JPH04260024A - 液晶シャッター - Google Patents

液晶シャッター

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JPH04260024A
JPH04260024A JP4294391A JP4294391A JPH04260024A JP H04260024 A JPH04260024 A JP H04260024A JP 4294391 A JP4294391 A JP 4294391A JP 4294391 A JP4294391 A JP 4294391A JP H04260024 A JPH04260024 A JP H04260024A
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transparent
polymer
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JP4294391A
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Takao Minato
孝夫 湊
Shigeru Shimizu
繁 清水
Jiro Watanabe
二郎 渡辺
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶シャッターに係わ
り、特に、交流電場の印加、遮断により光学的に透明な
状態と光散乱状態とを可逆的に発現する液晶シャッター
に関する。
【0002】
【従来技術】液晶素子は、軽量で薄く出来るのでポケッ
タブルな電卓、テスター等の表示体あるいは装飾用、P
OP用として図形や文字を主として平面上に表示する装
置として広く利用され、更に最近では薄膜トランジスタ
ーを用いてフルカラーで動画を表示する液晶テレビジョ
ンとしても実用化されるに至っている。これらに於ける
シャッター動作の原理は、ツイステッドネマチックモー
ド(以降TN型)と言われるもので公知の技術である(
小林、岡野編著  ”液晶”1985年  培風館)。
【0003】しかしながら、液晶はこうした表示素子と
しての利用の他に様々な機能を発現する機能性材料とし
ての可能性をも秘めており、幅広い研究がされている。 こうした可能性の一つとしてより大面積の遮光性シャッ
ターの研究開発が試みられている。具体的には屋内用、
車裁用の大型ウィンドウ、プラスチックフィルムカーテ
ン、目隠し用ウィンドウなどへの展開が考えられている
。この観点からするとTN型はガラス基板上にポリイミ
ド等の有機物を用いた配向処理と2枚の偏光板を必要と
するため、大型でも軽量で薄いシャッターを製造する技
術としては必ずしも適したものでない。液晶には流動性
が残されており、自己支持性に欠けるので液晶自体の重
量を保持するのに平滑で剛性のある基板を必要とし、ガ
ラスや厚めのプラスチックが使われるからである。この
ため、大型化すると重くなるのみならず、液晶の注入と
配向処理に困難をきたし液晶相の配向自身も難しくなる
。加えて、偏光板は透過率と耐久性を大きく低下させる
原因となり、先述した遮光用シャッター等には全く向か
ない。
【0004】大面積でも薄く軽量なシャッターとしては
、配向処理が不必要で偏光板がいらない動作モードが必
要で、かつ自己支持性のある素材であって、製造上でも
印刷技術やラミネート技術が使えることが望まれる。 こうした要望に答えるもので最近注目されているものに
、液晶と高分子バインダーの複合体がある。これは高分
子分散液晶フィルム(以下単にPDLCという、J.W
.DOANE et al.,Mol.Cryst.L
iq.Cryst.,vol 165,533(198
8)、特開昭60ー252687号公報)と呼ばれてい
る。これの構造的な特徴は、高分子バインダー中に液晶
が可視波長程度の大きさの粒、あるいはより複雑である
がネットワーク状に分散したものである。どのような分
散状態になるかは製造方法に依存する。シャッター性の
起源は、バインダーと分散した液晶の屈折率が略一致し
た場合には光を散乱せず透明であるが、不一致の場合は
不均一な屈折率分布により光が散乱されるということに
ある。
【0005】この効果と製造方法をより具体的に説明す
る。ネマチック液晶と、未硬化状態のバインダーポリマ
ーの前駆体の均一混合系を、フィルム上に印刷し、対向
基板で挟むか、もしくは適当な手段で基板間に封じた後
、前駆体を反応させて高分子化する。この結果、液晶の
バインダー中での溶解性が低下して液晶がバインダー中
に分離析出する。前駆体を高分子化する方法としては、
紫外線硬化、電子線硬化、熱硬化等があるが、これは使
用した樹脂に応じていずれかを採用する。またはバイン
ダーポリマーと液晶を共通溶媒に溶かした後、キャスト
して溶媒を蒸発させてもPDLCの製造が可能である。
【0006】次に、図4および図5を用いてこうした方
法で得られる液晶ーバインダー複合体のシャッター性の
発現機構を説明する。液晶が適当な形状で析出した状態
(図4参照、ただし図では模式的に球としてある)では
球内(405)の配向はランダムと考えられる。この状
態の液晶の平均屈折率nは、n={(2n12+n2 
)/3}1/2 である。ここでn1,ε1 は、分子
軸方向の屈折率および誘電率であり、n2,ε2 は、
それと垂直な方向の屈折率および誘電率である。誘電異
方性が正の液晶(ε1 >ε2 )であると、交流電場
の印加によりホメオトロピックな配向をとる(図5参照
)。この場合の屈折率はn2 である。そこでバインダ
ーポリマーの屈折率nP をn2 と略一致するように
しておく。これは材料を吟味すればいつでも可能である
【0007】このような場合、電場の無い状態で屈折率
は当然異なっているで白濁状態を呈するが、電場を印加
して液晶分子の配向が図5に近ずくにつれて屈折率が一
致し透明状態に変化する。電場を遮断すれば、もとの光
散乱状態に戻る。液晶(405)はバインダー(401
)中に分散しており、自己支持性があるので必ずしもガ
ラス基板に保持する必要がなく、印刷、ラミネートなど
により薄いプラスチックフィルム中に保持可能である。 また光散乱を利用しているので偏光板も不必要である。
【0008】しかし、PDLCの欠点として複合体であ
るので、(1)液晶部分に印加される実効的な電圧が低
下する、(2)液晶に未反応のバインダー分子が残存し
て純度が低下し、これにより動作電圧が上昇する、(3
)液晶とバインダー間の相互作用のため液晶に対する束
縛が通常のTNセルより強い、等を補償するため、一般
に純粋なTN動作より駆動電圧が大きく増加する。 また液晶とバインダーの分離が完全でないので、屈折率
の調整が難しく完全な透明度が得にくい。さらに、正面
からは略透明であるが斜めからは曇るなどの角度依存性
が見られるなどの指摘もある。これらは本質的にはPD
LCが相分離した2相系であることに起因するものであ
る。
【0009】製造設備面からも、紫外線硬化や熱硬化に
はそれぞれ専用の紫外線照射装置、温度制御装置が必要
である。溶媒蒸発でも用いる材料によっては完全に乾燥
させるためにオーブンなどの装置を必要とし、生産性が
下がりコスト上昇の原因となる。二色性色素を混合する
と、カラー状態と透明状態のスイッチングも可能である
が、液晶部の割合が100%以下であるのと、色素を必
ずしも液晶だけに溶解させられないので、コントラスト
が充分に得られない等の欠点もある。
【0010】他方フィルム化が可能な液晶性材料として
高分子液晶がある。遮光性シャッターとしてはTN型で
の動作が試みられているが、現在のところ合成された液
晶は粘性が高く応答速度が遅い、動作温度域が高いなど
の理由で期待された特性は得られていない。これらが解
決されたとしてもTNモードでは先述した問題により大
面積化は困難である。
【0011】特開昭64ー6008号公報にみられるよ
うに、強誘電性のメソゲンを側鎖としたシロキサンタイ
プの高分子液晶でフィルムシャッターを製造する試みも
あるが、液晶配向の問題などで、やはり大面積シャッタ
ーの実用化には程遠いのが現状である。総じて高分子液
晶では大面積のシャッター性をどんなメカニズムで発現
するかの枠組みが明確になっておらず、暗中模索の状態
である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】高分子分散液晶フィル
ム(PDLC)は、確かに自己支持性があり、光散乱を
利用するので大面積でも軽量で薄いフィルム状シャッタ
ーの製造が可能であり、電気的に白濁ー透明変化を生じ
させることが出来る。こうしたシャッター性発現の機構
(屈折率の非一様性による散乱)を保持したままでPD
LCの2相系に内在する:1.駆動電圧が高い、2.完
全な透明性が得にくく、視角度依存性がある、3.カラ
ー化(色素のドープ)が難しい、4.製造コストが高い
、などの問題を除去し、高分子液晶が本来持っている:
5.動作温度域が高い、6.粘性が高く応答が遅い、な
どの問題を克服したフイルム状液晶シャッターを提供す
ることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、低
分子液晶と高分子液晶の混合物、もしくは低分子液晶と
高分子液晶と光学活性物質の混合物を、コレステリック
相を呈する温度域で少なくとも一方が透明な電極付基板
間に挟持したものであって、交流電場の印加により光学
的に透明なホメオトロピック配向状態を形成し、交流電
場を遮断した状態で光散乱状態を呈するようにしたこと
特徴とするする液晶シャッターである。
【0014】また、本発明の別の手段としては、低分子
液晶と高分子液晶の混合物、もしくは低分子液晶と高分
子液晶と光学活性物質の混合物を、コレステリック相を
呈する温度域で少なくとも一方が透明な電極付基板間に
挟持したものが、電場無印加で光学的に透明な状態を呈
し、ホメオトロピック状態を形成しない範囲の交流電場
の印加により光散乱状態を呈するようにしたこと特徴と
する液晶シャッターであってもよい。
【0015】言い換えれば、本発明は、まずPDLCに
於ける2相系(液晶とバインダー)であることを放棄し
て、遮光性の生じる場を純粋なコレステリック相のみに
固定し、且つ自己支持性を付与するために高分子液晶と
低分子液晶の混合系を採用した。これによりコレステリ
ック相は電場のない状態で:1.経時的に安定でラセン
軸の方向が各部でランダムなフォーカルコニック状態(
図2参照)2.ラセン軸が基板面に略垂直なグランジャ
ン状態(図1参照)電場印加で、3.ホメオトロピック
状態(図3参照)を採ることが可能で、この図2のフォ
ーカルコニック状態が、非常に強い光散乱状態を呈し、
図3は完全な透明状態、図1はコレステリック相のピッ
チにより略透明から僅かに着色した状態を呈する。
【0016】したがって、十分大きな交流電場を印加す
ることで図3の透明状態を、遮断した場合に図2の光散
乱状態を採らせることが可能ととなり、可逆的なスイッ
チングができる。これにより先述した全ての問題点を解
決した。同じことだが、わずかに着色する場合もある図
1と図2の状態を、可逆的にスイッチイングすることで
も可能とした。
【0017】
【作用】本発明によれば、高分子液晶が臨界濃度以上を
占め、かつ低分子液晶を含む混合系では、図1のグラン
ジャン状態から図3のホメオトロピック状態へ移行する
途上(電圧印加)、もしくはこの逆に変化する途上(電
場遮断)に経時的に安定な強い光散乱性を示す状態が存
在しうるのであり、本発明は、きわめて高性能の液晶シ
ャッターとなりうる。
【0018】
【発明の詳述】本発明は、印刷適性を有しフィルム化が
可能であって、かつ高速応答性と経時的に安定な光散乱
状態を呈する液晶系の探索の過程で見いだされた次の二
つの知見に基づいている。ひとつは、高分子性に起因す
る高粘性、低速応答とネマチック温度域(又はコレステ
リック温度域)の高温性を一挙に改善する材料を見いだ
したことである。それは主鎖にスペーサーを介して結合
するメソゲン残基と類似の構造をもつ低分子メソゲン(
室温でネマチックもしくはコレステリック相を呈する)
とを混合することにより粘度の低下と動作温度域(ガラ
ス転移温度と結晶化温度の消失もしくは低下)を大幅に
低下拡張させることが可能となったことである。
【0019】これは、低分子液晶だけの場合に比べると
、はるかに粘性が高く、かつ高分子液晶に固有の自己支
持性が残っており、印刷適性がある状態である。透明な
状態は誘電異方性が正のネマチック液晶、コレステリッ
ク液晶、スメクチック液晶のいずれでも、交流電場の印
加でホメオトロピック状態(図3参照)に変化させるこ
とで得られる。この変化は粘性が若干高いにもかかわら
ず下記に述べる例でも可能であった。
【0020】問題は、電場を遮断した場合である。通常
の低分子ネマチック液晶では光散乱状態を示さず、これ
を生じるためには導電性物質をドーピングする、いわゆ
る動的散乱(DS)法を使用するか、ネマチック相を極
めて厚くしなけらばならないことは公知である。一方、
ネマチック高分子液晶では等方相(>100度C)から
急冷すると、ネマチック相を経過する途上で一次的にラ
ンダム配向になり、ダイレクターの揺らぎによる白濁状
態を呈する。これはガラス転移温度以下で固定出来る。 逆にゆっくり冷やすか電場を印可しながら冷やすと、透
明状態が得られるので可逆的な記録媒体として利用する
提案がある(特開昭63ー191673号公報)。しか
しながら、ランダム配向から透明なホメオトロピック状
態へ電気的にスイチングするのは、非常な長時間と高電
圧を要し、濃度的にも全く不十分なものである。
【0021】本発明の第二の知見は、高分子液晶と低分
子液晶混合系からなるコレステリック相は、図2に示し
たフォーカルコニック状態(101)(コレステリック
相のラセン軸の方向が各部でランダムな状態)を呈する
ことが可能であるが、ある臨界温度以上の高分子液晶を
含む場合、これが極めて強い光散乱状態を呈し、かつ経
時的にも安定に存在することを見いだしたことである。 これはコレステリック相は、捻れ(101)を内含して
いるのでネマチック相よりも屈折率の一様性が劣り、そ
の結果、光散乱能が増したことと、高分子液晶の主鎖間
の絡まり合いなどがメソゲン部分の配置の緩和を大きく
妨げることの二つに起因すると考えられる。配向処理の
ない場合のグランジャン状態は図1で示したような高配
向状態は採りにくいと考えられが、図2よりは若干配向
した状態に落ち着く場合があり、その結果、光散乱状態
が変化して、一般に光学的透明性が増すことがある。
【0022】混合系でのコレステリック相の形成方法と
しては、高分子液晶と低分子液晶の少なくとも一方が光
学活性であるか、両方が光学活性でない場合は液晶性を
呈しない光学活性物質を添加したものであればよい。
【0023】強い光散乱状態は、始状態の違いにより二
つの方法で得られる。ひとつは電場を与えて得られるホ
メオトロピック状態で電場を遮断した場合である。これ
は普通の形成方法であり、請求項1での内容である。ま
た図2の光散乱状態は、先述したように非常に長い時間
を経て光学的に透明な図1のグランジャン組織に変化す
る場合がある。この場合コレステリック相のピッチによ
り僅かに着色した透明状態であることもある。図2から
図1への変化は、ネマチックー等方相転移温度近くに温
度を上げるか、ポリイミド等を用いて、いわゆるホモジ
ニアス配向処理を施すと、かなり加速される場合がある
。この状態は、ホメオトロピック状態を得るのに必要な
電圧よりも低い電圧印加で光散乱状態を呈しめることが
可能である。ホメオトロピック状態に移行する前に構造
が乱れるからである。光散乱の程度は図3から図2への
変化で得られるものと同じである。これが請求項2の内
容である。
【0024】電圧を変えた場合の図1から図3に至る光
の透過率の変化の一例を、図6に示した。図1から図3
に変化する途上に光散乱性の安定状態が存在することを
示している。変化のプロセスの交流電場の周波数依存性
はない。セルの構成上あるいは液晶材料の特性上、図1
の状態に移行しやすい場合には、これと拮抗するきわめ
て弱い電場を断続的もしくは継続的に印加すると、図2
の状態をより安定に再現維持できる場合もある。
【0025】光散乱状態は白濁状態であるが、着色させ
るためには任意の色調の二色性色素を混合することが出
来る。これは請求項4の内容である。誘電異方性が正の
混合系の場合、十分大きな電圧に対して光学的に透明な
状態を得ることができ、カラーの光散乱状態と透明状態
の可逆的スイッチングが可能である。また、液晶層と接
する少なくとも一方の透明な電極付基板上に、垂直配向
処理を施すことも、意味がある。図2の光散乱状態が図
1のグランジャン状態へ移行しやすい場合にはホモジニ
アス配向化を妨げ、ホメオトロピック配向を促す垂直配
向処理を電極付基板上に施すと、光散乱状態を半永久的
に保持できる。これが請求項5の内容である。以下実施
例により詳しく説明する
【0026】
【実施例】<実施例1>下記の構造式で化2で表される
アクリル骨格の共重合コレステリック型側鎖型高分子液
晶と、化3で示される低分子ネマチック液晶5CBを重
量比で1:9から7:3の範囲で混合した。化2は、光
学活性なコレステリル残基とシアノビフェニル残基から
なるコポリマー型の高分子液晶である。図7に相図を示
したが、実線の下側ではコレステリック相を呈した。
【0027】
【化2】
【0028】
【化3】
【0029】ここでn:m=1:2、k=l=5である
。これらの値はここに記された値に限らず、コレステリ
ック相を示す範囲であればよい。化2の重量平均分子量
は、約1.5万であった。この混合系を電極付き透明フ
ィルム上に厚さ約9ミクロンになるようにバーコートし
た。その後、対抗電極フィルムで狭持した。
【0030】高分子液晶の重量分率が増すと粘性が高く
透明なホメオトロピック配向を得るのが高電圧であり、
かつオフしてもコレステリックに戻るのに時間がかかっ
た。逆に低分子量成分が増すにつれて光散乱の強度が弱
くなり、かつフォーカルコニック状態のグランジャン状
態への緩和が速くなる傾向であった。好ましい組成は3
:7から5:5であり、この範囲では光散乱状態の緩和
は見られなかった。この素子は、後述の表1に記した電
圧以上で完全な透明状態を呈し、電圧を遮断すると非常
に強い白濁状態を呈した。ヘイズ値は約80であった。 各組成でのしきい電圧と応答時間を表1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】混合比が1:9と2:8の系は、光散乱状
態の緩和が起こりやすく、早く透明状態へ移行する。こ
れより高分子液晶が高濃度でも図7の転移温度以下の近
傍に保持すると、透明状態へ移行した。これらは、表1
に示したような飽和電圧の3分の1の電圧の印加で光散
乱状態を得ることができた。
【0033】<実施例2>下記の構造式で化4で表され
るネマチック型側鎖型高分子液晶と、前記の化3で示さ
れる低分子液晶を重量比て5:5から3:7の範囲で混
合した。
【0034】
【化4】
【0035】ここでl=5である。これらの値はここに
記された値に限らず、ネマチック相を示す範囲であれば
よい。重量平均分子量は約1.5万であった。これに光
学活性物質ZLI4571(メルク(株)製商品名)を
重量比で5%添加した。これを実施例1と同じくセルと
した。電圧印加で透明状態、遮断すると非常に強い白濁
状態を呈した。ヘイズ値は約80であった。記載した組
成では光散乱状態の緩和は見い出されなかった。
【0036】<実施例3>実施例1の3:7の混合比の
系に2色性色素(LCD−116:日本化薬(株)製商
品名)を5重量%溶解した。これは40Vrmsで完全
な透明状態を呈し、電圧を遮断すると黒色状態を得るこ
とが出来た。
【0037】<実施例4>ITO透明電極付きガラス基
板をCTAB(ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブ
ロマイド)のクロロホルム溶液に浸した後、高分子液晶
と低分子液晶の2:8の混合比の組成物をバーコートし
た。その後、対向電極フィルムで挟持した。これに20
Vrms の電圧を印加し完全なホメオトロピック状態
を形成した後、電場を遮断すると、光散乱状態を得た。 これは20時間経過しても安定な光散乱状態を保持した
。処理を施さない場合は、約30分で透明になった。
【0038】最後に三つの点について付言しておく。梶
山(ChemistryExpress  、5、52
9ー532(1990))等は同様な電気光学効果を高
分子液晶と低分子液晶混合系で観測している。彼らが取
り扱っているのは誘起スメクチック相であり、コレステ
リック相でないので異なった物理現象を用いている。透
明状態はいずれもホメオトロピック状態であり、高周波
数の電場印加で得られることは同じである。
【0039】違いは、1.彼らは透明状態と光散乱状態
の両方がメモリー性を有するとしているが、本発明では
光散乱状態のみにメモリー性が存在する。2.光散乱状
態の形成においては低周波数(数Hz以下)ではあるが
、ホメオトロピック状態を形成するのと同じだけの高電
圧が必要である。初期光散乱状態はドープされているキ
ャリアーの移動に伴う分子の揺らぎの誘起に基づいた動
的光散乱により得られると述べている。本発明では電場
を印可する必要は全く無く、光散乱はコレステリック相
での静的なランダム配向、即ちフォーカルコニック状態
によるものである。
【0040】第二は、同様な効果が得られる系が、実施
例で記述したアクリル系高分子液晶に限定されるもので
ないと言うことである。高分子液晶と低分子液晶の混合
系でネマチック相またはコレステリック相を示すもので
あればよく、ネマチック相のものは光学活性体を添加す
ればよい。側鎖型、主鎖型をも問わない。例えば、
【0
041】
【化5】
【0042】
【化6】
【0043】
【化7】
【0044】
【化8】
【0045】
【化9】
【0046】
【化10】
【0047】これらの高分子液晶に含まれるメソゲンと
類似の化学構造を有する低分子ネマチックまたはコレス
テリック液晶を混合しても同様な光学的効果が得られる
【0048】第三は、高分子液晶と低分子液晶の混合系
で誘電異方性が負、コレステリック相のピッチが可視波
長程度であると、二色性色素を使わずにカラー状グラン
ジャン状態と透明状態を、可逆的に切り替えできる可能
性があるということである。
【0049】<発明の効果>本発明により低電圧で動作
する、大面積でも軽量な液晶シャッターの提供が可能で
ある。これは、偏光板が不必要であり、大型の直視型デ
ィスプレイおよびプロジェクション型ディスブレイの液
晶表示体としても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明でコレステリック相が取り得る、ラセン
軸が基板面に略垂直なグランジャン状態を示す模式図で
ある。
【図2】本発明でコレステリック相が取り得る、経時的
に安定なフォーカルコニック状態を示す模式図である。
【図3】本発明でコレステリック相が取り得る、ホメオ
トロピック状態を示す模式図である。
【図4】高分子分散液晶の液晶シャッターの一例であっ
て、電圧無印加時に光散乱状態を呈することを示す説明
図である。
【図5】高分子分散液晶の液晶シャッターの一例であっ
て、電圧印加時に光透過状態を呈することを示す説明図
である。
【図6】本発明における三つの状態間の転移を印加電圧
の関数として示すグラフ図である。
【図7】実施例1におけるコレステリル残基とシアノビ
フェニル残基からなるコポリマー型の高分子液晶と低分
子液晶の混合系が示す相図である。
【符号の説明】
100  液晶分子 101  ラセン状態をとる液晶部分 400  透明電極 401  バインダーポリマー 402  ランダム配向した液晶 403  透明基板 404  ホメオトロピック配向した液晶405  液
晶粒 410  入射光 411  散乱光または反射光 412  透過光

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低分子液晶と高分子液晶の混合物、もしく
    は低分子液晶と高分子液晶と光学活性物質の混合物を、
    コレステリック相を呈する温度域で少なくとも一方が透
    明な電極付基板間に挟持したものであって、交流電場の
    印加により光学的に透明なホメオトロピック配向状態を
    形成し、交流電場を遮断した状態で光散乱状態を呈する
    ようにしたこと特徴とする液晶シャッター。
  2. 【請求項2】低分子液晶と高分子液晶の混合物、もしく
    は低分子液晶と高分子液晶と光学活性物質の混合物を、
    コレステリック相を呈する温度域で少なくとも一方が透
    明な電極付基板間に挟持したものが、交流電場無印加で
    光学的に透明な状態を呈し、ホメオトロピック状態を形
    成しない範囲の交流電場の印加により光散乱状態を呈す
    るようにしたこと特徴とする液晶シャッター。
  3. 【請求項3】高分子液晶が下記構造式の化1で表される
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶
    シャッター。 【化1】
  4. 【請求項4】二色性色素を添加したことを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の液晶シャッター。
  5. 【請求項5】液晶層と接する少なくとも一方の透明な電
    極付基板上に、垂直配向処理を施したことを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の液晶シャッター。
JP4294391A 1991-02-15 1991-02-15 液晶シャッター Pending JPH04260024A (ja)

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