JPH04254538A

JPH04254538A - 耐食性銅合金

Info

Publication number: JPH04254538A
Application number: JP3363091A
Authority: JP
Inventors: Masanobu Tachibana; 橘　　正　信; Teiichiro Tachibana; 橘　　貞　一　郎
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1991-02-01
Filing date: 1991-02-01
Publication date: 1992-09-09
Also published as: MY106086A

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、大気中で変色しにくく
、いつまでも美しい黄金色に近い色調を保持することが
できる耐食性銅合金に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の耐食性銅合金は、従来、船舶用
プロペラ，海水淡水化プラント用熱交換器のチューブシ
ート，各種バルブ，自動用部品，及び油圧部品等の分野
からの要求から次の様な組成を有する耐食性銅合金が開
発されている。

【０００３】この従来の耐食性銅合金は、Ａｌ：７．５
〜８．５％Ｎｉ：０．５〜２％Ｆｅ：３〜４％Ｍｎ：０．５〜２％を含有し、残量が銅である組成を有する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来の耐食性銅合金は、すぐれた耐食性、特に耐海水
腐食性を有し、かつ高強度をもつものであるが、素地で
あるα相中に晶出Ｆｅなどの晶出相や、Ｆｅを主成分と
する金属間化合物およびＦｅ酸化物などの折出相が多量
に分散した状態で実用に供されるため、前記晶出相や折
出相が原因で耐侯性に劣り、大気中で変色し易く、合金
自体のもつ黄金色に近い色調を長期に亘って確保するの
が困難である。

【０００５】このため従来の耐食性銅合金は、その適用
範囲が狭く、前記した船舶用プロペラ等の分野について
はそれなりの効果があるが、ゴルフ用クラブのヘッド部
を含むスポーツ用品，洋食器や器物，さらには建築金物
や装飾品等には用いることができず汎用性に欠けるもの
であった。

【０００６】本発明は前記した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は従来の耐食性銅合金のもつ高強度
およびすぐれた耐海水腐食性をそこなうことなく、かつ
耐侯性の向上した汎用性に富んだ耐食性銅合金を提供す
るにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係る耐食性銅合
金は、前記した目的を達成するためＡｌ：７〜９％Ｎｉ：２〜４％Ｆｅ：２〜３％Ｍｎ：０．１〜３％Ｔｉ：０．００１〜０．０１％Ａｕ：０．０１〜１％Ａｇ：０．０１〜１％を含有し、これにＣｏ：０．００３〜１％Ｂ　　：０．００１〜０．１％のうちの１種または２種を含有し、残量が銅からなる組
成（重量％）を有することを特徴としている。

【０００８】

【作用】前記組成における各成分は次の様な作用を奏す
る。（ａ）　ＡｌＡｌ成分には、合金の強度および耐海水腐食性を向上さ
せる作用があるが、その含有量が７％未満では前記作用
に所望の効果が得られず、一方、その含有量が９％を越
えると、耐侯性及び冷間成形性が低下するようになるこ
とから、その含有量を７〜９％と定めた。

【０００９】（ｂ）　ＮｉＮｉ成分にも、Ａｌと同様に強度と耐海水腐食性を向上
させる作用があるが、その含有量が２％未満では前記作
用に所望の効果が得られず、一方、その含有量が４％を
越えると、熱間及び冷間加工性が低下するようになるこ
とから、その含有量を２〜４％と定めた。

【００１０】（ｃ）　ＦｅＦｅ成分には、合金の強度を向上させる作用があるが、
その含有量が２％未満では所望の高強度を確保すること
ができず、一方、その含有量が３％を越えると、晶出相
や折出相の量が多くなって、耐侯性や冷間成形性が著し
く劣化するようになることから、その含有量を２〜３％
と定めた。

【００１１】（ｄ）　ＭｎＭｎ成分には、脱酸作用があるほか、強度と耐海水腐食
性を向上させる作用があるが、その含有量が０．１％未
満では前記作用に所望の効果が得られず、一方、その含
有量が３％を越えると、鋳造性が低下するようになるこ
とから、その含有量を０．１〜３％と定めた。

【００１２】（ｅ）　ＴｉＴｉ成分には、合金の耐侯性及び冷間成形性を一段と向
上させる作用があるが、その含有量が０．００１％未満
では前記作用に所望の効果が得られず、一方、その含有
量が０．０１％を越えると、鋳造時の湯流れが悪くなっ
て鋳塊の表面性状が悪化するばかりでなく、金属間化合
物の折出量が多くなって耐侯性および冷間成形性が低下
するようになることから、その含有量を０．００１〜０
．０１％と定めた。

【００１３】（ｆ）　ＡｕおよびＡｇＡｕおよびＡｇ成分には合金の耐海水腐食性および耐侯
性を一段と向上させる作用があるが、その含有量が０．
０１％未満では前記作用に所望の効果が得られないが、
一方その含有量が１％を越えても、前記効果の飛躍的な
向上は望めない反面高価になって経済的な面で実現性が
乏しいので、その含有量を０．０１〜１％に定めた。

【００１４】（ｇ）　ＣｏおよびＢこれらの成分には、Ｔｉとの共存において合金の耐侯性
および冷間成形性を向上させる作用があるが、その含有
量が、それぞれＣｏ：０．００３％未満およびＢ：０．
００１％未満では前記作用に所望の効果が得られず、一
方、その含有量が、それぞれＣｏ：１％およびＢ：０．
１％を越えると、素地中に粗大な金属間化合物が折出す
るようになって、耐侯性および冷間成形性に劣化傾向が
現れるようになることから、その含有量をそれぞれＣｏ
：０．００３〜１％およびＢ：０．００１〜０．１％と
定めた。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の耐食性銅合金を実施例により
具体的に説明する。

【００１６】通常の真空高周波電気炉を用い、表１に示
す成分組成を持った本発明の溶湯を調整した。

【表１】

【００１７】この溶湯を金型に鋳造して直径：８０ｍｍ
φ×高さ：２００ｍｍの円柱状鋳塊とし、この鋳塊に面
削を施した後、９００℃で熱間鋳造を施して幅：１００
ｍｍ×厚さ：１５ｍｍ×長さ：５００ｍｍの寸法とし、
これに８００〜１０００℃の範囲内の所定温度に１時間
保持後水冷の熱処理を施して本発明の熱間加工材１〜５
を得た。

【００１８】また比較の目的で従来の銅合金（Ａｌ：７
．８０％，Ｎｉ：１．２３％，Ｆｅ：３．３２％，Ｍｎ
：０．８５％，残り銅）の溶湯を調整し、これを金型に
鋳造して直径：８０ｍｍφ×高さ：２００ｍｍの円柱状
鋳塊とし、この鋳塊に面削を施した後、９００℃に加熱
した状態で熱間鋳造を行って、幅：１００ｍｍ×厚さ：
１５ｍｍ×長さ：５００ｍｍとし、これに７００℃に１
時間保持後放冷の焼鈍を施して従来の銅合金の熱間加工
材を得た。

【００１９】このようにして得られた本発明の銅合金の
熱間加工材１〜５と従来の銅合金の熱間加工材とを、強
度，耐海水腐食性，及び耐侯性の点で比較した。

【００２０】強度は引張強さ及び０．２％耐力を測定し
て評価値とした。また、耐海水腐食性は、常温の人工海
水中に７日間浸漬保持後の腐食減量を測定して評価値と
した。さらに、耐侯性は、５００℃の大気中、２時間保
持後の酸化皮膜形成の有無を観察して評価した。

【００２１】その結果を表２に示す。

【表２】　　　　　　　　　　　　　　　　Ａ：引張強さ（Ｋｇ
／ｍｍ３），Ｂ：耐力（Ｋｇ／ｍｍ３）Ｃ：腐食減量（
ｍｇ／ｃｍ３），Ｄ：酸化皮膜形成の有無

【００２２】

【発明の効果】表２から明らかなように、本発明の銅合
金の熱間加工材１〜５（本発明品）は、いずれも従来の
銅合金の熱間加工材（従来品）に比べて高強度で、すぐ
れた耐海水腐食性及び耐侯性を有している。

【００２３】このように、本発明の銅合金は高強度及び
すぐれた耐海水腐食性を有し、さらに耐侯性にもすぐれ
ているので、船舶用プロペラや海水淡水化プラント用熱
交換器のチューブシート，さらに各種バルブ，自動車用
部品，及び油圧部品などの製造に用いた場合は勿論のこ
と、スポーツ用品や洋食器や器物，さらに建築金物や装
飾品などとして用いた場合にも著しく長期に亘って美し
い黄金色系色調を保持した状態で、すぐれた性能を発揮
するなど汎用性に富んだ銅合金を提供することができる
。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】Ａｌ：７〜９％Ｎｉ：２〜４％Ｆｅ：２〜３％Ｍｎ：０．１〜３％Ｔｉ：０．００１〜０．０１％Ａｕ：０．０１〜１％Ａｇ：０．０１〜１％を含有し、これにＣｏ：０．００３〜１％Ｂ　　：０．００１〜０．１％のうちの１種または２種を含有し、残量が銅からなる組
成（重量％）を有することを特徴とする耐食性銅合金。