JPH04281043A - エアジェットルームにおける緯入れ制御方法と、その装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、いわゆる２連ノズル
を介して緯糸を緯入れする場合に、メインノズルと補助
メインノズルとの各搬送力を合理的に調節するためのエ
アジェットルームにおける緯入れ制御方法と、その装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】エアジェットルームにおいては、緯糸に
対する一層強力な搬送力を実現するために、メインノズ
ルの後方に補助メインノズルを配設し、いわゆる２連ノ
ズルを形成することがある。

【０００３】２連ノズルを使用するときは、メインノズ
ルと補助メインノズルとの双方の搬送力を適切に設定す
ることが不可欠である。両者の搬送力は、単に、その絶
対値が必要十分に大きいことが要求されるばかりでなく
、それらが適切にバランスしていないと、緯糸は、メイ
ンノズルの出口側において飛走方向がランダムに振動し
たり、メインノズルと補助メインノズルとの間において
蛇行したりする現象が生じ、いずれも、緯糸の飛走速度
が安定せず、チップトラブル、ベントピック等の緯入れ
不良を誘発するおそれがあるからである。

【０００４】そこで、従来、試織中における緯糸の挙動
を観察し、緯糸が、有害な蛇行等を生じることなく所定
方向に安定に飛走するように、各ノズルの搬送力を調節
し、これをバランスさせることが行なわれている。なお
、一般に、メインノズル、補助メインノズルの搬送力の
調節は、ノズルに供給するエア圧を変化させればよいが
、可変絞り機構を内蔵したノズルも一部で実用されてい
る（たとえば、ＥＰＣ特許第０２３９１３７号公報）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術による
ときは、メインノズル、補助メインノズルの搬送力を適
切にバランスさせるためには、極めて長時間を要し、ま
た、作業に熟練を要するという問題が避けられなかった
。すなわち、試織中の緯糸の挙動は、たとえばストロボ
装置により、目視で観察しなければならなかったから、
その観察作業自体が熟練を要する煩雑な作業である上、
観察結果に基づく搬送力の調節も、作業者の経験と勘と
に頼らざるを得なかったからである。なお、かかる人手
による調節では、緯糸の飛走特性の変動等に対処するた
めに、製織中に随時搬送力を調節し、しかも、そのバラ
ンスを適切に維持することは、全く不可能であった。

【０００６】そこで、この発明の目的は、かかる従来技
術の問題に鑑み、搬送力のバランスが不適切であると、
緯糸の飛走が不安定となり、緯糸の到達角度や緯入れ制
御角度（緯入れ開始角度と、１ピック相当の緯糸が緯糸
測長貯留装置から解舒される緯糸解舒角度とを総称して
いう、以下同じ）に大きなばらつきが生じることに着目
して、製職中に、メインノズルと補助メインノズルとの
各搬送力を、適確にバランスさせながら自動調節するこ
とができるエアジェットルームにおける緯入れ制御方法
と、その装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めのこの出願に係る第１発明の構成は、メインノズルと
補助メインノズルとを縦続する２連ノズルを介して緯糸
を緯入れするに際し、緯糸の到達角度を検出し、目標到
達角度からの偏差に基づき、メインノズルと補助補助メ
インノズルとの搬送力を、所定の関係に維持しながら調
節することをその要旨とする。

【０００８】第２発明の構成は、フィーラ信号に基づき
緯糸の到達角度を検出する検出手段と、検出手段からの
到達角度を目標到達角度と比較して偏差を算出する比較
手段と、比較手段からの偏差に基づき、メインノズルと
補助メインノズルとの搬送力を所定の関係に維持しなが
ら調節するための操作量を算出し、メインノズルと補助
メインノズルとに個別に出力する演算手段とを備えるこ
とをその要旨とする。

【０００９】なお、第１発明、第２発明の双方について
、緯糸の到達角度に代えて、緯入れ制御角度を制御量と
して使用してもよい。ただし、この場合の緯入れ制御角
度は、たとえば、緯糸の到達角度を所定の範囲に維持す
るように、別の制御系によってコントロールするものと
する。

【００１０】

【作用】かかる第一発明の構成によるときは、メインノ
ズルと補助メインノズルとの各搬送力は、緯糸の到達角
度の偏差、または緯入れ開始角度の偏差に基づき調節さ
れるが、両者は、このとき、所定の関係を維持しながら
調節されるから、両者のバランスが崩れてしまうことが
ない。ここで、所定の関係とは、たとえば、試織により
、一方の搬送力Ｓ１ｉ（ｉ＝１、２…）に対し、バラン
スがとれた他方の搬送力Ｓ２ｉ（ｉ＝１、２…）をあら
かじめ求めておき、これらの搬送力の組（Ｓ１ｉ、Ｓ２
ｉ）から、一方の任意の搬送力Ｓ１　に対する他方の搬
送力Ｓ２　を内挿または外挿により定めるようにすれば
よい。また、バランスがとれた搬送力Ｓ１　、Ｓ２の任
意の初期設定値Ｓ１０、Ｓ２０から、定数ｋ＝Ｓ２０／
Ｓ１０を求め、この定数ｋを固定的に適用することによ
り、一方の搬送力Ｓ１　に対し、他方の搬送力Ｓ２　を
Ｓ２　＝ｋＳ１　として定めるようにしてもよい。

【００１１】第２発明の構成によるときは、検出手段は
、緯糸の到達角度または緯入れ制御角度を検出し、比較
手段は、それらの偏差を検出することができる。また、
演算手段は、メインノズルと補助メインノズルとの搬送
力を所定の関係に維持しながら調節するための操作量を
算出し、これをメインノズルと補助メインノズルとに個
別に出力するから、このときのメインノズルと補助メイ
ンノズルとは、両者のバランスが崩れることなく、それ
ぞれの搬送力を調節することが可能である。

【００１２】

【実施例】以下、図面を以って実施例を説明する。

【００１３】エアジェットルームにおける緯入れ制御装
置１０は、検出手段１１と、比較手段１２と、演算手段
１３とを備えてなる（図１）。

【００１４】エアジェットルームは、メインノズルＮ１
　の後方に補助メインノズルＮ２　を縦続してなる２連
ノズルを使用するものとする。緯糸Ｗは、給糸体Ｗ１　
から解舒されると、回転アームＤ１　、ドラムＤ２　、
係止ピンＤ３　を備えるドラム式の緯糸測長貯留装置Ｄ
を介して、補助メインノズルＮ２　に供給される。補助
メインノズルＮ２　、メインノズルＮ１　からの緯糸Ｗ
は、経糸開口Ｗｐ　内に緯入れされ、図示しない筬によ
って筬打ちされて、織布Ｗｃ　を形成することができる
。

【００１５】メインノズルＮ１　、補助メインノズルＮ
２　は、それぞれ、エア源ＡＣ、ＡＣから、圧力調整器
Ｎ１ａ、Ｎ２ａ、開閉弁Ｎ１ｂ、Ｎ２ｂを介してエア圧
が供給されれている。そこで、メインノズルＮ１　、補
助メインノズルＮ２　は、圧力調整弁Ｎ１ａ、Ｎ２ａに
操作信号Ｓｇ１、Ｓｇ２を供給し、エア圧を調節するこ
とにより、緯糸Ｗに付与する搬送力Ｓ１　、Ｓ２　を調
節することができる。なお、開閉弁Ｎ１ｂ、Ｎ２ｂ、緯
糸測長貯留装置Ｄの係止ピンＤ３　は、たとえば、図示
しない織機の主軸の回転角度（以下、織機機械角という
）θに同期して作動し、所定の緯入れ開始角度θｓｏに
おいて、緯糸Ｗを経糸開口Ｗｐ　に挿入することができ
る。

【００１６】検出手段１１には、緯糸フィーラＷＦから
のフィーラ信号Ｓｆ　が入力されている。ただし、緯糸
フィーラＷＦは、織布Ｗｃ　の反緯入れ側、または緯糸
Ｗの飛走経路の途中に配設されており、緯入れされた緯
糸Ｗを検出することができるものとする。また、検出手
段１１には、織機機械角θを検出するエンコーダＥＮの
出力が併せ入力されている。

【００１７】検出手段１１の出力は、比較手段１２に接
続され、比較手段１２には、図示しない設定器からの目
標到達角度θｅｏが入力されている。また、比較手段１
２の出力は、演算手段１３に接続され、演算手段１３に
は、図示しない別の設定器からの定数ｋが入力されてい
る。演算手段１３の出力は、増幅器１４ａ、１４ｂを介
し、圧力調整器Ｎ１ａ、Ｎ２ａに個別に接続されている
。

【００１８】いま、緯糸フィーラＷＦは、緯入れされた
緯糸Ｗを検出してフィーラ信号Ｓｆを出力するから、検
出手段１１は、フィーラ信号Ｓｆ　が出力された時点に
おけるエンコーダＥＮからの織機機械角θを参照し、緯
糸Ｗが緯糸フィーラＷＦの位置にまで到達するときの織
機機械角θ、すなわち緯糸Ｗの到達角度θｅ　を検出し
て比較手段１２に出力することができる。そこで、比較
手段１２は、到達角度θｅを目標到達角度θｅｏと比較
し、偏差Δθｅ　＝θｅ　−θｅｏを演算手段１３に出
力する。

【００１９】演算手段１３は、偏差Δθｅ　に基づき、
定数ｋを使用して、メインノズルＮ１、補助メインノズ
ルＮ２　の搬送力Ｓ１　、Ｓ２　を算出する。演算手段
１３は、つづいて、搬送力Ｓ１　、Ｓ２　を実現するた
めにメインノズルＮ１　、補助メインノズルＮ２　に必
要なエア圧Ｐ１　、Ｐ２　を演算し、エア圧Ｐ１　、Ｐ
２　に相当する操作信号Ｓｇ１、Ｓｇ２を圧力調整器Ｎ
１ａ、Ｎ２ａに個別に出力するから、メインノズルＮ１
　、補助メインノズルＮ２　は、以後、所定の搬送力Ｓ
１　、Ｓ２　により、緯糸Ｗを緯入れすることができる
。ここで、エア圧Ｐ１　、Ｐ２　は、搬送力Ｓ１　、Ｓ
２　を実現するために、演算手段１３が圧力調整器Ｎ１
ａ、Ｎ２ａに出力する操作量となっている。

【００２０】定数ｋは、次のようにして決定し、設定す
ることができる。すなわち、試織の段階において、人手
により、バランスのとれたメインノズルＮ１　、補助メ
インノズルＮ２　の搬送力Ｓ１　、Ｓ２　の初期設定値
Ｓ１０、Ｓ２０を見出す。次いで、定数ｋ＝Ｓ２０／Ｓ
１０を求め、この定数ｋを設定器に設定し、以後、固定
して使用すればよい。すなわち、偏差Δθｅ　に基づい
てメインノズルＮ１　の搬送力Ｓ１　が算出されたら、
補助メインノズルＮ２　の搬送力Ｓ２　は、Ｓ２　＝ｋ
Ｓ１　により求めることができる。また、偏差Δθｅ　
に基づいて搬送力Ｓ２　を先きに求め、Ｓ１　＝Ｓ２　
／ｋにより搬送力Ｓ１を求めてもよい。

【００２１】

【他の実施例】試織において、メインノズルＮ１　、補
助メインノズルＮ２　に対し、バランスがとれた複数の
搬送力Ｓ１ｉ、Ｓ２ｉ（ｉ＝１、２…）の組が見出され
ているときは、定数ｋは、搬送力Ｓ１　、Ｓ２　の関数
として表現することができる（図２）。いま、バランス
がとれた搬送力Ｓ１ｉ、Ｓ２ｉの組を点Ｘｉ　（Ｓ１ｉ
、Ｓ２ｉ）によって表示すると、点Ｘｉ　を滑らかに結
ぶ曲線Ｘを得ることができるから、演算手段１３は、偏
差Δθｅ　に基づき、メインノズルＮ１　、補助メイン
ノズルＮ２　の搬送力Ｓ１、Ｓ２　の一方を算出すると
、曲線Ｘを利用して、内挿または外挿により他方を決定
することができる。そこで、搬送力Ｓ１　、Ｓ２　を実
現するためのエア圧Ｐ１　、Ｐ２　を算出し、操作記号
Ｓｇ１、Ｓｇ２として出力すればよい。

【００２２】前実施例におけるＸｉ　（Ｓ１ｉ、Ｓ２ｉ
）は、また、点Ｙｉ　（Ｐ１ｉ、Ｐ２ｉ）に対応させる
こともできる（図３）。ここで、点Ｙｉ　（Ｐ１ｉ、Ｐ
２ｉ）は、バランスがとれた搬送力Ｓ１ｉ、Ｓ２ｉに対
応するエア圧Ｐ１ｉ、Ｐ２ｉを示すものとする。そこで
、演算手段１３は、偏差Δθｅ　に基づき、搬送力Ｓ１
　に対応するエア圧Ｐ１　を算出し、つづいて、点Ｙｉ
　（Ｐ１ｉ、Ｐ２ｉ）が作る曲線Ｙを参照して、エア圧
Ｐ２　を決定することができる。また、このとき、搬送
力Ｓ２　と、それに対応するエア圧Ｐ２　とを先きに算
出し、その後、エア圧Ｐ１　を決定してもよいことはい
うまでもない。

【００２３】緯糸測長貯留装置Ｄの係止ピンＤ３　が、
別の緯入れ制御系ＣＫにより、たとえば、緯糸Ｗの到達
角度θｅ　が所定範囲内になるようにコントロールされ
るときは（図４）、前途の各実施例における検出手段１
１は、緯入れ制御系ＣＫからの緯入れ開始信号Ｓｃｋを
入力することができる。ただし、緯入れ開始信号Ｓｃｋ
は、係止ピンＤ３　を解舒位置に駆動することにより、
緯糸ＷをドラムＤ３　から解舒して、緯入れ動作を開始
させるものとする。

【００２４】検出手段１１は、緯入れ開始信号Ｓｃｋの
入力時点における織機機械角θを読み取り、緯入れ開始
角度θｓ　を検出することができるから、以後、比較手
段１２は、緯入れ開始角度θｓ　を目標緯入れ開始角度
θｓｏと比較することによって、偏差Δθｓ　＝θｓ　
−θｓｏを算出することができる。そこで、演算手段１
３は、前述の各実施例と全く同様にして、所定の関係を
維持しながら、メインノズルＮ１　、補助メインノズル
Ｎ２　のバランスがとれた搬送力Ｓ１　、Ｓ２　を算出
し、それに対応するエア圧Ｐ１　、Ｐ２　を算出し、出
力することができる。

【００２５】また、検出手段１１は、緯入れ開始角度θ
ｓ　に代えて、緯糸解舒角度θｋ　を検出するようにし
てもよい（図５）。緯糸測長貯留装置Ｄの前方付近に緯
糸センサＷＫを配設し、緯糸センサＷＫは、ドラムＤ２
　から解舒される緯糸Ｗを検出し、その１ターンごとに
パルス状の緯糸信号Ｓｋ　を出力するものとすれば、カ
ウンタ１６は、緯糸信号Ｓｋ　を計数することにより、
ドラムＤ２　から１ピック分に相当する緯糸Ｗが解舒さ
れたことを示す緯糸解舒信号Ｓｋ１を出力することがで
き、検出手段１１は、緯糸解舒角度θｋ　を検出するこ
とができる。そこで、比較手段１２は、緯糸解舒角度θ
ｋ　を目標緯糸解舒角度θｋｏ　と比較して、偏差Δθ
ｋ　＝Δｋ　−Δｋｏを算出出力すればよい。

【００２６】すなわち、緯入れ開始角度θｓ　、緯糸解
舒角度θｋ　は、緯入れ制御角度として、同等に取り扱
うことが可能である。

【００２７】以上の説明において、メインノズルＮ１　
、補助メインノズルＮ２　の搬送力Ｓ１、Ｓ２　は、一
般に、圧力調整器Ｎ１ａ、Ｎ２ａを介し、エア圧Ｐ１　
、Ｐ２　を調整することによって調節することができる
が、メインノズルＮ１　、補助メインノズルＮ２　が可
変絞り機構を内蔵するときは、操作信号Ｓｇ１、Ｓｇ２
により、可変絞り機構を調節するようにしてもよいこと
はいうまでもない。なお、このときの演算手段１３から
の操作量は、可変絞り機構の絞り量である。

【００２８】また、搬送力Ｓ１　、Ｓ２　は、開閉弁Ｎ
１ｂ、Ｎ２ｂを開操作する時期を変更し、メインノズル
Ｎ１　、補助メインノズルＮ２　が開状態にある期間を
変更することによっても、実質的に調節することができ
る場合がある。この場合は、演算手段１３からの操作量
は、開閉弁Ｎ１ｂ、Ｎ２ｂに対する開操作信号として出
力してもよい。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、この出願に係る第
１発明によれば、２連ノズルを介して緯入れするに際し
、緯糸の到達角度または緯入れ制御角度の偏差に基づき
、メインノズルと補助メインノズルとの搬送力を、所定
の関係に維持しながら調節することによって、製織中に
おける緯糸の飛走特性の変動に対して、両者の搬送力の
バランスを崩すことなく、搬送力の自動調節が可能であ
るから、緯入れ動作を一層安定にすることができるとい
う優れた効果がある。

【００３０】第２発明によるときは、検出手段と比較手
段と演算手段とを組み合わせることによって、検出手段
は、緯糸の到達角度または緯入れ制御角度を検出し、演
算手段は、その偏差に基づき、メインノズルと補助メイ
ンノズルとの搬送力を、所定の関係に維持しながら調節
するための操作量を出力することができるから、第１発
明を円滑に実施することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】　　全体構成ブロック系統図

【図２】　　他の実施例を示す動作説明線図

【図３】　
　別の実施例を示す図２相当図

【図４】　　さらに別の
実施例を示す要部ブロック系統図

【図５】　　他の実施
例を示す要部ブロック系統図

【符号の説明】

Ｗ…緯糸 Ｎ１　…メインノズル Ｎ２　…補助メインノズル θｅ　…到達角度 θｅｏ…目標到達角度 θｓ　…緯入れ開始角度 θｓｏ…目標緯入れ開始角度 θｋ　…緯糸解舒角度 θｋｏ…目標緯糸解舒角度 Δθｅ　、Δθｓ　、Δθｋ　…偏差 Ｓ１　、Ｓ２　…搬送力 Ｓｆ　…フィーラ信号 Ｓｃｋ…緯入れ開始信号 １１…検出手段 １２…比較手段 １３…演算手段

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　メインノズルと補助メインノズルとを
   縦続する２連ノズルを介して緯糸を緯入れするに際し、
   緯糸の到達角度を検出し、目標到達角度からの偏差に基
   づき、メインノズルと補助補助メインノズルとの搬送力
   を、所定の関係に維持しながら調節することを特徴とす
   るエアジェットルームにおける緯入れ制御方法。
2. 【請求項２】　　メインノズルと補助メインノズルとを
   縦続する２連ノズルを介して緯糸を緯入れするに際し、
   緯入れ制御角度を検出し、目標緯入れ制御角度からの偏
   差に基づき、メインノズルと補助メインノズルとの搬送
   力を、所定の関係に維持しながら調節することを特徴と
   するエアジェットルームにおける緯入れ制御方法。
3. 【請求項３】　　フィーラ信号に基づき緯糸の到達角度
   を検出する検出手段と、該検出手段からの到達角度を目
   標到達角度と比較して偏差を算出する比較手段と、該比
   較手段からの偏差に基づき、メインノズルと補助メイン
   ノズルとの搬送力を所定の関係に維持しながら調節する
   ための操作量を算出し、メインノズルと補助メインノズ
   ルとに個別に出力する演算手段とを備えてなるエアジェ
   ットルームにおける緯入れ制御装置。
4. 【請求項４】　　緯入れ制御信号に基づき緯入れ制御角
   度を検出する検出手段と、該検出手段からの緯入れ制御
   角度を目標緯入れ制御角度と比較して偏差を算出する比
   較手段と、該比較手段からの偏差に基づき、メインノズ
   ルと補助メインノズルとの搬送力を所定の関係に維持し
   ながら調節するための操作量を算出し、メインノズルと
   補助メインノズルとに個別に出力する演算手段とを備え
   てなるエアジェットルームにおける緯入れ制御装置。