JPH0428814Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車のウインドガラス支持構造の改
良に関する。

（従来技術） 従来、自動車のウインドガラス支持構造として
は、第７図及び第８図に示すように、車体１に形
成されたガラス支持枠２の外側に、ウインドガラ
ス３が接着剤４を介して当てがわれ、該ウインド
ガラス３の内面に接着されたボルト部材５をガラ
ス支持枠２にナツト部材６で締結して取付けるも
のが提案されている（実開昭59−167016号公報参
照）。

ところが、ウインドガラス３に金属製のボルト
部材５を接着するものであるから、熱膨張差の相
違により、接着部分が剥がれたり、ウインドガラ
ス３が割れたりするという問題がある。

また、ボルト部材５をウインドガラス３に接着
する際に位置合わせをしたり、接着剤を塗布する
作業が煩わしいという問題もある。

（考案の目的） 本考案は上記従来の問題を解消するためになさ
れたもので、ウインドガラスを車体の所定位置
に、容易かつ安定に組付けられるようにすること
を目的とするものである。

（考案の構成） このため本考案は、ウインドガラスの端部にモ
ールが取付けられており、該モールには、ガラス
支持枠側に延びる延長部が形成され、該延長部に
形成された係止部に、ガラス支持枠に固定された
ブラケツトが係合されていることを特徴とするも
のである。

（考案の効果） 本考案によれば、ウインドガラス端部に取付け
られたモール延長部の係止部に、ガラス支持枠に
固定されたブラケツトを係合させるようにしたも
のであるから、従来のような接着に起因する問題
がすべて解消できる。

また、ウインドガラスのガラス支持枠への接着
時に、ブラケツトで接着位置に保持でき、さら
に、他のウインドガラスとの位置合わせもできる
ので、隙段差も安定するようになる。

さらにまた、ウインドガラスをガラス支持枠に
接着後、ブラケツトを別付けするので、ウインド
ガラスの組付け作業も容易に行なえる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面について詳細
に説明する。

第３図に示すように、自動車の後部には、バツ
クドアガラス１０とクオーターウインドガラス１
１とが設けられ、該クオーターウインドガラス１
１は、バツクドアガラス１０側への巻込み曲率が
大きく設定されており、クオーターウインドガラ
ス１１の後端部１１ａとバツクドアガラス１０の
左端部１０ａとの隙段差は、デザイン上の観点か
ら極力少ない方が好ましい。

第１図及び第２図に、第３図のＩ−断面部分
を拡大して示すように、上記バツクドアガラス１
０は、バツクドアフレーム１２の外側に接着剤１
３を介して取付けられ、ダム１によりバツクドア
フレーム１２との隙間が保持されている。

該バツクドアガラス１０の左端部１０ａにはモ
ール１５が挟着されている。

上記バツクドアフレーム１２には、車体１６の
上部にヒンジで連結され、閉時には後部開口１７
を塞いで、車体１６に取付けられたウエザースト
リツプ１８で水密にシールされる。

上記クオーターウインドガラス１１は、車体１
６の後側部に形成されたガラス支持枠１９の外側
に接着剤２０を介して取付けられ、ダム２１によ
りガラス支持枠１９との隙間が保持されている。

該クオーターウインドガラス１１の後端部１１
ａにはモール２２が挟着されている。

上記ガラス支持枠１９の後枠部分は、後部開口
１７の側枠部分も兼ねるリヤピラー２３で構成さ
れている。

上記モール２２には、ガラス支持枠（リヤピラ
ー２３）１９側に延びる延長部２２ａが形成さ
れ、該延長部２２ａには、横長の係止孔２２ｂが
形成されている。

上記モール２２の係止孔２２ｂに係合可能なフ
ツク部材２４ａを有するブラケツト２４が設けら
れ、該ブラケツト２４の下部には横長の長孔２４
ｂが明けられている。

上記ガラス支持枠（リヤピラー２３）１９に
は、ブラケツト２４の長孔２４ｂに対向してグロ
メツト２５の差し込み孔１９ａが設けられ、該グ
ロメツト２５にはブラケツト２４の長孔２４ｂを
介してタツピングねじ２６がねじ込まれる。

上記のような構成であれば、クオーターウイン
ドガラス１１を組付けるには、クオーターウイン
ドガラス１１の後端部１１ａに、所定の間隔で複
数箇所（第３図参照）に延長部２２ａが形成され
たモール２２を挟着するとともに、クオーターウ
インドガラス１１にダム２１を取付け、該ダム２
１の外方位置に接着剤２０を塗布する。

ついで、クオーターウインドガラス１１をガラ
ス支持枠１９に当てがうと、クオーターウインド
ガラス１１は接着剤２０により仮接着される。

そして、ガラス支持枠１９の差込み孔１９ａに
グロメツト２５を差し込み、ブラケツト２４のフ
ツク部２４ａをモール２２の係止孔２２ｂに係合
させ、ブラケツト２４の長孔２４ｂにタツピング
ねじ２６を通して、該タツピングねじ２６をグロ
メツト２５にねじ込み、ブラケツト２４をねじ固
定する。

このブラケツト２４の固定により、クオーター
ウインドガラス１１のバツクドアガラス１０側へ
の巻込み曲率が大きく、この巻込み曲率にバラツ
キがあつても、ブラケツト２４のガラス支持枠１
９へのねじ止め位置からフツク部２４ａまでの距
離は一定であるから、クオーターウインドガラス
１１の後端部１１ａ側が外方へ反つている場合に
は内方に引き付けられ、内方へ反つている場合に
は外方へ押し上げられるようになる。

従つて、バツクドアガラス１０との位置合わせ
ができ、隙段差も極力少なく設定できる。

また、ブラケツト２４でクオーターウインドガ
ラス１１を接着位置に保持できるので、クオータ
ーウインドガラス１１の接着も安定する。

上記実施例では、ブラケツト２４をガラス支持
枠１９へねじ止めしたものであつたが、第４図に
示すように、合成樹脂製のフアスナー（ブラケツ
ト）２７をガラス支持枠１９の差し込み孔１９ａ
にシールパツキン２８を介して差込み固定するよ
うにしてもよい。

また、第５図に示すように、合成樹脂製のフア
スナー（ブラケツト）２７のフツク部２７ｂをコ
字状にしてたわみ（弾力）を持たせると、差し込
み孔１９ａの位置やクオーターウインドガラス１
１の曲率にバラツキなどがあつても（二点鎖線参
照）、クオーターウインドガラス１１を常に一定
の力で引き付けるので、ダム２１がガラス支持枠
１９から浮き上がらないようになり、隙段差が少
なく設定できる。

さらに、第６図に示すように、合成樹脂製のフ
アスナー２７に溝部２７ｂを設け、該溝部２７ｂ
をガラス支持枠１９のスタツドピン２９に係合固
定するようにしてもよい。

なお、バツクドアガラス１０に対しても、ブラ
ケツト２４，フアスナー２７による支持構造を採
用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るウインドガラス支持構造
の第３図のＩ−Ｉ拡大断面図、第２図は第１図の
要部斜視図、第３図は本考案に係るウインドガラ
ス支持構造を採用した自動車の後部斜視図、第４
図、第５図及び第６図は第１図の変形例を示す断
面図、第７図は従来のウインド支持構造を採用し
た自動車の後部斜視図、第８図は第７図の−
拡大断面図である。 １０……バツクドアガラス、１０ａ……左端
部、１１……クオーターウインドガラス、１１ａ
……後端部、１６……車体、１９……ガラス支持
枠、２０……接着剤、２１……ダム、２２……モ
ール、２２ａ……延長部、２２ｂ……係止孔、２
４……ブラケツト、２４ａ……フツク部、２４ｂ
……長孔、２６……タツピングねじ、２７……フ
アスナー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体に形成されたガラス支持枠の外側に、ウイ
   ンドガラスが接着剤を介して取付けられた自動車
   において、 上記ウインドガラスの端部にモールが取付けら
   れており、該モールには、ガラス支持枠側に延び
   る延長部が形成され、該延長部に形成された係止
   部に、ガラス支持枠に固定されたブラケツトが係
   合されていることを特徴とする自動車のウインド
   ガラス支持構造。