に関する。詳細には、血液中の特性の成分を選択的
に吸着して分離するための血液処理装置および処理方法
であり、本発明の装置および方法は、血液中の低密度リ
ポ蛋白質を選択的に吸着除去して血液を浄化するのに特
に適している。
【0002】
【従来の技術】虚血性心疾患や各種血管障害、更には単
状糸球体硬化症由来の薬物抵抗性ネフローゼを惹起する
病因物質とされているコレステロールは、水に対して難
溶性であるため、トリグリセライド、リン脂質、アポ蛋
白質等とリポ蛋白質粒子を形成し、血中に存在している
。これらのリポ蛋白質は、その密度によってそれぞれ、
超低密度リポ蛋白質(VLDL  Very Low 
Density Lipoprotein)、低密度リ
ポ蛋白質(LDL  Low Density Lip
oprotein)、高密度リポ蛋白質(HDL  H
igh Density Lipoprotein)な
どに分類されるが、特にLDLはコレステロールを多く
含む。
【0003】このLDLは、正常人では肝臓における血
漿リポ蛋白質の代謝によって、定常値に維持されるが、
遺伝的に肝臓にLDLレセプターを有さない家族性高コ
レステロール血症は、LDLの異常な増加により若年性
虚血性疾患等を惹起する。家族性高コレステロール血症
の特にホモ接合体と重症のヘテロ接合体では、薬物療法
によってコレステロール濃度を動脈硬化の進展を防止し
えるレベルまで低下させることは困難であるので、場合
によっては、体外におけるさらなる血液浄化処理が必要
とされる。
【0004】このようなLDL除去を目的とする血漿浄
化法として、連続遠心分離と凍結血漿を用いた血漿交換
療法がトンプソンらによって試みられ、血中のLDL濃
度の減少に起因する高い臨床効果が確認された(Tom
pson,G.R.,et. al;Plasma e
xchange in the manegement
 of homoztgous familialhy
percholesterolacmia. Lanc
et 1、 1208、 1975)。しかしながら、
この方法では、複雑かつ高価な装置を必要とする上、遠
心分離処理によって血漿中の他の有用成分まで根こそぎ
捨てられてしまうものであった。
【0005】このような観点から、さらに精度の高い選
択的LDL除去法として、膜濾過法、分別沈殿法および
選択的吸着法の3つに大別される種々の方法が提唱され
た。しかしながら、これらの方法においても多くの問題
点が残されているものであった。例えば、膜濾過法であ
るダブルフィルトレーションプラズマフェレーシスでは
、分子サイズによるLDLとHDLの分画化が不完全で
あり、遊離コレステロールを取り込み、高コレステロー
ル血症の抑制因子と推定されHDLや各種有用血漿蛋白
質を損失してしまうものであった。
【0006】また、分別沈殿法であるヘパリン−カルシ
ウム沈殿法は、LDLに対して選択的であるが、除去量
に問題があり、生理的濃度の約10倍程度のカルシウム
の使用を余儀なくされるものであった。さらに、選択的
吸着法では、除去能力に問題があり、またリガンドを使
用する場合には、リガンドの脱離による安全性や性能の
安定性が危惧されるものであった。特に、リガンドとし
て抗LDL抗体や酸性ムコ多糖を固定化する場合には、
経済性の面に問題が生じてくるものであり、これらの点
から、選択吸着法も完成された実用的な技術とはいえな
いものであった。
【0007】上記事情に鑑み、本願出願人は、先に血液
中の不用物を選択的に吸着除去する血漿処理装置であっ
て、電気的に分極させた固体表面を有する吸着担体を使
用することを特徴とする血漿処理装置を提供している(
特願平1−254033号)。この血漿処理装置は、L
DL等の静電的に異方性の高い分子構造を有する不用物
を静電的相互作用によって極めて選択的に吸着除去する
ことができるものである。したがって、本装置によれば
、LDLに対して選択性が高いので、高コレステロール
血症の抑制因子と推定されるHDLや各種有用血漿蛋白
質を損失する虞れが少なく、また静電的相互作用によっ
て吸着するので、リガンドを必要とせず、安全性に優れ
るものであった。また静電気作用を機械的に任意にコン
トロールすることが可能であるため、LDLのみならず
、吸着対象をマルチ化することも容易であり、さらには
測定対象である血液の個体差に併せて、吸着体表面の電
気的環境を制御することもできる等の利点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、上記
の血漿処理装置においても、十分なLDL等の不用物の
吸着除去効果を有するが、本発明は、上記の血漿処理装
置を改良することにより、さらに高いLDL等の不用物
に対する選択性を有する血液処理装置を提供することを
目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、血液中の
特定成分を選択的に吸着しえる吸着担体を備えた血液処
理装置であって、前記吸着担体は、電気的に分極された
固体表面を有し、かつ当該固体表面には吸着補助物質が
付与されてなることを特徴とする血液処理装置によって
達成される。
【0010】また、本発明は、前記血液処理装置が血液
浄化器であり、前記特定成分が低密度リポ蛋白質である
血液処理装置を示すものである。前記吸着補助物質は、
解離基を有する高分子物質であるのが好ましく、特に酸
性基を有する高分子物質であるのが好ましい。酸性基を
有する高分子物質は、硫酸基および/またはカルボン酸
基を有する高分子物質であるのが好ましい。
【0011】また、本発明は、処理しようとする血液を
、電気的に分極された固体表面を有し、かつ当該固体表
面に吸着補助物質が付与されてなる吸着担体に接触させ
、静電的相互作用により血液中に含まれる静電的に異方
性の高い分子構造を有する不用物を選択的に吸着するこ
とを特徴とする血漿処理方法を示すものである。
【0012】ここで、本発明でいう「血液」とは、全血
だけでなく、全血から血球成分を分離した血漿成分、血
清成分等を包含する。また、本発明における「吸着担体
は電気的に分極された固体表面を有し」とは、吸着担体
を電気機器や電気回路を使用して、その固体表面に電気
的な分極を生じさせた吸着担体をいい、その場合の「分
極」とは、2つの電極間に電圧を印加することによって
生じる電界によって、導電性または非導電性の固体表面
に形成される電気的極性の変化を意味する。電圧の印加
方法としては、電解質中で2つの電極間に直流電圧や交
流電圧を印加できるものであればどのようなものであっ
てもよく、電極そのものを含めた固体表面の電荷を何ら
かの方法で制御できればよい。
【0013】本発明で採用できる電気的分極について、
具体例を挙げて説明する。例えば、図1に示すように、
電解質1中で、電極2および電極3間に直流電場で直接
電流を流して物理的な力、すなわち電気泳動を発生させ
る方法がある。また、図2に示すように、電解質1中で
、一定の周波数以上の交流電場を電極2と電極3間に印
加することにより、電極の材質、電解質の種類、電場の
強さ、周波数等に応じて、電極2および電極3自体の界
面を分極させる方法がある。更に、図3に示すように、
電極2と電極3の間に絶縁体4(真空も含む)を挿入し
、絶縁体4の誘電率に応じた分極表面を得る方法、図4
に示すように、一定の基準電位を有する基準電極5およ
び対極7を用いて、作用極6と基準電極7との間の電位
を電解質1が電気分解しない範囲で電気化学的に制御す
る方法などがあり、場合によっては動磁場によって電流
を得ることもできる。
【0014】上記方法のうちでも、電極それ自体や絶縁
体の固体表面を分極させる方法は、電気現象の変化(す
なわち系にかかるエネルギー)が、電極や絶縁体の固体
界面のごく近傍にのみ集約されるため、被吸着成分が吸
着時に受ける電気的な相互作用がより大きくなり、特定
の成分をより有利に選択的に吸着できる。特に、図4に
示したような電気化学的な制御方法は、電極そのものを
吸着担体として利用でき、しかも極めて低電圧、低エネ
ルギー系で電極固体表面に有効な電荷を設定できるので
好ましい。その場合に用いる電気機器や電気回路は、公
知の電解電池を構成するものと同様のものでよく、電極
電位の制御には例えば汎用のポテンシオスタットなどを
用いることが可能であり、また基準極や対極の接続に塩
橋を用いてもよい。
【0015】基準極としては、銀/塩化銀電極や飽和カ
ロメル電極等が、また対極としては白金やカーボン等が
好適に用いられる。吸着担体ともなる作用極としては、
電解液中で分極性の高い素材を用いるのが好ましく、例
えば亜鉛、白金、金、炭素系の材料が好ましい。また、
酸化錫をドープした酸化インジウム等の半導体も作用極
として好適に使用可能である。更に、作用極の形状は特
に限定されないが、吸着面積を大きくするために、多孔
粒子、多孔質塊状物、発泡体、繊維状物等の多孔質構造
体の形態にしておくのがよく、繊維状物の場合は、繊維
の集合体、編織物または不織布等のいずれの形態であっ
てもよい。
【0016】そして、上記のものが適当なハウジングに
収納されて電解電池の構成を有するものとなればよい。 そして、その場合のハウジングは、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメ
チルメタクリレート等の合成樹脂、ガラス、絶縁処理を
施したステンレス等の金属などから形成することが可能
であり、特にポリプロピレン、ポリカーボネート等が湿
熱滅菌が可能であり、取り扱いが容易で好ましい。この
ように、吸着担体の固体表面を電気的に分極させるよう
にした本発明では、分極のために使用する電気機器等の
出力等を変えることによって、同一の吸着担体を用いた
場合でも、その固体表面の電気的分極状態(すなわち静
電状態)を、吸着させようとする血液中の成分の種類や
荷電状態に応じて、任意に設定、変化することができ、
極めて便利である。
【0017】更に、本発明では、電気的に分極させる吸
着担体の固体表面に、吸着保持物質が付与されているこ
とを必須にするものである。本発明では、吸着担体の電
気的分極による電気的吸引作用と、吸着補助物質の有す
るアンカリング効果によって、特定成分をより効率よく
選択的に吸着させ、血液から分離することができる。こ
の吸着補助物質は、血液中の被吸着成分(特定成分)と
反対の帯電状態にあるか、または血液中で吸着担体を電
気的に分極させて処理を行う際に、反対の帯電状態にな
り得る物質である。
【0018】例えば、被吸着成分がカチオン性の物質で
ある場合は、吸着補助物質をカチオンを静電的相互作用
によって吸引するアニオン性の物質としておくのがよく
、また反対に被吸着成分がアニオン性の物質である場合
は、吸着補助物質をカチオン性の物質としておくのがよ
い。特に、コレステロールを多量に含む上記したLDL
はカチオン性であるので、全血や血漿等の血液中からL
DLを吸着分離する場合は、吸着担体に施す吸着補助物
質をアニオン性の物質から選ぶのがよい。
【0019】吸着担体に施す吸着補助物質は、担体から
剥離したり、被処理血液中に溶解することなく吸着担体
に長期間安定して保持されることが必要であり、この点
からアニオン性またはカチオン性の極性基(官能基)を
豊富に有し、担体表面に固定化されたときに水不溶性と
なる重合体であるのが好ましい。そのような重合体の好
ましい例としては、上記したような極性基を有し、その
基本骨格が疎水性である、水不溶性のビニル系重合体ま
たは共重合体、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル
、ポリウレタン、ポリシロキサン等の合成樹脂および合
成ゴムを挙げることができる。それらのうちでも、エチ
レン、プロピレン、ブテン等のオレフィン類、スチレン
類、ブタジエン等のジエン類、塩化ビニル、酢酸ビニル
、アクリレート系モノマー、フッ化ビニル等のフッ素化
モノマー等のビニル系不飽和モノマーからなるアニオン
性またはカチオン性の極性基を導入した重合体および共
重合体やポリアミドが望ましい。
【0020】本発明では、被吸着成分の帯電状態や種類
等に応じて、吸着補助物質の種類を選択して使用するこ
とが必要である。特に、全血や血漿中のLDLを吸着分
離するための吸着担体としては、硫酸基やカルボン酸基
等のアニオン性の解離基を導入した上記したようなビニ
ル系不飽和モノマーからなる重合体および共重合体、ポ
リアミド等の合成樹脂がLDLの吸着分離能が高く望ま
しい。
【0021】吸着担体に上記した吸着補助物質を付与す
るにあたっては、固体表面に吸着補助物質を均一に施す
ことができる方法であればいずれも採用でき、例えば噴
霧、浸漬(コーティング)、注入、塗布、加圧含浸等の
方法を挙げることができる。また、吸着補助物質が上記
したようなビニル系モノマーからなる重合体または共重
合体である場合は、極性基を有する該重合体または共重
合体を吸着担体の固体表面に直接付与しても、または極
性基のない重合体または共重合体を固体表面に付与した
後に、重合体または共重合体に適当な後処理を施して極
性基を導入しても、或いは吸着担体の存在下にビニル系
モノマーを重合させて、重合と同時にそれら重合体から
なる膜を固体表面上に形成させてもよい。
【0022】また、吸着補助物質による吸着担体の処理
は、吸着担体を本発明の血液処理装置に組み込む前に行
うのがよい。本発明の吸着担体として好適に使用できる
炭素材料からなる吸着担体は、焼結等の製造条件の微細
な制御が困難であることにより、均一なロットを作りに
くいが、本発明では炭素材料からなる吸着担体の表面に
吸着補助物質を付与することによって、炭素材料からな
る吸着担体の物性を均一に制御することができる。
【0023】本発明の血液処理装置および方法の一実施
態様を、血液からのLDLの分離除去を例に挙げて図5
を参照して以下に説明する。図5においては、血液導入
口12および血液導出口13を有するカラム14内に、
硫酸基を有する水不溶性合成樹脂で被覆処理したグラフ
ァイト繊維束からなる吸着担体を作用極11として、所
定の嵩密度(例えば0.5〜1.5g/cm3)で充填
する。グラファイト繊維束を、絶縁性接着剤(例えばエ
ポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、低融点ガラス等)で血
液導出口13側の端部に導線15aとの接点を取って接
着する。
【0024】一方、飽和カロメル電極からなる参照極1
7と白金線からなる対極18を、寒天ゲルを充填した塩
橋19a、19bで作用極11を充填したカラム14と
各々接続し且つ飽和食塩水からなる電解質20を満たし
た別々の浴槽21a、21b中に固定する。各電極11
、17、18からの導線15a、15b、15cはポテ
ンシオスタット22に接続されており、このポテンシオ
スタット22によってグラファイト繊維束からなる作用
極11の電極電位を規制する。
【0025】上記のような構成を有する血液処理装置は
、血液中に含まれるLDLなどに代表される静電的に異
方性の高い分子構造を有する不用物の選択的な吸着除去
に好適に使用することができる。例えば、LDL除去を
目的とした血液浄化処理においては、例えば図6に示す
血液回路中に図5に示した血液処理装置を組み入れて、
高コレステロール血症患者に対して体外循環処理を行う
とよい。
【0026】すなわち、患者からの血液は、血液供給口
23から回路内に導入されて、血液ポンプ24、チャン
バー25aを経て一定流速で血液処理装置(血液浄化器
)10に供給される。なお、チャンバー25aには圧力
ゲージ26aを設けてあり、血液浄化器10の流通抵抗
をモニタリングできるようになっている。血液導入口1
2から導入された血液は、血液浄化器10内において、
一定電位(例えば−2.0〜+2.0V)(塗布する重
合体により応答電位領域が変化する)において分極され
た作用極11としてのグラファイト繊維束と接触してL
DLを吸着処理された後、血液導出口13から導出され
る。導出された血液は、チャンバー25bおよび圧力ゲ
ージ26bからなるモニタリング部、恒温槽27および
気泡検知器28を通って血液供出口29から再び患者の
体内に戻される。
【0027】上記では、血液浄化器10に直接、全血を
流した場合について説明したが、勿論患者からの血液を
遠心分離等によって一旦血球成分と血漿成分とに分離し
、血漿成分のみを血液浄化器10に供給して、浄化され
た血漿を得、これを前記の血球成分と再度一緒にして患
者に返送するようにしてもよい。なお、本発明の血液処
理装置は、使用前に精製水、生理的食塩水等を装置内に
充填し、加熱することによって湿熱滅菌処理を施すとよ
い。
【0028】そして、本発明の血液処理装置は、血液や
血漿からのLDLの吸着、分離だけでなく、静電的に異
方性を有する血液中の他の成分、例えば各種血漿蛋白質
等の高分子物質、胆汁酸、びりるびん、イオン性の低分
子物質、そのような分子で構成された膜を有する血液細
胞等の分離除去または分離回収に使用することができ、
いずれも本発明の範囲に包含される。
【0029】
【実施例】
実施例  1 硫酸基を有するビニル系重合体であるポリ(2−アクリ
ルアミド−2−メチル−1−プロパン硫酸(PAPS;
Aldrich Chemical Co.,Inc.
)の0.05重量%水溶液にグラファイト繊維束[商品
名ベスファイト:単繊維直径7μm;東邦レーヨン(株
)社製]を1時間浸漬した後、遠心分離処理して過剰の
水溶液を除き、100℃で1時間熱乾燥した。このグラ
ファイト繊維束を蒸留水中に30分間浸した後、流水で
再度洗浄して熱乾燥した。 上記で重合体で処理したグラファイト繊維束を、ポリカ
ーボネートパイプ(内径10mm)に約1.2g/cm
3の嵩密度になるように充填し、グラファイト繊維束の
片端を導線と接続してエポキシ樹脂で固めて吸着担体内
蔵カラムを形成した(カラム容量3.8cm3)。この
カラムに塩橋(2%寒天ゲル)を通じて、基準電極であ
る飽和カロメル電極(S.C.E)と対極である白金電
極を接続して、図5に示した血液処理装置(電解電池)
とした。電極間電位はポテンシオスタット[東邦技研(
株)社製;製品番号200]。
【0030】上記で用意した電解電池のカラム内のグラ
ファイト繊維束に所定の電位を設定して、高コレステロ
ール食を3カ月間投与したウサギから採取した高コレス
テロール血漿10mlを1ml/分の流速でカラム内を
循環させた。また、上記ビニル系重合体PAPSで浸漬
処理しないグラファイト繊維束をカラムに充填し電解電
池を使用して、上記と同様の血漿浄化処理を行った。
【0031】ここで、電位の設定とビニル系重合体PA
PSによる浸漬処理の有無による浄化効果の比較を次の
ようにして行った。まず、ビニル系重合体PAPSで処
理したグラファイト繊維束で最も高いLDL除去率を示
した電位を未処理繊維束に設定して、LDL除去能を調
べた。また、電位を設定しないビニル系重合体PAPS
処理繊維束と未処理繊維束のLDL除去能も測定した。 上記における設定電位は−0.5V vsS.C.E.
であった。そして、電位を設定したビニル系重合体PA
PS処理繊維束のLDL除去量をCF、未処理繊維束の
LDL除去量をNF、電位を設定しない時のビニル系重
合体PAPS処理繊維束のLDL除去量をCF0、未処
理繊維束のLDL除去量をNF0として、下記の式によ
り、電位によるLDL除去効果のビニル系重合体PAP
S中の酸性基による効率化の指標ERP(PAPS)と
した。       ERP(PAPS)  =  (CF/C
F0)÷(NF/NF0)
【0032】上記式において、CF/CF0およびNF
/NF0は各々電位の有無(グラファイト繊維束の分極
の有無)によるLDL吸着能の変化を表し、それら各々
の値が1.00を超えた場合は、吸着担体であるグラフ
ァイト繊維束に電位をかけて分極させることによって、
そのLDLの吸着除去能が増大したことを意味する。ま
た、ERP(PAPS)は、グラファイト繊維束にビニ
ル系重合体PAPS処理を施した場合と未処理の場合と
のLDL吸着除去能の比較を表し、ERP(PAPS)
の値が1.00を超えた場合は、ビニル系重合体PAP
Sによる処理によって、吸着担体であるグラファイト繊
維束の電位によるLDLの吸着除去能が強調されたこと
を意味する。循環処理後に回収された血漿中のLDL含
量、NF、NF0、CF、CF0の値は、β−Lテスト
試薬[極東製薬工業(株)社製]を用いたLDLの比濁
法により測定した。得られた結果を下記の表1に示す。
【0033】実施例  2 グラファアイト繊維処理用の重合体をポリビニル硫酸(
PVS;Aldrich Chemical Co.,
Inc.)に代え、設定電位を−1.0V vsS.C
.E.にした他は、実施例1と同様にして血漿からのL
DL吸着除去状態を調べた。 得られた結果を表1に示す。
【0034】実施例  3 ジメチルホルムアミドと0.2M水酸化ナトリウム水溶
液を1:1の容量割合で混合した混合溶媒中に、オキシ
ラン基含有四元ブロック共重合体であるモディパーHT
−228[日本油脂(株)社製;ヒドロキシエチルエタ
クリレート:グリシジルメタクリレート:メチルメタク
リレート:アクリル酸の重合仕込み割合が40:40:
17:3モル%であるポリ(ヒドロキシエチルエタクリ
レート/グリシジルメタクリレート)−ポリ(メチルメ
タクリレート/アクリル酸)ブロック共重合体]を2.
5容量%になるように、更にアミノドデカン酸を0.1
Mの濃度になるように加え、得られた溶液を室温で48
時間撹拌した。生成した沈殿を精製溶媒である1M水酸
化ナトリウム水溶液とジオキサンを用いて数回洗浄した
。この洗浄された不溶物は、アミノドデカン酸を酸性基
として結合した上記四元ブロック共重合体であった。
【0035】このアミノドデカン酸結合四元ブロック共
重合体をジオキサンと酢酸を1:1の容量割合で混合し
た混合溶媒中に濃度が0.05重量%になるように溶解
させて溶液を形成した。この溶液中に実施例1における
のと同じようにして、グラファイト繊維束を浸漬してそ
の繊維表面にアミノドデカン酸結合四元ブロック共重合
体の層を形成させ、設定電位を+1.0V vs S.
C.E.にして、実施例1におけるのと同様にしてウサ
ギから採取した高コレステロール血漿からのLDLの吸
着除去試験を行った。その結果を表1に示す。
【0036】実施例  4 10%のアセトンを含むメタノールからなる溶媒中に、
実施例3で使用したのと同じオキシラン基含有四元ブロ
ック共重合体を2.5容量%になるように、更にアミノ
安息香酸を0.1Mの濃度になるように加え、得られた
溶液を室温で48時間撹拌した。生成した沈殿を1.2
N塩酸と20%のアセトンを含有するメタノールを用い
て数回洗浄した。この洗浄された不溶物は、アミノ安息
香酸を酸性基として結合した上記四元ブロック共重合体
であった。このアミノ安息香酸結合四元ブロック共重合
体をジオキサンと酢酸を1:1の容量割合で混合した混
合溶媒中に濃度が0.05重量%になるように溶解させ
て溶液を形成した。この溶液中に実施例1におけるのと
同じようにして、グラファイト繊維束を浸漬して繊維表
面にアミノ安息香酸結合四元ブロック共重合体の層を形
成させ、設定電位を+0.5V vs S.C.Eにし
た他は実施例1と同様にしてウサギから採取した高コレ
ステロール血漿からのLDLの吸着除去試験を行った。 その結果を表1に示す。
【0037】比較例  1 グラファイト繊維の表面に施す重合体としてカチオン基
を有する多糖類であるキトサン[旭ガラス(株)社製C
ARAPACE CS−90]に替え、設定電位を+0
.5V vs S.C.Eにした他は実施例1と同様に
してLDLの吸着除去試験を行った。その結果を表1に
示す。 比較例  2 グラファイト繊維の表面に施す重合体として解離性基を
持たないポリスルホン(アモコ社製のコーデルP−17
00)に替え、設定電位を+0.5V vs S.C.
Eにした他は、実施例1と同様にしてLDLの吸着除去
試験を行った。その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】実施例  5 実施例1におけるのと同じビニル系重合体PAPSを使
用して、グラファイト繊維束を処理し、設定電位を−0
.5V vs S.C.Eにして実施例1と同じ手順で
高コレステロールウサギ血漿の循環実験を行って、1時
間後の血漿中からのLDL、HDL、アルブミン、総蛋
白質の吸着量を測定した。HDL、アルブミンおよび総
蛋白質の測定には、HLD−C・2「第一」(第一化学
薬品社製)およびA/GB−テストワコー(和光純薬社
製)を使用した。その結果を表2に示す。
【0040】実施例  6 グラファイト繊維表面に施す重合体として実施例3で使
用したのと同じアミノドデカン酸結合四元共重合体を使
用した以外は、実施例5と同様にして実験を行った。そ
の結果を表2に示す。 実施例  7 グラファイト繊維表面に施す重合体として実施例4で使
用したのと同じアミノ安息香酸結合四元共重合体を使用
した以外は、実施例5と同様にして実験を行った。その
結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】表1の結果から、分極された固体表面の静
電的効果を強調する酸性基を有する重合体を塗布した吸
着担体(グラファイト繊維)を備えた本発明の血液処理
装置では、LDLを効率よく選択的に吸着除去できるの
に対して、重合体で表面処理する場合でも、当該重合体
がカチオン基を有するものや非解離性のものである場合
は、静電的なLDLの吸着除去が強調されないことがわ
かる。また表2の結果から、吸着担体(グラファイト繊
維)を備えた本発明の血液処理装置では、LDLのみを
効率よく選択的に吸着除去でき、HLD、アルブミン、
蛋白質等の有用成分は吸着せずそのまま血漿中に残留さ
せえることがわかる。
【0043】
【発明の効果】血液中の特定成分を選択的に吸着除去し
える吸着担体を備え、吸着担体は、電気的に分極された
固体表面を有し、当該固体表面に吸着補助物質が付与さ
れてなる本発明の血液処理による場合は、血液中の分離
しようとする成分の吸着能が一層向上して、より高精度
で選択的に当該特定成分を分離できる。特に、本発明の
処理装置は、虚血性心疾患や各種血管障害、更には単状
糸球体硬化症由来の薬物抵抗性ネフローゼを引き起こす
病因物質とされているコレステロールを多量に含むLD
Lを血液、血漿から選択的に分離するのに有用である。 すなわち、本発明の処理装置による場合は、極めて簡単
な操作で、血液中の有用成分であるHLD、アルブミン
、蛋白質等を血液中にそのまま残留保持させたまま、L
DLのみを選択的に分離除去できる。本発明の処理装置
では、吸着担体の電気的分極状態および吸着担体の表面
に施す静電気吸引性物質の種類や特性を変化、選択する
ことによって、上記したLDLのみならず、他の成分も
血液中から吸着分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の血液処理装置に適用可能な分極状態を
得るための電圧の印加原理の一例を示す図である。
【図2】本発明の血液処理装置に適用可能な分極状態を
得るための電圧の印加原理の別の例を示す図である。
【図3】本発明の血液処理装置に適用可能な分極状態を
得るための電圧の印加原理の更に別の例を示す図である
【図4】本発明の血液処理装置に適用可能な分極状態を
得るための電圧の印加原理の更に別の例を示す図である
【図5】本発明の血液処理装置の一実施態様を示す図で
ある。
【図6】本発明の血液処理装置を組み込んだ血液の体外
循環回路を示す図である。
【符号の説明】
1    電解質 2    電極 3    電極 4    絶縁体 5    基準電極 6    作用極 7    対極 10    血液処理器 11    作用極 12    血液導入口 13    血液導出口 14    カラム 15a  導線 17    参照極 19a  塩橋 22    ポテンシオスタット 23    血液供給口 29    血液供出口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  血液中の特定成分を選択的に吸着しえ
    る吸着担体を備えた血液処理装置であって、前記吸着担
    体は、電気的に分極された固体表面を有し、かつ当該固
    体表面には吸引補助物質が付与されてなることを特徴と
    する血液処理装置。
  2. 【請求項2】  血液処理装置が血液浄化器であり、前
    記特定成分が低密度リポ蛋白質である請求項1記載の血
    液処理装置。
  3. 【請求項3】  前記吸引補助物質が、解離基を有する
    高分子物質である請求項1または2記載の血液処理装置
  4. 【請求項4】  解離基を有する高分子物質が、硫酸基
    および/またはカルボン酸基を有する高分子物質である
    請求項3記載の血液処理装置。
  5. 【請求項5】  処理しようとする血液を、電気的に分
    極された固体表面を有し且つ当該固体表面には吸着補助
    物質が付与されてなる吸着担体に接触させ、静電的相互
    作用により血液中に含まれる静電的に異方性の高い分子
    構造を有する不用物を選択的に吸着することを特徴とす
    る血漿処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019519290A (ja) * 2016-05-26 2019-07-11 ドレクセル ユニバーシティ 血液からサイトカインを吸着するための開曲面グラファイト材料

Cited By (2)

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US11918723B2 (en) 2016-05-26 2024-03-05 Drexel University Methods of using graphine nanoplatelets or polymer-derived ceramic carbide-derived carbon to remove proteins from blood and to treat sepsis

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