JPH0424135Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、ガスエンジンのガス燃料供給装置に
関し、ガス燃料・空気混合器におけるガス燃料供
給量の変動を小さくしてガスエンジンの回転数を
安定化させるとともに、ガス燃料圧調整器の応答
感度を高めて整定時間を短縮できるものを提供す
る。

〈従来技術〉 本考案の対象となるガスエンジンのガス燃料供
給装置の基本構造は、第１図或いは第４図に示す
ように、ガスエンジンＥのガス燃料圧調整器３を
調圧済みガス燃料供給路２を介してガス燃料・空
気混合器１に連通連結した形式のものである。

この形式の従来技術としては、第４図に示すよ
うに、ガス燃料圧調整器３をガス燃料・空気混合
器１のベンチユリ１００に、単にガス燃料供給路
２を介して連結したものがある。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上記ガス燃料圧調整器３は、具体的には例えば
ダイヤフラムシリンダであつて、弁体２３をダイ
ヤフラム２２の閉弁用バネ２１により弁出口２６
に対して閉弁付勢し、ダイヤフラム２２の背部に
設けられ且つ大気に連通したダイヤフラム室２４
と弁出口２６側との差圧力で（即ち、実質的には
バネ力に弁出口側の負圧力をバランスさせて）弁
体２３の開閉作動を行なうものである。

しかしながら、単気筒ガスエンジンでは、ガス
燃料・空気混合器１に大きな吸気脈動圧が波及す
るので、ガス燃料供給路２を介して当該ガス燃
料・空気混合器１に連通するガス燃料圧調整器３
の弁出口２６側の圧力は、これに伴つて変動す
る。

この結果、ダイヤフラム２２の弁体２３が開閉
を繰り返して、ガス燃料・空気混合器１へのガス
燃料の供給量が乱れて、ガスエンジンＥの回転数
の変動が大きくなつてしまう。

本考案は、当該ガス燃料・空気混合器へのガス
燃料の供給を安定化させることを技術的課題とす
る。

〈問題点を解決するための手段〉 上記課題を達成するための手段を、実施例に対
応する図面を用いて以下に説明する。

即ち、本考案は、前記基本構造のガスエンジン
のガス燃料供給装置において、調圧済みガス燃料
供給路２に脈動圧緩衝用逆止弁５を介装し、当該
脈動圧緩衝用逆止弁５は、エンジンＥの吸気脈動
圧のうち、ガス燃料圧調整器３のガス燃料導通室
２５の圧力よりも低い、谷側部分の圧力を受けた
状態では、開弁して燃料ガスの流通を許すのに対
して、ガス燃料導通室２５の圧力よりも高い、山
側部分の圧力を受けた状態では、ガス燃料圧調整
器３の圧力に抗して閉弁して、燃料ガスの流通を
休止させるように構成したことを特徴とするもの
である。

〈作用〉 例えば、ガス燃料圧調整器３がダイヤフラムシ
リンダである場合の作用を述べる。

(1) (a) ガス燃料・空気混合器１の内部に生ずる
吸気脈動圧がガス燃料圧調整器３のガス燃料
導通室２５の圧力よりも低い、谷側部分の圧
力になると、脈動圧緩衝用逆止弁５が開弁し
て、ガス燃料圧調整器３におけるダイヤフラ
ムが開弁用作動室側の大気圧に押される結
果、弁体が弁出口に対して開弁し、ガス燃料
がガス燃料・空気混合器１にスムーズに供給
される。

(b) 逆に、ガス燃料・空気混合器１の内部に生
ずる吸気脈動圧がガス燃料導通室２５の圧力
よりも高い、山側部分の圧力になると、逆止
弁５が閉弁するので、ガス燃料・空気混合器
１の圧力は逆止弁５で阻止されてガス燃料圧
調整器３に直接に影響を及ぼすことが抑制さ
れ、ガス燃料圧調整器３の弁体が弁座に対し
て開閉を繰り返すことはなくなる。

この結果、(a)〜(b)により、ガス燃料圧調整器３
の弁体は開弁を保持されるので、ガス燃料・空気
混合器１へのガス燃料の供給量の変動が小さくな
る。

(2) 逆止弁５はガス燃料圧調整器３の吸気脈動圧
が負圧のときだけ開弁して、ガス燃料圧調整器
３の出口側の負圧は大きくなるので、この負圧
力に抗するバネ力を大きくでき、バネ定数を大
きく設定できる。

〈考案の効果〉 (1) ガス燃料供給路に介装した逆止弁の作用によ
り、ガス燃料・空気混合器へのガス燃料の供給
量の変動が小さく抑制されるので、ガスエンジ
ンの回転数の変動が小さくなり、エンジンの回
転が安定化する。

(2) 閉弁用バネのバネ定数を大きく設定できるの
で、ガス燃料圧調整器において開弁圧力に抗す
る閉弁力の大部分はバネ力で占められ、閉弁力
に対する弁出口側に負圧の占める割合はそれだ
け小さくなる。

このため、外乱要素によつてバネ力が影響を
受けることが少なくなり、ガス燃料圧調整器の
作動がスムーズになつて、ガス燃料圧調整器の
応答感度が高くなるので、エンジンの整定時間
を短縮できる。

〈実施例〉 以下、本考案の実施例を図面に基づいて述べ
る。

第１図は単気筒ガスエンジンのガス燃料供給装
置の縦断正面系統図、第２図は同ガス燃料供給装
置に用いられるガスケツトの正面図であつて、同
単気筒ガスエンジンＥの一側面に形成した吸気ポ
ートにガス燃料・空気混合器１が接続される。

上記ガス燃料・空気混合器１は調圧済みガス燃
料供給路２を介してガス燃料圧調整器３に連通連
結され、当該ガス燃料圧調整器３はガス燃料供給
路を介して一次圧調整器６及びガス燃料供給源４
に順々に連結される。

当該ガス燃料・空気混合器１は、混合器本体７
の中央に混合用通気路８を貫設し、混合用通気路
８にベンチユリ１０を形成し、ベンチユリ１０の
風下側にチヨーク弁１１を、また、ベンチユリ１
０の風上側（即ち、ガスエンジンＥの吸気ポート
側）にスロツトル弁１２を各々開閉自在に枢支す
る。

また、混合器本体７の下方からベンチユリ１０
にかけてガス燃料流入路２ａを空ける。

一方、ガスケツト１５を介して上部体１４ａを
下部体１４ｂに締結して成る弁本体１４が、混合
器本体７の下端７ａに一体的にネジ固定され、弁
本体１４の中央にＬ字状のガス燃料導入路２ｂが
空けられて、当該ガス燃料導入路２ｂの中途部に
脈動圧緩衝用逆止弁５及びガス燃料の流量調整弁
１６が介装される。

上記脈動圧緩衝用逆止弁５は、上部体１４ａの
下端面に形成した弁室１７と、ガスケツト１５に
Ｕ字溝１８を切り抜いて形成した舌片２０とから
成り、弁室１７はＵ字溝１８を囲むように一回り
大きく形成され、下部体１４ｂに空けたガス燃料
導入路２ｂの直径は舌片２０に覆われるように一
回り小さく形成される。

また、流量調整弁１６は、下部体１４ｂの下端
面からガス燃料導入路２ｂに向けてネジ嵌合さ
れ、当該導入路２ｂに形成された弁座１９への侵
入度合により、ガス燃料の流量を可変可能にする
ように構成される。

上記ガス燃料導入路２ｂは前記ガス燃料流入路
２ａと合わせてガス燃料供給路２の一部を構成す
るとともに、ガス燃料圧調整器３のガス燃料出口
２６に接続される。

他方、ガス燃料圧調整器３は、ダイヤフラムシ
リンダであつて、ダイヤフラム２２に取り付けら
れたシリンダ弁体２３を、ダイヤフラム２２の下
方に形成した開弁用作動室２４の大気圧に、閉弁
用バネ２１のバネ力とガス燃料導通室２５の負圧
力とを対抗させて、弁座２７に対して開度調整可
能に構成してある。

そこで、本ガス燃料供給装置の機能を以下に説
明する。

単気筒ガスエンジンＥではピストンの上下運動
によりガス燃料・空気混合器１に吸気脈動圧が生
ずるが、 (1) 混合用通気路８の吸気脈動圧がガス燃料圧調
整器３のガス燃料導通室２５の圧力より負圧に
なると、舌片２０より成る脈動圧緩衝用逆止弁
５が第１図の仮想線で示すように開弁する。

この結果、ガス燃料圧調整器３においては、
当該導通室２５の負圧が大きくなり開弁用作動
室２４の圧力が勝つて弁体２３が開弁し、ガス
燃料がガス燃料供給路２を通つてガス燃料・空
気混合器１に供給される。

(2) 混合用通気路８の吸気脈動圧がガス燃料圧調
整器３のガス燃料導通室２５の圧力より正圧に
なると、舌片２０より成る脈動圧緩衝用逆止弁
５が、第１図の実線で示すように閉弁する。

この結果、ガス燃料圧調整器３のガス燃料導
通室２５にガス燃料・空気混合器１の側の正圧
が影響を及ぼすことが防止され、弁体２３の閉
じる方向にダイヤフラム２２が縮退することは
なく、弁体２３は開弁を保持継続されてガス燃
料圧調整器３の作動は安定化する。

第３図は本考案の他の実施例を示し、上記実施
例では脈動圧緩衝用逆止弁５をガスケツト１５を
利用して形成したが、本実施例ではガスケツト１
５とは別個にリード弁タイプの弁体５０を、弁本
体１４の上部体１４ａの下端面に形成した弁室５
１に開閉可能に取り付けたものである。

また、逆止弁５には、開弁付勢用バネ或いは閉
弁付勢用バネを付設して、開・閉の圧力を適正に
調整しても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の実施例を示し、第１
図は単気筒ガスエンジンのガス燃料供給装置の縦
断正面系統図、第２図は同ガス燃料供給装置に用
いられるガスケツトの正面図、第３図は他の実施
例を示す逆止弁周辺の要部縦断面図、第４図は従
来技術を示すガス燃料供給装置の概略系統図であ
る。 １……ガス燃料・空気混合器、２……調圧済み
ガス燃料供給路、３……ガス燃料圧調整器、５…
…脈動圧緩衝用逆止弁、Ｅ……ガスエンジン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ガスエンジンＥのガス燃料圧調整器３を調圧済
   みガス燃料供給路２を介してガス燃料・空気混合
   器１に連通連結したガスエンジンのガス燃料供給
   装置において、 調圧済みガス燃料供給路２に脈動圧緩衝用逆止
   弁５を介装し、当該脈動圧緩衝用逆止弁５は、エ
   ンジンＥの吸気脈動圧のうち、ガス燃料圧調整器
   ３のガス燃料導通室２５の圧力よりも低い、谷側
   部分の圧力を受けた状態では、開弁して燃料ガス
   の流通を許すのに対して、ガス燃料導通室２５の
   圧力よりも高い、山側部分の圧力を受けた状態で
   は、ガス燃料圧調整器３の圧力に抗して開弁し
   て、燃料ガスの流通を休止させるように構成した
   ことを特徴とするガスエンジンのガス燃料供給装
   置。