JPH0430666B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、同心円状又はら旋状のトラツクパタ
ーンにしたがつて情報が記録されているデイスク
状記録担体から情報を読みとる装置に用いられる
スピンドルユニツトに関するものである。

従来の技術 従来、デイスク状記録担体の読みとり装置に用
いられるスピンドルユニツトとしては、第３図や
第４図に示す構造のものが知られている。

第３図のスピンドルユニツトは、ブラケツト１
のハウジング２の内周の両端に嵌合した玉軸受
３，４で回転軸５を回転自在に支持したものであ
つて、回転軸５上に前記２個の玉軸受３，４を軸
方向に一定の距離あけて装着するとともに、前記
ブラケツト１のハウジング２の内周の肩部と軸受
４間に、前記軸受３，４に一定の予圧を付与する
ばね６を設け、軸受３，４が予圧を付与された状
態でブラケツト１及び回転軸５の軸受嵌合面に固
定される構造として、ばね６で予圧を付与するこ
とにより、軸受３，４の内部隙間の存在に起因す
るガタツキの発生をなくし、スピンドルの回転精
度を向上させるようにしている。Ａはデイスク状
記録担体装着部であり、Ｂはモーターのローター
ホルダーで、それぞれ回転軸５に嵌合固定されて
いる。

ところで、デイスク状記録担体の読みとり装置
用スピンドルユニツトは、小型であり、しかも、
高精度の回転性能が要求され、特に回転性能のう
ち回転軸のデイスク状記録担体装着側先端の半径
方向振れＲは５〜6μm以下が要求されている。そ
して装置の記憶容量は近年ますます高精度を要求
されてきており、それにつれて前記振れ精度も２
〜3μm以下に安定して得られることが必要となつ
てきた。しかし、第３図に示す如く回転軸５を支
持する一対の軸受３，４は、外輪３ａ，４ａ、内
輪３ｂ，４ｂ及び玉３ｃ，４ｃで構成されるか
ら、どうしてもハウジング２及び回転軸５に対す
るはめあい面の精度にバラツキを生じる。このた
め回転軸５の半径方向の振れ精度を前述のように
向上させることは難しい。これを解決するため、
第４図の如く一対の軸受７，８を外輪７ａ，８
ａ、回転軸９上に直接形成された内側玉軌道面７
ｂ，８ｂ及び玉７ｃ，８ｃで構成するとともに、
ハウジングの内周面に軸方向間隔をもつてデイス
ク状記録担体側に小径軸受座をローターホルダー
側に大径軸受座を形成し、小径軸受座に軸受７の
外輪７ａをすきまばめし、大径軸受座に軸受８の
外輪８ａをしまりばめ（又は中間ばめ）して一対
の軸受７，８に、第３図の如きばね６を用いるこ
となく、予圧を付与する構造が提案されている。
Ａはデイスク状記録担体装着部であり、Ｂはモー
ターのローターホルダーで、それぞれ回転軸９に
嵌合固定されている。

発明が解決しようとする問題点 第４図の如き従来構造では、第３図の構造のも
のに比較し、回転軸に直接玉軌道面が形成されて
いるため、精度は出やすいが次のような問題があ
る。

(イ) 両軸受７，８間の軸方向間隔が狭く軸受の組
み立てが難しくなり、軸受製造コストが高くな
る。

(ロ) 上記のように一方の軸受８の外輪８ａのハウ
ジング２への圧入により一対の軸受７，８に予
圧付与する構造では、両軸受７，８の着力点Ｐ
１，Ｐ２が、それぞれ他の軸受側すなわち両軸
受間に位置するため、着力点Ｐ１，Ｐ２間の軸
方向距離Ｌが短くなり回転軸９の半径方向振れ
Ｒを小さくするには不利である。尚、本願明細
書において、着力点とは、軸受の接触角を形成
する作用線と軸受の中心線とが交わる点をい
う。

(ハ) 軸受７あるいは軸受８には装置の磁気吸引力
により大きなスラスト荷重が作用するが、回転
軸９の外径寸法が決定されているため、玉およ
び軌道面径が小さくなり、軸受の定格荷重を大
きく設計することが難しく軸受寿命が短くな
る。

(ニ) 特に軸受７側の回転軸９の振れが問題となる
が、軸受７の外輪とハウジングとのはめあいを
すきまばめとしなければらず、回転軸９の振れ
精度を出しにくい。

問題点を解決するための手段 本発明は上記の問題点を、ハウジングの内周に
軸方向間隔をもつてデイスク状記録担体側に小径
軸受座をローターホルダー側に大径軸受座を形成
して各軸受座にそれぞれころがり軸受を配置し、
上記一対のころがり軸受により、一端にデイスク
状記録担体の装着部を設け他端にモーターのロー
ターホルダーを設けた回転軸を回転自在に支持し
てなるものにおいて、デイスク状記録担体の装着
部側に位置するころがり軸受が、ハウジングに嵌
合された外輪と、玉と、軸に形成された玉軌道面
とを有する玉軸受で構成され、ローターホルダー
側に位置するころがり軸受が前記軸受より定格荷
重の大きい軸受であつてハウジングに嵌合された
外輪と、玉と、軸に嵌合された内輪とを有する玉
軸受で構成され、前記一対の軸受が、ローターホ
ルダー側に位置する軸受の内輪の軸に対する軸方
向押し込み量により予圧を付与されるようにした
ことを特徴とするデイスク状記録担体の読みとり
装置用スピンドルユニツト、により解決するもの
である。

作 用 本発明の構成によれば、回転精度を要求される
デイスク状記録担体の装着部側に位置するころが
り軸受が、ハウジングに嵌合された外輪と、玉
と、軸に形成された玉軌道面とを有する玉軸受で
構成され、しかも回転軸を回転自在に支持する一
対の軸受は、デイスク状記録担体の装着部側とは
反対側（モーターのローターホルダー側）に位置
する軸受の内輪を回転軸に軸方向に押し込むこと
により予圧が付与されるので、両軸受のそれぞれ
の着力点が他の軸受側すなわち両軸受間になく、
他の軸受とは反対側すなわち両軸受の外側に位置
するため、着力点間の軸方向距離が長くなり回転
軸のデイスク状記録担体装着側先端の半径方向振
れが小さくなる。さらに、装置の運転中に回転軸
に作用するスラスト荷重は、一般にローターホル
ダー側から前記記録担体装着側の方向に作用する
ため、モーターのローターホルダー側に位置する
定格荷重の大きい軸受により受けられる。

実施例 本発明による実施例について説明する。第１図
において、１０は回転軸であて一端にデイスク状
記録担体用装着部１１を設け他端に図示しないモ
ーターのローターホルダー１２を設けてある。前
記回転軸１０は、ブラケツト１３のハウジング１
４の内周に一定の軸方向間隔をあけて形成された
軸受座１５，１６は軸受座１５が小径に軸受座１
６が大径に形成され、この軸受座１５，１６に配
置された一対の玉軸受１７，１８により回転自在
に支持されている。デイスク状記録担体用装着部
１１側に位置する軸受座１５は他方の軸受座１６
よりも小さい内周直径ｄで形成され、該軸受座１
５に配置された玉軸受１７は、ハウジング１４に
嵌合された外輪１７ａと、玉１７ｂと、玉用保持
器１７ｃと、軸１０に直接形成された玉軌道面１
７ｄとで構成されている。ローターホルダー１２
側に位置する軸受座１６は軸受座１５よりも大き
い内周直径Ｄで形成され、該軸受座１６に配置さ
れた玉軸受１８はハウジング１４に嵌合された外
輪１８ａと、玉１８ｂと、玉用保持器１８ｃと、
軸１０に圧入嵌合された内輪１８ｄとで構成され
ている。前記軸受１７は、ハウジング１４に対し
てすきまの生じないのはめあいで配置されてい
る。軸受１８の内輪１８ｃは回転軸１０に軸方向
に圧入して押し込まれる。これにより両軸受に予
圧が付与される。

すなわち、第２図の如く回転軸１０、ハウジン
グ１４、軸受１７を組み立てた後、回転軸１０と
ハウジング１４間に軸受１８を矢印Ｎの方向に押
し込んで圧入嵌合する。この場合、軸受１８の内
輪１８ｄは回転軸１０とのはめあいをしまりばめ
または中間ばめとして軸方向に押し込まれ、外輪
１８ａの側面がハウジング１４の内径肩部１９に
接触すると、その押し込み力が玉１８ｂ、外輪１
８ａ、ハウジング１４、外輪１７ａ、玉１７ｂ、
軸１０の玉軌道面１７ｄの順に伝達され、内輪１
８ｄが回転軸１０に対し軸方向に位置決めされ、
その押し込み位置により両軸受１７，１８に予圧
が付与され、かつその予圧が調節される。また、
両軸受１７，１８のそれぞれの着力点Ｐ３，Ｐ４
が他の軸受側すなわち両軸受１７，１８間にな
く、他の軸受とは反対側すなわち両軸受１７，１
８の外側に位置し、その着力点Ｐ３，Ｐ４間の軸
方向距離Ｌ１が長くなる。一方、スピンドルユニ
ツトに作用するスラスト荷重は、ローターホルダ
ー１２側からデイスク状記録担体用装着部１１側
へ向けて作用するから、専らローターホルダー１
２側に位置する玉軸受１８に作用する。前記玉軸
受１８は、デイスク状記録担体用装着部１１側に
位置する玉軸受１７より軸受内部構成が大きな軸
受であるため、定格荷重が大きく、したがつて前
記スラスト荷重を十分に受けることができる。

発明の効果 本発明の構成によれば、デイスク状記録担体の
装着部側に位置する軸受が、ハウジングに嵌合さ
れた外輪と、玉と、軸に形成された玉軌道面とを
有する玉軸受で構成され、しかも、他方の（ロー
ターホルダー側に位置する）軸受の内輪の回転軸
への押し込みにより前記両軸受に予圧を付与する
ようにしたので、従来のようなはめあい面の精度
のバラツキに起因する回転軸の半径方向振れへの
影響が小さくなるとともに着力点間距離が長くな
るため、回転精度を大幅に向上できる。また、ス
ピンドルユニツトに作用するスラスト荷重は、ロ
ーターホルダー側に位置して外輪、内輪、玉を有
する定格荷重の大きい玉軸受により受けられるの
で、スピンドルユニツトの寿命を向上できる。さ
らに、軸受の組立作業も、回転軸への外輪、玉、
保持器の組付けが一列でよいため、普通の玉軸受
と同じように困難を伴わずに容易に実施できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す断面図、第２
図はその組立手順を示す説明図、第３図および第
４図は従来例の断面図である。 １０……回転軸、１１……デイスク状記録担体
用装着部、１２……モーターのローターホルダ
ー、１３……ブラケツト、１４……ハウジング、
１７，１８……玉軸受、１７ａ，１８ａ……外
輪、１７ｂ，１８ｂ……玉、１７ｄ……玉軌道
面、１８ｄ……内輪。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ハウジングの内周に軸方向間隔をもつてデイ
   スク状記録担体側に小径軸受座をローターホルダ
   ー側に大径軸受座を形成して各軸受座にころがり
   軸受を配置し、前記一対のころがり軸受により、
   一端にデイスク状記録担体の装着部を設け他端に
   モーターの前記ローターホルダーを設けた回転軸
   を回転自在に支持してなるものにおいて、デイス
   ク状記録担体の装着部側に位置するころがり軸受
   が、ハウジングに嵌合された外輪と、玉と、軸に
   形成された玉軌道面とを有する玉軸受で構成さ
   れ、ローターホルダー側に位置するころがり軸受
   が前記軸受より定格荷重の大きい軸受であつてハ
   ウジングに嵌合された外輪と、玉と、軸に嵌合さ
   れた内輪とを有する玉軸受で構成され、前記一対
   の軸受が、ローターホルダー側に位置する軸受の
   内輪の軸に対する軸方向押し込み量により予圧を
   付与されるようにしたことを特徴とするデイスク
   状記録担体の読みとり装置用スピンドルユニツ
   ト。