JPH04243998A - β−メタホウ酸バリウム単結晶の製造方法 - Google Patents
β−メタホウ酸バリウム単結晶の製造方法Info
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- JPH04243998A JPH04243998A JP2692891A JP2692891A JPH04243998A JP H04243998 A JPH04243998 A JP H04243998A JP 2692891 A JP2692891 A JP 2692891A JP 2692891 A JP2692891 A JP 2692891A JP H04243998 A JPH04243998 A JP H04243998A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、第二次高調波発生可能
な光学結晶として使用し得る高品質なβ−メタホウ酸バ
リウムを製造するための方法に関する。
な光学結晶として使用し得る高品質なβ−メタホウ酸バ
リウムを製造するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、β−メタホウ酸バリウムはその
非線形光学定数が大きいことや透光領域が広いこと等に
より紫外線域のレーザ光の発生のために極めて有用であ
る。そしてかかるβ−メタホウ酸バリウムの結晶育成は
、β相が低温相であるため、フラックス法によりβ相か
らα相(高温相)への転移温度(920°C)以下の溶
液を徐冷することによって行われる。この場合、結晶の
育成速度は0.5〜1.0mm/日程度であり、極めて
遅いものである(Journal of Syns
etic Crystals,vol.19 No
.1,21;1990)。
非線形光学定数が大きいことや透光領域が広いこと等に
より紫外線域のレーザ光の発生のために極めて有用であ
る。そしてかかるβ−メタホウ酸バリウムの結晶育成は
、β相が低温相であるため、フラックス法によりβ相か
らα相(高温相)への転移温度(920°C)以下の溶
液を徐冷することによって行われる。この場合、結晶の
育成速度は0.5〜1.0mm/日程度であり、極めて
遅いものである(Journal of Syns
etic Crystals,vol.19 No
.1,21;1990)。
【0003】ところで、特開平2−172891号公報
及び特開平2−17892号公報には、フラックスを含
まないBaB2 O4 組成の融液から引上げ法により
β相の単結晶を得る方法が開示されている。そして先ず
、前者公報により開示された方法によれば、ホウ酸と塩
化バリウム水溶液の沈殿反応により生じたバリウムボレ
イトを引上げ原料にして良質なβ相の単結晶が育成され
る。
及び特開平2−17892号公報には、フラックスを含
まないBaB2 O4 組成の融液から引上げ法により
β相の単結晶を得る方法が開示されている。そして先ず
、前者公報により開示された方法によれば、ホウ酸と塩
化バリウム水溶液の沈殿反応により生じたバリウムボレ
イトを引上げ原料にして良質なβ相の単結晶が育成され
る。
【0004】一方、後者公報(特開平2−172892
号)に開示された方法によれば、純度99.9995%
のBaCO3 と純度99.9999%のH3 B03
のそれぞれ粉末を混合・焼成して成る原料を用いて引
上げ法によりβ相の単結晶が育成されるが、この場合か
かるβ相の単結晶を得るための第一の条件として融液は
β−BaB2 O4 を融解したものであり且つ加熱さ
れていないものであること、そして第二の条件として融
液は過冷却状態から凝固するために必要な温度環境下に
置かれていることの二つの点があげられている。又、β
相の単結晶の育成条件としては、融体の直上1cmまで
の範囲の温度勾配を約600°C/cmに調節し、結晶
の種子としてC軸棒を用いてその回転速度を15回転/
分及び引上げ速度は0.3mm/時にそれぞれ設定され
る。
号)に開示された方法によれば、純度99.9995%
のBaCO3 と純度99.9999%のH3 B03
のそれぞれ粉末を混合・焼成して成る原料を用いて引
上げ法によりβ相の単結晶が育成されるが、この場合か
かるβ相の単結晶を得るための第一の条件として融液は
β−BaB2 O4 を融解したものであり且つ加熱さ
れていないものであること、そして第二の条件として融
液は過冷却状態から凝固するために必要な温度環境下に
置かれていることの二つの点があげられている。又、β
相の単結晶の育成条件としては、融体の直上1cmまで
の範囲の温度勾配を約600°C/cmに調節し、結晶
の種子としてC軸棒を用いてその回転速度を15回転/
分及び引上げ速度は0.3mm/時にそれぞれ設定され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記第一の
条件は、結晶化する相が融液融解前の固体の状態に依存
して変化する、即ちBaB2 O4の融液より引き上げ
た単結晶の形態は履歴によって変わってしまうというこ
とを示しており、この点、例えばBaB2 O4 の融
液を1200°Cに3時間保持した場合にはβ相の単結
晶を得ることができないという報告がある(古宇田;応
用物理学会結晶工学分科会第93回研究会)。又、上記
特開平2−17892号公報には原料の合成に際してB
aCO3 及びH3 BO3 の混合粉末を1250°
Cの温度まで加熱するという例が記載されているが、こ
のような加熱を行う方法では上記第一の条件よりすれば
β相の単結晶は育成され得ない。つまり、CO2 のB
aCO3 からの分離温度は1450°Cであり極めて
高く、従って純度が高いBaB2 O4 化合物を得る
ためには1200°C以上の温度条件で加熱処理する必
要があるから、上記公報の記載例のようにBaの供給源
にBaCO3 を用いる限り良質なβ相を育成すること
が困難になる。一方、第二の条件による温度環境につい
て特に融体の直上1cmまでの範囲の温度勾配を約60
0°C/cmに設定して結晶育成を行ってみたところ、
得られた結晶はα相及びβ相のクラックを無数に含んだ
多結晶体が殆どであった。
条件は、結晶化する相が融液融解前の固体の状態に依存
して変化する、即ちBaB2 O4の融液より引き上げ
た単結晶の形態は履歴によって変わってしまうというこ
とを示しており、この点、例えばBaB2 O4 の融
液を1200°Cに3時間保持した場合にはβ相の単結
晶を得ることができないという報告がある(古宇田;応
用物理学会結晶工学分科会第93回研究会)。又、上記
特開平2−17892号公報には原料の合成に際してB
aCO3 及びH3 BO3 の混合粉末を1250°
Cの温度まで加熱するという例が記載されているが、こ
のような加熱を行う方法では上記第一の条件よりすれば
β相の単結晶は育成され得ない。つまり、CO2 のB
aCO3 からの分離温度は1450°Cであり極めて
高く、従って純度が高いBaB2 O4 化合物を得る
ためには1200°C以上の温度条件で加熱処理する必
要があるから、上記公報の記載例のようにBaの供給源
にBaCO3 を用いる限り良質なβ相を育成すること
が困難になる。一方、第二の条件による温度環境につい
て特に融体の直上1cmまでの範囲の温度勾配を約60
0°C/cmに設定して結晶育成を行ってみたところ、
得られた結晶はα相及びβ相のクラックを無数に含んだ
多結晶体が殆どであった。
【0006】本発明はかかる実情に鑑み、特にβ−メタ
ホウ酸バリウム単結晶を安定して確実に得ることができ
る製造方法を提供することを目的とする。
ホウ酸バリウム単結晶を安定して確実に得ることができ
る製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によるβ−メタホ
ウ酸バリウム単結晶の製造方法は、バリウム化合物とし
て硝酸バリウム及び/又は水酸化バリウムを、又、ホウ
素化合物として酸化ホウ素及び/又はホウ酸を用いてβ
−メタホウ酸バリウム粉を合成し、該β−メタホウ酸バ
リウム粉の粉末を原料として引上げ法によりβ−メタホ
ウ酸バリウム単結晶を得るが、特に原料融液の温度勾配
を結晶の引上げ軸方向に沿って約10°C/cmに設定
して行われる。
ウ酸バリウム単結晶の製造方法は、バリウム化合物とし
て硝酸バリウム及び/又は水酸化バリウムを、又、ホウ
素化合物として酸化ホウ素及び/又はホウ酸を用いてβ
−メタホウ酸バリウム粉を合成し、該β−メタホウ酸バ
リウム粉の粉末を原料として引上げ法によりβ−メタホ
ウ酸バリウム単結晶を得るが、特に原料融液の温度勾配
を結晶の引上げ軸方向に沿って約10°C/cmに設定
して行われる。
【0008】
【作用】本発明によれば、バリウム化合物とホウ素化合
物とを所定のモル比で混合・焼成することにより、例え
ばBaCO3 の場合のように1200°C以上の高温
処理をすることなくβ−BaB2 O4 を得ることが
できるが、特に引上炉内の温度勾配を上記のように10
°C/cmと緩く設定することによりβ相からα相への
転移を防止することができ、これによりβ相の単結晶を
安定して育成することができる。
物とを所定のモル比で混合・焼成することにより、例え
ばBaCO3 の場合のように1200°C以上の高温
処理をすることなくβ−BaB2 O4 を得ることが
できるが、特に引上炉内の温度勾配を上記のように10
°C/cmと緩く設定することによりβ相からα相への
転移を防止することができ、これによりβ相の単結晶を
安定して育成することができる。
【0009】
【実施例】以下、図1及び図2を参照して本発明による
β−メタホウ酸バリウム単結晶の製造方法の一実施例を
説明する。バリウム化合物として硝酸バリウムを、又ホ
ウ素化合物として酸化ホウ素をそれぞれ選び、1モルの
硝酸バリウム及び2モルの酸化ホウ素を十分混合して白
金製容器に入れて電気炉内において排気を行いながら8
50°Cの温度で6時間の仮焼を行う。更に、仮焼され
た硝酸バリウム及び酸化ホウ素を粉砕・混合せしめて白
金製容器に入れて電気炉内において850°Cの温度で
6時間の加熱を行う。この加熱された硝酸バリウム及び
酸化ホウ素を再び粉砕・混合せしめて850°Cの温度
で6時間の加熱処理を行う。
β−メタホウ酸バリウム単結晶の製造方法の一実施例を
説明する。バリウム化合物として硝酸バリウムを、又ホ
ウ素化合物として酸化ホウ素をそれぞれ選び、1モルの
硝酸バリウム及び2モルの酸化ホウ素を十分混合して白
金製容器に入れて電気炉内において排気を行いながら8
50°Cの温度で6時間の仮焼を行う。更に、仮焼され
た硝酸バリウム及び酸化ホウ素を粉砕・混合せしめて白
金製容器に入れて電気炉内において850°Cの温度で
6時間の加熱を行う。この加熱された硝酸バリウム及び
酸化ホウ素を再び粉砕・混合せしめて850°Cの温度
で6時間の加熱処理を行う。
【0010】これにより得られた原料の微粉末を白金坩
堝(直径50mm,高さ50mm)に入れて高周波加熱
炉内において1100°Cの温度で溶解せしめ、次に融
液の温度が1048°Cになったときに白金棒をシード
として空気中で引上げを行う。ここで、上記白金棒の引
上げは、融液の直上3cmまでの範囲の温度勾配を結晶
の引上げ軸方向に沿って約10°C/cmに設定して行
われる。そしてかかる温度勾配の設定は炉内の耐火物の
構造並びに外部チャンバー及び坩堝の大きさを適宜選択
することによって調節することができる。又、上記白金
棒の引上げ速度を1.0〜3.0mm/時に、回転速度
を5〜10回転/分にそれぞれ設定し、かかる条件の下
で9時間結晶育成を行ったところ、直径15mm,長さ
15mmの寸法のβ相の単結晶が得られた。
堝(直径50mm,高さ50mm)に入れて高周波加熱
炉内において1100°Cの温度で溶解せしめ、次に融
液の温度が1048°Cになったときに白金棒をシード
として空気中で引上げを行う。ここで、上記白金棒の引
上げは、融液の直上3cmまでの範囲の温度勾配を結晶
の引上げ軸方向に沿って約10°C/cmに設定して行
われる。そしてかかる温度勾配の設定は炉内の耐火物の
構造並びに外部チャンバー及び坩堝の大きさを適宜選択
することによって調節することができる。又、上記白金
棒の引上げ速度を1.0〜3.0mm/時に、回転速度
を5〜10回転/分にそれぞれ設定し、かかる条件の下
で9時間結晶育成を行ったところ、直径15mm,長さ
15mmの寸法のβ相の単結晶が得られた。
【0011】本発明によるβ−メタホウ酸バリウム単結
晶の製造方法は上記のように構成されているから、先ず
バリウム化合物として硝酸バリウムを、又ホウ素化合物
として酸化ホウ素をそれぞれ選び、これらの化合物をバ
リウムとホウ素とのモル比が1:2となるように混合・
焼成することにより、従来のように高温(1200°C
)にすることなく純粋なβ−BaB2 O4 を得るこ
とができる。これは、硝酸バリウムと酸化ホウ素との組
合わせとしたことにより、バリウム化合物としてBaC
O3 を選んだ場合にはCO2 のBaCO3 からの
分離温度が高いため高温処理を行わなければならないの
とは異なり、比較的低い温度でβ−メタホウ酸バリウム
粉を合成することができるためである。又、このことに
より、沈殿原料からβ−BaB2 O4 を得る方法に
比べて製造が簡単になり、工業的規模で製造する場合に
極めて有利である。一方、白金棒を引き上げる際の融液
の温度勾配を緩く設定したことにより、結晶育成中にお
けるβ相からα相への転移を防止することができ、これ
によりβ相の単結晶を安定して育成することができる。 そして、得られたβ相の単結晶は光学的にも優れた特性
を備えており、該単結晶にNd−YAGレーザ光を入射
せしめたところ緑色の二次高調波が発生した。又、肉眼
ではクラックの存在を確認することはできず、更に結晶
のX線ラウエ写真によれば良好な単結晶性が確認された
。尚、バリウム化合物及びホウ素化合物の組合わせは上
記の場合を始めとして、バリウム化合物として硝酸バリ
ウム及び/又は水酸化バリウムを、又、ホウ素化合物と
して酸化ホウ素及び/又はホウ酸を用いることができる
。
晶の製造方法は上記のように構成されているから、先ず
バリウム化合物として硝酸バリウムを、又ホウ素化合物
として酸化ホウ素をそれぞれ選び、これらの化合物をバ
リウムとホウ素とのモル比が1:2となるように混合・
焼成することにより、従来のように高温(1200°C
)にすることなく純粋なβ−BaB2 O4 を得るこ
とができる。これは、硝酸バリウムと酸化ホウ素との組
合わせとしたことにより、バリウム化合物としてBaC
O3 を選んだ場合にはCO2 のBaCO3 からの
分離温度が高いため高温処理を行わなければならないの
とは異なり、比較的低い温度でβ−メタホウ酸バリウム
粉を合成することができるためである。又、このことに
より、沈殿原料からβ−BaB2 O4 を得る方法に
比べて製造が簡単になり、工業的規模で製造する場合に
極めて有利である。一方、白金棒を引き上げる際の融液
の温度勾配を緩く設定したことにより、結晶育成中にお
けるβ相からα相への転移を防止することができ、これ
によりβ相の単結晶を安定して育成することができる。 そして、得られたβ相の単結晶は光学的にも優れた特性
を備えており、該単結晶にNd−YAGレーザ光を入射
せしめたところ緑色の二次高調波が発生した。又、肉眼
ではクラックの存在を確認することはできず、更に結晶
のX線ラウエ写真によれば良好な単結晶性が確認された
。尚、バリウム化合物及びホウ素化合物の組合わせは上
記の場合を始めとして、バリウム化合物として硝酸バリ
ウム及び/又は水酸化バリウムを、又、ホウ素化合物と
して酸化ホウ素及び/又はホウ酸を用いることができる
。
【0012】次に、育成中の結晶内の温度勾配がβ相か
らα相への転移に影響を与えていることを調べるために
行った高温X線回折及び熱膨張測定の測定結果について
説明する。β相粉末を試料にして高温X線回折を、又、
β相5mm角バルク単結晶を試料にして熱膨張測定をそ
れぞれ行うが、α相とβ相との間には室温において約2
.6%の体積差があるため熱膨張を測定することによっ
てβ相からα相への転移を容易に検出することができる
。ここで、図1はβ−メタホウ酸バリウムの粉末の高温
X線回折の測定グラフを示し、又、図2はβ−メタホウ
酸バリウムの単結晶の熱膨張変化の測定グラフを示して
いる。そして、これらの測定結果から次の表1が得られ
る。
らα相への転移に影響を与えていることを調べるために
行った高温X線回折及び熱膨張測定の測定結果について
説明する。β相粉末を試料にして高温X線回折を、又、
β相5mm角バルク単結晶を試料にして熱膨張測定をそ
れぞれ行うが、α相とβ相との間には室温において約2
.6%の体積差があるため熱膨張を測定することによっ
てβ相からα相への転移を容易に検出することができる
。ここで、図1はβ−メタホウ酸バリウムの粉末の高温
X線回折の測定グラフを示し、又、図2はβ−メタホウ
酸バリウムの単結晶の熱膨張変化の測定グラフを示して
いる。そして、これらの測定結果から次の表1が得られ
る。
【0013】
【表1】
【0014】上記表1からも明らかなように、先ず高温
X線回折では試料の各々の単結晶が微小であるため、単
結晶内における温度勾配を容易に均一にすることができ
るので、1050°Cにおいてもβ相は準安定状態のま
まである。一方、熱膨張測定では試料がバルクであるた
めに、昇温率が0.1°C/分程度と比較的小さくても
1010°Cにおいてβ相からα相への転移が生じてい
ることが分かる。従って、上記実施例における結晶は実
質的に0.1°C/分以下の温度変化率で育成されたこ
とが分かる。
X線回折では試料の各々の単結晶が微小であるため、単
結晶内における温度勾配を容易に均一にすることができ
るので、1050°Cにおいてもβ相は準安定状態のま
まである。一方、熱膨張測定では試料がバルクであるた
めに、昇温率が0.1°C/分程度と比較的小さくても
1010°Cにおいてβ相からα相への転移が生じてい
ることが分かる。従って、上記実施例における結晶は実
質的に0.1°C/分以下の温度変化率で育成されたこ
とが分かる。
【0015】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、不純物
を含まないβ−BaB2 O4 微結晶を形成し、この
微結晶を用いてβ−BaB2 O4 単結晶を育成する
ようにしたから、得られた単結晶にはクラックの発生が
ないばかりか、高純度な単結晶を容易に製造することが
できる。 そして、製造されたたβ−BaB2 O4 単結晶は第
二次高調波発生用の光学素子として優れた性能を発揮す
る等の利点がある。
を含まないβ−BaB2 O4 微結晶を形成し、この
微結晶を用いてβ−BaB2 O4 単結晶を育成する
ようにしたから、得られた単結晶にはクラックの発生が
ないばかりか、高純度な単結晶を容易に製造することが
できる。 そして、製造されたたβ−BaB2 O4 単結晶は第
二次高調波発生用の光学素子として優れた性能を発揮す
る等の利点がある。
【図1】β−メタホウ酸バリウムの粉末の高温X線回折
の測定結果を示すグラフである。
の測定結果を示すグラフである。
【図2】β−メタホウ酸バリウムの単結晶の熱膨張変化
の測定結果を示すグラフである。
の測定結果を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 バリウム化合物として硝酸バリウム及
び/又は水酸化バリウムを、又、ホウ素化合物として酸
化ホウ素及び/又はホウ酸を用いてβ−メタホウ酸バリ
ウム粉を合成し、該β−メタホウ酸バリウム粉の粉末を
原料として引上げ法によりβ−メタホウ酸バリウム単結
晶を得る方法において、原料融液の温度勾配を結晶の引
上げ軸方向に沿って約10°C/cmに設定して行うこ
とを特徴とするβ−メタホウ酸バリウム単結晶の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2692891A JPH04243998A (ja) | 1991-01-28 | 1991-01-28 | β−メタホウ酸バリウム単結晶の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2692891A JPH04243998A (ja) | 1991-01-28 | 1991-01-28 | β−メタホウ酸バリウム単結晶の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH04243998A true JPH04243998A (ja) | 1992-09-01 |
Family
ID=12206834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2692891A Pending JPH04243998A (ja) | 1991-01-28 | 1991-01-28 | β−メタホウ酸バリウム単結晶の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04243998A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1062319C (zh) * | 1997-04-15 | 2001-02-21 | 中国科学院上海光学精密机械研究所 | 高温相偏硼酸钡(α-BaB2O4)晶体的生长方法 |
CN108557836A (zh) * | 2018-04-28 | 2018-09-21 | 陕西师范大学 | 一种BaB8O11(OH)4纳米阻燃材料及其制备方法 |
CN112919485A (zh) * | 2021-01-21 | 2021-06-08 | 中国科学院新疆理化技术研究所 | 化合物硼硝酸钾和硼硝酸钾非线性光学晶体及制备方法和用途 |
-
1991
- 1991-01-28 JP JP2692891A patent/JPH04243998A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1062319C (zh) * | 1997-04-15 | 2001-02-21 | 中国科学院上海光学精密机械研究所 | 高温相偏硼酸钡(α-BaB2O4)晶体的生长方法 |
CN108557836A (zh) * | 2018-04-28 | 2018-09-21 | 陕西师范大学 | 一种BaB8O11(OH)4纳米阻燃材料及其制备方法 |
CN108557836B (zh) * | 2018-04-28 | 2021-10-22 | 陕西师范大学 | 一种BaB8O11(OH)4纳米阻燃材料及其制备方法 |
CN112919485A (zh) * | 2021-01-21 | 2021-06-08 | 中国科学院新疆理化技术研究所 | 化合物硼硝酸钾和硼硝酸钾非线性光学晶体及制备方法和用途 |
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