JPH042517Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、移動中のFM放送受信におけるマル
チパスによる悪影響を回避したFMステレオ受信
機に関する。

（従来の技術） FM放送波は、地形等の影響に左右され易いた
め、その電界強度が大幅に変化してしまう。

このため、特に移動受信を行う車載用のFMス
テレオ受信機においては、FM放送波特有のマル
チパスによる悪影響によつてＳ／Ｎ比が著しく低
下してしまうという欠点がある。

このような欠点を解消するために、車載用の
FMステレオ受信機には、オートセパレーシヨン
機能、オートハイカツト機能及びソフトミユート
機能を有するARC（自動受信制御）機能が備えら
れている。

これは、電界変動の中で移動受信すべき電波状
況の変動に応じて受信状態を変化させるもので、
強電界においては本来のHi−Fi受信を行う。

そして、電界レベルが低下するにしたがつて、
オートセパレーシヨン機能によるステレオからモ
ノラルへの切り替え、オートハイカツト機能によ
る高域ノイズの低減、ソフトミユート機能による
再生出力の低減を順に動作させるものである。

第４図は、このようなARC（自動受信制御）機
能を具備し、マルチパスによる悪影響を回避した
FMステレオ受信機の一例を示すものである。

同図に示すように、図示省略のアンテナから取
込まれたFM放送波は、図示省略のフロントエン
ド部によりIF信号とされた後、入力端子１を介
してIFアンプ２に取込まれる。IFアンプ２によ
つて増幅されたFM放送波のコンポジツト信号
は、復調回路３によつて復調された後、ハイカツ
トフイルタやミユート回路等によつてARC（自動
受信制御）機能を果たすノイズリダクシヨン回路
５に出力される。

このとき、ハイパスフイルタ、増幅回路及び検波
回路等から構成されるノイズ検出回路４ によ
り、まずコンポジツト信号の高域におけるノイズ
の抽出が行われる。次いで、コンポジツト信号の
増幅及び検波が行われ、そのノイズレベルに応じ
たコントロール信号がノイズリダクシヨン回路５
に出力される。

そして、ノイズリダクシヨン回路５は、そのノ
イズレベルに応じてオートセパレーシヨン機能、
オートハイカツト機能及びソフトミユート機能を
順に働かせる。

ノイズリダクシヨン回路５からのノイズがハイ
カツトまたは低減されたコンポジツト信号は、ス
テレオ復調回路６に送出されると、ステレオ復調
回路６によつてステレオ信号に復調された後、Ｌ
出力端子７ａ及びＲ出力端子７ｂから出力され
る。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上述した従来のFMステレオ受
信機では、ノイズリダクシヨン回路５へのノイズ
検出回路４からのコントロール信号は、フイード
フオローループによつて出力されるため、ノイズ
検出回路４のダイナミツクレンジとノイズ検出の
直線性とが極めて重要な要素を占めている。つま
り、復調回路３からの復調雑音は復調Ｓ／Ｎとほ
ぼ同じ範囲にわたつて変動するため、ノイズ検出
回路４は約60dB程度のダイナミツクレンジを必
要とする。更に、その範囲にわたつてコントロー
ル信号を直線的に出力するための工夫が必要とさ
れる。

したがつて、これらを満足させるためには、ノ
イズリダクシヨン回路５に多段の増幅器と多段の
検出器とを接続しなければならず、これら電子部
品のコストが高くつくため、FMステレオ受信機
自体が高価なものとなつてしまう。

本考案は、このような事情に対処して成された
もので、Ｓ／Ｎ比を低減させることなく装置の低
コスト化を図ることができるFMステレオ受信機
を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本発明のFMステレオ受信機は、コンポジツト
信号を復調する復調回路と、この復調回路の出力
端に接続されたノイズリダクシヨン回路と、この
ノイズリダクシヨン回路の出力端に接続されたス
テレオ復調回路と、前記ノイズリダクシヨン回路
と前記ステレオ復調回路とを結ぶラインから分岐
した分岐ラインに入力端が接続され、出力端が前
記ノイズリダクシヨン回路に接続されたノイズ検
出回路とを備え、前記ノイズリダクシヨン回路か
ら出力される信号に含まれているノイズを前記ノ
イズ検出回路で検出し、その検出結果に基づき前
記ノイズリダクシヨン回路から出力されるノイズ
を一定に制御することを特徴とする。

（作用） 本発明のFMステレオ受信機では、ノイズ検出
回路からの検出結果に基づいて、ノイズリダクシ
ヨン回路の動作制御をフイードバツクにより行う
構成としている。

つまり、ノイズ検出回路による検出結果は、ノ
イズリダクシヨン回路からのノイズが低減された
出力に基づいたものとされ、またノイズリダクシ
ヨン回路からの出力ノイズを一定に制御するため
のものである。

したがつて、ノイズ検出回路のダイナミツクレ
ンジは、ノイズリダクシヨン回路からの出力ノイ
ズを一定に制御するに足りる範囲のものであれば
よく、またノイズ検出における感度もきわめて高
いものを要しない。

（実施例） 以下、本考案の実施例の詳細を図面に基づいて
説明する。なお、以下の説明において、第４図と
共通する部分には同一符号を付し重複する説明を
省略する。

第１図は、本考案のFMステレオ受信機の一実
施例を示すもので、入力端子１には、IFアンプ
２、復調回路３、ノイズリダクシヨン回路５、ス
テレオ復調回路６が接続されている。

ノイズリダクシヨン回路５とステレオ復調回路６
と間には、ノイズリダクシヨン回路５からの出力
ノイズを検出し、この検出結果をノイズリダクシ
ヨン回路５にフイードバツクするノイズ検出回路
４ａが設けられている。

ここで、ノイズ検出回路４ａによる検出結果
は、たとえばFM放送波の電界レベルが低下する
にしたがつて高くなる。

このような構成のFMステレオ受信機は、次の
ような動作を行う。

まず、FM放送波がアンテナ、フロントエンド
部及び入力端子１を介してIFアンプ２に取込ま
れると、IFアンプ２によつて中間波が増幅され
る。IFアンプ２によつて増幅されたコンポジツ
ト信号は、復調回路３によつて復調された後、ハ
イカツトフイルタやミユート回路等によつて
ARC（自動受信制御）機能を果たすノイズリダク
シヨン回路５に出力される。

ノイズリダクシヨン回路５は、復調回路３で復
調された信号に対しノイズを低減させたコンポジ
ツト信号をステレオ復調回路６に出力する。

このとき、ノイズ検出回路４ａにより、ノイズ
リダクシヨン回路５からの出力であるコンポジツ
ト信号の高域ノイズの抽出が行われる。また、ノ
イズ検出回路４ａにより、FM放送波の電界レベ
ルが検出される。

そして、ノイズ検出回路４ａは、これらの検出
結果に応じたコントロール信号をノイズリダクシ
ヨン回路５にフイードバツクする。ノイズリダク
シヨン回路５は、そのコントロール信号に応じ
て、ARC（自動受信制御）機能を働かせる。

つまり、FM放送波の電界レベルが低下する
と、まずオートセパレーシヨン機能によりステレ
オからモノラルへの切り替えを行う。この切り替
え時における電界レベルがさらに低下すると、オ
ートハイカツト機能により高域ノイズが低減され
る。この高域ノイズ低減時における電界レベルが
さらに低下すると、ソフトミユート機能により再
生出力が低減される。

なお、ここでのノイズ検出回路４ａによるフイ
ードバツク動作は、AM放送受信機のAGC動作
と同じ原理であり、ノイズ検出回路４ａにより検
出される高域ノイズが常に一定になるようにルー
プ制御が行われ、これによりノイズが自動的に抑
制される。

また、ノイズリダクシヨン回路５とステレオ復
調回路６との共働作用によつてFMステレオ受信
機のＳ／Ｎ比の維持も行つている。

ノイズリダクシヨン回路５からの高域ノイズの
低減されたコンポジツト信号は、ステレオ復調回
路６に出力されると、ステレオ復調回路６によつ
て復調されたた後、Ｌ出力端子７ａ及びＲ出力端
子７ｂから出力される。

このように、この実施例においては、ノイズ検
出回路４からの検出結果に基づいて、ノイズリダ
クシヨン回路５の動作制御をフイードバツクによ
り行い構成とした。したがつて、ノイズ検出回路
４ａのダイナミツクレンジは、ノイズリダクシヨ
ン回路５からの出力ノイズを一定に制御するに足
りる範囲のものであればよく、またノイズ検出に
おける感度もきわめて高いものを要しないため、
Ｓ／Ｎ比を低減させることなく装置の低コスト化
を図ることが可能となる。

第２図は、第１図のFMステレオ受信機の構成
を変えた場合の他の実施例を示すもので、ノイズ
リダクシヨン回路５とステレオ復調回路６との間
には、イグニツシヨンノイズを抑制するノイズサ
プレツサ回路８が介在されている。

そして、この実施例では、ノイズサプレツサ回
路８によりイグニツシヨンノイズを含めたノイズ
低減を図ることができる。

また、ノイズサプレツサ回路８はノイズリダク
シヨン回路５の出力側に設けられているため、ノ
イズ検出回路４ａによるノイズリダクシヨン回路
５のフイードバツク制御がなされるまでの間のイ
グニツシヨンノイズの低減も可能となる。

第３図は、第２図のFMステレオ受信機の構成
を変えた場合の更に他の実施例を示すもので、ノ
イズ検出回路４ａとノイズリダクシヨン回路５と
の間には、ループ利得設定用入力端子９ａを有し
たループ利得調整回路９が介在されている。

そして、この実施例においては、ノイズリダク
シヨン回路５におけるARC（自動受信制御）機能
のオートセパレーシヨン機能、オートハイカツト
機能及びソフトミユート機能の動作利得をループ
利得設定用入力端子９ａを介して設定することが
可能となるため、更に再生音の音質を高めること
ができる。

つまり、これらの機能の働きが過敏すぎた場合
には再生音に異和感を生じたり、またそれが鈍感
すぎた場合には再生音のノイズが気になつたりす
るためである。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案のFMステレオ受
信機によれば、ノイズ検出回路のダイナミツクレ
ンジを、ノイズリダクシヨン回路からの出力ノイ
ズを一定の制御するに足りる範囲のものとし、ま
たノイズ検出における感度もきわめて高いものを
要しないので、Ｓ／Ｎ比を低減させることなく装
置の低コスト化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のFMステレオ受信機の一実施
例を示すブロツク図、第２図はそのFMステレオ
受信機の構成を変えた場合の他のFMステレオ受
信機を示すブロツク図、第３図はそのFMステレ
オ受信機の構成を変えた場合の更に他のFMステ
レオ受信機を示すブロツク図、第４図は従来の
FMステレオ受信機の一例を示すブロツク図であ
る。 １……入力端子、２……IFアンプ、３……復
調回路、４ａ……ノイズ検出回路、５……ノイズ
リダクシヨン回路、６……ステレオ復調回路、７
ａ，７ｂ……出力端子、８……ノイズサプレツサ
回路、９……ループ利得調整回路、９ａ……ルー
プ利得設定用入力端子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 コンポジツト信号を復調する復調回路と、この
   復調回路の出力端に接続されたノイズリダクシヨ
   ン回路と、このノイズリダクシヨン回路の出力端
   に接続されたステレオ復調回路と、前記ノイズリ
   ダクシヨン回路と前記ステレオ復調回路とを結ぶ
   ラインから分岐した分岐ラインに入力端が接続さ
   れ、出力端が前記ノイズリダクシヨン回路に接続
   されたノイズ検出回路とを備え、 前記ノイズリダクシヨン回路から出力される信
   号に含まれているノイズを前記ノイズ検出回路で
   検出し、その検出結果に基づき前記ノイズリダク
   シヨン回路から出力されるノイズを一定に制御す
   ることを特徴とするFMステレオ受信機。