JPH04300391A - 塗被紙の製造方法 - Google Patents

塗被紙の製造方法

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JPH04300391A
JPH04300391A JP6465891A JP6465891A JPH04300391A JP H04300391 A JPH04300391 A JP H04300391A JP 6465891 A JP6465891 A JP 6465891A JP 6465891 A JP6465891 A JP 6465891A JP H04300391 A JPH04300391 A JP H04300391A
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JP
Japan
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base paper
paper
parts
undercoat
coating
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JP6465891A
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English (en)
Inventor
Soichi Saji
聡一 佐治
Hiroaki Tokioka
時岡 宏彰
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Kanzaki Paper Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kanzaki Paper Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層塗被紙の製造方法
に関し、特に下塗り原紙を特定することにより高品質で
しかも操業性に優れた塗被紙を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷物のビジュアル化、カラー化
、高級化指向に伴い、特に印刷用塗被紙の塗被面の光沢
度、照り及び平滑性の改良要望が高まっている。このた
め、印刷用塗被紙の製造工程に関して、各種の提案がな
されている。例えば、塗被方法については、ブレードコ
ーターによる多層コーティング法が、又、仕上工程では
、100℃以上の高温カレンダーによる仕上げ方法(特
開昭54−125712号報、特公昭49−21252
号報等)が提案されている。
【0003】更に、塗被組成物については、サチンホワ
イト、超微粒子カオリン、超微粒子炭酸カルシウム等の
微細顔料、または有機顔料の使用、及び塗被液濃度65
重量%以上の高濃度塗被液による塗工方法等が数多く提
案されている。しかし、操業的にも優れた高品位の塗被
紙を得ようとする場合、検討すべき課題が多く残されて
いる。
【0004】一般に多層塗被により得られる塗被紙は、
単層塗被による塗被紙に比べ優れた品質、すなわち、高
い平滑性、光沢、照り等を有することは知られている。 また、下塗り原紙をキャレンダー掛けすることにより平
滑化したり、下塗り原紙の塗被層を構成するものとして
微細な顔料を使用することで平滑化を行えば、最終的に
はより高品質の塗被紙の得られることも一般に知られて
いる(WOCHENBLATT FUR PAPIER
FABRIKATION 10,1974, P353
 〜362)。
【0005】しかし、特にブレードによる多層塗被を行
う場合、下塗り原紙の平滑性が向上するに従い、上塗り
層塗被時にストリーク・スクラッチといった操業上のト
ラブルの発生頻度が高くなり、安定操業を乱す上に、製
品歩留の低下を引き起こすことになる。
【0006】このストリーク,スクラッチが発生する原
因を以下に説明する。通常、塗被液はスクリーンを通過
させることにより塗被液内の残渣、異物をとり除いては
いるが、完全に除去するには至らず、また原紙自体が持
ちこむ異物、パルプ繊維等にも起因して、ブレード下に
異物が滞留すると、その箇所だけ塗被液が塗被されない
ストリーク・スクラッチというトラブルが発生する。
【0007】塗被される基紙が、比較的平滑性の低いも
のである場合、異物はその凹凸の中に入り込むことによ
りブレード下を通過したり、また一度滞留してもすぐに
取り除かれてしまい、ストリーク・スクラッチの発生頻
度は小さい。しかし塗被される基紙が、予め塗被液を塗
被した下塗り紙のように平滑性が良い場合、塗被液中の
異物がブレードの下に滞留しやすくなり、また一度滞留
すると短時間に除去されることがなく、ストリーク・ス
クラッチが頻発し、また、長時間続くことになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高品位の平
滑性、光沢、照りを有し、操業性にも優れた塗被紙の製
造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、原紙に顔料及
び接着剤を主成分とする塗被組成物を塗被乾燥した下塗
り原紙上に顔料及び接着剤を主成分とする塗被組成物を
塗被乾燥後、キャレンダーで仕上げる多層塗被紙の製造
方法において、該下塗り原紙の正反射平滑度が10〜6
0%であり、かつ下塗り原紙の5秒後の吸水度が60%
以下で、60秒後の吸水度が5〜95%であり、下記式
を満足することを特徴とする多層塗被紙の製造方法であ
る。 S・m5 /100≦15 但し、S  :下塗り原紙の正反射平滑度(%)m5 
:下塗り原紙の5秒後の吸水度(%)
【0010】
【作用】本発明者等は、下塗り原紙に塗被液を塗被する
際のストリーク・スクラッチの発生について研究を進め
た結果、ストリーク・スクラッチの発生は、下塗り原紙
の平滑度の他に本発明の方法により測定した下塗り原紙
の吸水度が大きく関与しており、さらにこの平滑度と吸
水度との相関関係によって発生することをつきとめ、そ
の結果、ストリーク・スクラッチの発生頻度を抑え、し
かも多層塗被の効果を充分に発現した高品質の塗被紙が
得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】前述した様に、下塗り原紙の平滑度はスト
リーク・スクラッチの発生と関係があるが、さらに下塗
り原紙の吸水度も多大な影響を及ぼす。下塗り原紙に塗
被液を塗被する際には、塗被液を過剰にアプリケートし
たのち、ブレード等でメタリングされるが、このアプリ
ケート段階からメタリング段階までに、下塗り原紙の吸
水量が多いと、塗被液の濃度上昇が大きくなり、それに
つれて流動性が悪化し、ブレード下で大きな剪断速度が
生じると塗被液の流動性が損なわれ、塗被液中に異物が
存在した場合もはやブレード下を通過することができず
、ストリーク・スクラッチが発生する傾向になる。
【0012】本発明における吸水量測定方法については
、一定時間における下塗り塗被層への水の浸透量を表す
もので、具体的には接触角測定装置(CA−D/協環界
面科学社製)を用いて測定した値である。下塗り層塗被
紙上にマイクロシリンジを用いて20℃に保った純水5
μlを塗被面に静かに付着させ、この時点を0秒として
経時毎の吸水量を測定するものであり、CCDカメラで
水滴を水平方向から撮影して、投影画像を画像処理計測
システム(商品名;ドットアナライザーDA−3000
,KSシステムズ社製)に取り込み、水滴と背景を区別
する二値化画像処理を行ない、得られたデータをホスト
コンピューター(PC−9801,NEC社製)で解析
したのもである。全く水の吸収を起こさない基盤上にお
ける水滴の投影面積を100%として各経時毎の投影面
積を吸水量の尺度として%表示した。
【0013】なお、この吸水量について更に研究した結
果、この測定方法で測定される経時毎の吸水量として、
水滴を付着後5秒後の吸水量が、下塗り原紙に塗被液を
塗被する際のストリーク・スクラッチの発生に大きな影
響を及ぼすことが判った。本発明においては、下塗り原
紙の5秒後の吸水量m5 (%)が60%以下、好まし
くは50%以下であることが必要である。
【0014】また、本発明における下塗り原紙の正反射
平滑度計(東洋精機製作所製)の20kg/cm2 加
圧における平滑値S(%)が10〜60%、好ましくは
15〜50%であることが必要である。この値は小さい
ほど下塗り原紙の塗被層表面が粗いことを示し、大きい
ほど平滑であることを示す。
【0015】そして、本発明の大きな特徴は、下塗り原
紙に上塗り塗被液を塗被して仕上げる塗被紙において、
高品質で、しかもストリーク・スクラッチの発生を抑え
た塗被紙を得るために、前述の吸水量m5 (%)と平
滑性S(%)の間に相関関係を見出したことにある。即
ち、S・m5 /100≦15,好ましくはS・m5 
/100≦10の関係を満足するとき、多層塗被による
品質効果が発現され、しかも操業的にも良好な塗被紙が
得られる。
【0016】なお、上式で用いられる平滑度Sの値が1
0%未満の場合は、多層塗被によっても品質の改良効果
が認められず、また60%を越えると、下塗り原紙の吸
水度m5 をいかに小さくしてもストリーク・スクラッ
チの発生は抑えられず好ましくない。
【0017】また、下塗り原紙の吸水度m5 が60%
を越えると、ブレード下における塗被液の流動性が極め
て変化する傾向にあり、ストリーク・スクラッチの発生
が生じ易く、またコート量制御も困難になり好ましくな
い。
【0018】更に、本発明では前述の吸水量測定方法に
おける60秒後の吸水度m60が5〜95%、好ましく
は5〜90%であることが必要である。60秒後の吸水
度m60が5%未満の場合は上塗り塗被液は下塗り原紙
層となじみ難く、最終的な塗被紙の表面強度低下を引き
起こし易くなる。またm60が95%を越えると塗被液
は塗被工程から乾燥工程で固化されるまでの間に、特に
塗被液中の接着剤成分が水と共に下塗り原紙塗被層中に
急激に浸透し、上塗り塗被層中の接着剤成分が少なくな
り、塗被紙の印刷時には表面強度の不足や、極端なイン
キ吸収性のためインキグロスが低下する原因となり好ま
しくない。
【0019】本発明の下塗り原紙における平滑性、吸水
量を調節する方法としては、下塗り原紙の塗被層を構成
する顔料の種類や粒子径、接着剤の種類や配合比率、塗
被コート量、塗被層の乾燥条件、下塗り層塗被乾後のキ
ャレンダー処理、或いは下塗り層塗被を行う原紙のパル
プ組成、叩解条件、填料の種類や添加量、内添サイズ剤
、表面サイズ剤、表面処理剤、スムーザー加圧、プレス
加圧、乾燥条件等各種の方法があり、それぞれの抄紙機
、塗工機に応じて最適な条件を適宜選択して決定される
【0020】本発明の下塗り原紙の塗被層を構成する顔
料としては、例えばクレー、カオリン、水酸化アルミニ
ウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、
酸化亜鉛、硫酸カルシウム、タルク、サチンホワイト、
有機顔料等の通常の塗被紙用顔料の一種又は二種以上が
適宜選択して使用される。その製造方法、形態、粒子径
によって限定されるものではなく、例えば重質炭酸カル
シウムにおいては、乾式分級、乾式粉砕、湿式粉砕など
重質炭酸カルシウムを用いることができ、軽質炭酸カル
シウムにおいては、板状、紡錘状、柱状、立方状、針状
形態等の軽質炭酸カルシウムを使用することができる。
【0021】なお、従来は下塗り原紙の平滑性を高める
ためにカオリンを多く配合すると、ストリーク、スクラ
ッチの発生が頻発するため、カオリンの配合部数は限ら
れていたが、本発明の方法によればカオリンの高率配合
が可能であり、下塗り層塗被液の顔料100重量部中に
40〜100重量部、好ましくは60〜100重量部を
含有させた時、極めて高品質の塗被紙を得ることが可能
であり好ましい方法である。
【0022】接着剤としては、例えばカゼイン、大豆蛋
白、合成蛋白等の蛋白質;スチレン・ブタジエン共重合
体等の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル酸エス
テル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体又は共重
合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン・酢酸
ビニル系共重合体等のビニル系重合体ラテックス;或い
はこれらの各種重合体ラテックスをカルボキシル基等の
官能基含有単量体で変性したアルカリ溶解性或いはアル
カリ非溶解性の重合体ラテックス;ポリビニルアルコー
ル、オレフィン・無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等
の合成樹脂系接着剤;陽性澱粉、酸化澱粉等の澱粉類;
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース等のセルロース誘導体等の通常の塗被紙用接着剤の
一種又は二種以上が適宜選択して使用される。
【0023】なお、一般に接着剤は顔料100重量部に
対して5〜50重量部、より好ましくは10〜30重量
部程度の範囲で調節される。
【0024】また、塗被組成物中には、必要に応じて消
泡剤、着色剤、離型剤、流動変性剤等の各種助剤が適宜
配合されるが、塗被層の固化を促進する助剤として、例
えばアミン、アミド、ポリアクリルアミン等や亜鉛、ア
ルミニウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム等の
多価金属の塩を顔料100重量部に対して0.1〜10
重量部程度添加しても良い。
【0025】上記の如き条件で得られた塗被組成物は、
一般の塗被紙製造に用いられる例えばブレードコーター
、エヤーナイフコーター、ロールコーター、リバースロ
ールコーター、バーコーター、カーテンコーター、ダイ
スロットコーター、グラビヤコーター、チャンプレック
スコーター、サイズプレスコーター等の塗被装置を設け
たオンマシン或いはオフマシンコーターによって原紙上
に一層或いは二層以上に分けて塗被される。
【0026】その際の塗被組成物の固形分濃度は、一般
に40〜75重量%程度であるが、操業性等を考慮する
と45〜70重量%の範囲が好ましい。
【0027】原紙としては、一般の印刷用塗被紙に使用
される米坪30〜400g/m2 程度のペーパーベー
スやボードベースの原紙が用いられるが、抄紙方法につ
いては特に限定されるものではなく、酸性抄紙、アルカ
リ性抄紙いずれであってもよく、勿論、高歩留パルプを
含む中質原紙も使用できる。また、サイズプレス、ビル
ブレード等で予備塗工した原紙等も使用ができる。
【0028】原紙への塗被量は、得られる下塗り原紙の
平滑性、上塗り層塗被時のストリークの発生を考慮する
と、3〜25g/m2 程度の範囲で調節するのが望ま
しい。
【0029】また、湿潤塗被層を乾燥する方法としては
、例えば蒸気加熱、熱風加熱、ガスヒーター加熱、電気
ヒーター加熱、赤外線ヒーター加熱、高周波加熱、レー
ザー加熱、電子線加熱等各種の方式が採用され、特に限
定されるものではないが、乾燥条件によって塗被層中の
接着剤のマイグレーションの度合いが大きく変り、組成
物の種類や配合比率が同じでも本発明における吸水度が
変わるので、目的に応じて乾燥条件を調節する必要があ
る。
【0030】そして、下塗り原紙は、オンマシン、或い
はオフマシンでキャレンダー処理をすることが可能で、
例えばマシンキャレンダー、スーパーキャレンダー、ソ
フトコンパクトキャレンダー、グロスキャレンダー等が
利用できる。
【0031】こうして得られた下塗り原紙に塗被する上
塗り層塗被液を構成する顔料としては、下塗り塗被層を
構成する顔料と同様、特に限定されるものではなく、例
えばサチンホワイト、有機顔料、クレー、カオリン、水
酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫
酸バリウム、酸化亜鉛、硫酸カルシウム、タルク等の通
常の塗被紙用顔料の一種又は二種以上が適宜選択して使
用されるが、サチンホワイトや有機顔料を含む塗被液を
本発明の下塗り原紙上に塗被した場合、特に優れた平滑
性、光沢、照りが発現され高級印刷用塗被紙としては好
ましい方法である。
【0032】接着剤としては、例えばカゼイン、大豆蛋
白、合成蛋白等の蛋白質;スチレン・ブタジエン共重合
体等の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル酸エス
テル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体又は共重
合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン・酢酸
ビニル系共重合体等のビニル系重合体ラテックス;或い
はこれらの各種重合体ラテックスをカルボキシル基等の
官能基含有単量体で変性したアルカリ溶解性或いはアル
カリ非溶解性の重合体ラテックス;ポリビニルアルコー
ル、オレフィン・無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等
の合成樹脂系接着剤;陽性澱粉、酸化澱粉等の澱粉類;
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース等のセルロース誘導体等の通常の塗被紙用接着剤の
一種又は二種以上が適宜選択して使用される。
【0033】なお、一般に接着剤は顔料100重量部に
対して5〜50重量部、より好ましくは10〜30重量
部程度の範囲で調節される。
【0034】また、塗被組成物中には、必要に応じて消
泡剤、着色剤、離型剤、流動変性剤等の各種助剤が適宜
配合されるが、塗被層の固化を促進する助剤として、例
えばアミン、アミド、ポリアクリルアミン等や亜鉛、ア
ルミニウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム等の
多価金属の塩を顔料100重量部に対して0.1〜10
重量部程度添加しても良い。
【0035】上記の如き条件で得られた上塗り層の塗被
組成物は、例えばブレードコーター、ロッドブレードコ
ーター、チャンプレックスコーター等、塗被液を原紙に
過剰にアプリケートした後、塗被液の表面に接触しなが
ら、計量,平滑化を行う塗被装置によりオンマシン或い
はオフマシンコーターにより塗被されるが、オフマシン
コーターで塗被される場合、下塗り塗被層を塗被乾燥後
、連続して上塗り層が塗被されても良いし、或いは下塗
り塗被層を塗被乾燥後一旦巻取ってから、上塗り層が塗
被されても良い。
【0036】その際の塗被組成物の固形分濃度は、一般
に40〜75重量%程度であるが、操業性等を考慮する
と45〜70重量%の範囲が好ましい。また、下塗り原
紙への上塗り塗被量は、一般に乾燥重量で片面当たり3
〜50g/m2 程度であるが、得られる塗被紙の白紙
品質、印刷適性等を考慮すると8〜25g/m2 程度
の範囲で調節するのが望ましい。
【0037】そして、上塗り湿潤塗被層を乾燥する方法
としは、例えば蒸気加熱、熱風加熱、ガスヒーター加熱
、電気ヒーター加熱、赤外線ヒーター加熱、高周波加熱
、レーザー加熱、電子線加熱等各種の方式が採用され特
に限定されるものではない。
【0038】キャレンダー仕上げ方法としては例えばス
ーパーキャレンダー、グロスキャレンダー、ソフトキャ
レンダー、ソフトコンパクトキャレンダー(紙パルプ技
術タイムス/昭和62年8月号、31〜36頁;同/平
成1年10月号、42〜47頁;PPI/1987年1
1月号、45〜47頁;WFP/1985年、22、8
73〜877頁)等がオンマシン、或いはオフマシンで
適用される。
【0039】その金属ロールの表面温度は約20〜35
0℃で使用される。因に20℃未満では平滑化の改良効
果が不足し、他方350℃を越えると塗被層のミクロな
細孔が潰され、塗被紙を印刷する際のインキの吸収性が
悪化してオフセット印刷の安定操業が困難になるため好
ましくない。
【0040】また、使用する弾性ロールとしては、例え
ばノーマルコットン、ホワイトコットン、フィルマット
コットン、ウールンペーパー、ペーパー等の天然繊維か
ら成るロールや、それらの天然繊維にアラミド繊維を含
有したロール、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、イソシアネート
系樹脂、シリコン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、フッ
化ビニリデン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリ
アセタール系樹脂、フェノール系樹脂、ポリフェニレン
スルフィド系樹脂等の合成樹脂を単独あるいは多層にし
て成形した弾性ロールが使用できる。
【0041】金属ロールの加熱方式は、蒸気、温水、電
気等従来用いられてきた方式が適宜用いられるが、10
0℃以上の高温条件においては、例えば誘導発熱方式ジ
ャケットローラー(電熱/No. 41,2〜8頁,1
988年,紙パルプ技術タイムス/62年12月号,4
1〜47頁)は、温度の均一性が保たれるため、好まし
く用いられる。
【0042】キャレンダーロールの加圧条件は線圧で約
10〜500kg/cm程度の範囲が好ましく、キャレ
ンダー1基当たりの加圧ニップの数はソフトキャレンダ
ー、グロスキャレンダーの場合には通常1ドラム或いは
1金属ロール当たり1〜6ニップであり、必要に応じて
2基のキャレンダーで両面仕上げをしても良い。また、
スーパーキャレンダーの場合には3〜13ニップ程度が
適用される。
【0043】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論それらの範囲に限定されるものではな
い。なお、例中の「部」及び「%」は特に断らない限り
、それぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。
【0044】実施例1 <下塗り層塗被液の調製>下塗り層塗被液の顔料100
部に対して、重質炭酸カルシウム(商品名;ソフトン1
800/備北粉化社製)80部、カオリン(商品名;H
T/EMC社製)20部からなる顔料に、分散剤として
ポリアクリル酸ソーダ0.3部を添加し、コーレス分散
機を用いて分散し、固形分濃度が68%の顔料スラリー
を調製した。この顔料スラリーに酸化澱粉(固形分)5
部、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(商品名
;JSR0696/日本合成ゴム社製)(固形分)12
部を添加し、更に水を加えて固形分濃度が60%の塗被
液を得た。
【0045】<上塗り層塗被液の調製>上塗り層塗被液
の顔料100部に対して、カオリン(商品名;UW−9
0/EMC社製)80部、軽質炭酸カルシウム(商品名
;タマパールTP−123/奥多摩工業社製)20部か
らなる顔料に分散剤として、ポリアクリル酸ソーダ0.
2部を添加し、コーレス分散機を用いて分散し、固形分
濃度68%の顔料スラリーを調製した。この顔料スラリ
ーに酸化澱粉(固形分)3部、スチレン・ブタジエン共
重合体ラテックス(商品名;JSR0696/日本合成
ゴム社製)(固形分)10部を添加し、更に水を加えて
固形分濃度が60%の塗被液を得た。
【0046】<下塗り原紙>この下塗り層塗被液を米坪
70g/m2 の原紙に片面当たり乾燥重量で10g/
m2 になるようにブレードコーターで両面塗被を行い
、乾燥して、下塗り原紙を得た。このときの下塗り原紙
の正反射平滑度は12%、5秒後の吸水度は25%、6
0秒後の吸水度は60%であった。
【0047】<上塗り塗被紙>この下塗り原紙に、前述
の上塗り層塗被液を、片面当たり乾燥重量で15g/m
2 になるようにブレードコーターで両面塗被を行い、
紙水分を6.0%に乾燥した。次いで、60℃,1 1
ニップ,線圧200kg/cmの条件でスーパーキャレ
ンダー掛けを行った。上塗り層塗被時の操業状況、得ら
れた塗被紙の品質を測定し、その結果を表1に示した。
【0048】ストリーク・スクラッチの発生頻度の判定
方法は、塗被時における目視観察及びストリーク検出器
による測定から判断した。即ち、上塗り層塗被液の総塗
被長さに対するストリーク発生長さの割合から、ストリ
ーク・スクラッチの発生頻度を判定した。なお、下塗り
塗被を施さない通常の単層塗被におけるストリーク発生
頻度は、0.01〜0.2%の範囲であった。
【0049】上塗り塗被紙の白紙平滑度は、スムースタ
ー平滑度計(東英電子工業社製)を用いて測定した。白
紙光沢度は、JIS−P−8142に準じた方法で測定
し、白紙照りを目視により判定した。また、印刷平滑性
、インキグロス、表面強度はRI印刷機(明製作所製)
を用いて印刷を行い目視判定した。
【0050】評価基準    ◎…非常に良好○…良好 △…やや劣る ×…不良
【0051】実施例2 下塗り層塗被液の顔料100部に対して、軽質炭酸カル
シウム(商品名;タマパールTPK/奥多摩工業社製)
50部、重質炭酸カルシウム(商品名;カービタル−9
0/富士カオリン社製)50部を使用して、下塗り原紙
の正反射平滑度が29%、5秒後の吸水度が30%、6
0秒後の吸水度が73%とした以外は、実施例1と同様
の方法で塗被紙を得た。上塗り層塗被時の操業状況及び
得られた塗被紙の品質を表1に示した。
【0052】実施例3 下塗り層塗被液の顔料100部に対して、カオリン(商
品名;UW−90/EMC社製)45部、重質炭酸カル
シウム(商品名;カービタル−90/富士カオリン社製
)55部を使用し、下塗り原紙の正反射平滑度を32%
、5秒後の吸水度を13%、60秒後の吸水度を21%
になるようにした以外は、実施例1と同様の方法で塗被
紙を得た。上塗り層塗被時の操業状況及び得られた塗被
紙の品質を表1に示した。
【0053】実施例4 下塗り層塗被液の顔料100重量部に対して、カオリン
(商品名;UW−90/EMC社製)70部、重質炭酸
カルシウム(商品名;カービタル−90/富士カオリン
社製)30部を用い、酸化澱粉(固形分)を10部とし
、下塗り原紙の正反射平滑度を41%、5秒後の吸水度
を6%、60秒後の吸水度を12%になるようにした以
外は、実施例1と同様の方法で塗被紙を得た。上塗り層
塗被時の操業状況及び得られた塗被紙の品質を表1に示
した。
【0054】実施例5 下塗り原紙をソフトコンパクトキャレンダーによりキャ
レンダー掛けを行い、下塗り原紙の正反射平滑度を55
%、5秒後の吸水度を15%、60秒後の吸水度を47
%とした以外は、実施例1と同様の方法で塗被紙を得た
。上塗り層塗被時の操業状況及び得られた塗被紙の品質
を表1に示した。
【0055】実施例6 実施例3において、上塗り層塗被液の顔料100部に対
して、サチンホワイト(商品名;SW−BL/白石カル
シウム社製)10部、有機顔料(商品名;L−8801
/旭化成社製)10部、カオリン(商品名;UW−90
/EMC社製)70部、重質炭酸カルシウム(商品名;
カービタル−90/富士カオリン社製)10部からなる
顔料に分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.2部を添
加し、コーレス分散機を用いて分散し、固形分濃度60
%の顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに酸化
澱粉(固形分)2部、スチレン・ブタジエン共重合体(
商品名;0696/日本合成ゴム社製)(固形分)12
部を添加し、更に水を加えて固形分が55%の塗被液を
得た以外は、実施例3と同様の方法で塗被紙を得た。 上塗り層塗被時の操業状況及び塗被紙の品質を表1に示
した。
【0056】実施例7 下塗り層塗被液において、顔料100部に対して、軽質
炭酸カルシウム(商品名;タマパールTP−123/奥
多摩工業社製)100部を用い、酸化澱粉(固形分)3
部、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(商品名
;0696/日本合成ゴム社製)5部を添加し、下塗り
層塗被液の固形分濃度を52%とし、下塗り原紙の正反
射平滑度が35%、5秒後の吸水度が33%、60秒後
の吸水度が92%であった以外は、実施例6と同様の方
法で塗被紙を得た。上塗り層塗被時の操業状況及び、得
られた塗被紙の品質を表1に示した。
【0057】比較例1 下塗り層塗被液において、重質炭酸カルシウム(商品名
;ソフトン1500/備北粉化社製)100部からなる
顔料を用いて、下塗り原紙の正反射平滑度を6%、5秒
後の吸水度を28%、60秒後の吸水度を39%とした
以外は、実施例1と同様の方法で塗被紙を得た。上塗り
層塗被時の操業状況及び得られた塗被紙の品質を表1に
示した。
【0058】比較例2 下塗り層塗被液を乾燥重量で片面当たり20g/m2 
になる様に両面塗被を行い、ソフトコンパクトキャレン
ダーで、キャレンダー掛けを行った後の下塗り原紙の正
反射平滑度を65%、5秒後の吸水度を14%、60秒
後の吸水度を52%とした以外は、実施例2と同様の方
法で塗被紙を得たが、上塗り層塗被時ストリーク・スク
ラッチが多発した。上塗り層塗被時の操業状況及び得ら
れた塗被紙の品質を表1に示した。
【0059】比較例3 下塗り層塗被液において、酸化澱粉(固形分)を2部、
スチレン・ブタジエン共重合体(商品名;0696/日
本合成ゴム社製)を4部として、米坪50g/m2 の
原紙に片面当たり乾燥重量で4g/m2 になるように
ブレードコーターで両面塗被を行い、下塗り原紙をソフ
トキャレンダーでキャレンダー処理した後の下塗り原紙
の正反射平滑度を45%、5秒後の吸水度を38%、6
0秒後の吸水度を75%とした以外は、実施例1と同様
の方法で塗被紙を得たが、上塗り層塗被時に、ストリー
ク・スクラッチが多発した。上塗り層塗被時の操業状況
及び、得られた塗被紙の品質を表1に示した。
【0060】比較例4 下塗り塗被液において、顔料100部に対して、焼成カ
オリン(商品名;アンシレックス/EMC社製)70部
、無定型シリカ(商品名;ミズカシル/水沢化学社製)
30部を用い、酸化澱粉(固形分)2部、スチレン・ブ
タジエン共重合体(商品名;0696/日本合成ゴム社
製)5部を添加し、塗被液固形分濃度を40%として、
米坪60g/m2 の原紙に片面当たり乾燥重量で5g
/m2 になるようにゲートロールコーターで両面塗被
を行い、乾燥して下塗り塗被紙を得、このときの下塗り
層塗被紙の正反射平滑度が16%、5秒後の吸水度が2
6%、60秒後の吸水度が98%であった以外は、実施
例1と同様の方法で塗被紙を得た。上塗り層塗被時の操
業状況及び得られた塗被紙の品質を表1に示した。
【0061】比較例5 下塗り塗被液において、顔料とし軽質炭酸カルシウム(
商品名;タマパールTP−121/奥多摩工業社製)を
100部使用し、酸化澱粉2部、スチレン・ブタジエン
共重合体(商品名;0696/日本合成ゴム社製)5部
を添加し、下塗り原紙の正反射平滑度が16%、5秒後
の吸水量が66%、30秒後の吸水量が82%であった
以外は、実施例1と同様の方法で上塗り層塗被を行った
が、所定の塗被量に制御できず、また均一な塗被面が得
られなかった。
【0062】比較例6 下塗り層塗被液において酸化澱粉(固形分)15部、ス
チレン・ブタジエン共重合体(商品名;0696/日本
合成ゴム社製)20部を添加し、下塗り層塗被液の固形
分濃度を52%として、得られた下塗り原紙の正反射平
滑度か30%、5秒後の吸水度を1%、60秒後の吸水
度を3%とした以外は、実施例4と同様の方法で塗被紙
を得た。上塗り層塗被時の操業状況及び得られた塗被紙
の品質を表1に示した。
【0063】比較例7 下塗り塗被を行わず、米坪70g/m2 の原紙に実施
例1における上塗り層塗被液を片面当たり乾燥重量で2
5g/m2 になるようブレードコーターて両面塗被を
行った以外は、実施例1と同様の方法で塗被紙を得た。 塗被時の操業状況及び得られた塗被紙の品質を表1に示
した。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】本発明の方法により得られた多層塗被紙
は、品質に優れ、ストリーク・スクラッチの発生頻度も
少なかった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙に顔料及び接着剤を主成分とする塗被
    組成物を塗被乾燥した下塗り原紙上に顔料及び接着剤を
    主成分とする塗被組成物を塗被乾燥後、キャレンダーで
    仕上げる多層塗被紙の製造方法において、該下塗り原紙
    の正反射平滑度が10〜60%であり、かつ下塗り原紙
    の5秒後の吸水度が60%以下で、60秒後の吸水度が
    5〜95%であり、下記式を満足することを特徴とする
    多層塗被紙の製造方法。 S・m5 /100≦15 但し、S  :下塗り原紙の正反射平滑度(%)m5 
    :下塗り原紙の5秒後の吸水度(%)
  2. 【請求項2】下塗
    り原紙が下記式を満足することを特徴とする請求項1記
    載の多層塗被紙の製造方法。 S・m5 /100≦10
  3. 【請求項3】下塗り原紙の正反射平滑度が15%〜50
    %であることを特徴とする請求項1記載の多層塗被紙の
    製造方法。
  4. 【請求項4】下塗り原紙の5秒後の吸水度が50%以下
    で、60秒後の吸水度が5〜90%であることを特徴と
    する請求項1記載の多層塗被紙の製造方法。
  5. 【請求項5】下塗り塗被液を構成する顔料100重量部
    中、カオリンを40〜100重量部含有することを特徴
    とする請求項1又は請求項4記載の多層塗被紙の製造方
    法。
  6. 【請求項6】下塗り塗被液を構成する顔料100重量部
    中、カオリンを60〜100重量部含有することを特徴
    とする請求項1又は請求項4記載の多層塗被紙の製造方
    法。
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