JP2003130880A - 異常型プリオン免疫測定用試薬及びキット並びにそれを用いた異常型プリオンの免疫測定方法 - Google Patents

異常型プリオン免疫測定用試薬及びキット並びにそれを用いた異常型プリオンの免疫測定方法

Info

Publication number
JP2003130880A
JP2003130880A JP2001330696A JP2001330696A JP2003130880A JP 2003130880 A JP2003130880 A JP 2003130880A JP 2001330696 A JP2001330696 A JP 2001330696A JP 2001330696 A JP2001330696 A JP 2001330696A JP 2003130880 A JP2003130880 A JP 2003130880A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
antigen
prion
abnormal prion
binding fragment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001330696A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3931625B2 (ja
Inventor
Shinichi Shinagawa
森一 品川
Motohiro Horiuchi
基広 堀内
Takayuki Yanagiya
孝幸 柳谷
Toshio Matsui
利生 松井
Atsushi Umetani
淳 梅谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujirebio Inc
Original Assignee
Fujirebio Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujirebio Inc filed Critical Fujirebio Inc
Priority to JP2001330696A priority Critical patent/JP3931625B2/ja
Publication of JP2003130880A publication Critical patent/JP2003130880A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3931625B2 publication Critical patent/JP3931625B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 時間のかかる電気泳動操作や遠心分離操作を
行うことなく、高感度に異常型プリオンを検出すること
ができる免疫測定法を提供すること。 【解決手段】 磁性粒子に、変性剤処理した異常型プリ
オンと抗原抗体反応する第1抗体を不動化して成る異常
型プリオン免疫測定用試薬、並びに異常型プリオンを含
んでいるかもしれない試料を界面活性剤、コラゲナーゼ
及び蛋白質分解酵素で処理する工程と、次いで遠心分離
操作を経ることなく、得られた生成物を変性剤で処理す
る工程と、得られた生成物を上記試薬を用いて免疫測定
することを含む、異常型プリオンの測定方法を提供し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異常型プリオン免
疫測定用試薬及びキット並びにそれを用いた異常型プリ
オンの免疫測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】異常型プリオンは、狂牛病に代表される
プリオン病の原因となるタンパク質である。異常型プリ
オンは、蛋白質分解酵素に耐性を有しているため、経口
摂取しても消化酵素による分解を受けずに動物体内に侵
入し得る。一旦動物体内に侵入すると、脳、脊髄、眼球
などの特定部位において新たに生産される正常型プリオ
ンを異常型プリオンに変えてしまう働きをし、この結
果、これらの特定部位において異常型プリオンが蓄積す
る。脳に異常型プリオンが蓄積すると、脳がスポンジ状
になり、動物は死に至る。近年、ウシの異常型プリオン
をヒトが経口摂取することにより、ヒトもプリオン病に
罹患することがわかり、大きな問題となっている。ウシ
からヒトへの感染を完全に防止するためには、ウシが狂
牛病に感染しているか否かを屠殺される全てのウシにつ
いて検査し、陰性のものだけを食用に供することが求め
られる。
【0003】従来より、異常型プリオンは、ELISA
やウェスタンブロットのような免疫測定により検出され
ている。異常型プリオンは、正常型プリオンとアミノ酸
配列の一次構造が同じなので、正常型プリオンと交差反
応しない抗異常型プリオン抗体を作製することは容易で
はなく、従来法では、異常型プリオンがプロテインアー
ゼKに耐性であるが正常型プリオンはプロテインアーゼ
Kに分解される性質を利用して、脳組織等の被検試料を
プロテインアーゼKで処理することにより、正常型プリ
オンを分解、除去した後に免疫測定を行っている。さら
に、異常型プリオンは、凝集する性質があり、抗プリオ
ン抗体によって認識されるエピトープが露出していな
い。このため、プロテインKによる処理後、免疫測定の
前にグアニジンチオシアン酸のような変性剤で処理して
凝集状態を解除し、エピトープを露出させてから免疫測
定を行っている。
【0004】従来行われているウェスタンブロット法
は、電気泳動を行う必要があり、煩雑で時間がかかるの
で、多数のウシを短時間に検査しようとするためには適
していない。また、ELISAプレートを用いるELI
SAによる場合は、必要な感度を達成するために、プロ
テインアーゼK処理後の組織をグアニジンチオシアン酸
で変性処理する前に、SDSによる一次変性処理及びメタ
ノール処理(蛋白質濃縮操作)を行う必要があり、メタ
ノール処理の前及びグアニジンチオシアン酸処理の前に
それぞれ遠心分離を行う必要がある。遠心分離操作は時
間がかかるので、多数のウシを短時間に検査しようとす
るためには適していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、時間のかかる電気泳動操作や遠心分離操作を行うこ
となく、高感度に異常型プリオンを検出することができ
る免疫測定法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】本願発明者らは、鋭意研究の結果、磁性粒
子を固相としたサンドイッチ法により、電気泳動操作や
遠心分離操作を行うことなく高感度に異常型プリオンを
免疫測定することができることを見出し、本発明を完成
した。
【0007】すなわち、本発明は、磁性粒子に、変性剤
処理した異常型プリオンと抗原抗体反応する第1抗体又
はその抗原結合性フラグメントを不動化して成る異常型
プリオン免疫測定用試薬を提供する。また、本発明は、
前記本発明の試薬と、前記第1抗体又はその抗原結合性
フラグメントに捕捉された、変性剤処理した異常型プリ
オンと抗原抗体反応する第2抗体又はその抗原結合性フ
ラグメントとを少なくとも含む、異常型プリオン免疫測
定用キットを提供する。さらに、本発明は、表面にプロ
テインGが結合された磁性粒子と、変性剤処理した異常
型プリオンと抗原抗体反応する第1抗体と、前記第1抗
体に捕捉された、変性剤処理した異常型プリオンと抗原
抗体反応する第2抗体又はその抗原結合性フラグメント
とを少なくとも含む、異常型プリオン免疫測定用キット
を提供する。さらに、本発明は、異常型プリオンを含ん
でいるかもしれない試料を界面活性剤、コラゲナーゼ及
び蛋白質分解酵素で処理する工程と、次いで遠心分離操
作を経ることなく、得られた生成物を変性剤で処理する
工程と、得られた生成物を上記本発明の試薬と反応させ
る工程と、磁性ビーズを洗浄し、磁力により磁性ビーズ
を集める工程と、前記第1抗体又はその抗原結合性フラ
グメントに捕捉された、変性剤処理した異常型プリオン
と抗原抗体反応する第2抗体又はその抗原結合性フラグ
メントを反応させる工程と、磁性ビーズを洗浄し、磁力
により磁性ビーズを集める工程と、磁性ビーズに結合し
た第2抗体又はその抗原結合性フラグメントを測定する
工程とを含む、異常型プリオンの測定方法を提供する。
さらに、本発明は、異常型プリオンを含んでいるかもし
れない試料を界面活性剤、コラゲナーゼ及び蛋白質分解
酵素で処理する工程と、次いで遠心分離操作を経ること
なく、得られた生成物を変性剤で処理する工程と、得ら
れた生成物と、変性剤処理した異常型プリオンと抗原抗
体反応する第1抗体と、表面にプロテインGが結合され
た磁性粒子とを反応させる工程と、磁性ビーズを洗浄
し、磁力により磁性ビーズを集める工程と、前記第1抗
体に捕捉された、変性剤処理した異常型プリオンと抗原
抗体反応する第2抗体又はその抗原結合性フラグメント
を反応させる工程と、磁性ビーズを洗浄し、磁力により
磁性ビーズを集める工程と、磁性ビーズに結合した第2
抗体又はその抗原結合性フラグメントを測定する工程と
を含む、異常型プリオンの測定方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】上記の通り、本発明の磁性粒子
に、変性剤処理した異常型プリオンと抗原抗体反応する
第1抗体又はその抗原結合性フラグメントを不動化して
成るものである。
【0009】磁性粒子としては、表面に抗体を結合する
ことができ、磁性を有する粒子であれば特に限定される
ものではない。免疫測定の固相に磁性粒子を用いること
自体は公知であり、従来より免疫測定に用いられてい
る、例えばフェライトで被覆したラテックス又はポリマ
ー粒子等を好適に用いることができる。また、抗体の結
合を容易にするために、免疫グロブリンのFc領域と結
合する性質を有するプロテインGを表面に結合した免疫
測定用磁性粒子が知られており、このような免疫測定用
磁性粒子を好適に用いることができる。磁性粒子の粒径
は、特に限定されないが通常、1μmないし6μm程
度、好ましくは2μm〜4μm程度である。これらの条
件を満足する免疫測定用磁性粒子は市販されており、市
販品を好ましく利用することができる。
【0010】磁性粒子の表面には、変性剤処理した異常
型プリオンと抗原抗体反応する第1抗体又はその抗原結
合性フラグメントが不動化される。ここで、「変性剤」
とは、凝集状態にある異常型プリオンの内部にあるエピ
トープ部分を露出させることができる薬剤であり、好ま
しい例としては、グアニジン若しくはその酸付加塩又は
グアニジンチオシアン酸若しくはその塩を挙げることが
できる。第1抗体は、異常型プリオン又は正常型プリオ
ンを免疫原として動物に投与する常法により容易に作製
することができる。なお、異常型プリオンと正常型プリ
オンは、一次アミノ酸配列が完全に同一又はほぼ完全に
同一であるので、抗正常型プリオン抗体は、通常、変性
剤処理した異常型プリオンと抗原抗体反応する。免疫原
として用いるプリオンは、検査に供する動物種由来のプ
リオンであることが好ましいが、プリオンのアミノ酸配
列は種を越えてよく保存されているので、検査に供する
動物のプリオンと交差反応する抗体の産生を誘起できる
ものであれば、他種動物のプリオンを免疫原として用い
てもよい。例えば、マウス由来プリオンを免疫原として
用いて誘起された抗マウスプリオン抗体は、マウスのみ
ならずウシ、ヒツジ、ハムスター等のプリオンと交差反
応するし、ウシ由来プリオンを免疫原として用いて誘起
された抗ウシプリオン抗体は、ウシのみならず、ヒトを
含む霊長類、ヒツジ、ウサギ、ミンク、マウス、ハムス
ター等と交差反応する。また、免疫原は、大腸菌等を宿
主として遺伝子工学的手法により生産した組換え型プリ
オンであってもよい。第1抗体は、ポリクローナル抗体
でもモノクローナル抗体でもよいが、精度及び再現性を
高める観点からモノクローナル抗体が好ましい。また、
第1抗体に代えて、第1抗体のFabフラグメントやF(a
b')2フラグメントのような抗原結合性フラグメントを用
いることもできる。ただし、磁性粒子表面に結合された
プロテインGに第1抗体を結合させる場合には、抗体の
Fc領域が必要となるので、Fc領域を欠く抗原結合性フラ
グメントを用いることはできない。
【0011】磁性粒子の表面に担持する抗体の量は、正
確な免疫測定が可能な量であれば特に限定されないが、
通常、1〜5重量%の磁性粒子の懸濁液に、抗体の重量
換算で10〜100μg/ml程度の濃度になるように
抗体又はその抗原結合性フラグメントを添加し、放置す
ることにより磁性粒子に担持される程度の量が好まし
い。また、磁性粒子表面上への抗体の結合は、磁性粒子
懸濁液に抗体又はその抗原結合性フラグメント(通常、
溶液の形態にある)を添加し、室温で30分間ないし2
時間程度放置することにより達成することができる。な
お、磁性粒子の表面にプロテインGが結合されている場
合には、予めプロテインGに第1抗体を結合したものを
調製し、これを試料と反応させてもよいし、免疫測定時
に、被検試料と共に第1抗体を添加することにより、第
1抗体をその場で磁性粒子に結合してもよい。免疫測定
時に第1抗体をその場で結合させる場合、第1抗体が磁
性粒子上に先ず不動化されてそれに変性剤処理した異常
型プリオンが結合する場合と、第1抗体と変性剤処理し
た異常型プリオンが先ず結合し、生成された抗原抗体複
合物の第1抗体のFc領域がプロテインGに結合する場
合とが同時に生じると考えられるが、これらの場合も本
発明の試薬及び方法に包含されるものと解釈する。
【0012】次に、上記本発明の異常型プリオン免疫測
定用試薬を用いた、異常型プリオンの免疫測定方法につ
いて説明する。
【0013】本発明の免疫測定方法に供される試料は、
異常型プリオンを含むかもしれないいずれのものであっ
てもよく、好ましい例として、脳、脊髄、眼球、回腸遠
位部等の組織を挙げることができるが、これらに限定さ
れるものではなく、これらと接触した可能性のある他の
部位の組織や、器具、環境等であってもよい。また、試
料は、いずれの動物種由来のものであってもよく、通
常、ウシ、ヒツジ、ヒト、ネコ、マウス等、プリオン病
に罹ることがわかっている動物種に由来するが、これら
以外の動物種であってもよい。
【0014】本発明の第1工程では、試料を界面活性
剤、コラゲナーゼ及び蛋白質分解酵素で処理する。この
工程は、単一工程で行うことも、2工程以上に任意に分
けて行うことも可能であるが、界面活性剤処理、コラゲ
ナーゼ処理、蛋白質分解酵素処理を別々にこの順序で行
うことが好ましい。
【0015】界面活性剤処理は、試料組織をバラバラに
するために行うものであり、この目的に用いることがで
きるいずれの界面活性剤も採用することができる。界面
活性剤は、両イオン性、陽イオン性、陰イオン性、非イ
オン性のいずれの界面活性剤でも良いが、両イオン性界
面活性剤が好ましい。また、試料組織は、界面活性剤と
共にすりつぶして組織乳剤の形態にすることが好まし
い。使用する界面活性剤の量は、特に限定されないが、
通常、2〜8重量%程度の界面活性剤を用いて5〜20
重量%程度の濃度の組織乳剤を調製することが好まし
い。界面活性剤処理の条件は特に限定されないが、通
常、20〜100℃、好ましくは55〜75℃で、15
〜240分間、好ましくは30〜90分間程度が適当で
ある。
【0016】コラゲナーゼ処理は、試料組織中に含まれ
るコラーゲンを分解してプリオンが蛋白質分解酵素と接
触しやすくするために行うものである。コラゲナーゼの
使用量は特に限定されないが、試料組織100mg当た
り、通常、0.2〜2 mg程度が適当である。また、コラゲ
ナーゼ処理の条件は特に限定されないが、通常、コラゲ
ナーゼの至適温度又はその近傍(±3℃程度)で、1時
間〜4時間程度が好ましい。なお、コラゲナーゼ処理と
同時に、又はコラゲナーゼ処理に続いて、DNase処理を
行って試料中のDNAを分解することが好ましい。DNaseの
使用量は、特に限定されないが、試料組織100mg当
たり、通常、20μg〜80μg程度が適当である。また、
DNase処理を独立して行う場合の処理条件は、上記コラ
ゲナーゼ処理の条件と同様でよい。
【0017】蛋白質分解酵素処理は、正常型プリオンを
分解するために行うものであり、正常型プリオンを分解
することができるいずれの蛋白質分解酵素も用いること
が可能である。好ましい蛋白質分解酵素としてプロテイ
ンアーゼKを挙げることができる。蛋白質分解酵素の使
用量は、特に限定されないが、試料組織100mg当た
り、通常、20μg〜80μg程度が適当である。また、蛋
白質分解酵素処理の条件は特に限定されないが、通常、
蛋白質分解酵素の至適温度又はその近傍(±3℃程度)
で、15分間〜1時間程度が好ましい。蛋白質分解酵素
処理を行うことにより、正常型プリオンは分解される
が、異常型プリオンは蛋白質分解酵素に対して耐性を有
しているので分解されず、後の免疫測定工程において測
定可能である。 蛋白質酵素処理工程後、後の工程で変
性剤処理した異常型プリオンが分解されることを防止す
るために、用いた蛋白質分解酵素の阻害剤を添加して蛋
白質分解酵素を失活させておくことが好ましい。
【0018】次に、得られた生成物を変性剤で処理し、
凝集を解いてエピトープを露出させる。変性剤として
は、上記したグアニジン若しくはその酸付加塩又はグア
ニジンチオシアン酸若しくはその塩が好ましいが、これ
らに限定されるものではない。変性剤処理における変性
剤の濃度は、特に限定されないが、最終濃度で1〜6
M、さらに好ましくは4〜6M程度である。また、処理
条件は、特に限定されないが、通常、20〜80℃、好
ましくは55〜75℃で、15〜90分間、好ましくは
15〜30分間程度が適当である。なお、次の免疫測定
に入る前に、変性剤の濃度が0.2〜0.8M程度になるよう
に希釈し、免疫測定に使用される抗体又はその抗原結合
性フラグメントが変性しないようにすることが好まし
い。
【0019】本発明の方法では、上記蛋白質分解酵素処
理工程と変性剤処理工程との間に、遠心分離操作を含む
工程が入らない。従って、試料調製にかかる時間を従来
法よりも大幅に短縮することができ、多数の検体につい
て短時間に検査を行わなければならない場合等にとりわ
け有利である。
【0020】次いで、上記のようにして調製した試料
を、免疫測定に供する。免疫測定の第1工程では、試料
と、第1抗体又はその抗原結合性フラグメントを不動化
した磁性粒子とを接触させる。これは、上記のようにし
て調製した試料溶液に、第1抗体又はその抗原結合性フ
ラグメントを不動化した磁性粒子を添加することによっ
て行うことができるし、緩衝液のような反応媒体に試料
及び第1抗体又はその抗原結合性フラグメントを不動化
した磁性粒子を添加して混合することによっても行うこ
とができる。反応液中の磁性粒子の最終濃度は、特に限
定されないが、通常、1〜5重量%程度が適当であり、
また、試料の最終濃度は、出発物質として用いた組織の
重量に換算して0.1〜10重量%程度が適当である。
磁性粒子の表面にプロテインGが結合されており、磁性
粒子と、第1抗体と、試料とをこの段階で反応させる場
合には、反応液中の第1抗体の最終濃度は、特に限定さ
れないが、10〜100μg/ml程度が適当である。
免疫反応の温度は、特に限定されず、4℃〜37℃程度
で行うことができ、室温で行うことが便利である。反応
時間は、温度にもよるが、室温で行う場合、特に限定さ
れないが、30分間ないし2時間程度でよい。この工程
により、試料中存在する変性剤処理異常型プリオン(抗
原)が第1抗体又はその抗原結合性フラグメントに結合
され、ひいては磁性ビーズに結合される。
【0021】次いで、反応後の磁性ビーズを洗浄する。
洗浄は、リン酸緩衝液のような緩衝液中にビーズを懸濁
し、磁力によってビーズを集めることによって容易に行
うことができる。洗浄液は、0.5〜2重量%程度の界面
活性剤を含んでいることが好ましい。
【0022】続く第3工程で、ビーズと第2抗体又はそ
の抗原結合性フラグメントとを反応させる。第2抗体
も、第1抗体と同様、被検試料である、変性剤処理した
異常型プリオンと抗原抗体反応するものであり、第1抗
体について上記した説明をそのまま第2抗体の説明とし
て適用できる。もっとも、第1抗体及び第2抗体の両者
共にモノクローナル抗体を用いる場合には、抗原をサン
ドイッチする必要があるので、第1抗体及び第2抗体の
両者が同時に抗原に結合できる抗体の組合せを選択する
必要がある。この選択は、既知濃度の標準試料を用いて
実際に免疫測定を行い、正確な免疫測定が可能か否かを
調べるというルーチンな実験により容易に行うことがで
きる。また、第2抗体又はその抗原結合性フラグメント
は、後の工程で測定する必要があるので、第2抗体又は
その抗原結合性フラグメントを標識しておくことが好ま
しい。抗体又はその抗原結合性フラグメントの標識は、
免疫測定の分野において周知であり、酵素標識、蛍光標
識、ビオチン標識、放射標識等の周知の標識を常法によ
り抗体に結合することができる。また、感度を上げるた
めに、第2抗体はポリクローナル抗体とすることも好ま
しい。
【0023】反応液中の第2抗体又はその抗原結合性フ
ラグメントの最終濃度は、特に限定されないが、抗体の
重量として、通常、0.2〜1μg/ml程度が適当であ
る。また、免疫反応の温度は、特に限定されず、4℃〜
37℃程度で行うことができ、室温で行うことが便利で
ある。反応時間は、温度にもよるが、室温で行う場合、
特に限定されないが、30分間ないし2時間程度でよ
い。この工程により、第1抗体又はその抗原結合性フラ
グメントを介して磁性ビーズに結合されている試料中の
変性剤処理異常型プリオン(抗原)に第2抗体又はその
抗原結合性フラグメントが結合され、第1及び第2抗体
又はその抗原結合性フラグメントにより抗原がサンドイ
ッチされる。
【0024】次に反応後のビーズを上記と同様に洗浄
し、ビーズを回収する。
【0025】次いで、ビーズに結合された第2抗体又は
その抗原結合性フラグメントを測定する。なお、本明細
書において、「測定」は、検出と定量の両者を包含する
意味で用いており、検出のみを行う場合も定量まで行う
場合も本発明の免疫測定方法の範囲に含まれる。第2抗
体又はその抗原結合性フラグメントの測定は、第2抗体
又はその抗原結合性フラグメントが標識されている場合
には、この標識を測定することにより容易に行うことが
できる。標識の測定方法自体は免疫測定の分野において
周知であり、用いた標識に応じて常法により容易に行う
ことができる。第2抗体が標識されていない場合には、
第2抗体を誘導した動物の免疫グロブリンに結合する、
標識した第3抗体を第2抗体に結合させ、洗浄後、第3
抗体の標識を測定することにより第2抗体を測定するこ
とができる。
【0026】種々の既知濃度の試料を用いて上記の免疫
測定を行うことにより検量線を作成することができ、こ
の検量線に基づいて未知の試料中の異常型プリオンを定
量することができる。
【0027】本願発明者らは、種々の抗プリオンモノク
ローナル抗体を作出し、種々検討した結果、上記本発明
の免疫測定方法において、極めて高感度、高精度に異常
型プリオンを測定することができる2種類のモノクロー
ナル抗体の作出に成功した。すなわち、モノクローナル
抗体(mAb)44B1及び72-5である。これらのモノクローナ
ル抗体を産生するハイブリドーマは、生命工学工業技術
研究所に寄託されており、受託番号は、それぞれFERM P
-18515及びFERM P-18516である。これらのモノクローナ
ル抗体を作出した方法は、下記具体例に詳述する。な
お、mAb 44B1及びmAb 72-5は、いずれか一方を第1抗体
として、他方を第2抗体として用いることにより、極め
て高感度、高精度な免疫測定を行うことができる。mAb
44B1を第1抗体として用いることがより好ましく、ま
た、mAb 44B1を第1抗体として用い、第2抗体としてポ
リクローナル抗体を用いても高感度、高精度な免疫測定
を行うことが可能である。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきより具体的に
説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定される
ものではない。
【0029】実施例1 モノクローナル抗体44B1及び
72-5の作出並びに対応エピトープの決定 (1) モノクローナル抗体の作出 C57BL/Jマウスから常法により染色体DNAを抽出し、
これを鋳型として用いてPCRを行った。PCRに用い
たプライマーは、MPrP5(aaggatccgaaaaagcggccaaagcctg
ga)及びMPrP3(gagaattcagctggatcttctcccgtcgt)であっ
た。これにより、マウスプリオン(PrP)の第23番目〜
第230番目のアミノ酸配列(23-230a.a.)(230番目
のアミノ酸のコドンの次に停止コドンを挿入)をコード
する遺伝子領域を増幅した(配列番号1)。得られた増
幅断片を原核細胞発現ベクターpRSTEB(Invitrogen社)
およびpET22b(Novagen社)に組み込み、大腸菌にて組
換えPrP(rPrP)を発現させた(rPr23-231P(停止コドン
を含む))。マウスrPr23-231Pは、常法に基づき、銅イ
オンアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換ク
ロマトグラフィー、および逆相クロマトグラフィーによ
り精製した。精製rPr23-231Pを免疫原とした。
【0030】一方、プリオン感染マウス脳から分別遠心
法によりマウス異常型プリオン(PrPSc)を精製した。精
製は、Bolton, D. C.ら(Archives of Biochemistry an
d Biophysics, vol. 258, 579-590, 1987)の方法に従
い行った。。得られた精製マウスPrPScも免疫原として
用いた。
【0031】得られた免疫原(濃度1.0 mg/ml)を等量
のフロイント完全アジュバントと混和し、PrP遺伝子欠
損マウス(Yokoyama et al., Journal of Biological C
hemistry, vol. 276, 11265-11271, 2001)に0.2 mg/ml
づつ頚部皮下に接種した。免疫は2週間ごとに計3回行
った。最終免疫3日後に脾臓を摘出し、細胞を分散させ
た後に、ポリエチレングリコール法によりP3U1ミエロー
マ細胞との細胞融合を行った。なお、動物から抗血清も
回収し、ポリクローナル抗体B-103を得た。
【0032】抗PrP体産生細胞のスクリーニングは、pRS
ETBおよびpET22bにて発現させたマウスrPrPを抗原とし
たELISA法により行った。マウスrPrPを吸着させたELISA
プレートにハイブリドーマの培養上清を加えて反応させ
た後に洗浄し、続いてぺルオキシダーゼ標識抗マウス免
疫グロブリンロバ血清(Amersham Farmacia社)を反応
させた。ウェルを洗浄後に、ぺルオキシダーゼ基質を加
えて、波長405 nmにおける吸光度を測定した。ELIS
Aの結果が陽性であったハイブリドーマの培養上清から
モノクローナル抗体を精製し、種々のモノクローナル抗
体を得た。
【0033】これらの種々のモノクローナル抗体の種々
の組合せを用いて、後述する免疫測定を行い、特に高感
度、高精度で免疫測定が可能であったモノクローナル抗
体として、mAb 44B1及びmAb 72-5を選抜した。mAb 44B1
はrPr23-231Pを免疫原として得られたものであり、mAb
72-5は精製PrPScを免疫原として得られたものである。
これらのモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ
は、上記の通り生命工学工業技術研究所に寄託した。
【0034】(2) 対応エピトープの決定 (1)のrPr23-231Pの作製方法と同様な方法により、マウ
スPrPの89-231a.a., 23-214a.a.,155-231a.a.及び23-16
7a.a.を作製した。これらの欠損変異体を抗原としたELI
SA法および免疫ブロット法によりエピトープを含むおお
まかな領域を決定した。免疫ブロットで陽性となる抗体
は連続エピトープを、陰性となる抗体は非連続エピトー
プを認識すると判定した。さらに、PrPの連続した13ア
ミノ酸配列のペプチド断片を結合させたセルロース膜
(ペプスポット膜)を使用して詳細なエピトープを決定
した。
【0035】モノクローナル抗体のエピトープは表1に
示した。mAb 72-5はマウスPrPアミノ酸89-231から構成
される非連続エピトープを認識する。その一部はマウス
PrPアミノ酸143-151を含む。mAb 44B1はマウスPrPアミ
ノ酸155-231から構成される非連続エピトープを認識し
た。
【0036】
【表1】表1 モノクローナル抗体のエピトープ
【0037】実施例2 免疫測定 (1) 試料の調製 試料組織としてプリオン感染マウス脳及び、陰性対照と
して非感染マウス脳を用いた。マウス脳を、4%両イオン
性界面活性剤(「Zwittergent 3-12」 (3-ドデシル-ジメ
チルアンモニオ-プロパン-1-スルフォネート、Calbioch
em-Novabiochem社製)、100 mM NaCl, 5 mM MgCl2, 100
mM Tris (pH 7.5)を含む緩衝液中ですりつぶすし混和す
ることにより、10重量%の脳組織を含む組織乳剤を調
製した。組織100 mgに対してコラゲナーゼ0.5 mg、DNas
e I 40μgを加えて37℃、2時間処理した。組織100 mg
に対してプロテインアーゼK 40μgを加えて37℃、30分
間処理した。プロテインアーゼK阻害剤であるペファブ
ロック(Roche社製)を最終濃度1 mMになるよう加え
た。グアニジンチオシアン酸を最終濃度5 Mになるよう
加え、PrPSc凝集体を変性させた(65℃,15分間)。
グアニジンチオシアン酸の濃度が0.4 M以下になるよう
に緩衝液で乳剤を希釈した。
【0038】(2) 免疫測定 (1)で得られた被験試料にプロテインG結合磁性ビーズ
(Dynal社)と第1抗体であるmAb 44B1を加え、室温で
1時間撹拌した。プロテインG結合磁性ビーズの反応液
中の最終濃度は2重量%、mAb 44B1の反応液中の最終濃
度は100μg/mlであった。磁性ビーズを1%Triton X-10
0(商品名)を含むリン酸緩衝液で3回洗浄し、磁力をか
けてビーズを集めた。第2抗体としてビオチン化mAb 72
-5又はビオチン化ポリクローナル抗体B-103を使用し、
室温で一時間反応させた。第2抗体の反応液中の最終濃
度は、1μg/mlであった。磁性ビーズを1% TritonX-10
0(商品名)を含むリン酸緩衝液で3回洗浄し、磁力をか
けてビーズを集めた。次いで、ぺルオキシダーゼ標識ス
トレプトアビジン(Pierce社)(最終濃度:2mg/ml)と
室温で30分間反応させた。磁性ビーズを1% TritonX-10
0(商品名)を含むリン酸緩衝液で3回洗浄し、磁力をか
けてビーズを集めた。ぺルオキシダーゼ基質(100μg/m
lのABTS及び0.04%過酸化水素水)を加え5分間反応させ
た。波長405nmにおける吸光度を測定した。
【0039】免疫磁性ビーズを用いたPrPScの検出結果
は表2に示した。プリオン感染動物では陽性であった
が、プリオン非感染動物では陰性であった。従って、免
疫磁性ビーズの使用により、プリオン感染動物にのみ存
在するPrPScを特異的に検出できることが明らかとなっ
た。
【0040】
【表2】表2 免疫磁性ビーズによるPrPScの検出
【0041】
【発明の効果】本発明により、時間のかかる電気泳動操
作や遠心分離操作を行うことなく、高感度に異常型プリ
オンを検出することができる免疫測定法が初めて提供さ
れた。本発明の方法では、蛋白質分解酵素処理工程と変
性剤処理工程との間に、遠心分離操作を含む工程が入ら
ず、また、電気泳動も不要である。従って、試料調製に
かかる時間を従来法よりも大幅に短縮することができ、
多数の検体について短時間に検査を行わなければならな
い場合等にとりわけ有利である。
【0042】
【配列表】 <110> FUJIREBIO INC. <120> Reagent and kit for immunoassay of abnormal type prion, and immun oassay of abnormal prion using the same <130> 01725 <160> 3
【0043】 <210> 1 <211> 624 <212> DNA <213> mouse <400> 1 AAA AAG CGG CCA AAG CCT GGA GGG TGG AAC ACC GGT GGA AGC CGG TAT 48 Lys Lys Arg Pro Lys Pro Gly Gly Trp Asn Thr Gly Gly Ser Arg Tyr 1 5 10 15 CCC GGG CAG GGA AGC CCT GGA GGC AAC CGT TAC CCA CCT CAG GGT GGC 96 Pro Gly Gln Gly Ser Pro Gly Gly Asn Arg Tyr Pro Pro Gln Gly Gly 20 25 30 ACC TGG GGG CAG CCC CAC GGT GGT GGC TGG GGA CAA CCC CAT GGG GGC 144 Thr Trp Gly Gln Pro His Gly Gly Gly Trp Gly Gln Pro His Gly Gly 35 40 45 AGC TGG GGA CAA CCT CAT GGT GGT AGT TGG GGT CAG CCC CAT GGC GGT 192 Ser Trp Gly Gln Pro His Gly Gly Ser Trp Gly Gln Pro His Gly Gly 50 55 60 GGA TGG GGC CAA GGA GGG GGT ACC CAT AAT CAG TGG AAC AAG CCC AGC 240 Gly Trp Gly Gln Gly Gly Gly Thr His Asn Gln Trp Asn Lys Pro Ser 65 70 75 80 AAA CCA AAA ACC AAC CTC AAG CAT GTG GCA GGG GCT GCG GCA GCT GGG 288 Lys Pro Lys Thr Asn Leu Lys His Val Ala Gly Ala Ala Ala Ala Gly 85 90 95 GCA GTA GTG GGG GGC CTT GGT GGC TAC ATG CTG GGG AGC GCC ATG AGC 336 Ala Val Val Gly Gly Leu Gly Gly Tyr Met Leu Gly Ser Ala Met Ser 100 105 110 AGG CCC ATG ATC CAT TTT GGC AAC GAC TGG GAG GAC CGC TAC TAC CGT 384 Arg Pro Met Ile His Phe Gly Asn Asp Trp Glu Asp Arg Tyr Tyr Arg 115 120 125 GAA AAC ATG TAC CGC TAC CCT AAC CAA GTG TAC TAC AGG CCA GTG GAT 432 Glu Asn Met Tyr Arg Tyr Pro Asn Gln Val Tyr Tyr Arg Pro Val Asp 130 135 140 CAG TAC AGC AAC CAG AAC AAC TTC GTG CAC GAC TGC GTC AAT ATC ACC 480 Gln Tyr Ser Asn Gln Asn Asn Phe Val His Asp Cys Val Asn Ile Thr 145 150 155 160 ATC AAG CAG CAC ACG GTC ACC ACC ACC ACC AAG GGG GAG AAC TTC ACC 528 Ile Lys Gln His Thr Val Thr Thr Thr Thr Lys Gly Glu Asn Phe Thr 165 170 175 GAG ACC GAT GTG AAG ATG ATG GAG CGC GTG GTG GAG CAG ATG TGC GTC 576 Glu Thr Asp Val Lys Met Met Glu Arg Val Val Glu Gln Met Cys Val 180 185 190 ACC CAG TAC CAG AAG GAG TCC CAG GCC TAT TAC GAC GGG AGA AGA TCC 624 Thr Gln Tyr Gln Lys Glu Ser Gln Ala Tyr Tyr Asp Gly Arg Arg Ser 195 200 205
【0044】 <210> 2 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Nucleic acid used as primer used for PCR for amplifying 23-230a.a . of murine prion <400> 2 aaggatccga aaaagcggcc aaagcctgga 30
【0045】 <210> 3 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Nucleic acid used as primer used for PCR for amplifying 23-230a.a . of murine prion <400> 3 gagaattcag ctggatcttc tcccgtcgt 29
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松井 利生 東京都中央区日本橋浜町2丁目62番5号 富士レビオ株式会社内 (72)発明者 梅谷 淳 東京都中央区日本橋浜町2丁目62番5号 富士レビオ株式会社内 Fターム(参考) 4B064 AG27 CA19 CC24 DA01 DA13 4H045 AA11 DA76 FA74

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粒子に、変性剤処理した異常型プリ
    オンと抗原抗体反応する第1抗体又はその抗原結合性フ
    ラグメントを不動化して成る異常型プリオン免疫測定用
    試薬。
  2. 【請求項2】 前記変性剤は、グアニジン若しくはその
    酸付加塩又はグアニジンチオシアン酸若しくはその塩で
    ある請求項1記載の試薬。
  3. 【請求項3】 前記磁性粒子の表面にはプロテインGが
    結合されており、前記第1抗体の不動化は、免疫測定時
    にその場で行われたものである請求項1又は2記載の試
    薬。
  4. 【請求項4】 前記第1抗体は、モノクローナル抗体44
    B1(FERM P-18515)又はモノクローナル抗体72-5(FERM P-
    18516)である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
    試薬。
  5. 【請求項5】 請求項1、2又は4のいずれか1項に記
    載の試薬と、前記第1抗体又はその抗原結合性フラグメ
    ントに捕捉された、変性剤処理した異常型プリオンと抗
    原抗体反応する第2抗体とを少なくとも含む、異常型プ
    リオン免疫測定用キット。
  6. 【請求項6】 表面にプロテインGが結合された磁性粒
    子と、変性剤処理した異常型プリオンと抗原抗体反応す
    る第1抗体と、前記第1抗体に捕捉された、変性剤処理
    した異常型プリオンと抗原抗体反応する第2抗体又はそ
    の抗原結合性フラグメントとを少なくとも含む、異常型
    プリオン免疫測定用キット。
  7. 【請求項7】 前記第2抗体又はその抗原結合性フラグ
    メントが標識されている請求項5又は6記載のキット。
  8. 【請求項8】 前記第1抗体がモノクローナル抗体44B1
    (FERM P-18515)であり前記第2抗体がモノクローナル抗
    体72-5(FERM P-18516)若しくはポリクローナル抗体であ
    るか、又は前記第1抗体がモノクローナル抗体72-5(FER
    M P-18516)であり、前記第2抗体がモノクローナル抗体
    44B1(FERM P-18515)若しくはポリクローナル抗体である
    請求項6又は7記載のキット。
  9. 【請求項9】 異常型プリオンを含んでいるかもしれな
    い試料を界面活性剤、コラゲナーゼ及び蛋白質分解酵素
    で処理する工程と、次いで遠心分離操作を経ることな
    く、得られた生成物を変性剤で処理する工程と、得られ
    た生成物を請求項1、2又は4のいずれか1項に記載の
    試薬と反応させる工程と、磁性ビーズを洗浄し、磁力に
    より磁性ビーズを集める工程と、前記第1抗体又はその
    抗原結合性フラグメントに捕捉された、変性剤処理した
    異常型プリオンと抗原抗体反応する第2抗体又はその抗
    原結合性フラグメントを反応させる工程と、磁性ビーズ
    を洗浄し、磁力により磁性ビーズを集める工程と、磁性
    ビーズに結合した第2抗体又はその抗原結合性フラグメ
    ントを測定する工程とを含む、異常型プリオンの測定方
    法。
  10. 【請求項10】 異常型プリオンを含んでいるかもしれ
    ない試料を界面活性剤、コラゲナーゼ及び蛋白質分解酵
    素で処理する工程と、次いで遠心分離操作を経ることな
    く、得られた生成物を変性剤で処理する工程と、得られ
    た生成物と、変性剤処理した異常型プリオンと抗原抗体
    反応する第1抗体と、表面にプロテインGが結合された
    磁性粒子とを反応させる工程と、磁性ビーズを洗浄し、
    磁力により磁性ビーズを集める工程と、前記第1抗体に
    捕捉された、変性剤処理した異常型プリオンと抗原抗体
    反応する第2抗体又はその抗原結合性フラグメントを反
    応させる工程と、磁性ビーズを洗浄し、磁力により磁性
    ビーズを集める工程と、磁性ビーズに結合した第2抗体
    又はその抗原結合性フラグメントを測定する工程とを含
    む、異常型プリオンの測定方法。
  11. 【請求項11】 試料を界面活性剤、コラゲナーゼ及び
    蛋白質分解酵素で処理する工程は、界面活性剤処理、コ
    ラーゲン処理、蛋白質分解酵素処理をこの順序で逐次行
    うことにより行われる請求項9又は10記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記蛋白質分解酵素がプロテインアー
    ゼKである請求項9ないし11のいずれか1項に記載の
    方法。
  13. 【請求項13】 蛋白質分解酵素処理後、該蛋白質分解
    酵素の阻害剤を添加する工程をさらに含む請求項9ない
    し12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記第2抗体又はその抗原結合性フラ
    グメントが標識されており、磁性ビーズに結合した第2
    抗体又はその抗原結合性フラグメントを測定する工程
    は、磁性ビーズに結合した該標識を測定することにより
    行われる請求項9ないし13のいずれか1項に記載の方
    法。
  15. 【請求項15】 前記第1抗体がモノクローナル抗体44
    B1(FERM P-18515)であり前記第2抗体がモノクローナル
    抗体72-5(FERM P-18516)若しくはポリクローナル抗体で
    あるか、又は前記第1抗体がモノクローナル抗体72-5(F
    ERM P-18516)であり、前記第2抗体がモノクローナル抗
    体44B1(FERM P-18515)若しくはポリクローナル抗体であ
    る請求項9ないし14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 【請求項16】 モノクローナル抗体44B1(FERM P-1851
    5)。
  17. 【請求項17】 モノクローナル抗体72-5(FERM P-1851
    6)。
JP2001330696A 2001-10-29 2001-10-29 異常型プリオン免疫測定用試薬を用いた異常型プリオンの免疫測定方法 Expired - Lifetime JP3931625B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001330696A JP3931625B2 (ja) 2001-10-29 2001-10-29 異常型プリオン免疫測定用試薬を用いた異常型プリオンの免疫測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001330696A JP3931625B2 (ja) 2001-10-29 2001-10-29 異常型プリオン免疫測定用試薬を用いた異常型プリオンの免疫測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003130880A true JP2003130880A (ja) 2003-05-08
JP3931625B2 JP3931625B2 (ja) 2007-06-20

Family

ID=19146386

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001330696A Expired - Lifetime JP3931625B2 (ja) 2001-10-29 2001-10-29 異常型プリオン免疫測定用試薬を用いた異常型プリオンの免疫測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3931625B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007032266A1 (ja) 2005-09-12 2007-03-22 Japan Science And Technology Agency 蛍光相関分光法又は蛍光相互相関分光法を用いた抗原の迅速検出法
JP2007085929A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Jsr Corp 特異捕捉用磁性粒子およびその製造方法
JP2007520704A (ja) * 2004-01-20 2007-07-26 ビオメリュー 少なくとも一つの正電荷及び/又は少なくとも一つのグリコシド結合、及び、タンパク質リガンド以外のリガンドを用いるプリオンタンパク質の検出方法
WO2009072457A1 (ja) 2007-12-03 2009-06-11 Tokyo Institute Of Technology 被覆磁性微粒子を用いたバイオセンシング方法及び該方法に用いるバイオセンシング装置
JP2009284771A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Takara Bio Inc 抗体産生細胞の作製方法
JP2011007782A (ja) * 2009-05-22 2011-01-13 Kyowa Medex Co Ltd 可溶性インターロイキン−2受容体の測定方法及び測定用試薬
US9447232B2 (en) 2005-05-20 2016-09-20 Jsr Corporation Carrier polymer particle, process for producing the same, magnetic particle for specific trapping, and process for producing the same

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007520704A (ja) * 2004-01-20 2007-07-26 ビオメリュー 少なくとも一つの正電荷及び/又は少なくとも一つのグリコシド結合、及び、タンパク質リガンド以外のリガンドを用いるプリオンタンパク質の検出方法
US9447232B2 (en) 2005-05-20 2016-09-20 Jsr Corporation Carrier polymer particle, process for producing the same, magnetic particle for specific trapping, and process for producing the same
WO2007032266A1 (ja) 2005-09-12 2007-03-22 Japan Science And Technology Agency 蛍光相関分光法又は蛍光相互相関分光法を用いた抗原の迅速検出法
JP2007085929A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Jsr Corp 特異捕捉用磁性粒子およびその製造方法
WO2009072457A1 (ja) 2007-12-03 2009-06-11 Tokyo Institute Of Technology 被覆磁性微粒子を用いたバイオセンシング方法及び該方法に用いるバイオセンシング装置
JP2009284771A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Takara Bio Inc 抗体産生細胞の作製方法
JP2011007782A (ja) * 2009-05-22 2011-01-13 Kyowa Medex Co Ltd 可溶性インターロイキン−2受容体の測定方法及び測定用試薬
JP2014186041A (ja) * 2009-05-22 2014-10-02 Kyowa Medex Co Ltd 可溶性インターロイキン−2受容体の測定方法及び測定用試薬
JP2015132631A (ja) * 2009-05-22 2015-07-23 協和メデックス株式会社 可溶性インターロイキン−2受容体の測定方法及び測定用試薬

Also Published As

Publication number Publication date
JP3931625B2 (ja) 2007-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8673593B2 (en) Antibodies to alpha-synuclein
JPH09512630A (ja) 診断マーカーとしてのヒト好中球リポカリン(hnl)の使用および抗−hnl−抗体調製物
WO2007021255A1 (en) Antibodies to alpha-synuclein
WO2004081047A1 (ja) モノクローナル抗体及びこれを産生するハイブリドーマ
RU2769568C2 (ru) REP белок в качестве белкового антигена для диагностических анализов
JP3829226B2 (ja) ビメンチンの切断産物に対する抗体
CN102232087A (zh) 修饰的人igf-1/e肽的抗体
AU653536B2 (en) Measuring non-dystrophin proteins and diagnosing muscular dystrophy
JP2003130880A (ja) 異常型プリオン免疫測定用試薬及びキット並びにそれを用いた異常型プリオンの免疫測定方法
JP3018110B2 (ja) モノクローナル抗体
US11174310B2 (en) Disulfide-type HMGB1-specific antibody, method for measuring disulfide-type HMGB1 and kit for said measurement, and measurement method capable of quantitating all of HMGB1 molecules including reduced HMGB1, disulfide-type HMGB1 and thrombin-cleavable HMGB1 and kit for said measurement
JPH04252954A (ja) タンパクの測定方法、試薬及びキット
JP3568198B2 (ja) 異常プリオンタンパク質の検出方法
JPH07309900A (ja) 抗ヒトプロカテプシンbモノクローナル抗体、それを産生するハイブリドーマ及びそれを用いたヒトプロカテプシンb又はヒトカテプシンbの測定方法
WO2004009640A1 (ja) 抗菌性ペプチドに対する抗体及びその利用
JP7366411B2 (ja) ヒトαディフェンシンHD5を検出する方法及びキット、並びにこれらにおいて用いられる抗体
JPH04252955A (ja) 蛋白質の測定方法、試薬及びキット
CA2634638C (en) A bioassay and peptides for use therein
JP3225248B2 (ja) 検出方法
EP1130030A1 (en) Human erythroid differentiation related factor
JP3522877B2 (ja) 抗チロシナーゼモノクローナル抗体F(ab’)2フラグメント
JP2016114360A (ja) ヒトt細胞白血病ウイルスhbz蛋白質の検出方法
JP2000060551A (ja) 抗プリオン抗体
JP2003321498A (ja) 抗異常型プリオンモノクローナル抗体及びその製造方法並びにそれを用いた異常型プリオンタンパク質の免疫測定方法
CN117229395A (zh) 一种特异性结合降钙素的抗体及其用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040930

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20060324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060613

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060811

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060811

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061012

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070305

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100323

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110323

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110323

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120323

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120323

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130323

Year of fee payment: 6