JPH04252954A - タンパクの測定方法、試薬及びキット - Google Patents

タンパクの測定方法、試薬及びキット

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JPH04252954A
JPH04252954A JP939791A JP939791A JPH04252954A JP H04252954 A JPH04252954 A JP H04252954A JP 939791 A JP939791 A JP 939791A JP 939791 A JP939791 A JP 939791A JP H04252954 A JPH04252954 A JP H04252954A
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JP
Japan
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antibody
sequence
kpi
app
app751
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JP939791A
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Yasuo Tokushima
恭雄 徳島
Nobuya Kitaguchi
暢哉 北口
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はタンパクの測定方法、試
薬及びキットに関するものである。更に詳しくは、アル
ツハイマー病アミロイド前駆体蛋白APP751、及び
APP770に含まれるKPI配列を認識する抗体を少
なくともその組み合わせの一方に用いることを特徴とす
るサンドイッチELISA法による、KPI配列を含む
アルツハイマー病アミロイド前駆体蛋白又はその断片の
免疫学的測定方法、試薬及びキットに関するものである
【0002】
【従来の技術】近年、人口構成の高齢化に伴い、老人性
痴呆症をはじめとする、脳神経系の疾病が社会問題化し
つつある。これらの疾病の中には発症の原因や簡便な診
断法、治療法の確立されていない疾病も多く、その研究
開発が強く望まれている。このような病気には、アルツ
ハイマー型老人性痴呆症及びアルツハイマー病(以下こ
の2つを併せて、ADと略す)が含まれる。AD患者の
脳には、老人斑アミロイドβ蛋白(以下老人斑アミロイ
ドと略す)を主要構成成分とする老人斑と呼ばれる構造
体が、正常人に比し、多く沈着することから老人斑アミ
ロイドとAD発症の関係が注目されてきた。Kangら
により、老人斑アミロイドには前駆体(以下APPと略
す)が存在すること(以下Kangらにより発見された
APPをAPP695と略す)が報告され(Kangら
、Nature  325  733−736  19
87、特開昭63−222693号公報参照)、さらに
本発明者らの研究等により、APPには少なくとも3種
類(APP695に加えてAPP751及びAPP77
0)存在することが明らかになった(Ponteら、N
ature  331  525−527  1988
、Tanziら、Nature  331  528−
530  1988、Kitaguchiら、Natu
re  331  530−532  1988、欧州
特許公開番号0304013号公報)。更に、714ア
ミノ酸からなるアルツハイマー病アミロイド前駆体蛋白
APP714(Goldeら、Neuron  4  
253−267  1990)、及び老人斑アミロイド
部分はもたない、563アミノ酸からなるAPP563
(de  Sauvageら、Science  24
5  651−653  1989)もマイナー成分な
がらその存在が知られている(図1)。APP751及
びAPP770にはKunitz型プロテアーゼインヒ
ビターと高い相同性を有する領域が存在すること、及び
実際にプロテアーゼインヒビター活性が存在することが
明らかになった(図1)。AD患者における老人斑アミ
ロイドの脳内沈着を、プロテアーゼインヒビターによる
脳内の代謝阻害、APPの不完全分解の結果と考えるな
らば、プロテアーゼインヒビター活性を有するAPPの
過剰発現がADの発症に何らかの役割をはたしている可
能性が考えられる。この見地から、本発明者らは、3種
類のAPPメッセンジャーRNAの発現量をAD患者と
正常人の脳について検討したところ、AD患者において
APP770メッセンジャーRNAの発現量が2倍程高
いという結果を得た。またAPP751メッセンジャー
RNAもAD患者で対照に比べ1.1倍から1.3倍高
いという結果を得ている(Tanakaら、B.B.R
.C.157  472−479  1988及びB.
B.R.C.165  1406−1414  199
0)。またヒト髄液を被検体としてプロテアーゼインヒ
ビター(KPI)領域を含むAPPタンパクまたはその
断片量をトリプシンELISA法(Kitaguchi
ら、B.B.R.C.1661453−1459  1
990及び特願平1−214118、特願平2−220
889)により測定した結果、AD群は脳血管性痴呆群
に比し、有意に高値を示すという結果がえられている(
Kitaguchiら、B.B.R.C.166145
3−1459  1990、及び、第31回日本神経学
会総会抄録集241ページII−J−05  1990
年)。この結果は、APP770及びAPP751中に
共通に存在するプロテアーゼインヒビター(KPI;こ
こでKPIとはAPP770およびAPP751のN末
端側から数えて289番目のGluから344番目のA
laまでの56残基を指し、種々のプロテアーゼに対し
て阻害活性を有する)領域を認識するウサギ抗血清と、
トリプシン(このプロテアーゼインヒビター領域と強く
結合する)とを用いたトリプシンELISA法により得
られたものである。(但しELISAとは、Enzym
e  Linked  Immunosorbent 
 Assayの略である)。しかしながら、例えば、血
清や血漿を被検体とし、且つトリプシンを固相に結合し
て第1抗体の代わりに用いる場合には、血液中のトリプ
シンインヒビターとトリプシンが結合してしまうため、
アッセイプレート固相への被検体タンパク(即ちAPP
)の結合量が充分でない場合がある。そこで、トリプシ
ンELISA法に代わるAPP751及びAPP770
タンパクの高感度検出方法が望まれている。
【0003】KPI配列を認識する抗体に関しては、合
成ペプチドを抗原として作製したものが報告されている
が(Andersonら、EMBO  Journal
  83627−3632、1989、Palmert
ら、Neurology  401028−1034 
 1990)、これらはいずれもウェスタンブロティン
グにしか使用されておらずELISAには使用されてい
ない。ウェスタンブロティング法に於いては、被検体を
濃縮、脱塩、さらに界面活性剤や還元剤による変性処理
等の操作を行った後、電気泳動によりタンパク質の分離
を行い、これに対して抗原抗体反応を行わなければなら
ない。そのため操作が煩雑で多数の検体について測定が
困難であること、被検試料に含まれるAPP以外の來雑
タンパクの量によって検出感度が著しく左右されること
等の点で問題がある。また、APPのC末端側(APP
695、751、770に共通な配列。APP695で
いえば第667−676残基)に対する抗体でラジオイ
ムノアッセイ法(以下RIAと略す)によって、血清中
のAPP濃度を検討したところ、AD/対照に有為差は
なかったとする報告もある(Rumbleら、New 
 England  J.Med.320、1446−
1452、1989)。ただし髄液や血液等体液中に存
在するAPPの殆どは、膜貫通領域よりC末端側の配列
を有していない(例えばPalmertら、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA  86、633
8−6342、1989、Palmertら、Neur
ology  40、1028−1034、1990、
van  Nostrandら、Science  2
48、745−748、1990、Coleら、Bio
chem.Biophys.Res.Comm.170
、288−295、1990など)。これらの現状に於
いて、臨床現場でのKPI配列を有するAPPの特異的
かつ迅速な定量方法の確立が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、測
定操作及び試料の調製が簡便であるとともに、高感度に
KPI配列を有するAPP(APP751及びAPP7
70)及びその断片を測定することのできる、測定方法
、試薬及びキットを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明者が鋭意研究を行った結果、KPI配列を有するA
PP(APP751及びAPP770)及びその断片の
定量方法として、KPI配列を認識する抗体を少なくと
も1種類用いた2抗体サンドイッチELISA法によっ
て可能となることを見いだし、さらに当該方法により、
測定操作及び試料の調製が簡便であるとともに、高感度
にこれらを定量できる試薬及びキットを作成し、本発明
を完成するに至った。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。サ
ンドイッチELISA法による免疫学的測定方法とは、
抗原上の2つの異なった抗体認識部位(これを抗原決定
基という)にそれぞれ結合する2種類の抗体を用いて抗
原の有無又はその量を測定する方法である。本発明にお
いて用いられる、KPI配列を有するAPPの検出のた
めの抗体としては、一方がKPI配列を特異的に認識す
る抗体であることが要件であり、他方に用いられる抗体
としてはAPP695、APP751、又はAPP77
0等各種APPを認識する抗体であれば特に限定はない
。KPI配列を認識する抗体として例えば本発明実施例
1に記載した抗ZtPIポリクローナル抗体が挙げられ
る。
【0007】他方に用いられる抗体としては、APP6
95、APP751又はAPP770等各種APPを認
識する抗体やAPP695、APP751又はAPP7
70の膜貫通領域からカルボキシル末端までを除去した
各種APP誘導体を認識するポリクローナル抗体やモノ
クローナル抗体等を挙げることができる。例えば、本発
明者らによって作成された、APP695のC末端部分
103アミノ酸(膜貫通領域及び細胞内部分)が欠失し
たAPP695誘導体であるAPP592(実施例参照
)を免疫して得られた、ウサギ抗APP592ポリクロ
ーナル抗体等及びマウス抗APP592モノクローナル
抗体等が挙げられる。モノクローナル抗体の例としては
、微工研菌寄第11942号(FERM  P−119
42,モノクローナル抗体1B2を産生する)、微工研
菌寄第11943号(FERM  P−11943,モ
ノクローナル抗体3B2を産生する)、及び微工研菌寄
第11944号(FERM  P−11944,モノク
ローナル抗体6A3を産生する)のハイブリドーマが産
生する抗体等が挙げられる。或いは、KPI配列上の異
なる抗原決定基を認識する抗体との組み合わせであって
も良い。このような例としては本発明者らによって作成
された抗ZtPIポリクローナル抗体が挙げられる。
【0008】これらの抗体は完全な形の抗体のままで用
い得ることは勿論のこと、その本質的結合能が維持され
る抗体断片、例えば、Fab、Fab′、(Fab′)
2等として用いることもできる。本発明における被検試
料としては特に限定はないが、具体的には、髄液、血液
(血漿及び血清)、尿等が挙げられる。また、脳等の組
織や細胞の抽出物を用いることもできる。
【0009】本発明において用いられる不溶性担体とし
ては、例えはポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリエステル、フッ素樹脂、ガラス、金属及びこ
れらの組み合わせ等を例示することができる。また不溶
性担体の形状としては、例えばトレー状、球状、繊維状
、棒状、盤状、容器状、セル、試験管等の種々の形状で
本発明を実施することができる。多数の被検試料を同時
に測定できる点では、96穴マイクロプレート等が好ま
しい。
【0010】本発明に於いては第2抗体として用いられ
る抗体を直接、酵素や放射性同位元素或いはFITC等
の蛍光物質で標識してもよい。或いは、かかる第2抗体
に対する抗体を標識したものを第3抗体として用いても
よい。或いは第2抗体を、ビオチン等のマーカー化合物
で標識し、このマーカー化合物に特異的に結合する物質
(ビオチンの場合、ストレプトアビジンやアビジン)を
、酵素や蛍光色素、放射性同位元素等で標識したものを
接合させるという方法も用いられる。
【0011】本発明に於いては最終的な検出手段は特に
限定せず、APP751、APP770に共通な配列を
認識する1組の2種類の抗体の一方として、これらのA
PPに含まれるKPI配列を認識する抗体を用いること
が要件であり、かかる組み合わせにより認識固定された
後の検出手段は如何なるものでも構わない。しかしなが
ら、本発明に用いることができる代表的検出法を例示す
ると、第2抗体を酵素、放射性同位元素、蛍光物質或い
は他の結合物質で標識したものを用いる検出方法となる
【0012】酵素を用いる検出方法では、酵素としては
、β−D−ガラクトシダーゼ(β−Gal)、ホースラ
ディッシュパーオキシダーゼ(HRP)、アルカリ性ホ
スファターゼ(AP)等があり、それぞれの酵素に対応
する比色基質、或いは蛍光基質を加え、比色計、または
蛍光光度計を用いて生成物を定量する。上記酵素に対す
る代表的基質としては、β−Galの基質として、o−
ニトロフェニル−β−D−ガラクトシド(比色基質)、
4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトシド(
蛍光基質)等、HRPの基質としてo−フェニレンジア
ミン(比色基質)等、APの基質として、p−ニトロフ
ェニルリン酸(比色基質)等を挙げることができる。放
射性同位元素を用いる検出方法としては、125−I等
で標識された第2抗体を用い、γ−ウェルカウンター等
を用いて放射活性を測定する。また、第2抗体をビオチ
ン標識し、更にアビジンで標識した酵素と反応させ、以
下酵素を用いる検出の場合と同様の反応を行って、検出
することも可能である。また蛍光物質を用いる方法では
、蛍光物質として、フルオレッセインイソチオシアネー
ト(FITC)等を例示することができる。これらは例
示したものに限らず、免疫学的測定方法に使用されてい
るものであれば、他のものでも使用できる。
【0013】本発明で用いる抗体を使用して、RIAを
組むことも可能である。RIAの1つの方法としてAP
P751やAPP770又はその断片を、放射性同位元
素で標識して標識抗原とし、これと試料中の抗原(非標
識抗原)とが、本発明で用いる抗体を不溶性担体に結合
したものに、競争的に結合させ、標識抗原の結合の度合
いで、試料中の抗原量を測定する方法が挙げられる。即
ち、試料中の抗原量が多ければ、不溶性担体に結合した
標識抗原は少なくなり、遊離の標識抗原が多くなる。試
料中の抗原量が少なければ、その逆となる。また、RI
Aの他の方法として、先述した様に、本発明で用いる第
2抗体を放射性同位元素で標識し、試料中の抗原と結合
した標識抗体量を測定する方法も挙げられる。
【0014】次に本発明による、KPI配列を含むアル
ツハイマー病アミロイド前駆体蛋白の測定方法について
具体的に説明する。KPI配列を認識する抗体(第1抗
体)を適当な不溶性担体、例えば96穴ポリスチレン製
マイクロプレートに固定化する(以下これを“固定化抗
体”という)。固定用バッファーとしては、炭酸ナトリ
ウム−炭酸水素ナトリウムバッファー(pH9.6)、
或いはリン酸緩衝塩類溶液(以下PBS(−)と略す)
等が用いられる。固定は、4℃で一晩放置するのが一般
的であるが、例えば、室温で2時間程度静置することも
可能である。このようにして第1抗体を固定したマイク
ロプレートをPBS(−)等によって洗浄する。次いで
不溶性担体と、測定しようとする試薬又は被検試料との
非特異的結合を避けるために、適当な物質、例えば1〜
3%ウシ血清アルブミンやスキムミルク/PBS(−)
溶液で、不溶性担体の表面を被覆する。被覆は、37℃
や室温で2時間程度、静置又はプレートミキサー等で攪
拌しながら行うのが一般的である。被覆後、再びマイク
ロプレートをPBS(−)等で洗浄する。このようにし
て得られた、第1抗体が固定化された不溶性担体を被検
試料と一定時間及び一定温度で接触させ反応させる。反
応は4℃で一晩プレートミキサー等で攪拌しながら行う
のが一般的であるが、室温や37℃で1〜2時間程度行
うことも可能である。この間に固定化抗体(第1抗体)
と被検試料中のKPI配列を含むAPP又はその断片が
結合する。次いでPBS(−)等で洗った後、適当な標
識物質、例えば、β−ガラクトシダーゼ、ホースラディ
ッシュパーオキシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ等
の酵素や、125−I等の放射性同位元素で標識化した
APP695、APP751、及びAPP770を認識
する抗体(第2抗体)の溶液を、不溶性担体上の固定化
抗体に結合したAPP又はその断片と一定時間及び一定
温度例えば、4℃で一晩、或いは室温で1〜2時間接触
させ第2抗体と反応させる。これを再び、PBS(−)
等で洗い、次いで不溶性担体上に存在する第2抗体に標
識された標識物質の量を測定する。酵素を用いる検出方
法では、酵素としては、β−D−ガラクトシダーゼ(β
−Gal)、ホースラディッシュパーオキシダーゼ、(
HRP)、アルカリ性ホスファターゼ(AP)等があり
、それぞれの酵素に対応する比色基質、或いは蛍光基質
を加え、比色計、または蛍光光度計を用いて生成物を定
量する。上記酵素に対する代表的基質としては、β−G
alの基質として、o−ニトロフェニル−β−D−ガラ
クトシド(比色基質)、4−メチルウンベリフェニル−
β−D−ガラクトシド(蛍光基質)等、HRPの基質と
して、o−フェニレンジアミン(比色基質)等、APの
基質としてp−ニトロフェニルリン酸(比色基質)等を
挙げることができる。放射性同位元素を用いる検出方法
としては、125−I等で標識された第2抗体を用い、
γ−ウェルカウンター等を用いて放射活性を測定する。 またアビジンのビオチンに対する高親和性を利用して、
第2抗体をビオチン標識し、更にアビジンやストレプト
アビジンで標識した酵素をと反応させ、以下酵素を用い
る検出の場合と同様の反応を行って、検出することも可
能である。
【0015】一方、被検試料の代わりに種々の濃度の標
準品、例えば組換えDNA法により産生した、精製アル
ツハイマー病アミロイド前駆体蛋白又はその断片、或い
は標準となる髄液や血液、尿などを用いて標準検量線を
作製し、これと、被検試料の測定値を対比させ、被検試
料中のアルツハイマー病アミロイド前駆体蛋白の量を算
出し、定量することができる。第1抗体としてKPI配
列を認識する抗体、第2抗体としてAPPを認識する抗
体について述べたが、第1抗体と第2抗体の組み合わせ
は逆であっても構わないし、第1抗体、第2抗体がKP
I配列上の異なる抗原決定基を認識する抗体との組み合
わせであってもよい。
【0016】本発明に於ける測定試薬は、一方を不溶性
担体に結合した第1抗体と他方の第2抗体とにより構成
される。また、この試薬を能率よく、且つ簡便に利用す
るために、これら抗体以外に種々の補助剤を含めてキッ
トを形成することができる。係る補助剤としては、例え
ば、検量線作製用標準品、試薬を溶解させるための溶解
剤、不溶化担体を洗浄するために使用される洗浄剤、抗
体の標識物質として酵素を使用した場合、酵素活性を測
定するための基質、その反応停止剤等の免疫学的測定試
薬のキットとして通常使用されるものが挙げられる。
【0017】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳述するが、本
発明は該実施例によって限定されるものではない。
【0018】
【実施例1】  抗原、アッセイ用タンパク及び抗体の
作成 [工程1]  抗ZtPI(抗KPI)ポリクローナル
抗体の作成及び精製 [工程1−1]  β−ガラクトシダーゼ・KPI融合
蛋白の大腸菌による発現 (i) 融合タンパク発現プラスミドの構築大腸菌β−
ガラクトシダーゼのN末端にsPI(APP770の2
88番目のArg残基から359番目のArg残基まで
を含む。従ってKPIを含む。)を結合した融合タンパ
ク(ZPI)を発現しうるプラスミドを構築した。具体
的には、発現用ベクターpEX1(ベーリンガー・マン
ハイム山之内社)を制限酵素BamHI及びPstIで
切断し、直鎖状ベクターDNA断片を得た。 一方、欧州特許出願公開番号0304013号の実施例
4に記載のプラスミドpPItrp75−1をBamH
I及びPstIで切断し、アガロースゲル電気泳動後0
.3kbpの断片を、フナコシ社製ジーンクリーン・キ
ットを用いて単離した。得られた2つの断片をT4DN
Aリガーゼを用いて連結せしめた。
【0019】該反応物を、マニアティスらの実験書(T
.Maniatisら、Molecular  Clo
ning.A  Laboratory  Manua
l、Cold  Spring  Harbor  L
aboratory(1982))に記載されている方
法に従って調製した大腸菌POP2136株(ベーリン
ガー・マンハイム山之内社)コンピテントセルに加え、
形質転換せしめた。アンピシリン耐性形質転換コロニー
6個を選び、各プラスミドを抽出し、BamHI及びP
stIで切断し解析したところ、すべて目的とするプラ
スミドを有してした。得られたプラスミドをpEX−Z
PIと命名した。本プラスミドは、ラムダ・ファージ由
来のPRプロモーターの制御により、β−ガラクトシダ
ーゼ・KPIの融合タンパクを発現しうる。
【0020】(ii) 融合タンパクの生産本実施例工
程1−1の(i) で得たプラスミドpEX−ZPIを
保持する大腸菌POP2136/pEX−ZPIを、5
0μg/mlのアンピシリン含有L培地で、30℃一晩
培養せしめた。本培養液1mlを、50μg/mlアン
ピシリン含有L培地50mlに添加し、30℃にて3時
間培養した後、42℃の恒温培養槽に移し、さらに3時
間培養した。42℃において、ラムダ・ファージPRプ
ロモーターのリプレッサーは不活化され、PRプロモー
ターが作動することによって、目的とする融合タンパク
が生産される。
【0021】該培養液を遠心分離し、菌体を集め、菌体
の一部を、レムリーの方法〔Laemmli、U.K.
,Nature、227.680−685(1970)
〕に従って、SDS・サンプルバッファー中で煮沸後、
10%ポリアクリルアミドゲルを用いてSDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動に供した。泳動後、ゲルをク
マシー染色した結果、分子量約120Kdの目的とする
融合タンパクが存在することが確認された。以下このβ
ガラクトシダーゼ・KPI融合タンパクをZPIと略す
【0022】(iii)ZPIの可溶化本実施例工程1
−1の(ii)で得た培養菌体の一部を、尿素を終濃度
0M,2M,4M,6M,8Mをそれぞれ含む20mM
トリス塩酸(pH8.0)に懸濁し、オータケ・ソニケ
ーター(大岳製作所)を用いて菌体を超音波破壊し、遠
心分離により不溶物を集めた。得られた不溶物を本実施
例工程1−1の(ii)と同様に処理して、SDSポリ
アクリルアミドゲル電気泳動法により解析した。
【0023】クマシー染色の結果、目的物ZPIのバン
ドは、尿素0M,2Mおよび4M含有バッファーで抽出
した不溶画分では検出されたが、尿素6Mおよび8M含
有バッファー抽出後の不溶画分では認められなかった。 以上の結果から、目的融合タンパクは産生後大腸菌体内
で不溶物としてタンパク封入体(Inclusion 
 body)を形成し、この不溶物は6M以上の尿素で
可溶化されることが判明した。
【0024】(iv) ZPIの部分精製本実施例工程
1−1の(ii)と同様にして、大腸菌POP2136
/pEX−ZPIを培養し、200mlの培養液から菌
体を回収した。該培養菌体を、40mlの4M尿素を含
む20mMトリス塩酸(pH8.0)バッファーに懸濁
し、菌体を超音波破壊した。菌体破壊物を遠心分離(1
0000×g,10分間)し、沈澱物を回収した。次い
でこの沈澱物を20mlの8M尿素を含む20mMトリ
ス塩酸(pH8.0)バッファーに再懸濁し、超音波処
理により沈澱を分散せしめた。遠心分離(10000×
g,10分間)後上清を回収した。以上の操作により、
4M尿素で可溶な大腸菌タンパク、および8M尿素に不
溶な大腸菌タンパクが除去され、ZPIの部分精製液が
得られた。この部分精製液の一部をSDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動法で解析したところ、全タンパク
質のうち50%以上が目的融合タンパクZPIであった
【0025】(v)プロテアーゼインヒビター領域の抽
出本実施例工程1−1の(iv)で得たZPI部分精製
液20mlを、20mMトリス塩酸(pH8.0)2L
に対して2回透析し、尿素を除去せしめると同時にタン
パクの立体構造を回復せしめた。得られた透析液を37
℃にて保温した後、TPCK処理済みトリプシン固定化
アガロースビーズ(シグマ社)100単位を加え、37
℃で1時間振とうすることにより、ZPI中のβガラク
トシダーゼ領域を切断すると同時にプロテアーゼインヒ
ビター領域を吸着させた。かかる懸濁液を、5′プライ
ム→3′プライム社のセレクトSTM空カラムに充填し
、アガロースビーズを回収した。アガロースビーズとバ
ッファーとの分離は、1,000rpm、1分間の遠心
操作により行った(以下の記述中のアガロースビーズの
回収も同様にして行った)。回収したビーズを、0.3
M  NaCl、10mM  CaCl2 、10mM
  HCl(pH2)からなる溶出液6mlで溶出した
。溶出は計3回行い、各溶出液を5NNaOHを用いて
中和した後、トリプシン阻害活性を測定した。阻害活性
の測定は、欧州特許公開番号0304013号実施例4
に記載のsPIのトリプシン阻害活性測定と同様の方法
によった。
【0026】各溶出液に含まれるトリプシン・インヒビ
ター活性濃度は、溶出分画の順に、BPTIに換算して
16.4μg/ml、1.5μg/ml、0.27μg
/mlであった。これらの溶出分画を、ZtPI画分と
する。 (vi) プロテアーゼ・インヒビターの解析本実施例
工程1−1の(v) で得た溶出液に、あらかじめ−2
0℃に冷却したアセトンを4倍容量加え、−20℃にて
1時間冷却した。さらに、冷却遠心分離(10,000
×g15分間)し、沈澱を回収し、得られた沈澱を1m
lの20mMトリス塩酸(pH7.5)に再溶解した。 本実施例工程1−1の(v) と同様にしてトリプシン
阻害活性量を測定した。その結果、欧州特許公開番号0
304013号実施例4に記載のsPIに換算して62
μg相当のトリプシン・インヒビターが含まれているこ
とが判明した。
【0027】得られたインヒビター溶液の一部を、SD
S−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により解析した
ところ、分子量約6Kdのメジャーな蛋白質が検出され
た。 [工程1−2]  抗ZtPI抗血清の作成本実施例工
程1−1の(iv)で得られたZPI300μgを、前
述したレムリーの方法によるSDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動で用いるサンプルバッファー(2%SD
S、5%β−MEを含む、ただし色素は加えなかった)
中で、100℃で5分間処理したのち、4倍容のアセト
ンを加え、−20℃で1時間冷却を行い、9000回転
20分間の遠心操作を行い、沈澱を回収した。その沈澱
をPBS(−)に懸濁し、これとフロイント完全アジュ
バント(FCA)とをよく混合してウサギに皮下注射し
た。31日後にFCAのかわりにフロイント不完全アジ
ュバントを用いた以外は同じ処理(免疫)を行った。さ
らに14日後、300μgの本実施例工程1−1の(v
) で得られたZtPIを同様の処理を行い免疫した。 さらに16日後、ZtPIを用いて同じ処理を行った。 さらに15日後、欧州特許公開番号0304013号実
施例4に記載のsPI150μgを同じ処理をして免疫
した。このウサギから50ml採血し、抗血清を得た。 以後この抗血清を抗ZtPI抗血清と呼ぶ。血清中の抗
体価は、非変性及びSDS変性のsPI(25ng/ウ
ェル)を抗原とする固相ELISAによって行った。最
終的に得られた抗血清の力価は、対照(抗原なしのウェ
ル)の3倍以上の発色を示す抗血清の希釈度で示すと、
非変性sPIに対して64000倍、SDS変性sPI
に対して128000倍であった。また尿中トリプシン
インヒビター(日本ケミカルリサーチ社)とは全く反応
しなかった。即ち、本抗ZtPI抗血清はKPI配列に
対する高い特異性と抗体価を有することがわかった。 [工程1−3]  抗ZtPI  IgGの精製本実施
例工程1−2で得た抗ZtPI血清20mlを56℃に
て30分インキュベートして非働化させた後、等量のP
BS(−)を加えて希釈し、4℃で100%飽和硫安溶
液(予め0.1Nアンモニア溶液にてpH6.5に調整
したもの)を最終濃度33%飽和になる様攪拌しながら
徐々に加えた。加え終わってから更に12時間攪拌を続
けた後、3000×gで30分間冷却遠心した。 得られた沈澱を50%飽和硫安溶液に懸濁し、再び冷却
遠心して沈澱を得た。沈澱を10mlの10mMリン酸
ナトリウムバッファー(pH8.0)に溶解し、透析チ
ューブにつめて5Lの同バッファーに対して3回透析を
行った。得られた透析試料を予め10mMリン酸ナトリ
ウムバッファー(pH8.0)で平衡化させたDEAE
−セルロースカラム(DE52、ワットマン社)にアプ
ライし、同バッファーで溶出させた。素通り画分を集め
、セントリプレップTM30(アミコン社)で濃縮し、
15.7mgの部分精製抗ZtPI抗体を得た。部分精
製抗体をアフィプレップTMプロテインAカートリッジ
(バイオラッド社)を用い、バイオラッド社発行添付プ
ロトコールに従って、更に精製を行い、精製抗ZtPI
  IgG12.7mgを得た。 [工程2]  APPの調製 (i) APP592の調製 APP695のC末端側103アミノ酸を欠失させた蛋
白である592アミノ酸(シグナルペプチドを含む)か
ら成るAPP592(図2)は、欧州特許公開番号03
04013号実施例1に記載の方法で得たヒト老人斑ア
ミロイド前駆体APP695cDNAから出発して、上
述欧州特許公開番号0304013号実施例5に記載の
方法でサル腎臓由来のCOS−1細胞で産生させ培養上
清中へ分泌させ、精製した。以下詳述する。
【0028】欧州特許公開番号0304013号実施例
5工程2記載のプラスミドpSVMT592をCOS−
1細胞に導入した。即ち、pSVMT592  20μ
gを、1×106 個のCOS−1細胞に対し、ショ糖
含有PBS(272mMショ糖、7mMリン酸ナトリウ
ム(pH7.4)1mMMgCl2)中で、バイオラッ
ド社のジーンパルサーTMを用い、電圧400V、キャ
パシター3μF,1.0〜1.3m秒で、30秒の間隔
をおいて2回電気パルスを与えることにより導入を行っ
た。導入後の細胞を、10%ウシ胎児血清(以下FCS
と略す)を含むダルベッコの変法最小基本培地中で37
℃、5%CO2 の条件下で24時間培養後、ダルベッ
コのリン酸緩衝塩類溶液(Ca2+、Mg2+不含)(
以下PBS(−)と略す)で洗浄し、FCSを除いた後
、FCSを含まない培地に交換し、以後48時間毎に培
地を交換し、計3回培養上清を回収した。更に導入を3
0回行い、計900mlの培養上清を得た。
【0029】ついで、プラスミド導入COS細胞の培養
上清に対し終濃度2mMになるよう(p−アミジノフェ
ニル)メタンスルホニルフルオリド塩酸塩(和光純薬工
業株式会社)を添加し、CentriprepTM30
(アミコン社)を用いて濃縮を行いさらに同装置中で2
0mMTris−塩酸(pH8.0)にバッファー交換
を行った。次に、DEAE−Sepharoseカラム
(ファルマシア社)を用い、上記試料をアプライし、2
0mMTris−塩酸(pH8.0)、NaCl勾配0
−1Mの条件でカラムクロマトグラフィーを行った。ク
ロマトグラフィーの各画分について、後述する参考例2
において大腸菌で発現させたAPP19−379 (Z
KX)に対して作成したウサギ抗APP19−379 
(ZKX)抗血清を用いた固相ELISAを行い、AP
P溶出位置を同定した。(ZKXは、APP770中の
N末端から19番目のアミノ酸残基から379番目のア
ミノ酸残基までを含むポリペプチドとβ−ガラクトシダ
ーゼとの融合タンパクであり、大腸菌中に発現させ、6
M尿素による可溶化を行い精製した。(精製法は参考例
2で詳述した。)ZKXは、APP770、APP75
1、APP695に共通な配列のほかに、プロテアーゼ
インヒビター部分及びAPPP770に特異的な配列を
含むが、APPの膜貫通領域からC末端までの配列は含
まない)。 APP592は、0.3−0.4MNaClで溶出され
た。ELISA陽性画分をセントリコンTM30(アミ
コン社)を用いて濃縮し、さらに同装置中で50mMリ
ン酸ナトリウム(pH7.2)にバッファー交換した。
【0030】次にヘパリンカラムを用いたアフィニティ
ークロマトグラフィーを行った。即ち、DEAE−Se
pharoseカラム(ファルマシア社)による部分精
製画分をヘパリン−5PWカラム(東ソー株式会社)に
アプライし、NaCl勾配0−2Mの条件でクロマトグ
ラフィーを行った。クロマトグラフィーの各画分につい
て同様にウサギ抗APP19−379 (ZKX)抗血
清を用いた固相ELISAを行い、APP592溶出位
置を同定した。APP592は1.0−1.2MNaC
lで溶出した。ELISA陽性画分をセントリコンTM
30(アミコン社)を用いて濃縮後、20mMTris
−塩酸(pH8.0)にバッファー交換した。これらを
7.5%SDS−PAGEにかけ、Coomassie
染色を行い、純度及び分子量の確認を行った。pSVM
T592を導入したCOS−1細胞培養上清から、上記
操作を行うことにより得られたタンパクは、SDS−P
AGE上でややブロードな単一バンドであり、見かけの
分子量は94.5kDaと決定された。更に、この蛋白
のN末端のアミノ酸配列を、アプライド社気相シーケン
サーで解析したところ、APP695のうちシグナルペ
プチド(N末端から17アミノ酸)が除去された、AP
P695のN末端から18番目のLeuから33番目の
Glnまでのアミノ酸配列(APP751、APP77
0にも共通)が確認された。こうして、精製APP59
2が得られた。
【0031】(ii) APP648及びAPP667
の調製 APP751、APP770各々のC末端側103アミ
ノ酸を欠失させた蛋白である、648アミノ酸(シグナ
ルペプチドを含む)から成るAPP648(図2)、及
び、667アミノ酸(シグナルペプチドを含む)から成
るAPP667(図2)は、欧州特許公開番号0304
013号実施例5工程2記載のプラスミドpSVMT6
67、及びpSVMT648を、本実施例工程2(i)
 と同様にして、COS−1細胞への導入、培養上清の
回収、精製を行った。精製に際しては、クロマトグラフ
ィーの各フラクションの確認に、ウサギ抗APP19−
379 抗血清の他に、APP667については、特開
平2−138995号公報の実施例9で得たモノクロー
ナル抗体ADJ5−3−7(微工研菌寄第10388号
)も用いた。さらに、APP667及びAPP648に
ついては、そのトリプシン阻害活性も確認手段の一つと
し、その両者とも強い阻害活性を示すことを確認した(
阻害活性測定は、欧州特許公開番号0304013号実
施例に記載のsPIのトリプシン阻害活性測定の方法に
準じて行った)。精製したAPP648、APP667
の分子量は、還元条件下のSDS−PAGEで、それぞ
れ100.5kDa、105.5kDaであった。 [工程3]  抗APP抗体の作製 [工程3−1]  抗APPモノクローナル抗体産生ハ
イブリドーマ3B2及び6A3の作製 (i)マウスの感作 ハイブリドーマ作成のための抗原は、以下のようにして
調製した。本実施例工程2(i) で得た精製APP5
92をPBS(−)に溶かし、LaemmliのSDS
−PAGEサンプルバッファー(Laemmli  U
.K.Nature227  680−685(197
0))中で100℃、3分間煮沸後、4倍容のアセトン
を加え、−20℃で1時間冷却を行い、9000回転2
0分間の遠心操作を行った。こうして過剰量のSDSを
除去し、沈査よりSDS変性APP592を回収し、こ
れをハイブリドーマ作成のための抗原として用いた。免
疫は20μgのSDS変性APP592を500μlの
PBS(−)に溶かしたものをそれぞれ3匹の6週齢の
Balb/c雌マウスの皮下にフロイントの完全アジュ
バントと共に注射し、以後2週間の間隔で合計3回の免
疫を行った。さらに、1週間の間隔で2回皮下注射を行
った。
【0032】免疫の過程で抗原に対する血清の抗体価の
上昇を単クローン抗体実験マニュアル(講談社サイエン
ティフィク富山朔二著)に従って、固相ELISA法に
より確認した。 (ii) 細胞融合 単クローン抗体実験マニュアル(講談社サイエンティフ
ィク富山朔二著)に従って細胞融合を行った。即ち、血
清の抗体価の最も高かったマウスに200μlのPBS
(−)に溶かした25μgのSDS変性APP592を
尾静脈より注射し、ブーストとした。その3日後に、脾
細胞を無菌的に取り出し、ステンレスメッシュで単細胞
にほぐし、脾細胞の1/5量の8−アザグアニン耐性骨
髄細胞腫株P3X63−Ag8−653細胞(株式会社
  免疫生物研究所より入手)と、MediaI培地(
株式会社  免疫生物研究所)を混合し、遠沈後、細胞
のペレットに50%PEG1500(ベーリンガー社製
)を加え、融合操作を行った。
【0033】その後、融合細胞を遠心して上清を吸引除
去した後、30%FCS入りHAT培地を加え、96穴
マイクロプレート11枚にまいた。融合後、約2週間で
約950ウェルからコロニーが生育し、これらの培養上
清についてSDS変性APP592をスクリーニング用
抗原とした固相ELISAを行い、抗原と強く反応する
クローンを得、限界希釈法によるクローニングを3回繰
り返した。3回のクローニングにより安定した抗体産生
を示す2つのクローンを3B2及び6A3と各々命名し
、これを平成3年1月10日付けで微生物工業技術研究
所に寄託した。(3B2の受託番号は、微工研菌寄第1
1943号、および、6A3のそれは微工研菌寄第11
944号)。これらのハイブリドーマが産生するモノク
ローナル抗体3B2及び6A3の反応性を本実施例工程
2(i) 及び(ii)で作成した、APP667、A
PP648、APP592に対して検討したところ、後
述するように、SDS変性、非変性何れの条件でもこれ
ら3種のAPP誘導体と強く反応した。即ち、これらの
モノクローナル抗体は、APP770、APP751、
APP695の何れをも認識できることがわかった。 [工程3−2]  抗APPモノクローナル抗体産生ハ
イブリドーマ1B2の作製 (i) マウスの感作 後述するように参考例2で得たZKXを、上述の本実施
例工程3−1(i) 記載と同様の方法で変性させた。 このSDS変性ZKX20μgを500μlのPBS(
−)に溶かしたものをそれぞれ4匹の6週齢のBalb
/c雌マウスの皮下にフロイントの完全アジュバントと
共に注射し、2週間後に同様の免疫を行った。さらに、
2週間の間隔で、SDS変性ZKXの免疫を、フロイン
トの不完全アジュバントを用いて6回行った。その2週
間ののちSDS変性ZKX20μgを静注した。約1カ
月後、今度は20μgのSDS変性APP592をフロ
イントの完全アジュバントと共に皮下に注射し、さらに
1週間後同様にしてAPP592による免疫を行った。
【0034】免疫の過程で抗原に対する血清の抗体価の
上昇を本実施例工程3−1と同様にして、固相ELIS
A法により確認した。 (ii) 細胞融合 血清の抗体価の最も高かったマウスに200μlのPB
S(−)に溶かした25μgのSDS変性APP592
を尾静脈より注射し、ブーストとした。これ以降の操作
は、本実施例工程3−1(ii)と同様に行い、APP
592と強く反応するクローンを得、限界希釈法による
クローニングを3回繰り返した。3回のクローニングに
より安定した抗体産生を示すクローンを1B2と命名し
、これを平成3年1月10日付けで微生物工業技術研究
所に寄託した(微工研菌寄第11942号)。このハイ
ブリドーマが産生するモノクローナル抗体1B2の反応
性を本実施例工程2(i) 及び(ii)で作成した、
APP667、APP648、APP592に対して検
討したところ、後述するように、SDS変性、非変性何
れの条件でもこれら3種のAPP誘導体と強く反応した
。即ち、モノクローナル抗体1B2は、APP770、
APP751、APP695の何れをも認識できること
がわかった。 [工程4]  モノクローナル抗体の特徴づけ(i)免
疫グロブリンのクラス及びサブクラスの決定モノクロー
ナル抗体1B2,3B2,6A3の免疫グロブリンのク
ラス及びサブクラスをアイソタイピングキット(アマー
シャム社)を使用して決定した。その結果、1B2につ
いてはIgG2b、L鎖はk、3B2についてはIgG
2b、L鎖はk、6A3についてはIgG2a、L鎖は
kと決定された。 (ii)特異性の決定 上記モノクローナル抗体の特異性を以下に示す試験によ
り決定した。
【0035】各種APP(APP667、APP648
、APP592)を用い、非変性及びSDS−変性処理
を行い、通常の固相ELISA法を用いて判定を行った
。一次抗体として上記モノクローナル抗体を2μg/m
lのIgG濃度で加え、二次抗体はβ−ガラクトシダー
ゼ標識ヒツジF(ab′)2 抗マウスIg(アマーシ
ャム社)を用い、基質は4−メチルウンベリフェリル−
β−D−ガラクトピラノシドを用い、30分間酵素反応
を行った後、蛍光リーダーFCA(PANDEX社)を
用いて蛍光強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0036】本発明によるモノクローナル抗体、1B2
、3B2、6A3は、いずれも、3種のAPP(APP
667、APP648及びAPP592)のすべてを、
強く認識した。ネガティブコントロールとしてウシ血清
アルブミン(BSA)との反応性も検討したが、これら
3つのモノクローナル抗体はBSAとは全く反応しなか
った。 [工程5]  腹水化モノクローナル抗体からのIgG
の精製 大量のモノクローナル抗体を得るため工程3で得た1B
2、3B2、6A3の各ハイブリドーマ1×107 個
を、MediaI培地(株式会社  免疫生物研究所)
0.5mlに浮遊させ、予め1週間前に腹腔内に0.5
mlのプリスタン(アルドリッチ社)投与しておいたB
alb/cマウスの腹腔に注射した。約2週間で腹部の
肥大が認められ、腹腔切開により腹水を採取した。各ハ
イブリドーマにつき7匹のマウスを処理し、各々約10
mlずつの腹水を得た。得られた各ハイブリドーマ由来
腹水5mlずつを、アフィプレップTMプロテインAカ
ートリッジ(バイオラッド社)を用いて精製を行った。 精製はバイオラッド社発行の添付プロトコールに従った
。 1B2クローンから7.9mg、3B2クローンから4
.3mg、6A3クローンから3.3mgの精製IgG
が得られた。 〔工程6〕抗体のビオチン化 本実施例工程1−3及び工程5で得た抗ZtPI抗体及
び1B2、3B2及び6A3精製モノクローナル抗体各
2mgを用い、免疫実験操作法(第9巻、3539−3
549  1982  日本免疫学会編)に従って抗体
のビオチン化を行った。予め0.1MNaHCO3 溶
液に対して透析、バッファー交換を行い、濃度を1mg
/mlに調整しておいた精製1B2、3B2、6A3、
及び抗ZtPI抗体に、1mg/mlの濃度に調整した
NHS−ビオチン(N−ヒドロキシサクシニミド−ビオ
チン、ピアス社)のジメチルスルホキシド溶液280μ
lを加え、室温で4時間静かに攪拌した。次に、4°C
で3LのPBS(−)に対して4回の透析を行い、ビオ
チン標識1B2、3B2、6A3及び抗ZtPI抗体を
得た。
【0037】
【実施例2】  抗ZtPI抗体と抗ZtPI抗体の組
み合わせによる2抗体サンドイッチELISA実施例1
工程1−3で得た精製抗ZtPI抗体を5μg/mlの
濃度で0.1M炭酸ナトリウム−炭酸水素ナトリウムバ
ッファー(pH9.6)に溶解し、96穴マイクロプレ
ートに1ウェルあたり50μlずつ加え、室温で2時間
静置した。プレートをPBS(−)で3回洗浄の後、1
%ウシ血清アルブミン(シグマ社)を含むPBS(−)
を加え、37°Cで2時間被覆した。次に0.1%ウシ
血清アルブミンを含むPBS(−)中で希釈した精製A
PP667標準液(2〜2000ng/ml)を加え、
攪拌しながら室温で1時間処理を行った。次に、0.0
5%のTween−20を含むPBS(−)でプレート
を3回洗浄した後、実施例1の工程6で得たビオチン標
識した精製抗ZtPI  IgGを1μg/mlの濃度
で50μlずつ各ウェルに加え、攪拌しながら室温で1
時間反応を行った。0.05%のTween−20を含
むPBS(−)で3回洗浄した後、β−ガラクトシダー
ゼ標識アビジンD(ベクター社)を加え、更に攪拌しな
がら室温で1時間反応させた。0.05%のTween
−20を含むPBS(−)で5回洗浄の後、2mM  
MgCl2 を含むPBS(−)中に溶かした4−メチ
ルウンベリフェリル−β−D−ガラクトピラノシド(1
mg/ml)を加え、室温で30分反応させた後、FC
A(PANDEX社)で蛍光強度を測定した。結果は図
3に示す様に検出限界が約1ng/ウェルであった。
【0038】
【実施例3】  抗ZtPI抗体と1B2モノクローナ
ル抗体の組み合わせによる2抗体サンドイッチELIS
A実施例2と同様の方法を用いて抗ZtPI抗体と1B
2モノクローナル抗体との組み合わせによる2抗体サン
ドイッチELISAの検討を行った。結果は図4に示す
様に検出限界が約3ng/ウェルであった。
【0039】
【実施例4】  抗ZtPI抗体と3B2モノクローナ
ル抗体の組み合わせによる2抗体サンドイッチELIS
A実施例2と同様の方法を用いて抗ZtPI抗体と3B
2モノクローナル抗体の組み合わせによる2抗体サンド
イッチELISAの検討を行った。結果は図5に示す様
に検出限界が約5ng/ウェルであった。
【0040】
【実施例5】  抗ZtPI抗体と6A3モノクローナ
ル抗体の組み合わせによる2抗体サンドイッチELIS
A実施例2と同様の方法を用いて抗ZtPI抗体と抗6
A3モノクローナル抗体の組み合わせによる2抗体サン
ドイッチELISAの検討を行った。結果は図6に示す
様に検出限界が約2ng/ウェルであった。
【0041】
【参考例1】  抗ZtPI抗体を用いたRIA(ラジ
オイムノアッセイ)法によるAPP667の検出(i)
  バッファー 150mM  NaCl、0.1%ゼラチン(バイオラ
ッド社)及び0.02%NaN3 を含む50mMリン
酸ナトリウムバッファー(pH7.0)を調製し、バッ
ファーAとした。
【0042】(ii)  125I−APP667の調
製実施例1工程2(ii)で得た精製APP667をボ
ルトン−ハンター法(Boltonら、Biochem
.J.133、529−539、1973)によって1
25 I標識し、 125I−APP667を得た。 (iii)  APP667標準液の調製実施例1工程
2(ii)で得た精製APP667を20mM  Tr
is−HCl(pH8.0)に溶解し、バッファーAで
希釈し、種々の濃度のAPP667標準液を作成した。
【0043】(iv)   APP667のRIAAP
P667標準液100μlを、バッファーAで1μg/
mlの濃度に調製した精製抗ZtPI抗体(実施例1工
程1−1(viii))溶液200μl、 125I−
標識APP667のバッファーA溶液100μl(10
000cpm)、及びバッファーA200μlを加えて
混和後、4°C、18時間インキュベートした。デキス
トラン−炭素液(デキストランT−70(フナコシ薬品
株式会社)、0.0025%溶液と活性炭Norit 
 A(シグマ社)0.25%液で等量混合した液)20
0μlを添加して、4°Cで18時間静置後、2.50
0×gで20分間遠心分離し、上清の放射能をガンマウ
ェルカウンターにて測定した。測定限界は約10ng/
アッセイであった。
【0044】
【実施例6】  APP検出用キットの作製第1抗体と
して抗ZtPI抗体、第2抗体としてビオチン標識−抗
ZtPI抗体、標準APPとして精製APP667、標
識検出試薬としてβ−ガラクトシダーゼ標識−ストレプ
トアビジン、4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガ
ラクトピラノシド、基質溶解剤としてジメチルスルホキ
シド、バッファーとしてPBS(−)、洗浄剤としてT
ween−20、酸素反応用バッファーとして1mMM
gCl2 含有PBS(−)、被覆剤としてウシ血清ア
ルブミンを用い、APP検出キットを作製した(表2)
。このキットを用いてKPI配列を含むAPPの検出を
行った。
【0045】粉末PBS(−)(日水製薬株式会社)9
.6gを精製水に溶解し、1lのPBS(−)溶液とし
た。洗浄剤としてTween−20を用いて0.05%
Tween−20を含有するPBS(−)溶液を調製し
た。被覆剤としてウシ血清アルブミン1gを100ml
のPBS(−)に溶解し、1%ウシ血清アルブミン溶液
とした。
【0046】第1抗体は抗ZtPI抗体1mgを1ml
のPBS(−)に溶解したものを200倍濃縮液として
調製した。第2抗体はビオチン標識−抗ZtPI抗体1
mgを1mlのPBS(−)に溶解したものを1000
倍濃縮液として調製した。β−ガラクトシダーゼ標識−
ストレプトアビジン1mgを1mlのPBS(−)に溶
解したものを1000倍濃縮液として調製した。
【0047】β−ガラクトシダーゼの基質として4−メ
チルウンベリフェリル−β−D−ガラクトピラノシド1
0mgを100μlのジメチルスルホキシドに溶解した
ものを500倍濃縮液として用時調製した。標準APP
(精製APP66710μg及び10mgのウシ血清ア
ルブミンを含むPBS(−)溶液1mlの凍結乾燥品)
は1mlの精製水に溶解した。
【0048】各調製した試薬で、実施例2に準じてKP
I配列を含むAPPの検出を実施し、同様の結果を得た
【0049】
【実施例7】  本キットを用いたヒト髄液中のKPI
配列を含むAPPの定量 2名のアルツハイマー病患者から得られた髄液を検体と
して、本発明実施例6記載のキットを用いて、髄液中の
全APPを定量した。方法は実施例2に準じた。結果は
、549ng/ml及び403ng/mlであった。
【0050】
【参考例2】  免疫用抗原ZKXタンパク及び抗ZK
X抗体の作成 [工程1]  免疫用抗原ZKXの調製まず、βーガラ
クトシダーゼの一部分と、APP770のN末端から数
えて19番目残基から379番目残基までの断片との融
合蛋白であるZKXの産生について述べる。
【0051】[工程1−1]発現プラスミド  pEX
−ZKXの構築 発現用ベクターpEX2(ベーリンガー・マンハイム山
之内社)を 制限酵素Bsu36I(MstII)及び
SalIで切断し、直鎖状ベクターDNA断片を得た。 一方、欧州特許出願88113283.1号(公開番号
0304013号、対応の日本出願は特願昭63−20
1998号)の実施例1に記載のプラスミドpGBP2
(ATCC−67502)をKpnI及びXhoIで切
断し、アガロースゲル電気泳動によりAPP770のN
末端側約360残基をコードするDNA断片を、フナコ
シ社製ジーン・クリーン・キットを用いて単離した。さ
らに配列表記載の6つの合成リンカー、1、2,3,4
、5、6(これらのリンカーをアニールさせると図7に
示したようにMstII切断末端とKpnI切断末端を
有し、pEX2のMstIIサイトに結合してもフレー
ムはずれずに連続するアミノ酸をコードする)をアプラ
イドバイオシステムズ社DNA合成機380Aを用いて
合成し、さきに得られた2つのDNA断片とともにT4
DNAリガーゼを用いて連結せしめた。図7にこの概要
を示す。
【0052】該反応物を、マニアティスらの実験書に記
載されている方法に従って調製した大腸菌POP213
6株(ベーリンガー・マンハイム山之内社)コンピテン
トセルに加え、形質転換せしめた。アンピシリン耐性形
質転換コロニー6個を選び、各プラスミドを抽出し、B
amHIで切断し解析したところ、すべて目的とするプ
ラスミドを有していた。得られたプラスミドをpEX−
ZKXと命名した。本プラスミドは、ラムダ・ファージ
由来のPR プロモーターの制御により、βガラクトシ
ダーゼのN末端約150アミノ酸とAPP770のN末
端から数えて19番目残基から379番目残基までの配
列を含む融合タンパクZKXを発現しうる。ZKXは、
APP770、APP751、APP695に共通な配
列の一部のほかに、プロテアーゼインヒビター部分及び
APPP770特異的な配列を含むが、APPの膜貫通
領域からC末端までの配列は含まない。
【0053】[工程1−2]  融合タンパクの生産参
考例2工程1−1で得たプラスミドpEX−ZKXを保
持する大腸菌POP2136/pEX−ZKXを、50
μg/mlのアンピシリン含有L培地で、30℃一晩培
養せしめた。本培養液1mlを、50μg/mlアンピ
シリン含有L培地50mlに添加し、30℃にて3時間
培養した後、42℃の恒温培養槽に移し、さらに3時間
培養した。42℃において、ラムダ・ファージPR プ
ロモーターのリプレッサーは不活化され、PR プロモ
ーターが作動することによって、目的とする融合タンパ
クが生産される。
【0054】該培養液を遠心分離し菌体を集め、菌体の
一部を、レムリーの方法[Laemmli  U.K.
、Nature  227  680−685  (1
970)]に従って、SDS−PAGEサンプルバッフ
ァー中で煮沸後、10%ポリアクリルアミドゲルを用い
てSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した。 泳動後、ゲルをクマシー染色した結果、分子量約58k
Daの目的とする融合タンパクが存在することが確認さ
れた。以下、この部分βガラクトシダーゼ・部分APP
770融合タンパクをZKXと略す。 [工程1−3]ZKXの部分精製 参考例2工程1−2と同様にして、大腸菌POP213
6/pEX−ZKXを培養し、200mlの培養液から
菌体を回収した。該培養菌体を、40mlの4M尿素を
含む20mMトリス塩酸(pH8.0)バッファーに懸
濁し、菌体を超音波破壊した。菌体破壊物を遠心分離(
10000×g、10分間)し、沈澱物を回収した。 次いでこの沈澱物を20mlの8M尿素を含む20mM
トリス塩酸(pH8.0)バッファーに再懸濁し、超音
波処理により沈澱を分散せしめた。遠心分離(1000
0×g、10分間)後上清を回収した。以上の操作によ
り、4M尿素で可溶な大腸菌タンパク、および8M尿素
に不溶な大腸菌タンパクが除去され、ZKXの部分精製
液が得られた。この部分精製液の一部をSDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動法で解析したところ、全タン
パク質のうち50%以上が目的融合タンパクZKXであ
った。ZKXのトリプシン阻害活性を、欧州特許公開番
号0304013号実施例に記載のsPIのトリプシン
阻害活性測定方法に準じて測定したところ強い阻害活性
を示した。また、本発明実施例1工程6記載の抗ZtP
I抗血清を用いたウエスタンブロットでも、このZKX
は強く反応した。
【0055】[工程1−4]抗ZKX抗血清の作成参考
例2工程1−3で得られたZKXを兎に免疫して抗血清
を得た。即ち、実施例1工程3記載のSDS変性APP
592作成と同様の方法でSDS変性ZKXを作成し、
200μgのSDS変性ZKXを1mlのPBS(−)
に溶かしたものを、それぞれ2匹の家兎の背中の皮下に
フロイントの完全アジュバントと共に注射し、以後2週
間の間隔でフロイントの不完全アジュバントと共に合計
6回の免疫を行った。血清中の抗体価は、非変性及びS
DS変性のZKX(25ng/ウェル)を抗原とする固
相ELISAによって行った。最終的に得られた抗血清
の力価は、対照(抗原無しのウェル)の2倍以上の発色
を示す抗血清の希釈度で示すと、非変性ZKXに対して
16000倍、SDS変性ZKXに対して32000倍
であり、実施例1工程2記載のAPP667、APP5
92、さらに本実施例1工程(vi)記載のZtPIに
対しても強く反応した。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】本発明の測定方法、試薬及びキットを用
いることにより、KPI配列を含むアルツハイマー病ア
ミロイド前駆体蛋白及びその断片が簡便に且つ、高感度
に検出、定量することが可能となり、アルツハイマー病
の診断方法、試薬及び診断キットとして有用である。ま
た、アルツハイマー病アミロイド前駆体蛋白を用いる研
究の場に於ける研究試薬としても有用である。
【0059】
【配列表】
【0060】 配列番号:1 配列の長さ:39 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:他の核酸  合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:リンカー1 配列 TGAGGCCGAT ACTGCTGTCG TCC
CCTCAAA CTGGCAGAT        
                  39
【0061
】 配列番号:2 配列の長さ:42 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:他の核酸  合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:リンカー2 配列 GCACGGTTAC GATGCGCCCA TGT
ACACCAA CGTAACCTAT CC    
                  42
【0062
】 配列番号:3 配列の長さ:50 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:他の核酸  合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:リンカー3 配列 CATTACGGTC AATCCGCCGT TTG
TTCCCAC GGGATCCATG AGCTCG
GTAC              50
【0063
】 配列番号:4 配列の長さ:42 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:他の核酸  合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:リンカー4 配列 CGAGCTCATG GATCCCGTGG GAA
CAAACGG CGGATTGACC GT    
                  42
【0064
】 配列番号:5 配列の長さ:42 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:他の核酸  合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:リンカー5 配列 AATGGGATAG GTTACGTTGG TGT
ACATGGG CGCATCGTAA CC    
                  42
【0065
】 配列番号:6 配列の長さ:40 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:他の核酸  合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:リンカー6 配列 GTGCATCTGC CAGTTTGAGG GGA
CGACGAC AGTATCGGCC       
                  40
【図面の簡単な説明】
【図1】アルツハイマー病アミロイド前駆体蛋白APP
695、APP751、APP770、APP714、
APP563の模式図である。bからfの黒く塗りつぶ
した部分はプロテアーゼインヒビター活性を有する56
アミノ酸から成る領域、点々部分はAPP770に固有
の19アミノ酸から成る領域、斜線部は脳に沈着する老
人斑アミロイド部分を示す。aはAPPのうち脳に沈着
するアミロイドβ蛋白部分(影をつけた部分)と膜貫通
領域を示す。APP563はβ蛋白部分をもたない。
【図2】分泌型APP(APP667、APP648、
APP592)の構造を示す模式図である。図中の数字
は各APPのN末端から数えたアミノ酸残基の番号を示
す。
【図3】抗ZtPI抗体と抗ZtPI抗体の組み合わせ
による2抗体サンドイッチELISA
【図4】抗ZtPI抗体と1B2モノクローナル抗体の
組み合わせによる2抗体サンドイッチELISA
【図5
】抗ZtPI抗体と3B2モノクローナル抗体の組み合
わせによる2抗体サンドイッチELISA
【図6】抗Z
tPI抗体と6A3モノクローナル抗体の組み合わせに
よる2抗体サンドイッチELISA
【図7】β−ガラク
トシダーゼの一部分とAPP770の部分タンパクとの
融合タンパクであるZKXの発現プラスミド作成の模式
図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  アルツハイマー病アミロイド前駆体蛋
    白APP751、及びAPP770に含まれるKPI配
    列を認識する抗体を、少なくともその組み合わせの一方
    に用いることを特徴とする2抗体サンドイッチELIS
    A法による、KPI配列を含むアルツハイマー病アミロ
    イド前駆体蛋白又はその断片の免疫学的測定方法。
  2. 【請求項2】  請求項1記載の2種類の抗体のうち一
    方を不溶性担体に結合した第1次試薬と、もう一方の抗
    体である第2次試薬とからなる、KPI配列を含むアル
    ツハイマー病アミロイド前駆体蛋白又はその断片の測定
    試薬。
  3. 【請求項3】  請求項2記載の測定試薬を構成要素の
    一部とする、KPI配列を含むアルツハイマー病アミロ
    イド前駆体蛋白又はその断片の測定キット。
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